コンビニで行われる棚卸しは、基本的に専門業者に委託されます。ロスの要因や日々の部分的な在庫確認の意味、そしてフランチャイズ契約上の注意点を解説します。
棚卸しとは何のために行うのか
棚卸しは、店内にある商品の在庫数を実際に数える作業のことです。 システム上の在庫と現物の在庫が一致しているかを確認し、ロスを明らかにするために行われます。 コンビニではこの作業を業者に委託して行うのが一般的です。
業者による棚卸しは四半期や半年ごとに行われ、その結果を基に「本来あるべき在庫」と「実際の棚卸し高」の差を確認します。

店側で行う日常的なチェック
一方、私たち店側が日常的に行うのは、全体ではなく部分的な棚卸しです。 「気になる商品群」や「ロスが出やすいカテゴリー」を対象に、システム数値と実際の商品数を照合します。 これにより、異常の早期発見につながります。
ロスの主な要因
ロスが発生する要因はさまざまです。代表的なものを挙げると👇
- 万引き:最もわかりやすいロスの原因。
- レジ登録ミス:3個購入なのに1個しかスキャンしない、個数打ちを忘れる。
- 納品ミス:10個発注したのに5個しか届かない、3個頼んで1個も届かない。
- 検品漏れ:納品ミスに気づかず、未納のままロス計上されてしまう。
- 廃棄登録ミス:廃棄処理の登録をせずに商品を処分してしまい、システム上は在庫が残りロス扱いになる。
いずれも「一つひとつの作業を丁寧に行う」ことで防げるものです。 日々の積み重ねでロスは確実に減らせます。
業者棚卸しと補填の仕組み
四半期や半年ごとに行われる業者の棚卸しで、システム上の在庫よりも実際の棚卸し高が少なかった場合、 その差額は店側が自費で補填しなければなりません。
これはフランチャイズ契約上の取り決めによるものです。 オーナーは本部から商品を仕入れる形を取っており、理論上「商品はすべて売れて現金化されるはず」という前提があります。 そのため、在庫の不足は「オーナー側の管理責任」とみなされ、金額を補填する仕組みになっています。
実際には、半年に1回の棚卸しなどで、日々の業務をしっかり行っていればロスはほぼ発生しません。 しかし、検品や登録といった基本作業を怠れば、数十万円単位のロスが出ることもあります。 私の店舗でも過去に十数万円のロスを出した経験がありますが、他店舗では40万〜50万円ものロスが発生したと聞いたこともあります。 このような金額を後から自費で補填するのは決して簡単なことではありません。

だからこそ、日々の業務の丁寧さが最も重要です。 納品チェック、レジ操作、廃棄登録といった小さな確認を確実に積み重ねることで、こうした大きな損失を未然に防ぐことができます。
まとめ:棚卸しは日々の積み重ねがすべて
棚卸しは業者委託によって定期的に実施されますが、ロスを防ぐためには店側の小さな積み重ねが欠かせません。
- 納品時の確実な検品
- レジ操作の正確さ
- 廃棄登録を忘れない
- 部分的な在庫チェック
これらを怠れば、いざ業者の棚卸しで数値が合わなかったときに、自費で大きな金額を補填することになります。 棚卸しは単なる在庫確認作業ではなく、日常業務の精度そのものを映し出す鏡なのです。