梅雨の時期は客数減少が起こりやすい一方で、雨具や除湿関連商品の需要が一気に高まります。現場で意識している売場づくりと発注の工夫をまとめました。
梅雨は客数減少のリスクが大きい
梅雨入りすると雨の日が続き、お客様の外出頻度が減り、全体の客数は下がる傾向があります。 その一方で「雨の日にしか動かない商品」もあるため、需要を取りこぼさない準備が重要です。
梅雨に売れる商品トップ
- 傘:急な雨で買いに来るお客様が多い。安価なビニール傘が特に動く。
- 折りたたみ傘:常備用として選ばれるケースが多い。梅雨シーズンは丈夫で高価なものが売れやすい。
- カッパ・レインコート:自転車通勤・通学者向け。入口で目立たせると衝動買いに直結。
- タオル・ハンドタオル:濡れた体や荷物を拭く需要。入口付近に展開。
- 除湿剤・防カビ用品:住居やクローゼット用。雨の日のまとめ買い需要が多い。
特設エリア展開で効果を高める
梅雨の時期は約1ヵ月続くため、この期間だけでも傘・折りたたみ傘・カッパなどを特設エリアで大々的に展開することをおすすめします。 入口や店内で一番目立つ場所に展開することで、お客様の目に留まりやすくなります。
梅雨は突然の夕立のように一気に需要が爆発するのではなく、事前に準備するための需要が中心です。 折りたたみ傘や収納ケースなど「持ち歩き用・保管用」の商品は特に動きやすく、常備することを前提に高価で丈夫なものが選ばれる傾向があります。 スーパーやデパートが得意とする展開ですが、コンビニでも十分対応可能です。 「この時期に何が必要とされるか」を頭で描きながら、普段とは違う品揃えにすることがポイントです。
現場での工夫(エピソード)
私の店舗では、梅雨入り予報が出た週に傘の発注を通常の3倍に増やし、入口で展開しました。 すると「傘がここにあると助かる」という声をいただき、雨の日には一日で数十本が売れることもありました。
また、除湿剤は普段あまり動きませんが、雨が続くとまとめ買いが増えます。 以前、在庫を切らしてしまい「他の店に行くしかない」と言われた経験があり、それ以来は必ず多めに発注するようにしています。
発注と売場づくりのポイント
- 天気予報をチェック:「雨予報」の前日に重点商品を補充する。
- 入口・レジ前に展開:傘やタオルは衝動買いされやすい場所に置く。
- 関連販売:傘+タオル、除湿剤+防カビスプレーなどをセットで訴求。
- 特設エリア活用:梅雨時期だけは1ヵ月間、雨具・除湿関連商品を一頭地で大きく展開。
- 普段は控えめに:梅雨シーズン以外は売場縮小で在庫を抱えすぎない。
補足:予報に頼りすぎない準備の大切さ
予報を考慮せずに発注していると、急な雨による需要高騰で必ず品切れが起きます。 この時期は在庫置き場のスペースを多少圧迫してでも、最低限必要な傘や折りたたみ傘はあらかじめ発注しておくのがおすすめです。
天気予報に出ていない雨でも、お客様が動揺して「傘を持っていない」ケースは多く、確実に需要は発生します。 その時に品切れすれば機会損失は大きいものになります。 予報を追いかける手間をかけるよりも、事前準備で品切れを防ぐことが最重要です。
学び:梅雨は「準備の差」が売上に直結する
梅雨時期は客数減で落ち込みやすい一方、雨関連商品の需要は確実に発生します。 その需要を取りこぼさず対応できるかどうかが、売上の差になります。 「雨の日に助かる店」と認識されれば、リピーター獲得にもつながります。