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【店舗運営】同じ30℃でも売れ方が違う理由|体感温度と「前日差5℃ルール」で発注精度を上げる

hanapapa
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

――「昨日も30℃、今日も30℃。なのに売れ方が全然違う!」 そんな経験、現場でありませんか?

実はこの違い、気温そのものではなく“体感温度”にあります。 天気・湿度・風・日差しなどの条件で、同じ30℃でも“暑く感じる日”と“過ごしやすい日”が生まれるのです。

私は店舗の発注を担当していた頃、何度もこの「30℃のズレ」に悩まされました。 冷たい飲料が思ったほど売れない日もあれば、アイスが一気に完売する日もある。 その違いを分析していくうちに見えてきたのが、 “前日との差5℃ルール”―― 「前日との気温差が5℃以上ある日は、お客様の体感行動が大きく変わる」という現場経験則でした。

発注精度を上げる鍵は、“最高気温”ではなく“前日との差”。
気温の数字より、“人の感じ方”を見ることで、売場はもっと動きます。

この記事では、
気温変化による体感温度の違いをもとに、
飲料・アイス・惣菜などの発注判断を改善する「前日差5℃ルール」の考え方を紹介します。 明日の発注からすぐに使える、実践的なヒントです。

はなぱぱ
はなぱぱ

皆さんも一度は感じたことがあるのではないでしょうか。夏に“あれ?今日はちょっと涼しいな”と思う日があったり、冬でも前日より気温が5度くらい上がると“今日はなんだか暖かいな”と感じたり。そんなちょっとした気温の変化って、体感ではかなり大きいですよね。今回は、こういったところに着目して記事を作成していきたいと思います。

では実際に、同じ30℃でも「売れ方が変わる2つのシチュエーション」を見ていきましょう。
この違いを知るだけで、冷飲料・惣菜・アイスの発注が一段と精密になります。

同じ30℃でも売れ方が変わる:2つのシチュエーション

シチュエーションの違いがもたらすもの

「暑い!」と感じる30℃と、「涼しい」と感じる30℃

同じ30℃でも、日によって「暑く感じる日」もあれば、「少し涼しいな」と感じる日もあります。 この“体感の差”が、売上に大きく影響します。

例えば、こんな2つのシチュエーションを想像してみてください。

状況A)25℃→30℃(一気に上昇)B)35℃→30℃(気温が低下)
お客様の体感「急に暑くなった!」と感じる(夏モード突入)「昨日より過ごしやすい」と感じる(暑さがやわらぐ)
売れやすい商品冷飲料・アイス・冷麺系が急伸(体を冷やしたい心理)温かい惣菜・スープ・弁当系がやや回復(食欲戻り傾向)
発注の考え方冷飲料・アイスを+20〜50%増(特に炭酸・氷・氷菓)冷飲料は+10%、弁当・惣菜・お茶類を+10〜20%調整
売場・声かけ「今日は急に暑くなりましたね!冷たいアイスおすすめです!」「今日は少し涼しくなりましたね。温かいお惣菜、いかがですか?」

このように、同じ30℃でも「昨日からどう変化したか」で発注と売場対応は真逆になります。 数字ではなく「体感の流れ」を読むことが、発注精度を大きく高めるコツです。

気温の“絶対値”より、“前日との変化”を見る。
発注判断の精度は「数字の読み方」ではなく「感じ方の読み方」で決まります。

発注ミスの多くは「前日の延長」で起きる

発注現場でよくあるのが、「昨日と同じ気温だから同じ量でいいだろう」という判断。 しかし、この考え方が最も危険です。

たとえば、昨日が25℃で今日は30℃の場合、 お客様の体感は「急に暑くなった!」と切り替わります。 一方で、昨日が35℃で今日は30℃なら「今日は過ごしやすい」と感じ、冷たい飲料の動きは鈍くなります。

つまり、気温の“絶対値”は同じでも、売れ方の方向性はまったく逆。 体感温度の変化を見逃すと、在庫過多や欠品といった発注ミスにつながります。

はなぱぱ
はなぱぱ

同じ30℃でも、“気温が上がって30℃になった”のか、“下がって30℃になった”のかで、感じ方はまったく違いますよね。こういった部分は人間の感覚だからこそわかることで、AIにはまだ判断が難しいと思います。だからこそ、人の力をうまく活用して、発注などの精度を高めていくことが大切です。

「前日差5℃」を発注ルールにする

私が現場で使っていたのが、「前日差5℃ルール」です。 前日から5℃以上変化した場合は、お客様の体感が一気に切り替わるサイン。 このラインを超えたときは、売場と発注のモードを切り替えます。

たとえば――

  • 前日より5℃上がったら → 冷飲料・アイス・氷系を中心に+30〜50%増。
  • 前日より5℃下がったら → 弁当・惣菜・温かいお茶・スープ系を+10〜20%増。

この基準をチーム全員で共有することで、発注のズレが減り、 売場づくりにも一貫性が生まれます。

“前日差5℃”は、体感が変わる境目。
データではなく“感覚の変化”を数字で捉えるのが、現場経営の第一歩です。

では次に、この「前日差5℃」のような気温の変化が、 実際にどのくらいお客様の行動を変えるのか。 “1〜2℃の小さな差”と“5℃以上の大きな変化”の違いを見ていきましょう。

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小さな変化と大きな変化の違い

急激な気温差が生むもの

“1〜2℃の変化”では動かない、“5℃の変化”で一気に動く

気温は毎日少しずつ変化していますが、1〜2℃の差ではお客様の購買行動に大きな違いは出ません。 しかし、5℃以上の変化があった日は、明確に売れ方が変わります。

たとえば―― 昨日25℃から今日30℃に上がった場合、「急に暑くなった!」と体が反応し、 冷たい飲料・アイス・氷関連の売上が一気に伸びます。 一方、昨日35℃から今日30℃に下がった日は「今日は過ごしやすい」と感じ、 温かい惣菜・弁当・お茶など“食”の動きが回復してきます。

このように、数字の差はわずかでも、お客様の“感じ方”は5℃でスイッチが入るのです。 前日の気温差を意識した発注を行うだけで、 「在庫のズレ」「欠品」「売れ残り」を確実に減らせます。

気温の“絶対値”ではなく、“前日との差”を基準に考える。
売上を左右するのは、気温ではなく“人の体感温度”です。

変化を読む店は、売場も軽やかに動く

数字に頼りすぎる発注は、「昨日と同じでいいか」と思考停止しがちです。 でも、前日との差を読み取れる店は、毎日が“気づき”の連続。 売場づくりにもリズムが生まれます。

「今日は湿度が高いから氷系を前に出そう」 「少し涼しいから、温かい惣菜を入り口側に」―― こうした小さな調整が、結果的に“売場の呼吸”を整えます。

はなぱぱ
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数字は見るものじゃなく、感じるもの。
気温の“変化”を読む力が、発注上手を育てます。

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体感温度を左右する6要素

数字と感覚の結びつき

「数字」よりも「感覚」で判断するための6視点

実際に、気温だけでなく周囲の条件が体感温度を大きく変えます。 私はこれを“体感温度6要素”として、毎朝の発注ミーティングで確認していました。

  • ① 前日差: ±5℃以上の変化があれば、体感・購買行動が切り替わる(=“前日差5℃ルール”)。
  • ② 季節の位置: 春~夏の立ち上がりは、同じ30℃でも「暑く感じやすい」。逆に秋口は慣れで体感が鈍くなる。
  • ③ 湿度: 湿気が高いと冷飲料・アイスが動きやすく、氷・炭酸系の反応も強くなる。
  • ④ 日差し・風: 晴れて無風なら体感は上昇。曇り・風ありなら「過ごしやすい日」と判断。
  • ⑤ 時間帯: 朝はまだ冷えが残りやすく、午後~夕方は一気に体感上昇。発注時は時間帯を意識。
  • ⑥ 前週同曜日のイベント: 行事・部活大会・催事などがある日は、同じ気温でも需要が増加。

この6つを意識するだけで、 「今日は冷たい商品が動くのか」「温かい惣菜を強化すべきか」が即座に判断できます。

天気予報は“数字の情報”、現場が見るのは“感じ方の情報”。
同じ30℃でも、売れるモノは6つの要素で変わります。

「天気を読む」より「お客様の体感を読む」

この6要素は、気象予報を見るよりも現場で感じ取ることが大切です。 外に出た瞬間の「空気の重さ」「風の動き」「日差しの強さ」―― この“肌感覚”が、データよりも正確に売上を教えてくれます。

実際、売場に立つスタッフの一言で発注が変わることもあります。 「今日はジメジメしてる」「ちょっと風が涼しいね」―― この“感覚の共有”が、現場の強みです。

はなぱぱ
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気温を読むな。空気を読め。
それが、はなパパ流「発注の勘」の磨き方です。よく販売する日の状況を考えて、どのような売り場になっているのがベストなのかのイメージをしてから発注しなさいと伝えてます。

では次に、これらの体感要素を踏まえて、 実際に「前日差5℃ルール」をどう発注と売場運営に落とし込むのか。 3ステップで実践できる方法を紹介します。

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発注と売場運用:3ステップでやる

3ステップから取り組もう

ステップ① 前日差を見て“モード”を決める

まずは、発注前に「前日と比べてどのくらい気温が変化しているか」を確認します。
この時点で、お客様の体感がどちらのモードに切り替わるかを判断しましょう。

  • +5℃以上 → 「冷やすモード」: 冷飲料・アイス・氷系・炭酸などを中心に展開。
  • −5℃以上 → 「温めるモード」: 弁当・お茶・スープ系・惣菜の温系カテゴリーを前面に。

天気・湿度・風・体感をセットで確認するのもポイントです。
「晴れて無風で湿度高め」なら、同じ+5℃でもさらに冷飲料の動きが強まります。

発注の基準は“最高気温”ではなく“体感の切り替わり”。
天気予報よりも、お客様の“今日の感じ方”を読むことが大切です。

ステップ② カテゴリ別に係数で増減する

次に、気温の変化に応じてカテゴリーごとに増減率を設定します。 私が現場で使っていた目安は以下の通りです。

  • 冷飲料: +5℃で+20〜40%、−5℃で−5〜10%。
  • アイス: +5℃上昇で+30〜60%。特に5〜6月は反応が早い。
  • 冷やし麺・サラダ: +5℃で+10〜20%。−5℃なら半減することも。
  • 温かいお茶・スープ系: −5℃で+5〜10%。寒暖差が出た日は微増でも動く。

「係数をかける」発注を意識するだけで、勘頼りではなく“データ×体感”のバランスが取れます。

はなぱぱ
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「勘で増やす」より、「理由を持って増やす」。
これだけで、発注ミスは激減します。

ステップ③ 売場と声かけを連動させる

売場づくりと声かけを“前日差モード”に合わせると、商品の動きが目に見えて変わります。

  • +5℃モード: 入り口・動線に冷飲料、レジ前にアイス・氷カップ。
    「今日は急に暑くなりましたね!冷たいドリンク、よく出てます!」
  • −5℃モード: 弁当・温惣菜を前列へ。
    「今日は昨日より少し涼しいですね。温かいお茶、人気ですよ。」

売場の温度感とスタッフの声のトーンが一致すると、 お客様の“買うきっかけ”が自然と増えます。

売場の温度は「気温」ではなく「声」で変わる。
同じ商品でも、ひと言で体感が変わります。

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現場で使えるチェックリスト

確認事項

「前日差5℃ルール」を活かす朝ミーティングのチェックポイント

  • □ 前日との差は±5℃以上あるか?(=モード切り替えの目安)
  • □ 湿度・風・日差しの体感条件は?(冷飲料か惣菜かの判断基準)
  • □ 季節の立ち上がり・真夏日の入り口か?(慣れによる体感の違い)
  • □ 売場配置は“今日のモード”に合っているか?(入口・動線確認)
  • □ 声かけフレーズは全員で共有できているか?(一体感の演出)

この5つを確認するだけで、 チーム全体が“今日の気温に合った発注・販売モード”に揃います。

はなぱぱ
はなぱぱ

チェックリストは、店の“呼吸”を合わせるツール。
一人ひとりの気づきが、店舗全体のリズムを整えます。

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ケーススタディ:数字で見る微調整

数字判断も忘れずに

+5℃上昇日の例(冷飲料)

前週同曜日の販売実績:冷飲料300本/今日の予想気温25℃→30℃(+5℃)/湿度高め

係数設定:

  • 気温+5℃ → 1.30倍
  • 湿度高め → 1.05倍
  • 合計係数 = 1.35倍

発注量:300本 × 1.35 = 405本(+105本) → 冷ケース・入口前・レジ横に冷飲料を展開し、アイス・氷カップも前出し。

数字の裏に“空気の重さ”を見る。
気温だけでなく、湿度・風・日差しの情報も掛け算で考える。

まとめ:気温の“数字”ではなく“変化”を見る

イメージ

発注を外す原因の多くは、「最高気温」だけで判断してしまうこと。 しかし本当に大切なのは、「どこから30℃になったのか」――つまり“前日との差”です。

同じ30℃でも、昨日25℃から上がった30℃と、35℃から下がった30℃では体感が全く違います。 その違いを読むだけで、発注・売場・声かけのすべてが変わります。

前日差±5℃ルールで“感じ方”を読む。
数字を追うより、空気の変化を読むことが、発注の精度を上げるコツです。

このルールを取り入れるだけで、欠品と廃棄が減り、売上と満足度が上がります。 明日の朝の発注から、ぜひ“前日差5℃”を意識してみてください。

はなぱぱ
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天気は変えられない。

でも、“感じ方”を読めば、売場は変えられる。

それが、現場経営の面白さです。

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はなぱぱ
はなぱぱ
経営者
はじめまして、はなぱぱです。 コンビニ経営に携わって13年。 店舗での経験や経営者としての苦労、従業員教育の工夫などをまとめています。 経営者や店舗責任者はもちろん、従業員の方にもわかりやすく役立つ情報を発信していきます。

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