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【現場エピソード】雨の日に学んだ転倒事故と店舗の責任

hanapapa
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雨の日の店舗運営で最も怖いのは「転倒事故」です。 実際に私の店でも、大雨の日にお客様が店内で滑って怪我をされたことがあります。 この経験から、雨の日の安全管理と店舗側の責任について深く学びました。

はなぱぱ
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普段はお店を明るく見せてくれるセラミックタイル。でも雨の日は滑りやすくなるので気をつけてくださいね。

店舗の床に使われる主なタイル種類まとめ

タイル種類特徴メリットデメリット主な使用場所
セラミックタイル(磁器質・陶器質)粘土を高温で焼き固めた硬質タイル。色やデザインが豊富。高級感があり、耐久性・耐汚性に優れる。掃除しやすい。水滴で滑りやすくなることがある。冬は冷たく感じやすい。コンビニ・スーパー・ショッピングモールなどの店内床。
ノンスリップタイル(防滑タイル)表面をザラつかせて滑りにくく加工したタイル。雨天時や厨房などでも滑りにくく、安全性が高い。汚れが溜まりやすく、清掃がやや手間。入口・バックヤード・トイレ・外構部分など。
ビニルタイル(PVCタイル/クッションフロア)樹脂素材でできた柔軟性のある床材。施工が簡単で安価。デザインバリエーションが多い。傷や凹みがつきやすく、長期使用で劣化しやすい。小売店舗、オフィス、ドラッグストアなど。
石材タイル(御影石・大理石など)天然石を加工した高級タイル。重厚感・高級感がある。耐摩耗性も高い。コストが高く、滑りやすい種類もある。百貨店、高級ブティック、ホテルロビーなど。
テラゾータイル(人造石)大理石や石片を混ぜて作られた人工石。高級感があり、模様やデザインが豊富。水や油で滑りやすくなる場合がある。商業施設・カフェなどデザイン性重視の店舗。
ラバータイル(ゴム製タイル)ゴム素材で弾力があり、転倒リスクを軽減。衝撃吸収性に優れ、滑りにくい。経年で変色・劣化しやすい。保育施設、スポーツジム、バックヤードなど。

「見た目」と「安全性」はトレードオフ
 デザイン性の高いタイルほど、滑りやすい傾向がある。特にセラミックタイルは「雨の日リスク」を意識して滑り止めマットを併用するのが理想。

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大雨の日に起きた転倒事故

ある大雨の日、ビーチサンダルを履いたお客様が小走りで入店。 濡れた床で足を滑らせて転倒し、腕を強打してしまいました。 病院に行っていただいたところ骨折と診断され、最終的に店舗側が賠償責任を負う形となりました。 お客様ご本人も「自分にも非がある」とおっしゃっていましたが、それでも店舗側の責任は免れませんでした。

はなぱぱ
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どんな形でも、店内で起きた事故は店の責任。だからこそ、未然に防ぐ姿勢が大事です。

注意点

傘袋の設置と雨天時の店内配慮ポイント

雨の日は、お客様が使用した傘をそのまま持ち込むことで、床がびしょびしょになってしまうことがあります。
これにより滑倒事故や清掃負担の増加など、さまざまなリスクが発生します。

そのため、入口付近に傘袋スタンドを設置し、
「水滴を店内に持ち込ませない仕組み」を整えることが大切です。

また、カッパを着たままの入店も、予想以上に床へ水滴を落とす原因になります

はなぱぱ
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「お急ぎのところ申し訳ありませんが、店内ではカッパを脱いでいただけるようお願いします」と、やさしく声かけするだけでも事故防止につながります。

対策項目内容・目的実施ポイント
① 傘袋スタンド・傘立ての設置傘の水滴が店内に持ち込まれるのを防ぎ、床の濡れを最小限に抑える。・入口付近に設置しやすい動線を確保する。・雨の日限定でも効果あり。・カッパ着用の方にも声かけを行う。
② 注意喚起札の設置(滑りやすい表示)お客様自身に注意を促し、転倒事故を未然に防ぐ。・入口・通路・トイレ前など目立つ場所に設置する。・「雨の日は滑りやすくなっております」など明確な文言を使用。
③ 吸水マットの設置水滴を吸収し、滑りを防止。清掃負担も軽減する。・防滑タイプのマットを使用する。・濡れたマットはこまめに交換。・マット下も定期的に清掃する。
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小さな備えの積み重ねが「安全」と「信頼」を生みます。
店内での転倒事故は店舗責任となる可能性が高いため、
この3つの備えを雨の日の標準対応として徹底しましょう。

店舗側が問われる責任

判例

裁判例でも一貫して言えるのは、店舗側には「予見可能性」と「結果回避義務」があるということです。 つまり「雨の日に床が濡れるのは予想できるはず」「それを防ぐ義務がある」という考え方です。 たとえお客様がサンダルで走って入店したとしても、責任は店舗側に問われるケースが多いのです。

予見可能性とは?

「起こりそうな危険をあらかじめ予測できたかどうか」ということです。

たとえば――
雨の日に床が濡れて滑りやすくなることは予測できます。
それなのに、マットや注意札を設置しなければ、
「予見できたのに対策しなかった」としてお店の責任(過失)になります。

つまり、
👉 予見できる危険には、事前に対策をとることが大切です。

結果回避義務とは?
「危険を予測できたなら、それを防ぐ行動をとる義務」のことです。

たとえば、
雨の日に床が滑りやすくなると分かっているなら、
マットを敷いたり、注意札を出したりして事故を防ぐ必要があります。

👉 わかっていたのに何もしないと、お店の過失になります。

はなぱぱ
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つまり、いつでも危険を想定して、一歩先の対応を心がけるってことですね。

現場で学んだ教訓

  • 入口やレジ前は特に濡れやすく、こまめな拭き取りが必須
  • マットや水切りで持ち込み水分を減らす工夫
  • 雨の日はスタッフに「安全確認」を優先してもらう
  • 清掃後は「滑りやすいのでご注意ください」と注意喚起も忘れずに

現場で痛感したのは「数分放置しただけで事故につながる」ということ。 雨の日はいつも以上に「安全管理最優先」で臨む必要があります。 そして、こうした取り組みは単なる事故防止ではなく、お客様との信頼を守る行動でもあります。 「この店は安心して来られる」と思っていただけるように、日々の小さな安全管理を積み重ねていくことが大切だと感じました。

はなぱぱ
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雨の日の安全対策はスタッフ教育にも直結します。
「今日は雨だからいつもよりモップを多く掛けよう」「お客様に声をかけよう」など、
日々の小さな意識づけが安全文化をつくります。

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まとめ:雨の日は「売上より安全管理を優先」

雨の日の転倒事故は、「予見できたのに防がなかった」と判断されやすく、店舗側の責任が重く問われます。
お客様にとっては「たまたまの事故」でも、経営者にとっては一度の油断が信頼を失う致命的な結果を招くこともあります。

私自身もこの経験を通じて、「売上を上げること」と「お客様を守ること」は両立できるということを強く実感しました。
雨の日は売上が落ちやすく、「少しでも数字を伸ばそう」と焦る気持ちもありますが、だからこそ「安全を最優先に行動できるか」が経営の真価だと思います。

転倒事故のようなトラブルは、店舗にとって単なる「不運な出来事」ではなく、
日々の運営姿勢を見直すチャンスでもあります。
たとえば入口マットの配置ひとつ、モップ掛けのタイミングひとつでも、事故の可能性は大きく減らせます。
そして、そうした小さな積み重ねが「この店はいつ来ても安心」と感じていただける信頼につながります。

また、雨の日の安全対策はスタッフ教育にも直結します。
「雨の日はいつもよりゆっくり歩こう」「お客様に一声かけよう」といった意識を共有するだけで、チーム全体の意識が変わります。
安全への取り組みは、スタッフの成長機会でもあり、お客様の安全を守るチーム文化を育てるきっかけにもなります。

最終的に、店舗経営者としての使命は「売上をつくること」ではなく、「信頼を積み上げること」だと私は考えています。
どれだけ商品が良くても、どれだけ売場が整っていても、安全管理が欠けていてはすべてが台無しです。
だからこそ、雨の日こそ「売上よりも安全管理を優先する」という姿勢を徹底し、
お客様にもスタッフにも安心して利用してもらえる店舗づくりを心がけていきたいものです。

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経営者
はじめまして、はなぱぱです。 コンビニ経営に携わって13年。 店舗での経験や経営者としての苦労、従業員教育の工夫などをまとめています。 経営者や店舗責任者はもちろん、従業員の方にもわかりやすく役立つ情報を発信していきます。
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