【店舗運営】“見た目の気温”と“肌で感じる気温”は違う|発注を変える「前日差5℃ルール」
こんにちは、はなパパです。
同じ30℃でも「めちゃくちゃ暑い日」もあれば、「少し和らいだ日」もありますよね。
実はこの体感の差が、飲料・アイス・麺類などの売れ方にダイレクトに効きます。今日は、現場での経験から、気温の“前日差”を軸に発注と売場を調整するコツをまとめます。
同じ30℃でも売れ方が変わる:二つのシチュエーション
状況 | A)25℃ → 30℃(一気に上昇) | B)35℃ → 30℃(和らぎ) |
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体感 | 「急に暑くなった!」と感じる(真夏モードに切替) | 「昨日より涼しい」と感じる(過ごしやすい) |
動きやすい商品 | 冷飲料全般/アイス/氷・冷感グッズが急伸 | 冷飲料は維持〜微減、 冷やし麺・サラダは安定、温かいお茶・スープ系(カップ麺)がやや復調 |
発注の考え方 | 冷飲料・アイスを前週同曜比で+20〜50%目安(初夏は特に跳ねやすい) | 冷飲料は±0〜−10%、代わりに食事系(麺・総菜)を+10〜20% |
売場・声かけ | 入口〜レジ前に訴求場所変更など「今日急に暑くなりましたね。新作アイス好評です!」 | 冷飲料は見せ筋を維持しつつ、弁当・麺のフェイスを拡大/「食事もしっかりどうぞ」 |
※数値は現場の経験に基づく目安です。店舗の立地・客層で調整してください。
小さな変化と大きな変化の違い
気温の変化は常に消費行動に影響を与えますが、1〜2度ずつの緩やかな変化であれば、大きな行動の変化はほとんど見られません。 しかし、一気に5度以上変化すると状況は大きく変わります。 同じ30℃でも、昨日25℃から上がった30℃と、35℃から下がった30℃では、体感も購買行動もまったく違う結果になります。
このように、消費者の行動は「絶対的な気温」ではなく、変化幅の大きさによって敏感に動きます。 そのため、発注や売場づくりを考える際は、数値だけでなく「前日比」を必ず意識することが重要です。
体感温度を左右する6要素
- 前日差:±5℃以上の変化で行動がガラッと変わる(はなパパの現場ルール)。
- 季節の位置:春→夏の立ち上がりは同じ30℃でも「より暑く」感じやすい。
- 湿度:蒸す日は冷飲料・氷・アイスの反応が強い(WBGTが高い日)。
- 日差し・風:晴れ無風は体感↑、曇り・風ありで体感↓。
- 時間帯:朝は温かい飲料が残りやすく、午後〜夕方は冷飲料が加速。
- 前週同曜・イベント:同じ30℃でも、行事・部活大会・帰省で需要が跳ねる。
発注と売場運用:3ステップでやる
- 前日差を見て“モード”を決める
基準:±5℃で「冷やすモード」or「食事モード」に切替。 天気予報は「最高・最低・湿度・風・体感」をセットで確認。 - カテゴリ別に係数で増減
- 冷飲料:+5℃で+20〜40%、−5℃で−5〜10%
- アイス:立ち上がり期(5〜6月)は+30〜60%も珍しくない
- 冷やし麺・サラダ:暑さ和らぎで+10〜20%
- 温かいお茶・スープ系:和らぎ&雨で微増
- 売場と声かけを連動
- +5℃モード:入口・動線に冷飲料/レジ前にアイス・氷カップ。
声かけ例:「今日、急に暑くなりましたね。新作アイス、よく出てます!」 - −5℃モード:弁当・麺の前出し、温かいお茶を視認位置へ。
声かけ例:「今日は昨日より過ごしやすいですね。温かいお茶、入荷してます」
- +5℃モード:入口・動線に冷飲料/レジ前にアイス・氷カップ。
かんたん発注式(メモ用)
発注数 = 基準売上(前週同曜) × 天候係数(前日差・湿度) × 曜日係数 × 在庫補正 − 棚在庫
“天候係数”に前日差(±5℃)を反映させるだけでも、ムダな廃棄や欠品が減ります。
現場で使えるチェックリスト
- ☑ 前日差が±5℃以上か?(まずここ)
- ☑ 湿度・風・日差しの体感要素は?
- ☑ 初夏の立ち上がりか、真夏の和らぎか?
- ☑ 入口〜レジ前の見せ筋は“今日のモード”に合っているか?
- ☑ 声かけフレーズを全員で共有したか?
ケーススタディ:数字で見る微調整
例)前週同曜の冷飲料販売300本/今日は25℃→30℃(+5℃)・湿度高め
- 天候係数:+5℃で1.30、湿度高めで1.05 → 合計1.37
- 目安発注:300本 × 1.37 = 411本(既存在庫を差し引いて端数調整)
- 売場:冷ケース増面、入口プロモ、氷・カップ配置、アイス前出し
まとめ:気温の“数字”ではなく“変化”を見る
発注を外す原因の多くは「最高気温だけ」で判断してしまうこと。
同じ30℃でも、どこから30℃になったのか(前日差)で体感が変わり、売れ方も変わります。
はなパパの結論はシンプル。「前日差±5℃ルール」を軸に、売場と発注・声かけを変える。
これだけで、欠品と廃棄が減り、売上と満足度が上がります。ぜひ、明日の発注から試してみてください。
では、また現場で会いましょう!