【雨の日に売れる商品と客数変化】安全対策と売上確保の現場ポイント
雨の日は来店客数が減りやすく、「今日は売上が落ちるな…」と感じる店舗も多いでしょう。 しかし実際の現場では、雨の日だからこそ売れる商品・動きやすいカテゴリ・売上に直結する工夫があります。
コンビニの雨天営業は、 ・客数減 ・目的買いの増加 ・突発需要の発生 ・安全管理の重要度UP など、普段とは異なる動きが顕著に現れます。
雨の日に来店されるお客様は「今日必要なもの」を目的に来店するため、 売場づくりや補充、導線の工夫次第で客単価が伸びるチャンスに変わります。 一方で雨の日特有の転倒事故リスクも高まるため、売上と同じくらい安全対策も重要です。
日々の店舗運営の中で、雨の日はどうしても「マイナスの日」と捉えられがちですが、 実は売上確保+信頼構築がしやすい日でもあると私は現場で感じています。
ここでは、私自身の運営経験をもとに、雨の日に売れる商品と、 “売上を落とさず、安全も守るため”に実践してきたポイントをまとめて紹介します。

雨の日だから客数が減ると諦めるのではなく、限られたお客様にどう価値を提供できるかで、お店の真価が決まります。
雨の日に客は増える?減る?

雨の日は「客数が減る」と感じる店舗が多いですが、実際の現場では “減る部分” と “増える部分” の両方が存在します。 ポイントは、単純に客数だけで判断せず、来店するお客様の質(購買確度)と目的を見ることです。
ここでは、私が実際の店舗運営で感じてきた「雨の日の客数変化」をわかりやすく整理します。
① 基本は客数が減る ― しかし“質”は上がる
雨の日は外出そのものが面倒になるため、 「なんとなく寄るお客様」は確実に減ります。
その一方、雨の中でも来店されるお客様には共通点があります👇
つまり客数は減っても“客単価が伸びやすい”のが雨の日の特徴です。

雨の日は、来店数は少なくても「買って帰る確度の高いお客様」が多い印象です。 無駄な動きが減る分、売場づくりがそのまま数字に反映されます。
② 地域や時間帯によっては“一時的に客数が増える”ケースもある
意外に思われるかもしれませんが、雨の日でも場面によっては客数が増えます。
このように「雨だから客数が減る」という単純な話ではなく、 雨の降り方×時間帯×店舗立地で客数は大きく変化します。
③ “売上が落ちる日”ではなく「売上の作り方が変わる日」
雨の日は客数が読みにくいぶん、 “来てくれたお客様の満足度をどう上げるか” が売上の鍵になります。
売上確保のポイントはシンプルで、 客単価 × 客数を両方少しずつ底上げすること。
雨の日は客数が減る=接客密度が上がる日でもあります。

雨の日の声かけって、本当に刺さるんです。 「急に降ってきましたね」「足元お気をつけて」と少し寄り添うだけで、 お客様は“気持ちを受け取ってくれた店”だと感じてくれます。
④ 結論:雨の日は“売上のチャンス”にもなる
雨の日は確かに客数が減りますが、 来店されるお客様は “本当に必要なものを買いに来るお客様” が中心です。
雨の日だからこそ、 「来てくれたお客様の気持ちに寄り添う売場」と「安全な店舗づくり」が大切です。

雨の日に売れる商品ランキング

雨の日は客数こそ少なくなりますが、来店されるお客様は目的買いの確度が高いため、 商品によっては晴れの日より売れるカテゴリも存在します。 ここでは、実際の店舗現場で動きが顕著だった「雨の日に売れる商品」をランキング形式で紹介します。
☂️ 1位:傘(ビニール傘・折りたたみ)
雨の日に最も売れるのはやはり傘。 特に「降り始め」「帰りの急な雨」のタイミングで需要が一気に跳ね上がります。
価格帯の幅を持たせることで客層のニーズに幅広く対応できます。

ビニール傘はもちろんですが、意外と売れるのが“ちょっと良いやつ”。 急な雨ほど「今日はこれでいいか」で高単価が売れます。
🧼 2位:レイングッズ(タオル・ハンドタオル・靴下)
雨に濡れてしまうと「ちょっと拭きたい」「靴下替えたい」という 不快感を解消するための需要が一気に高まります。
レジ前にまとめて置くと“視認性×即買い”のダブル効果で動きが加速します。

タオルと靴下は、雨の日は本当に動きます。 「濡れたから買う」心理は、雨の日特有の即効需要です。
☕ 3位:温かい飲み物(ホットドリンク)
雨の日は気温が下がりやすく、さらに濡れることで体温が奪われるため、 温かい飲み物への需要が通常日の1.5〜2倍近くに跳ね上がります。
特にレインコーナーの近く、入り口前での展開が効果絶大です。

雨で濡れたお客様は「とにかく温まりたい」と一気にホットへ向かいます。 雨の日は補充スピードが勝負です。
🍞 4位:軽食・温かい食事(イートイン併設店で特に強い)
雨の日は「一度濡れたから、休憩していきたい」という意識が働き、 軽食や温かい商品の動きが大きくなります。
イートインがある店舗では、雨の日ほど軽食の滞留率が上がります。
👟 5位:靴関連アイテム(靴用中敷き・サンダル)
雨で靴が濡れたお客様は、店内での“緊急避難アイテム”として 靴関連商品の需要が発生します。

意外ですが、中敷きは本当によく売れます。 「濡れた靴が気持ち悪いから替えたい」心理は侮れません。
🔑 総括:雨の日は“必要性商品”が強い
雨の日は、衝動買いではなく 「困ったから買う」=必要性の強い商品が圧倒的に動きます。
だからこそ、雨の日は商品の“見せ方”と“取りやすさ”が売上を左右します。

安全管理:転倒防止は「売上」と同列の最優先事項

雨の日は商品の売れ方が大きく変わりますが、それ以上に注意すべきは「安全管理」です。 濡れた傘・滴る水・滑りやすい床は、わずか数分の放置が転倒事故に直結します。
転倒は “売上を落とす” どころではなく、 お客様のケガ・信頼低下・クレーム・スタッフ負担増 など、店舗に大きな影響を与えるため、 雨の日の安全対策は売上と同じレベルの最優先項目として扱う必要があります。
① 「入口・レジ前」は最も事故が起きやすい
雨の日の店舗で最も危険なのが入口まわりです。 お客様の傘から落ちた水滴がたまるため、常に床が濡れやすくなります。
これらの場所は、雨天時は3〜5分おきの点検が理想です。
② 水滴は「放置しない」のが鉄則
雨の日に転倒が起きる原因の7〜8割は、 床の水滴放置です。
このあたりを徹底するだけで事故率は大幅に下がります。

実際、私の店でも水滴放置が原因でお客様が滑りかけたことがあり、 それ以降は「水滴見つけたら即拭く」を徹底しました。 ほんの数秒の対応が、お店の信頼を守ります。
③ 注意喚起POPで「気づき」を生む
安全対策は、スタッフの対応だけでなく「お客様自身の注意力」も必要です。 そのため効果的なのが“注意喚起POP”です。
視認性の高いPOPを入口・レジ前・イートイン横に貼ることで、 お客様自身も注意して行動するため事故率が下がります。
④ マット配置で“転倒の8割”を防げる
雨の日の転倒防止は、マットの配置が最も効果的です。
マットの吸水力が弱くなっていたら、スタッフ間で合図を決めて即交換できる体制がベストです。
⑤ 雨カゴ・傘立てで「水滴の持ち込み」を減らす
濡れた傘が店内に入ると、そこから点々と水滴が落ち、事故リスクが一気に増えます。
これらの仕組みにより、水滴の発生を最初の段階で抑えられます。
⑥ スタッフ全員で「安全意識」を共有する
雨の日の事故防止は、店長だけが意識しても効果が薄いです。 スタッフ全員が「今日は雨=事故の確率が高い日」という意識を持つことが重要です。

雨の日は「安全管理=信頼の積み重ね」。 売上対策と同列で考えることで、店舗全体が強くなります。

売場づくりと接客の工夫

雨の日は客数が少ないぶん、 「1人あたりの購入点数(客単価)」をいかに伸ばせるか が売上のカギになります。 そのためには、売場の“取りやすさ”と、スタッフが発する“小さな一言”が非常に大きな効果を持ちます。
ここでは、私が現場で実践して成果があった「雨の日の売場づくり」「接客の工夫」を紹介します。
① 入り口に“忘れ物対策”売場をつくる
雨の日の入口付近は、販売チャンスの宝庫です。
お客様は「濡れた状態」で入店するため、 この位置に“すぐ使える商品”があるだけで即買いにつながります。

入口での“気づき買い”は雨の日ならでは。 「忘れたからとりあえず買う」が圧倒的に多いんですよね。
② ホットとレイングッズを“近くに置く”導線づくり
雨の日は「濡れた → 冷えた → 温まりたい」という心理が働きます。 そのため、レイングッズ(傘・タオル)の近くにホットドリンクを配置すると、
クロス導線で購買率が一気に上がります。
「濡れた → 温まりたい」の心理行動を売場で再現するイメージです。
③ イートインがある店舗は“軽食売場”を強化する
イートインがある店舗では、雨の日こそ軽食の滞在率が上がります。
イートインに近い商品棚のフェイスを増やすだけでも売れ方が変わります。
④ “少ない客数=接客の密度が濃くなる日” に変える
雨の日ほど、接客の一言が刺さります。
これだけで、 “気持ちを受け取ってくれた店” と感じてもらえ、リピーターに繋がります。

雨の日の一言は、本当に印象に残るんです。 わざわざ来てくださるお客様への “小さな気遣い” が、後日の売上まで変えます。
⑤ 売場は“迷わせない・取りやすい”が正解
雨の日は滞在時間が短いため、 お客様は「探すストレス」を嫌います。
「迷わない売場」は、客単価アップの一番の近道です。

まとめ:雨の日は“目的買い × 安全管理”で信頼を守る

雨の日は客数が減りやすく、売上だけを見れば「マイナスの日」に感じることもあります。 しかし実際の現場では、雨の日ほど目的買い客の割合が増え、客単価が伸びやすい日です。
その一方で、濡れた床や水滴による転倒事故リスクが急上昇する日でもあります。 だからこそ、雨の日は「売上対策」と同じくらい、安全管理を徹底する日でもあります。
売れる商品と危険な場所は、雨の日特有の“偏り”があります。 この偏りを理解し、事前に対策をすることで、雨の日でも売上も信頼も落とさない店舗運営が可能になります。

雨の日に来てくださるお客様は、本当にありがたい存在です。 安全な店で「来てよかった」と思っていただけるかどうかが、 翌日の売上や“そのお客様が次に選んでくれる店”を決めます。
雨の日は“信頼を積む日”でもある
雨で大変な中でも来店してくれるお客様にとって、 温かい売場、見やすい陳列、ちょっとした声かけは、 驚くほど記憶に残りやすいものです。
たったこれだけでも、 お客様の中で“この店は安心できる”という感情が強く残ります。
結論 ― 雨の日は「売上 × 安全 × 信頼」のバランスを整える日
雨の日の店舗運営は、 ①目的買いでしっかり売る ②転倒防止で安全を守る ③気遣いで信頼を積む という3つの軸で動くと、数字も評価も大きく変わります。
客数が減っても、来店されたお客様一人ひとりに丁寧に向き合うことで、 雨の日は単なる“売上の落ちる日”ではなく、 “信頼を積み上げる特別な日”になります。

雨の日の声かけや安全対応は、店の“本気度”が伝わりやすい。 晴れの日よりも、お客様との距離が縮まる日なんです。
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