収益改善のヒント
PR

ルイボスティーに学ぶ経営戦略|価格と容量の選ばれる理由

hanapapa
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

最近ようやく涼しくなってきましたが、夏場の猛暑では多くの方がソフトドリンクを手に取られたのではないでしょうか。私の店舗でも、この夏特に目立って売れていたのが「ルイボスティー」でした。

なぜルイボスティーが売れるのか?

ひとつの大きな理由は 大容量・低価格 です。
従来であれば500mlの商品と600mlの商品で100mlの差はあまり意識されていませんでした。しかし、最近ではこの“たった100ml”の差が売上に直結しています。特に 同じ価格なら600mlを選ぶ という消費者心理が強く表れていると感じます。

物価上昇の影響で、少しでもお得に感じられる商品が選ばれる傾向が強まっています。ペットボトル飲料に限らず、「価格」と「容量」のバランス が、商品選びの重要な基準になってきているのです。

はなぱぱ
はなぱぱ

私自身も飲んでみましたが、スッキリして飲みやすく、後味も残りません。ジャスミンティーのようなハーブティーに近いイメージですが、クセが少なく水感覚で飲める点が特徴的です。ジャスミンティー特有の香りが苦手な人でも、ルイボスティーなら取り入れやすいかもしれません。今年の夏も暑かったため、ちょうど良かったのかもしれないですね。

発注リズムの考え方|曜日ごとの売上推移に合わせた調整で廃棄と欠品を防ぐ
発注リズムの考え方|曜日ごとの売上推移に合わせた調整で廃棄と欠品を防ぐ

ルイボスティーの健康・美容効果

また、ルイボスティーは単に「安くて多い」だけではなく、健康や美容への効果が期待されている点も人気を後押ししています。

  • リラックス・安眠効果:ミネラル成分が神経の興奮を抑え、睡眠の質を高める
  • 美肌・新陳代謝:抗酸化作用で老化予防やニキビ対策に役立つ
  • むくみ改善:カリウムなどが余分な水分や塩分を排出する
  • 便秘対策:腸内で水分を集めて便を柔らかくし、通便を促す
  • アレルギー症状の緩和:抗酸化・抗ヒスタミン作用によって花粉症などに効果が期待される

さらに ノンカフェイン であることから、妊娠中の方や子ども、高齢者まで安心して飲める点も大きな魅力です。

はなぱぱ
はなぱぱ

ルイボスティーが日本で注目を浴び始めたのは、1980年代中盤の第1次ルイボスティーブームのようです。自分の店で並べるまで全く知らなかったです。

あわせて読みたい
【コンビニ経営】廃棄率の適正ラインと投資判断|利益を守るバランス感覚とは?
【コンビニ経営】廃棄率の適正ラインと投資判断|利益を守るバランス感覚とは?

価格比較で見えてくること

メーカーや販売チャネルごとに価格を比較すると、同じルイボスティーでも1本あたり 70円台〜120円台 と大きな差があります。
同じ「健康に良い」とされる商品であっても、容量や価格差が購入動機に強く影響していることがよく分かります。

各メーカーのルイボスティーを比較すると、同じように見える商品でも価格や容量に大きな差があることがわかります。特に500mlと600mlの容量の違いは、消費者の選択に直結するポイントです。

参考資料
メーカー容量(本数)ケース価格(税込)1本あたり価格
伊藤園600ml × 24本約2,241円約93円
サントリー600ml × 24本約2,890円約120円
ハルナプロデュース500ml × 24本約2,216円約93円
サンガリア500ml × 24本約2,306円約96円
成城石井(PB)500ml × 1本約150円150円
コストコ500ml × 24本約1,769円約74円

最もコスパが良いのはコストコ(74円/本)で、大手ブランドのサントリー(120円/本)や単品販売の成城石井(150円/本)と比べると、価格差は歴然です。今後も『容量+価格』のシビアな比較が、購買行動に影響していくことは間違いありません。

日本でのルイボスティー市場は長い間“こだわり派向けの商品”という位置にありました。しかし近年、飲料業界全体で「健康志向」「無添加・ナチュラル志向」がトレンド化する中で、ルイボスティーの需要が急拡大するフェーズへと移行しました。
例えば、2017年からの6年間でルイボスティーの売上が約14倍に伸びたという調査結果もあります。この勢いは、大手飲料メーカーがルイボスティー入り製品を本格発売する動きと合致しています。

特に注目すべきは、清涼飲料水(ペットボトル飲料)としてのルイボスティー の展開拡大です。例えば伊藤園は、2020年3月に容量600mlのペットボトル版「ヘルシールイボスティー」を全国発売し、より日常飲料としてのポジションを強化しました。

こうした流れを背景に、ルイボスティーは「健康・美容・利便性」の三拍子揃った商品として、消費の中心に近づいてきたと考えられます。

まとめ

ルイボスティーの売れ行きから学べるのは、 「消費者は小さな価格差・容量差に敏感になっている」 ということです。
物価上昇が続く中で、消費者は単に「安いもの」を選ぶのではなく、 「価格と容量のバランス」 をシビアに見極めるようになっています。

ここから私たち経営者が学ぶべきは、 「価格競争に巻き込まれるだけでは生き残れない」 という現実です。
店舗経営においては、単に低価格商品を並べるだけでは差別化できず、

  • 「なぜこの商品を選ぶべきなのか」
  • 「他では得られない価値は何か」

をお客様に明確に伝える必要があります。

はなぱぱ
はなぱぱ

値下げはその場の売り上げをつくることができますが、その商品の将来の価値を下げてしまうと私は考えます。

そのために意識すべきは、 「お得感」と「付加価値」を両立できる商品訴求 です。
容量や価格での競争力はもちろんのこと、健康・美容効果やライフスタイルに合う提案など、+αの価値を伝えることが、今後の売場づくりで欠かせない視点だと感じます。

つまり、今回のルイボスティーの動きを通じて見えたのは、 「数字の裏にある消費者心理」 です。
価格や容量という分かりやすい指標の裏には、「少しでも得をしたい」「安心して続けたい」という心理が必ず存在します。

経営者としては、数字の動きを冷静に追いながら、 その背景にある顧客心理をどうつかみ、どう提案に結びつけるか を考えることが、持続的な成長へのカギになると思います。

新着記事

コンビニ経営lab - にほんブログ村
ABOUT ME
はなぱぱ
はなぱぱ
経営者
はじめまして、はなぱぱです。 コンビニ経営に携わって13年。 店舗での経験や経営者としての苦労、従業員教育の工夫などをまとめています。 経営者や店舗責任者はもちろん、従業員の方にもわかりやすく役立つ情報を発信していきます。
記事URLをコピーしました