天候・季節で売上は変わる|コンビニの商品構成・発注判断を安定させる考え方
「今日は売れた」「今日は全然ダメだった」——。
コンビニ経営をしていると、こんな言葉が毎日のように頭をよぎります。
でも、売上がブレる原因を冷静に振り返ってみると、
商品力や接客以前に、「天候」や「季節」をどう捉えていたかで結果が大きく変わっているケースは少なくありません。
同じ商品、同じ売場、同じスタッフ。
それでも「晴れの日」と「雨の日」、「猛暑日」と「雪の日」では、
お客様の動きも、買い方も、求めているものもまったく違います。
それなのに現場では、
- いつも通りの発注
- 前日と同じ売場
- 昨日売れた商品の継続投入
といった「天候を考慮しない判断」が、無意識に行われがちです。
その結果、
・売れ残りが増える
・本来売れたはずの商品を逃す
・売上が読めず、感覚だけが疲弊する
という悪循環に陥ります。
この記事では、
「勘」や「経験」だけに頼らず、
天候・季節を“判断材料”として整理し、売上につなげる考え方をまとめています。
・晴れの日
・雨の日
・雪の日
・暑い日(猛暑日)
・春・夏・秋・冬
それぞれの場面で、
「何が起きやすいのか」
「なぜ売れ方が変わるのか」
「どこを見て判断すべきか」
これを一度、頭の中で整理しておくだけで、
日々の発注・売場づくり・売上のブレは確実に小さくなります。
季節や天候はコントロールできません。
でも、それをどう読むか、どう備えるかはコントロールできます。
このページを、
「天候・季節対応の軸記事」として、
日々の判断に迷ったときの戻り場所にしてください。
天候・季節で売上が変わる理由
まず大前提として押さえておきたいのは、
天候や季節は「売上を左右する外的要因」だということです。
売上が落ちたとき、つい
- 商品選定が悪かったのか
- 発注数を間違えたのか
- 売場が弱かったのか
と「自分たちの判断ミス」だけを疑いがちですが、
実際にはお客様側の行動そのものが変わっているケースが非常に多いです。
なぜ天候は売上に直結するのか
天候が変わると、次のような要素が一気に変化します。
- 来店頻度(そもそも外に出るかどうか)
- 来店時間帯(早め・まとめ買い・寄り道)
- 滞在時間(さっと買う/ゆっくり見る)
- 購買目的(目的買い/ついで買い)
例えば同じ「晴れの日」と「雨の日」でも、
- 晴れ:外出ついで・レジャー前後・軽い買い物
- 雨:必要なものだけを短時間で購入
というように、来店理由そのものが違います。
つまり、
「売れない=商品が悪い」ではなく、
「その天候に合わない商品構成だった」
というケースは、現場では珍しくありません。
「天候を読む」とは、予想することではない
ここで勘違いしやすいのが、
「天候を読む=当てにいくこと」だと思ってしまう点です。
実際には、天気予報は外れることもありますし、
気温や体感は人によっても違います。
大切なのは、
天候ごとに「起きやすい行動パターン」を理解しておくこと
です。
・晴れたら来店が増えやすい
・雨なら目的買いが中心になる
・雪なら来店数は減るが単価は上がりやすい
・猛暑日は回転重視になる
こうした傾向を知っていれば、
完璧に当てなくても「外しにくい判断」ができるようになります。
季節も「背景条件」として考える
さらに忘れてはいけないのが、季節です。
同じ雨でも、
- 春の雨
- 梅雨の雨
- 冬の雨
では、お客様の心理も行動も違います。
だからこそ、
「天候 × 季節」
この組み合わせで考えることで、
売上のブレは一段と読みやすくなります。
次の章では、
晴れ・雨・雪・暑い日・各季節ごとに、
売れ方がどう変わるのかを一覧で整理していきます。
【一覧】天候・季節別|売れ方の基本パターン
ここからは、
天候・季節ごとに「現場で起きやすい売れ方」を整理していきます。
ポイントは、
「何が売れるか」よりも「なぜその動きになるか」を理解することです。
晴れの日の売れ方
晴れの日は、来店動機がもっとも分散します。
- 外出・通勤・通学のついで
- レジャー・用事前後の立ち寄り
- なんとなくの寄り道
このため、ついで買い・軽食・飲料が動きやすく、
売場の「見せ方」「取りやすさ」が売上に直結します。
一方で、
目的買いだけに寄せすぎると機会損失になりやすいのも晴れの日の特徴です。
👉 詳細は個別記事で解説しています。

雨の日の売れ方
雨の日は、来店数が減りやすく、
「必要なものだけを短時間で買う」動きが中心になります。
- 目的買いが増える
- 売場回遊が減る
- 即食・温かいものが選ばれやすい
この日に晴れの日と同じ売場を作ってしまうと、
売れ残りやすく、廃棄につながりやすいのが現場あるあるです。
👉 雨の日の具体的な考え方はこちら。

雪の日の売れ方
雪の日は、天候の中でもっとも振れ幅が大きくなります。
- 来店数が大きく減る
- まとめ買い・備蓄需要が出やすい
- 売れる・売れないの差が極端
「いつも通り」をやるほど危険で、
強すぎる売場・過剰在庫が一気に重荷になります。
👉 雪の日対応の詳細はこちら。

暑い日(猛暑日)の売れ方
猛暑日は、来店はあるものの滞在時間が極端に短くなります。
- 冷たい飲料・即効性のある商品
- 回転重視・スピード重視
- 「選ばせない売場」が強い
売場で迷わせるほど、
「買わずに出る」確率が上がるのが特徴です。
👉 猛暑日の考え方はこちら。

季節別(春・夏・秋・冬)の売れ方
天候に加えて、季節は「購買心理の土台」になります。
- 春:新生活・軽さ・試し買い
- 夏:清涼感・即効性・回転
- 秋:食欲・まとめ買い・単価アップ
- 冬:温かさ・安心感・定番重視
同じ商品でも、
季節が違えば売れ方はまったく変わります。
👉 各季節の記事はこちら。
次の章では、
こうした天候・季節を無視したときに起きやすい、
「やってはいけない共通ミス」を整理していきます。
発注・売場で“やってはいけない共通ミス”
天候や季節ごとの傾向を理解していても、
現場ではついやってしまいがちなミスがあります。
ここでは、売上や廃棄につながりやすい
共通の落とし穴を整理します。
ミス①「いつも通り」で考えてしまう
一番多いのが、
天候が変わっても、発注・売場を変えないケースです。
- 晴れでも雨でも同じ売場
- 猛暑でも冬と同じ品揃え感覚
- 雪予報でも通常営業前提
現場では忙しさもあり、
「とりあえずいつも通り」が選ばれがちですが、
天候が変わった時点で、前提条件はすでに崩れています。
結果として、
- 売れない商品が残る
- 必要な商品が足りない
- 売上が読めず、感覚だけが消耗する
という悪循環に入りやすくなります。
ミス② 前日の成功体験を引きずる
「昨日これが売れたから、今日も同じでいこう」
この判断も、天候・季節対応では危険です。
特に、
- 晴れ → 雨
- 通常気温 → 猛暑日
- 通常日 → 雪予報
のように条件が変わった場合、
昨日の正解は、今日は不正解になることが多々あります。
成功体験そのものが悪いのではなく、
「条件が変わったこと」に気づかないことが問題です。
ミス③ 商品だけを見て、行動を見ていない
売れ行きが悪いと、
どうしても
- 商品力が弱い
- 価格が合っていない
- 売場が悪い
と、商品側だけに原因を求めがちです。
しかし実際には、
お客様の行動(来店目的・滞在時間・動線)が変わっている
だけ、というケースも非常に多いです。
天候・季節対応で大切なのは、
「商品を見る前に、人の動きを想像すること」です。
ミス④ 予測を当てにいこうとする
天候対応というと、
「当てなきゃいけない」と思いがちですが、
これは現場を疲弊させます。
大切なのは、
当てることではなく、外しにくい判断をすること
です。
予報が外れても大きなダメージを受けないように、
天候ごとの“基本の型”を持っておくことが、
安定した運営につながります。
次の章では、
ここまでの考え方を踏まえて、
実際に現場で使えるチェックリストをまとめます。
【チェックリスト】天候対応・発注判断
ここからが、この記事のいちばん重要な部分です。
天候や季節に振り回されず、
「外しにくい判断」をするためのチェックリストをまとめました。
すべてを完璧にやる必要はありません。
判断に迷ったときに立ち戻る基準として使ってください。
① 前日(天気予報を見た時)に確認すること
- ☑ 明日の来店数は「増えそう」か「減りそう」か
- ☑ 滞在時間は「長くなりそう」か「短くなりそう」か
- ☑ 目的買いが増えるか、ついで買いが増えるか
- ☑ 即食ニーズか、備蓄・まとめ買いか
ここで大切なのは、
数字を当てにいくことではありません。
「増える/減る」「長い/短い」といった
方向性だけを決めることで、
発注・売場のブレは一気に小さくなります。
② 当日朝(売場・在庫を見て)確認すること
- ☑ 天候に対して強すぎる売場になっていないか
- ☑ 逆に、足りなくなりそうな商品はないか
- ☑ 回転が落ちそうな商品を前面に出していないか
- ☑ 「今日は動きにくい商品」が目立っていないか
天候対応でありがちなのが、
「売れそうなものを足す」だけで、
「売れにくいものを引く」判断が遅れることです。
足すよりも先に、
引く判断ができるかどうかが、
廃棄・ロスを左右します。
③ 営業中(時間帯別)に見るポイント
- ☑ 来店のピークが想定とズレていないか
- ☑ 回遊が少ないなら、迷わせる売場になっていないか
- ☑ 売れている商品が「取りにくく」なっていないか
天候が厳しい日は、
「選ばせない」「探させない」売場が強くなります。
売場を派手に変える必要はありません。
1段下げる・1フェイス減らすだけでも、
動きは大きく変わります。
④ 天候が外れたときの考え方
天気予報が外れることは、普通にあります。
そのときにやってはいけないのが、
「判断ミスだった」と自分を責めることです。
大切なのは、
・致命傷にならなかったか
・次に活かせる判断だったか
を振り返ること。
このチェックリストを使っていれば、
多少外れても、大きく崩れる判断にはなりません。
次の章では、
この記事と個別記事を
どう使い分けるかを整理します。
まとめ|天候・季節は「振り回されるもの」ではない
天候や季節は、コントロールできません。
ですが、
それをどう捉え、どう備えるかは、
現場でコントロールできます。
・勘だけに頼らない
・前日の成功体験に引きずられない
・人の動きを先に考える
この3つを意識するだけで、
売上のブレや無駄な消耗は確実に減っていきます。
この記事を、
天候・季節対応の「戻り場所」として、
日々の判断に役立ててください。
個別の天候・季節ごとの考え方は、
それぞれの記事で詳しく解説しています。
迷ったら、またここに戻ってきてください。
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