店員の印象を決める接客マナー|立ち姿・清潔感・言葉遣いで信頼される店づくり
店舗経営において、売上や利益に直結するのは商品力やサービスだけ…と思われがちですが、実はそれだけではありません。
むしろ、お客様が無意識のうちに判断しているのは「店員の印象」です。
立ち姿、清潔感、言葉遣い。 この3つが整っているだけで、お客様は「この店は信頼できる」「安心して買い物ができる」と感じ、逆に乱れているとブランドそのものの評価を落としてしまいます。
私自身、同じ商品を扱っているにもかかわらず、
「なんかここは買いやすいな」「この店員さんから買いたいな」 と感じてもらえるスタッフと、そうでないスタッフの差を何度も見てきました。

少し姿勢を正すだけでも、お客様の反応って本当に変わるんですよね。
売上やリピートを決めるのは、案外「人の印象」なんです。
店舗の雰囲気づくりや信頼感は、商品ではなく「人がつくる価値」。 今回は、接客の印象を左右する重要ポイントとして、立ち姿・清潔感・言葉遣いの3つを現場目線で深掘りしていきます。
1. 立ち姿が与える安心感
お客様は、入店してわずか数秒のうちに店全体の印象を判断すると言われています。 その判断材料の中心にあるのが、実は「店員の立ち姿」です。
背筋が伸びているスタッフと、猫背で前屈みのスタッフ。 同じ制服を着ていても、与える安心感も信頼感もまったく違います。
- 背筋を伸ばして立つ → 信頼感・安心感を与える
- 猫背・前屈み → 疲れて見える・やる気がなさそうに見える
- レジや台に寄りかかる → だらしない印象を与える
少し姿勢が崩れているだけでも、お客様は無意識に 「この店は大丈夫かな?」「丁寧に接客してくれるだろうか」 と感じ取っています。

自分の体調や感情が出ちゃう時もありますが、そこで崩れた姿勢はすぐに伝わっちゃいます。
だからこそ“プロ意識”を持って立ち姿は整えたいですね。
ただし、姿勢は「常に直立不動」である必要はありません。 接客のシーンに応じて柔らかい立ち姿に変えることで、 お客様に親しみやすさを感じてもらえる場面もあります。
大切なのは
✔ 基本姿勢は「背筋を伸ばす」 ✔ 状況に合わせて柔らかく調整する
という2つのバランスです。
✔ 従業員教育チェック項目(姿勢編)
- レジ対応中に机やカウンターにもたれていないか
- 背筋を伸ばして立てているか
- 会話の内容や雰囲気に合わせて姿勢を柔らかく変えられているか
- 疲労や眠気を態度に出していないか
姿勢は「自信」と「やる気」を表すサイン。 お客様は無意識にこのサインを見ています。
2. 清潔感が基本の基本
どれだけ接客が明るく、笑顔が素敵でも、清潔感が欠けているだけでお客様の評価は一気に落ちてしまいます。
それほど「清潔感」は店舗の印象に直結する重要な要素です。
制服がヨレヨレ、髪型が乱れている、爪が伸びている…。 こうした状態は、どんなに丁寧に接客してもマイナス評価を免れません。
最近では清潔感に対する基準が以前よりも高くなり、「黒髪でなければならない」という時代ではなくなりました。 しかし、髪色が明るくても清潔感さえあれば問題ありません。
逆に、黒髪でもボサボサで整っていなければ印象は悪く、 明るい髪色でも清潔に整っていれば、むしろ好印象につながることもあります。

金髪のお兄さんにハキハキした声で「この商品おすすめなんで、いかがですか?」って言われて、つい買っちゃった経験…ありますよね(笑)
色よりも“清潔さ”の方が、圧倒的にお客様の印象を左右します。
✔ 清潔感の基準を守ることは「食品衛生」にも直結する
コンビニや飲食を扱う店舗では、見た目の清潔感だけでなく、 食品を扱う店舗としての信頼を守る意味でも、衛生基準の遵守が欠かせません。
「食品衛生法」や各自治体の指導では、以下のようなルールが明確に示されています。
- 爪を短く切り、ネイルや装飾をつけない
- 制服やエプロンは常に清潔に保つ
- 手洗いやアルコール消毒を徹底する
- 異物混入の恐れがある行為(ポケットに私物、筆記具を入れるなど)を避ける
- 廃棄物処理や清掃時は、再び食品を扱う前に必ず手を洗い直す

清潔感って、見た目の印象だけじゃなくて“食品を扱う店としての信頼”なんですよ。
法律でもしっかり決められている部分だから、ここが崩れると指導対象になるケースもあります。
✔ 従業員教育チェックリスト(清潔感編)
- 爪は短く切り、ネイルや装飾はしていないか
- 制服やエプロンは清潔で、毎日洗濯されているか
- 髪はまとめて帽子やキャップの中に収まっているか(食品を扱う場合は特に重要)
- 手洗いが正しく行われているか(アルコール消毒の徹底)
- 作業中に私物(携帯電話・アクセサリー)を触っていないか
- 異物混入リスクのある行動を避けているか
- 清掃後・廃棄物処理後は必ず手洗いし直しているか
清潔感の徹底は、スタッフ一人ひとりの心がけであり、
店舗全体の信頼度を大きく左右する基準でもあります。
3. 言葉遣いが印象を左右する
言葉遣いは、お客様の耳に直接届く「接客の品質」そのものです。 同じ商品説明でも、たった一言の違いで印象が大きく変わります。
特にコンビニのように滞在時間が短い業態では、 一瞬で信頼を得るか・不快にさせてしまうか が決まるとも言われています。
✔ よくあるフレーズの違いで印象は激変する
「ありがとうございます」 vs 「ありがとうございました」
- 「ありがとうございます」:現在進行形で気持ちがこもり、余韻が残る
- 「ありがとうございました」:過去形で、“取引終了”の印象を与えやすい
会計後すぐに「ありがとうございました」を使うのは間違いではありませんが、 現代の接客では「ありがとうございます」の方が柔らかく好印象と言われています。
「お疲れ様です」 vs 「ご苦労様です」
- 「お疲れ様です」:相手をねぎらう丁寧な表現。お客様にも取引先にも使いやすい
- 「ご苦労様です」:目上が目下に使う言葉。お客様には不向きで誤解されやすい

「お疲れ様です」の敬語が“ご苦労様です”だと思っている人、意外と多いんですよね…。
スタッフ教育では、この言葉の違いを繰り返し伝える必要があります
✔ 言葉遣いの徹底は「店舗全体の雰囲気」を変える
言葉遣いは、ただのマナーではありません。 スタッフ全員が丁寧な言葉遣いを使えるようになると、店全体の雰囲気が驚くほど変わります。
お客様は無意識のうちに、 「この店は教育が行き届いているな」 「気持ちよく買い物ができる店だな」 と感じるようになります。
✔ 従業員教育チェックリスト(言葉遣い編)
- 状況に応じて「ありがとうございます」を使えているか
- お客様に「ご苦労様です」と言っていないか
- 語尾が乱れていないか(「~っす」「~っすね」など)
- タメ口・馴れ馴れしい口調になっていないか
- クッション言葉(「恐れ入りますが」「よろしければ」など)が使えているか
言葉遣いは、従業員教育の中でも“繰り返し指導すべき最重要ポイント”です。
接客の品質は「言葉」で決まり、 その積み重ねが売上・信頼・口コミに直結します。
4. まとめ|小さな違いが大きな信頼につながる
店員の立ち姿・清潔感・言葉遣い。 どれも「当たり前」と思われがちな基本ですが、実際にはできていない店舗が多く、 だからこそ実践できれば大きな差別化ポイントになります。
お客様は無意識のうちに店の印象を判断しています。 「なんとなく感じがいい店だな」と思ってもらえるかどうかは、 派手な販促よりも日々のスタッフの所作に左右されます。
そして、この基本3点のレベルが上がるとーー
- お客様からの信頼が上がる
- リピート率が上がる
- 口コミ評価が改善する
- クレームが減る
- スタッフ間の空気が良くなる
経営者視点で考えると、これは特別な投資をほとんど必要としない“無形資産”です。 日々の現場で意識づけし、徹底するだけで、アルバイトやパートさんの接客レベルが上がり、 最終的には売上や店舗評価に直結します。

結局のところ、「売上を作る」のは商品だけじゃなくて、
働く“人”が作る印象なんですよね。
小さな違いを積み重ねることが、長期的な経営の“差別化”になります。
だからこそ、今日から改めて、 立ち姿・清潔感・言葉遣いの3つを、チーム全体で共通認識として育てていきましょう。
この3つが整った店舗は、必ず売場の雰囲気が変わり、お客様の評価も自然と上がっていきます。
▶ 労基法改正(勤務間インターバル等)を前提にした「シフトと人材育成の全体像」はこちら:

