秋に売れる商品と販促の正解｜コンビニ現場で見えた“売上を伸ばす秋商戦の動き方”

「食欲の秋」と言われるように、秋は売上の山場をつくる大事な季節です。
夏に落ち込んでいた商品が復活したり、季節イベントの影響で売場の動きが一気に変わったりと、 現場ではさまざまな“兆し”が見え始めます。

私自身、秋の売場づくりに向けて準備を始めるたびに、
「揚げ物が急に売れ始めた」「むき甘栗が予想以上に動いた」など、季節ならではの変化を何度も経験してきました。

秋商戦は、ただ季節商品が売れるだけではありません。
『秋の立ち上がり』をどう作るかが、その後の冬商戦を大きく左右します。

はなぱぱ

夏場の売上が落ちたあと、秋の準備を早く動かすかどうかで、 その年の後半の売上がガラッと変わりますよ。

本記事では、現場で実際に感じた“秋に売れる商品”の特徴と、
売場づくり・販促で意識すべきポイントを、経験ベースでわかりやすくまとめました。

明日からの売場づくりにすぐ活かせる内容になっていますので、ぜひ参考にしてみてください。

秋の売上が動き出す“季節のサイン”

秋商戦は、カレンダー上の「9月＝秋」ではじまるわけではありません。
現場で働く私たちが体感する“秋の立ち上がり”には、いくつか共通するサインがあります。

このサインを見逃さず、売場・発注・販促を前倒しで整えることで、秋商戦の伸びは大きく変わります。

気温の変化が売上を一気に動かす

秋の商品動向でもっとも影響が大きいのは、実は「気温」です。
朝晩が少し冷え込むだけで、お客様の選ぶ商品がガラッと変わります。

例えば、次のような変化が典型的です：

つまり、“気温のサイン”に合わせた売場の準備が、そのまま売上に直結します。

夏に落ちた商品が“静かに復活”し始める

もうひとつのサインが、夏にまったく動かなかった商品の復活です。
特に揚げ物・中華まん・スープ系の商品は、気温の変化とともに突然動き始めます。

「全然売れていなかったのに、今日だけ急に売れた」
という現象が増えてきたら、それは秋の立ち上がりの合図です。

はなぱぱ

夏は揚げ物が動かなくても落ち込む必要はありません。
気温が下がると、見事なくらい一気に売れ始めます。

こうした“静かな復活”が見えた時点で、売場の準備を整えておくことが大切です。

秋らしい匂いや季節感のある売場にお客様が反応する

秋は、季節感を出すだけでお客様の滞在時間と購買意欲が高まりやすい時期です。
たとえば店内に、次のような要素を取り入れるだけでも反応が変わります。

季節の匂いや視覚的な演出は、それだけで「あ、秋になったんだな」という 気持ちのスイッチを押してくれます。

秋のイベント（ハロウィン）関連商品が動き始める

ハロウィンは、秋商戦の中でも特に売場の動きが顕著に変わるイベントです。
お菓子コーナー・スイーツ・日配・ドリンクなど多くのカテゴリーに波及し、 売上の底上げに貢献します。

売場の反応としては、次のような“兆し”があります：

特に個包装のお菓子は、需要が急に跳ね上がるので早めの陳列が効果的です。

はなぱぱ

ハロウィンは売場づくりの“仕掛け甲斐”があるイベント。
小さな演出でも効果が出るので、ぜひ前倒しで準備してみてください。

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秋に売れる商品カテゴリと売場づくり

秋は、売れる商品が明確に切り替わる季節です。
「夏はまったく動かなかったのに、秋に入った瞬間に売れ始める」 という商品がいくつも存在します。

ここでは、現場で特に動きが大きい商品カテゴリと、売場づくりのポイントをまとめました。

揚げ物（9〜10月にかけて売上が急回復）

夏場に動きが弱かったコロッケ・メンチカツなどの揚げ物は、気温が下がり始める 9〜10月にかけて一気に売上が復活します。

ポイントは「気温」と「匂い」。 秋は夕方に冷え込む日が増えるため、揚げたての匂いが購買意欲を大きく刺激します。

揚げ物売場が動き始めたら、次のような対策がおすすめです：

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揚げ物は、秋に入ると本当にわかりやすく動きます。
“売り逃し”を防ぐ準備を整えておくと、数字が大きく変わりますよ。

むき甘栗（秋の隠れた売れ筋）

むき甘栗は、秋になると毎年確実に売上が伸びる“安定カテゴリ”です。 手軽に食べられ、価格帯も買いやすく、健康志向の流れにも合っているため、客層が広いのが特徴です。

特に売れるのは：

「季節感 × 手軽さ × 常温長持ち」という条件が揃っているため、秋商戦の鉄板です。

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むき甘栗は、毎年“気がつくと売れている”商品。
二点展開するだけで売上が安定しますよ。

秋スイーツ（梨・柿・栗・かぼちゃの味覚推し）

秋はスイーツカテゴリが一気に強くなる季節です。
梨・柿・栗・かぼちゃなどの“秋の味覚”が並び始めると、売場の季節感が増し、お客様の購買意欲が高まります。

特に効果があるのは次の売場づくりです：

秋スイーツは、売上だけでなく「お店の印象づくり」にも大きく貢献します。

中華まん（秋から立ち上げると冬の売上が安定）

中華まんは冬の定番商品ですが、実は秋の立ち上げが最重要です。 理由は、“認知の早さ”が冬場の売上を大きく左右するためです。

秋にやるべきこと：

早い段階から「中華まん＝この店で買う」が定着すると、 冬の売上が安定し、リピーターが増えていきます。

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秋のうちに“中華まんスイッチ”を入れてもらえると、冬の数字が本当に変わります。
前倒しの仕掛けが勝負です。

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季節販促と売場づくりの実践ポイント

秋は「売れる空気をつくるだけで売上が伸びる」季節です。
そのため、売場演出や声掛けを少し意識するだけで、買上点数・客単価・回転率などが目に見えて変化します。

ここでは、今日から実践できる秋の販促ポイントをまとめました。

季節感を演出するPOP・色使い・テーマづくり

秋商戦は、「お客様に秋を感じてもらえるか」が勝負です。 暖色系のPOPや紅葉カラーを売場に加えるだけで、商品の見え方・買われ方が大きく変わります。

おすすめの演出例：

視覚的な変化は、お客様の購買スイッチを押しやすく、売場全体の回転を底上げします。

試食や声掛けは秋こそ効果が大きい

秋は食欲が戻り、気温も落ち着く季節。
お客様の「ちょっと食べたい」という心理に最も火がつきやすい時期です。

そのため、試食・ひと声掛けの効果が夏より圧倒的に高いのが特徴です。

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声掛けって、本当に売上が変わります。
「コロッケ揚げたてですよ」「甘栗入ってますよ」だけで動きが違います。

特に揚げ物・甘栗・中華まんなど、秋の立ち上がり商品は声掛けと相性抜群です。

新商品×定番商品の組み合わせ陳列が効果的

秋は季節の新商品が一気に増えるため、売場での“魅せ方”が重要です。 特に効果が大きいのが、新商品と定番商品の組み合わせ陳列です。

例として：

組み合わせることで“ついで買い”が発生し、客単価が自然に上がります。

早めの準備が“冬商戦”の売上を左右する理由

秋の販促で最も重要なのは、「前倒しの準備」です。 秋商戦は売場が活気づくと同時に、冬商戦への橋渡しになる特別な時期でもあります。

たとえば：

こうした準備が、冬の売上を支える「基礎力」になります。

はなぱぱ

「まだ早い？」と思っても、秋の入口で売場を作ると、
冬の売上が本当に変わります。早めが正義です。

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秋商戦を成功させるための現場戦略

秋は、夏に落ち込んだ商品の売上が自然と戻り、同時にハロウィンや季節イベントで “仕掛けで伸ばせる”特別な時期です。

つまり秋商戦は、自然回復 × 仕掛け上昇の二軸を上手く活かすことで、 冬の商戦までの数字を大きく伸ばすことができます。

では、現場で具体的に何をすれば“秋の勝ちパターン”を作れるのか？ ここでは、すぐに取り組める実践的な戦略を紹介します。

秋は「自然回復」と「仕掛け上昇」が重なる特別な季節

秋は気温の変化と季節商品の登場により、売上が自然と戻り始めます。 これはどの店舗でも起こる“秋の自然回復”です。

しかし、売上を本当に大きく伸ばすには、自然回復に頼るだけでなく、 現場が意図して仕掛ける「上昇要素」が重要です。

代表的な「上昇の仕掛け」は次の通りです：

昨年データ（POS）で立ち上がりのタイミングを読む

秋商戦の成功は、「いつから売場を作り始めるか」で大きく差が出ます。 このタイミングを見極めるために使うべきなのが昨年のPOSデータです。

特に見るべきポイント：

昨年の動きは、今年もほぼ同じタイミングで再現されます。 「昨年より1週間前倒し」を意識すると売り逃しを防げます。

はなぱぱ

POSを見るだけで“勝ち筋”は見えてきます。
売場の準備は、とにかく早めが鍵です。

スタッフ全員の共有で“売り逃しゼロ”を作る

秋は売場の動きが速く、スタッフ間の共有不足が売り逃しの原因になります。 特に揚げ物・中華まんは、仕込み量と声掛けの有無で売上が大きく変わります。

共有すべき内容は次の通りです：

スタッフが「なぜ今これを推すのか」を理解すると、売場の一体感が生まれます。

“季節認知づくり”が冬の売上を決める

秋の最大の役割は、冬の商戦に向けた「季節認知づくり」です。 お客様が「これから寒くなるな」「温かいものが欲しいな」と感じ始めるのは、実は秋が入り口です。

この認知づくりが早い店舗ほど、冬の商品（中華まん・ホット飲料・スープ・惣菜）の立ち上がりが安定します。

秋の段階で行うべき認知づくりは：

はなぱぱ

秋の認知づくりがうまい店は、冬の売上が本当に伸びます。
お客様に“季節を感じてもらう”のが大事なんです。

詳しくはこちらで

秋商戦は“仕掛けの早さ”が勝負

ハロウィン商戦は雰囲気演出で差をつける

10月末のハロウィンは、店舗にとって大きな販売イベントです。 お菓子の売場を拡張するだけでなく、簡単な飾り付けをするだけでも雰囲気が変わります。 スタッフが仮装して子供にお菓子を配ったときは、親御さんから「子供連れでも安心して来られる」と喜ばれたのが印象的でした。

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まとめ｜秋は回復を逃さず、仕掛けで差をつける

秋は、小売業にとって一年の中でも売上の伸びしろが大きい季節です。
夏に落ち込んだ商品が自然に戻り始め、同時に季節商品の登場で“仕掛けて伸ばせる”特別な時期でもあります。

本記事で紹介した内容をあらためて整理すると、秋商戦で大切なのは次の3つです。

どれも派手なことではなく、現場で「今すぐできる取り組み」です。 ですが、この積み重ねが秋商戦全体の数字を大きく変えてくれます。

秋は準備が早い店ほど、冬の売上が安定します。
「まだ早いかな？」と感じる時期こそ、売場づくり・声掛け・陳列を始めるチャンスです。

はなぱぱ

秋は自然に売れるように見えますが、実は“準備した店だけが伸びる季節”です。
一緒に、秋の売場づくりをもっと楽しく、もっと数字につながるものにしていきましょう！

秋の立ち上がりを逃さず、売場をほんの少し工夫するだけで、 来店されたお客様に「季節を感じるお店だな」と思っていただけます。 ぜひ、今回の記事を参考に、明日の売場づくりに役立ててみてください。

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経営者

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はじめまして、はなぱぱです。 コンビニ経営に携わって13年。 店舗での経験や経営者としての苦労、従業員教育の工夫などをまとめています。 経営者や店舗責任者はもちろん、従業員の方にもわかりやすく役立つ情報を発信していきます。