【人材マネジメント】連休シフトを安定させる職場づくり|信頼関係がカギ

人材育成

【人材マネジメント】連休シフトを円滑に回すための信頼関係づくり

こんにちは、はなパパです。

お盆休み・正月休み・ゴールデンウィークなど、世間が連休になる時期。 24時間365日営業の業態では、この時期のシフト調整に頭を抱える方も多いでしょう。

私の経験上、「人が全く集まらず、本当に回らなかった」という事態はほとんどありませんでした。 ここでは、私がどのように対応してきたのか、実際のやり取りを交えてお話しします。

実際のやり取り例

ある年のお盆前

A君:「オーナー、お盆休みなんですけど暇でやることないんで、どっか空いてるところあればシフト入れてくれませんか?」
私:「おお、助かる! 休みたいって言う人もいると思うから、空きが出たら相談するね」

そして、連休が近づいてきたタイミングで…

私:「そろそろ連休も近づいてきたので、シフトを早めに決めたいと思います。休みたい人は早めに連絡お願いします」
Bさん:「何日から何日まで、1週間お休みいただきたいです」
私:「分かりました。帰省ですか?」
Bさん:「いえ、世間がお休みなので私も休みたいだけです。どこに行っても混んでますし、家でゆっくりします」

後日、シフトの空きを確認して…

私:「A君、この日のこの時間帯なんだけど、休みたい人がいるから代わりに出てくれる?」
A君:「あ、別にいいっすよ! 普段と違う時間帯ですけど大丈夫ですか?」
私:「いつもの業務にこれを追加するだけだから大丈夫だと思うよ」
A君:「それならできますね。その日出ます」
私:「連休でみんなが休みたい時に出てくれるから、時給ちょっと上乗せしておくね」
A君:「あざます!」

さらに後日…

Bさん:「休みの申請してたんですけど、もしシフト埋まらなければ時給上乗せしてくれたら出勤しますけど、どうします?」
私:「A君が出てくれることになったので、そちらでお願いしました」
Bさん:「そ、そうですか…分かりました」

このやり取りから見えること

こうしたやり取りは、現場でよくある光景だと思います。 もちろん、A君のように自発的に助けてくれる人が毎回いるわけではありません。

しかし、Bさんのような「条件が合えば出る」というスタンスの人ばかりに頼っていると、職場全体がその空気に染まってしまいます。 逆に、A君のような人がいなくても、自分の力でなんとかしようと動く姿勢を見せ続ければ、やがて助けてくれる人が増えていくものです。

信頼関係がカギ

日ごろからの会話や、困ったときに助け合う雰囲気作りが大切です。 しっかりとした人間関係や信頼関係が構築できていれば、世間的な連休中でも助けてくれるスタッフは必ず出てきます。

シフト調整は単なる勤務割りではなく、職場文化や信頼の反映です。 日常からの積み重ねこそが、繁忙期を乗り越える最大の武器になるのです。

連休シフトを安定させるための5つの工夫

  1. 早めのシフト調整
    連休1か月前から希望休の確認を始めることで、余裕を持って人員調整が可能になります。
  2. 代替要員リストの作成
    「普段より時間があるときに出られる人」や「急な欠員に対応できる人」を事前に把握し、連絡先リストを作成しておく。
  3. インセンティブ制度の導入
    連休中に出勤してくれたスタッフには、時給上乗せや食事補助などの特典を用意してモチベーションを高める。
  4. 業務の事前共有と簡略化
    普段と異なる時間帯や役割で入るスタッフに、必要な業務内容を事前に共有し、不安を減らす。
  5. 日頃からの感謝と信頼構築
    普段から助けてくれるスタッフには感謝を言葉や態度で示し、信頼関係を築くことで、繁忙期も助けてもらいやすくなる。

シフトを埋めるために、あらかじめインセンティブ(金銭的報酬や特典)を掲示して募集する方法もありますが、私はあまりおすすめしません。 その理由は、最初から条件を提示すると「条件がないと動かない」風土が職場に根付きやすくなるからです。

代わりに、先に自発的な行動を起こしてくれた人に対して報酬を支払う形を取ることをおすすめします。 これにより、普段から「助け合う文化」や「自ら行動する姿勢」を評価する雰囲気が生まれます。

結果として、インセンティブが「人手不足の穴埋めのための餌」ではなく、前向きな行動を称えるためのご褒美として機能し、チーム全体のモチベーション向上にもつながります。

これらの工夫を日常的に取り入れることで、連休時のシフト調整がスムーズになり、職場全体の雰囲気も良くなります。

後日談

連休シフトを終えてしばらく経った頃、A君に声をかけました。

私:「A君、前回出勤したときちゃんと仕事できてたかな?」
A君:「できてたと思います!」
私:「うん、できてたよ。あと、こういうところもできるともっといいよね」
A君:「分かりました!こないだの仕事、やりがいあって楽しかったので、また空いてる時に入りたいです」

一方で、Bさんからはこんな連絡が。

Bさん:「ちょっと収入が足りなくて、どこかシフト空いてないですかね?」

同じ「シフトに入りたい」という申し出でも、A君は前回の経験をポジティブに捉えて次につなげようとしています。 それに対し、Bさんは収入のためという動機が先に立っているため、周囲への影響や職場全体の雰囲気も異なってきます。

このような違いは、日常的な会話や接し方、仕事に対する姿勢から少しずつ生まれるものです。

A君のような人材を増やすための3つのポイント

  1. 日常的な感謝の言葉を欠かさない
    特別な成果だけでなく、日々の小さな協力や配慮に対しても「ありがとう」と言葉で伝える。 感謝が積み重なることで「また助けたい」という気持ちが芽生えやすくなる。
  2. 前向きなフィードバックを与える
    「ここが良かったよ」と成果を認めたうえで、「次はこうするともっと良くなる」という提案をセットで伝える。 スタッフは成長を実感しやすくなり、やりがいにつながる。
  3. 挑戦できる機会を作る
    普段とは違う時間帯や新しい業務に挑戦してもらい、成功体験を積ませる。 達成感や充実感が次の協力意欲を引き出す。

この3つを日常的に実践することで、「頼まれなくても助けてくれる」人材が自然と増えていきます。 そして、そうした文化が根付くことで、連休や繁忙期のシフトも安定して回せるようになります。

まとめ

連休や繁忙期のシフト調整は、単なる人員確保の問題ではなく、職場の文化や信頼関係が色濃く反映される場面です。 日常的な感謝の言葉や前向きなフィードバック、挑戦の機会づくりが、自発的に動いてくれるスタッフを育てます。

また、インセンティブは事前に条件として掲示するのではなく、先に行動してくれた人に感謝の形で渡す方が、長期的に見て良い職場文化を作りやすくなります。

シフトが厳しい時期こそ、日頃の信頼関係が試されるタイミングです。 「条件がなければ動かない」ではなく、「助け合うのが当たり前」という空気を日常から育てることで、どんな時期でも安定した運営が可能になります。

では、また現場で会いましょう!

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