ゴールデンウィークやお盆、正月など大型連休中は、商圏事情によって売上が大きく変化します。オフィス街店舗・郊外店舗それぞれの対応ポイントと、現場で実践している判断方法をまとめました。
大型連休は「商圏事情」に左右される
コンビニは24時間365日営業ですが、長期連休中の売上は立地と商圏事情によって大きく変わります。
- オフィス街の店舗:会社が休みで人通りが減り、売上は激減。
- 郊外の店舗:スーパーや商店街が休業すれば需要が集中。逆に近隣店舗が通常営業なら売上は減少。
過去のコロナ禍の在宅ワーク普及も、同じように「人の流れ」が変わった好例です。 まずは近隣店舗の営業状況を確認することが、売上予測の第一歩になります。
客層を把握して予測を立てる
次に大事なのは自店の客層を把握することです。
- 若い労働者世代が多い → 連休は帰省や旅行で来店数が減る。
- 高齢者世代が多い → 若い家族が帰省し、普段以上の来店が見込める。
私は連休前になると、お客様との雑談で「連休どこか行くんですか?」とさりげなく聞くようにしています。 それによって「いつも通り来るのか」「しばらく来ないのか」がわかり、発注を調整する材料になります。 小さな会話ですが、発注判断には大きなヒントになります。
「攻め」より「守り」の姿勢
大型連休中は普段と人の流れやピーク時間が変わるため、売上予測は難しくなります。
- 普段は朝と夕方にピーク → 連休中は昼間にピークが来る。
- 人が分散して来店するため、時間あたりの売上は読みにくい。
そのため、連休中は「攻め」よりも守りの姿勢が重要です。 無理に売上を伸ばそうとするより、欠品を防ぎ、在庫を抱えすぎないバランスを取ること。 そして、連休前や連休明けにしっかり売上を作る方が安定した運営につながります。
廃棄と在庫の「ちぐはぐ経営」を避ける
連休中に通常発注、あるいは攻めの姿勢で発注してしまうと、客数に見合わず廃棄額がかさんでしまうことがあります。 その結果、廃棄を恐れて連休明けの発注を控えてしまい、今度は客数が戻ってきたのに商品が足りないという事態に。 こうして「連休中は商品過多・客数少ない」「連休明けは客数多い・商品少ない」というちぐはぐな経営になってしまいます。
この悪循環を避けるためにも、連休時は特にメリハリのある発注と売場調整が欠かせません。 「必要な分だけ置き、不要な在庫は持たない」姿勢を貫くことで、連休中も安定した店舗運営が可能になります。
まとめ:大型連休は「観察と準備」で乗り切る
大型連休中の売上対応で大切なのは、
- 近隣店舗の営業状況を確認する
- 自店の客層を把握する
- お客様との会話からヒントを得る
- 攻めではなく守りの姿勢で臨む
- 廃棄と在庫不足の「ちぐはぐ経営」を防ぐ
普段とは違う人の流れを冷静に観察し、守りを固めて乗り切ること。 そして連休前後でしっかり販売を取ることが、長期的に見れば最も効率的な戦略だと感じています。