【現場エピソード】万引きの本当のリスクは「商品代」ではなく「時間と心」

現場エピソード

万引きは商品のロスだけでなく、時間的損失や精神的負担の方が大きいと感じます。実際の現場エピソードを通じて、リスクと防止策をまとめました。

万引きで一番大きいのは「時間のロス」

万引きの被害額は100円や200円程度の商品かもしれません。 しかし、店側にとって本当に大きいのは時間的損失です。

警察に連絡し、事情聴取、被害届の判断…これだけで2〜3時間はかかります。 その間、店舗運営に集中できず、他のお客様へのサービスもおろそかになる。 小さな金額以上に「時間と心」が奪われるのが現実です。

常連客による万引きという現実

ある常連のお客様。80代くらいの男性で、毎日のように来店し、スタッフに飲み物やお菓子の差し入れをくださる方でした。 ところが、ある日防犯カメラを見ていると、手荷物袋に商品を入れる姿を目撃。 「まさかこの人が」と信じられない気持ちで声をかけると、本人はすぐに認めました。

話を聞くと、お金に困っていたわけではなく、理由は「スリルが欲しかった」とのこと。 小さい頃から同じようなことを繰り返していたとも話しており、非常に残念な気持ちになりました。 警察に引き渡しましたが、地域にもその情報は広まり、信頼していた分だけショックも大きかったです。

繰り返す常習性と高齢者の増加

別のケースでは、高齢の女性がウイスキーの瓶を繰り返し盗んでいたこともありました。 こちらもお金に困っていたわけではなく、ただ「スリルを味わいたかった」とのこと。 事情を聞こうとしても「自分は常連客だ」「いつも買い物している」と言い張るばかりで、会話になりませんでした。

近年は高齢者の万引きが非常に多いのが現実です。 一方、若者はSNSなどを通じて「情報が拡散されるリスク」を理解しているため、むしろ減っている印象があります。

防止策は「当たり前のことを当たり前に」

万引きを完全に防ぐことは難しいですが、日常の中でリスクを減らすことは可能です。

  • 入店時にしっかり顔を見て挨拶する
  • 混雑時こそ売場に出て陳列を整える
  • お客様と会話をして「目が届いている環境」を作る

スーパーやデパートと比べると、コンビニは狭くて目が届きやすい環境です。 だからこそ、日々の基本行動を徹底するだけでも防止効果は大きいと実感しています。

まとめ

万引きのリスクは「商品代」よりも「時間と心」の喪失にあります。 常連客による裏切りのようなケースもあり、精神的にも負担が大きい。 しかし、挨拶や会話といった当たり前のことを当たり前に行うことで、防げる部分も多いはずです。

残念な思いをしないために、そして地域のお客様に安心して利用してもらうために、 毎日の小さな積み重ねが何よりの防止策だと感じています。

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