【現場エピソード】バレンタイン商戦で学んだ売上アップと売場づくり

売上アップ

冬商戦が落ち着くと次はバレンタイン。チョコレート需要が高まる中、現場で実践した「早めの売場展開」「定番+限定の組み合わせ」「直前ピークと分散需要」の工夫を紹介します。

冬商戦からバレンタインへ切り替え

クリスマスケーキや年越しそば・お餅の商戦が終わると、次にやってくるのがバレンタインです。 寒さが増すと自然とチョコレートがよく売れるようになり、特にピーナッツチョコやアーモンドチョコといった定番商品は、1月から売上が上昇し始めます。

私の店舗でも、正月商材の売場を早めに縮小し、1月中旬からチョコレート売場へシフトしました。 「まだ少し早いのでは?」と思う時期でも、早めに展開することで「この店は準備が早い」という印象をお客様に与えられます。

売場づくりのポイント:定番+季節限定の組み合わせ

バレンタイン商戦の成功は、定番商品で土台を固めつつ、限定商品で差別化できるかどうかにかかっています。

  • 定番: ピーナッツチョコ、アーモンドチョコ、板チョコ(普段の需要+ついで買い)
  • 限定: ハート型チョコ、ブランドコラボ商品、メッセージ付きパッケージ

定番で売上を安定させつつ、ギフト需要やイベント感を限定商品で演出すると「普段買わない層」まで取り込めます。

バレンタイン直前のピークと手作り需要

バレンタインといえば「手作りチョコ」を準備するお客様も多く、その需要に応えるため、実際には当日よりも1週間前くらいから売れ行きが加速していくイメージがあります。 特にバレンタイン直前の土曜日・日曜日は販売数が大きく伸び、普段以上の売場メンテナンスと在庫確保が必要になります。

この時期によく動くのは、やはり明治の板チョコなどの定番商品。 「手作り用にまとめ買い」されるケースが多く、通常期よりも明らかに消化スピードが早まります。 私の店舗でも、直前の週末に一気に在庫が減り、急いで追加発注をかけた経験があります。

需要は分散する――種類・サイズ・価格帯の違い

バレンタインデーの販売で難しいのは、需要が一つの商品に集中せず、分散するという点です。 もちろん特定の商品を強めに訴求することも大切ですが、実際の売場ではお客様の好みや用途が多様なため、幅広い需要に応える必要があります。

例えば、チョコレートだけでもホワイト・ブラック・ミルクと嗜好が分かれます。 また、大容量袋の商品は「職場や友人に配る用」としてまとめ買いされる一方、ブラックサンダーやボノボンのような単価が安く小分けで配れる商品もよく売れます。 私の店舗でも「いろいろな種類を少しずつ買っていく」お客様が多く、発注バランスを考えるのが難しかった記憶があります。

現場での工夫とエピソード

バレンタイン前は特にまとめ買いが多く、「子供に配る」「職場で配る」など用途がはっきりしています。 私は売場の入口とレジ横に大袋チョコを山積みで展開しました。

ある日、常連のお客様がこう言ってくださいました。 「ここにたくさん置いてあると、なくなりそうでつい買っちゃうんだよね」 この一言で、売場の“見せ方”が購買を後押しする力を改めて実感しました。 また、スタッフが「今日は○袋売れました!」と報告してくれることで、現場に活気が生まれ、売場の回転もさらに良くなりました。

オペレーションと在庫管理の工夫

バレンタインは短期勝負のイベントです。売場を維持するには、補充と前出しを徹底する必要があります。 私はスタッフに「ピーク前に補充を終わらせ、ピーク時は声かけと雰囲気づくりに専念しよう」と伝えました。 在庫管理も大切で、限定商品は売り切りを意識、定番は廃棄リスクが少ないため多めに確保する方針をとりました。バレンタインデーが終わったからと言ってチョコが売れなくなるわけではありませんからね。

学び:バレンタインは“準備の早さ”と“売場の演出”で勝負

  • 早めに売場展開: 1月中旬から準備しておくと、早期購入+リピート需要が取れる
  • 定番+限定: 普段需要とイベント需要の両方を取り込む
  • 手作り需要: 板チョコ需要は直前週末にピーク、在庫厚めに
  • 分散需要: 嗜好・サイズ・価格帯に幅広く対応
  • 雰囲気重視: ピーク時は補充より声かけや活気づくりを優先

バレンタイン商戦は「一日限りのイベント」ですが、その前後を含めて準備・演出を工夫すれば、売上も信頼も大きく伸ばせます。 イベントを単なるノルマではなく「お客様の習慣や期待に応えるチャンス」として捉えることが、売上アップにもつながると実感しました。

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