【現場エピソード】休みなし、24時間体制。それでも続けられた理由とは?
										――「今日も朝まで現場にいたのか?」
オーナー仲間から、そう声をかけられたことが何度もあります。 気づけば、何日休んでいないのかも分からない。 スタッフの欠勤、夜中のトラブル、急な仕入れ対応……。 気がつけば夜が明け、次のシフトに立っている――そんな日々でした。
経営者に「完全な休み」はありません。 それは頭では分かっていても、実際に24時間体制で動き続けるとなると、 想像以上に“気力と覚悟”が試されます。
それでも、私がこの仕事を続けられたのは、 「利益」だけではない“もうひとつの理由”があったからです。
今回は、コンビニFCオーナーとしてのリアルな日常と、 “なぜ休みなく働けたのか”という原動力についてお話しします。

経営者の「忙しさ」には、数字には見えない“想い”があります。
今日はその少し奥の話をしていきます。
では、私が「休みなし」で働かざるを得なかった時期―― 特にコロナ初期の現場がどんな状況だったのか、少し振り返ってみたいと思います。

経営者に「休み」は無い
経営者になって初めて分かったことがあります。 それは、「完全な休み」というものが、この仕事には存在しないということです。
24時間営業のコンビニを運営していると、 いつ何が起こるか分かりません。 スタッフの体調不良、急な欠勤、深夜の設備トラブル…。 「今、現場で助けが必要だ」と連絡が来れば、 どんな時間でも動くのがオーナーの役目です。
頭では分かっていたつもりでしたが、 実際に24時間体制で動いてみると、想像以上に過酷。 身体の疲れよりも、気が抜けない精神的な緊張感の方が重くのしかかります。
「休みがない」と言うとネガティブに聞こえますが、 私にとっては“責任を持つ立場としての当たり前”。 誰かの代わりを立てられない分、最後の砦として踏ん張る―― それが経営者としての覚悟だと思っています。

コロナ初期の「地獄のような日々」
一番つらかったのは、コロナウイルスが発生した直後。 人が集まること自体が敬遠され、アルバイトの応募も止まりました。 スタッフの欠勤や退職が相次ぎ、 シフト表は穴だらけ、私自身が連勤で埋めるしかありませんでした。
朝から晩まで店に立ち、夜中に発注をして、仮眠してまた出勤。 深夜の電話が鳴ると、心臓がドキッとする。 「今度は何が起きたんだろう」と、不安を抱えながら走り続けました。
そんな中でも、「店を止めない」と決めていた。 地域に必要とされている以上、シャッターを下ろす選択肢はなかったんです。
体力的にも精神的にも限界に近い日々。 それでも動けたのは、学生時代に鍛えた体力と、 「今は自分が動く時だ」という覚悟があったからです。
人が減ったからこそ、少人数で回す方法を考え、 一人ひとりの強みを活かす工夫をしました。 厳しさの中にも、“学び”があった時期だったと思います。

あの時期があったから、今の仕組みがある。
“現場に立つ苦労”は、経営の血肉になります。

今では「現場に立たずに回る店」へ
あの頃を乗り越えて、ようやく少しずつ店の体制が整いました。 アルバイト・パートの応募も増え、スタッフが育ち、 いまでは私自身がシフトに入らなくてもお店が回るようになりました。
信頼できる“右腕”ができたことも大きい。 彼らが自分の判断で現場を動かし、店を守ってくれる。 経営者として本当に嬉しい瞬間です。
仕組みと信頼があれば、現場にいなくても店は回る。 その実感を得たことで、 「働く=現場にいること」ではなく、「仕組みを動かすこと」だと気づきました。

この商売は、儲かるためのものではない
正直に言うと、コンビニ経営は決して利益率が高いビジネスではありません。 平均的な粗利率は約30%。 仕入れや廃棄を差し引けば、実際に手元に残る数字はさらに少ない。
それでもこの仕事を続けられるのは、 “お金”だけが目的ではないからです。
- 店舗を通して人を育てたい。
 - 地域に必要とされる存在でありたい。
 - 家族の生活を守りたい。
 
この“何のためにやっているか”という目的があるからこそ、 どんなに苦しくても前に進めるのだと思います。

経営の軸は、“数字”ではなく“信念”。
続ける力は、やりがいの中から生まれます。

まとめ:厳しさの中にある“やりがい”
経営は、体力も精神力も試される仕事です。 でも、その中で得られる経験や人とのつながりは、 他の仕事では得られない財産です。
これから始める方、迷っている方、そして長年続けている方へ。 ときには立ち止まり、自分の「なぜやるのか」を 見つめ直す時間を持ってみてください。
苦しい時こそ、人として、経営者として成長できる。 その瞬間を、これからも現場を通して伝えていきたいと思います。

続ける理由がある人は、強い。
その強さが、店も人も育てていくのだと思います。
新着記事
								
							
								
							


