秋商戦は“仕掛けの早さ”が勝負
秋は、コンビニにとって売上を大きく伸ばせる勝負の季節です。
気温が下がり始めると「温かい商品」や「濃い味の商品」が動き始め、さらにハロウィン・行楽といったイベント需要も重なります。
私自身、秋商戦で最も大きく売上を伸ばせたのは、
“揚げ物・中華まん・ホット飲料”の立ち上げを早く仕掛けた年でした。 気温変化に合わせて売場を動かすだけで、前年を大幅に上回る数字を作れた実感があります。
ただし、秋商戦は「気温が下がってから準備する」では遅く、
“動き始める前に仕掛けておく”ことが数字の差を生むのが特徴です。

秋は「準備が早い店」ほど勝ちます。
気温が下がってから動くと、どうしても波に乗り遅れてしまうんですよね。
この記事では、現場で実際に売れたデータや季節の動きをもとに、
秋に売れる定番商品と、売上を伸ばすための売場づくり・販促の工夫をわかりやすくまとめました。
明日からすぐ使える小さな工夫もたくさん紹介していますので、ぜひあなたのお店でも取り入れてみてください。
秋に売れる定番商品ランキング

秋は「食欲の秋」と言われるように、お客様の購買意欲が高まり、
売れ筋商品の構成が夏場から大きく切り替わる時期です。
ここでは、現場で特に売上が伸びる秋の定番カテゴリーをまとめてご紹介します。
それぞれのカテゴリごとに“なぜ売れるのか”と“どう展開すべきか”まで解説します。
1位 揚げ物(コロッケ・メンチカツ・から揚げ)
夏に落ち込んでいた揚げ物は、気温が下がり始める9月後半〜10月にかけて一気に復調します。
特に夕方は「揚げたてが食べたい」という声が増え、販売数が大幅に伸びる傾向があります。
売れる理由:
- 気温低下で温かいものが欲しくなる
- 夕方の“匂い演出”が強い(購買意欲を刺激)
- ホットスナックは衝動買いが発生しやすい
売場づくりのポイント:
- フライヤーの清掃と油の状態を整えて“吹き戻し”防止
- 夕方のピーク前(15〜17時)に仕込み増量
- レジ前での声掛け「揚げたてです!」を徹底

秋の揚げ物は本当に強いです。
ここで“揚げたて”を作れるかどうかが売上を大きく変えます。
2位 中華まん(肉まん・あんまん・ピザまん)
中華まんは冬のイメージが強いですが、実は秋が立ち上げの勝負です。 9月下旬〜10月に導入すると、冬本番の売上が大幅に伸びます。
売れる理由:
- 気温15〜20℃を下回ると急伸する
- スチーマーの湯気が季節感を演出する
- レジ前の“視覚訴求”が強く、認知が早い
売場・販促ポイント:
- 立ち上げ初日は必ず満タン展開する
- レジで「始まりました!」と声掛けする
- POPで“季節の到来”を演出する
- ホット飲料との併買提案を意識する

中華まんは“早く始めた店”が勝ちます。
お客様の記憶に残るのが、秋の立ち上げなんです。
3位 むき甘栗(秋の安定売れ筋)
むき甘栗は毎年、秋になると確実に売れる安定カテゴリです。 常温で日持ちし、価格帯がお手頃なため、幅広い客層に支持されます。
売れる理由:
- 手軽に食べられる“秋らしい味覚”
- 常温保存でき、レジ前に置きやすい
- まとめ買いが起こりやすい
売場づくり:
- レジ前・お菓子棚・季節棚の「二点展開」が効果大
- ハロウィン菓子と並べると相性◎
4位 秋スイーツ(モンブラン・さつまいも・かぼちゃ)
秋はスイーツの動きが非常に強くなる季節です。 特にモンブラン・栗・かぼちゃ・さつまいも系は“秋の味覚”として購買意欲を高めます。
売れる理由:
- 季節限定の商品が多く新商品効果が強い
- ターゲット層が広い(女性・ファミリー)
- 見た目で季節感を訴求しやすい
売場づくり:
- 「秋スイーツコーナー」をまとめて展開
- 暖色系のPOPで季節演出
- レジ横での“ついで買い”を誘導
5位 ホット飲料(コーヒー・紅茶・ココア)
気温20℃を下回ると、ホット飲料が一気に動き始めます。 特に通勤・通学時間帯の売上が顕著に伸びるのが特徴です。
売れる理由:
- “冷え”を感じる瞬間に購買スイッチが入る
- 朝のルーティンとして買われやすい
- 温かい惣菜・中華まんとの相性が良い
売場戦略:
- 冷蔵ケースの前で“温かさ訴求”POPを設置
- スイーツとのセット訴求も効果的

秋口〜寒くなると売り始める商品リスト(発注&展開ポイント付き)

気温が下がり始める秋口は、売場全体が大きく動くシーズンです。
「まだ暑い日もあるのに、急に売れ始めた」という商品が増えるのが特徴で、
秋商戦の立ち上げは“変化に気づけるかどうか”が勝負になります。
ここでは、秋口〜11月にかけて特に動き出す商品カテゴリーをまとめ、 それぞれの発注ポイント・展開のコツを解説します。
ホットスナック(中華まん・揚げ物)
秋の売場で最初に反応が出るのがホットスナック系。 中華まん・揚げ物は「気温の変化」に最も敏感なカテゴリです。
代表商品: 肉まん/あんまん/ピザまん/カレーまん/限定まん フライドチキン/から揚げ/コロッケ/メンチカツ
売れる理由:
- 気温20℃を下回ると“温かいモノ需要”が急増
- 揚げたて匂いの訴求力が強く、衝動買いが生まれやすい
- リピート客がつきやすい(特に中華まん)
発注・展開ポイント:
- 中華まんは9月下旬〜10月初旬の早期立ち上げが効果的
- スチーマーは「満タン展開」から始める(印象UP)
- 揚げ物は夕方前(15〜17時)に仕込み増強
- レジ前で必ず「揚げたて・温かい」の声掛け

秋のホットスナックは“立ち上げの早さ”で大きく差がつきます。
気温が下がる前に準備しておくと、売上の波をしっかり掴めますよ。
ホット飲料(コーヒー・紅茶・ココア)
ホット飲料は、気温20℃を境に一気に動き始める“季節スイッチ商材”です。 朝の出勤・通学需要と相性が良く、立ち上がりを掴むと売上が安定します。
代表商品: 缶コーヒー/ホット紅茶/ココア/生姜系飲料/ホットカフェオレ
発注・展開ポイント:
- 冷蔵ケース前に「温かいあります」POPを設置
- 特に朝の時間帯の補充を強化(7〜10時)
- ホット飲料×中華まんのセット訴求が強い
- 初動は単価の高いPB商品が伸びやすい
惣菜・軽食(おでん・煮物・スープ)
朝夕が冷え込むようになると、温かい惣菜の動きが一気に強まります。 中でも“おでん”は秋〜冬の主役商品です。
売れる理由:
- 温かい汁物は急激に需要が高まる
- 煮物・スープは手軽さと満足感が強く秋と相性が良い
- おでん鍋を出すだけで「秋が来た」と認知効果がある
発注・展開ポイント:
- おでんは“蒸気が見える位置”に設置(視覚訴求UP)
- 煮物は夕方に向けてフェースを広げる
- カップスープはレジ前で回転率UP

おでん鍋の湯気は、それだけで“購買スイッチ”を押す演出。
立ち上げのタイミングが早いほど、冬の数字が伸びやすくなります。
スイーツ・おやつ(秋味フレーバー・ハロウィン菓子)
秋はスイーツ・菓子カテゴリの需要が一気に高まります。 特にモンブラン・栗スイーツ・さつまいも・かぼちゃは“秋の定番”です。
売れる理由:
- 季節限定&イベント需要(ハロウィン)
- まとめ買いが起こりやすい(個包装)
- 視覚的に季節を訴求できる
展開ポイント:
- レジ前・通路沿いで視認性UP
- 季節POPと合わせて“秋感”を演出
- 限定パッケージは一番目立つ位置に配置

お芋・栗スイーツを見ると欲しくなっちゃうんですよね。
“秋感”の演出がうまい売場ほど、購買意欲が高まります。
麺類・調理食品(鍋・煮込み系・秋味)
肌寒さを感じ始めると、“温かい麺類”や“鍋物”の需要が高まります。 ラーメン・うどんなどの即席麺は、秋の立ち上げが売上の波をつくります。
発注ポイント:
- 鍋つゆ・うどん・ラーメンは9〜10月からフェースを拡大
- 煮込み系はパッケージが季節感を演出しやすい
- PBの鍋商品は特に動きやすい

秋に売れる理由(食欲の秋 × 復活需要)

秋はコンビニにとって、売上を伸ばすチャンスが最も大きい季節のひとつです。
なぜここまで数字が伸びやすいのかというと、気温・心理・季節イベントという 3つの要素が同時に売場へ作用するからです。
ここでは、秋に商品が一斉に動き出す“本当の理由”を、現場視点でわかりやすく整理します。
①「食欲の秋」— 気温低下で購買意欲が上がる
夏場は暑さの影響で食欲が落ちやすく、揚げ物・温かい惣菜・麺類など多くの商品が動きにくくなります。
しかし、9月後半〜10月にかけて気温が下がり始めると、お客様の購買意欲が一気に戻ります。
代表的な変化:
- 揚げ物 → 「揚げたてが食べたい」需要が復活
- 中華まん → 温かさが恋しくなりスタートダッシュが決まる
- 温かい飲料 → 朝夕の“冷え”とともに急伸
- 惣菜・スープ → 手軽な温かい食事として売れ始める

気温の変化は本当に分かりやすく数字に出ます。
「今日は涼しいな」と思ったら、売場の準備を前倒しするのがコツですね。
② “復活需要” — 夏に落ちた商品が戻ってくる
秋は、夏に売れなかった商品が“静かに復活”し始める季節でもあります。
現場では特にこの復活需要が、売上の底上げに大きく貢献します。
復活が顕著なカテゴリ:
- 揚げ物(コロッケ・メンチカツ)
- 中華まん
- 弁当(濃い味・揚げ物系)
- 温かい惣菜(スープ・煮物)
夏の落ち込みを知っているスタッフほど、 「売れ始めた!」という変化に気付きやすく、そこから一気に仕掛けていけるのが秋商戦の醍醐味です。
③ 季節イベント(ハロウィン・行楽)が購買を押し上げる
秋は、「イベント需要 × 食欲需要」が同時に発生する特別な時期です。 特にハロウィンと行楽は、菓子・スイーツ・飲料カテゴリに強い追い風を生みます。
ハロウィンの影響:
- 個包装のお菓子が伸びる
- 限定パッケージが視認性UPで売れやすい
- レジ前・通路沿いに置くだけで構築完了
行楽シーズンの影響:
- おにぎり・弁当・飲料がまとめ買いされやすい
- スイーツ・スナックの“つい買い”が増える

秋は“売れる理由”が重なる季節。
だからこそ、早めに売場を整えた店だけが波に乗れるんですよ。
④ 秋は「認知の季節」— 早期仕掛けで冬の売上が決まる
秋商戦が重要なのは、単に売れるからではありません。 秋は「冬の主力商品の認知を作る季節」だからです。
特に中華まん・ホット飲料・おでんは、 秋のうちに「この店といえばこれ」と思ってもらえるかどうかで、冬の売上が大きく変わります。
早期認知づくりが必要な理由:
- 冷え込みが強まる頃には、お客様の“購入店”が固定されている
- レジ前の声掛けが認知を一気に高める
- POPで季節を伝えると購買スイッチが入りやすい

「まだ早いかな?」と思うくらいでOK。
秋の仕掛けがそのまま冬の売上につながるのを、現場で何度も実感しています。

秋のスイーツ&ハロウィン菓子需要

秋は「シェア需要」と「イベント需要」が重なる季節です。
特にハロウィン菓子は、まとめ買いが起こりやすく、通常期より菓子売場の回転率が上がります。
売場の一等地に「シェアパック・限定パッケージ」を配置し、POPでイベント感を演出すると効果的です。
まとめ|秋商戦は“早めの仕掛け”で売上アップ

秋は、コンビニにとって「最も売りやすい季節」です。 夏場に落ち込んでいた商品が復活し、季節イベントも重なり、 売場の動きが全体的に上向きやすいという特徴があります。
しかし、ただ秋を迎えるだけでは売上は伸びません。 “気温が下がる前に準備するかどうか”で、店舗ごとの差が大きく広がります。
ここでは、この記事を通してお伝えした秋商戦の重要ポイントを整理します。
① 秋は“動き出しの早さ”が勝負を決める
秋口は、一日の中で気温の変化が大きく、 「今日から動いた!」という日が突然訪れます。
この初動を掴めるかどうかが、売上を最も左右します。 例えば:
- 中華まん → 立ち上げを1週間早めるだけで売上が倍増することも
- 揚げ物 → 準備済みの店だけが“揚げたて需要”を取り込める
- ホット飲料 → 冷え込んだ朝の反応が劇的に変わる
② “季節感の演出”が購買意欲を高める
秋は、お客様が季節の変化を強く感じたい時期です。 売場が「夏のまま」と「秋に切り替わっている店」では、購買意欲に大きな差が出ます。
演出の一例:
- 紅葉カラーのPOP、季節ボード
- 秋スイーツのまとまり陳列
- ホット飲料コーナーに暖色系のPOP
- ハロウィン商品を入口付近へ展開
小さな演出でも、お客様の「秋だな」という感覚を刺激し、購買へつながります。

季節感って、本当にパワーがあります。
POPひとつで売れ方が変わることも珍しくありません。
③ 冬商戦の“助走期間”としての秋
秋は単に売れる季節ではなく、冬商戦の準備期間でもあります。 特に冬の主力である中華まん・ホット飲料・おでんは、 秋のうちに“あのお店の中華まん”と認知を取れるかどうかで冬の売上が決まります。
つまり秋は、
と考えるべき季節なのです。
④ 明日からできる秋商戦アクションリスト
「じゃあ何から始めればいいの?」という店長さん向けに、 明日からできる実践アクションをまとめました。
- 中華まんの立ち上げを1週間早める
- 揚げ物の夕方仕込みを強化(15〜17時)
- ホット飲料のフェースを増やす
- 秋スイーツを入口・レジ前に集める
- 季節POP(紅葉・ハロウィン)を3枚だけでも貼る
どれも小さな一歩ですが、積み重ねると大きな売上アップにつながります。
最後に(はなパパからひとこと)
秋は、売場づくりが一番楽しくなる季節です。 動きが早く、数字にもすぐ反映されるため、スタッフのモチベーションも上がりやすい時期です。

秋の準備は“早め・強め”が正解です。
今年の秋商戦、ぜひ一緒に最高の売場を作っていきましょう!
この記事が、あなたのお店の売上アップのきっかけになれば嬉しいです。 季節の変化を楽しみながら、ぜひ売場づくりに取り組んでみてください。
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