接客サービスはPDCAで改善できる|コンビニ現場で評価を行動につなげる方法
接客は「頑張るもの」ではなく「設計するもの」
「接客をもっと良くしよう」
そう思って、声かけを増やしたり、笑顔を意識させたり、挨拶を徹底させたり。
多くの店舗で、こうした取り組みが行われています。
しかし、しばらくするとこんな声が出てきます。
- 「最初だけで、すぐ元に戻る」
- 「人によって接客のレベルが違う」
- 「注意すると空気が悪くなる」
- 「結局、誰が正しいのかわからない」
これは、スタッフの意識や能力の問題ではありません。
接客を“気持ち”や“感覚”で扱っていることが、最大の原因です。
接客サービス(Service)は、
本来「頑張るもの」でも「センスの問題」でもありません。
設計して、評価して、改善するものです。
つまり、接客は PDCAでしか改善できない業務 なのです。
この考え方を押さえないまま、
「もっと丁寧に」
「気持ちを込めて」
「お客様目線で」
といった言葉を重ねても、現場は疲弊していきます。
本記事では、
コンビニ現場で接客サービスを 感覚論から切り離し、
PDCAで回る“再現性のある仕組み”に変える方法を、
順を追って解説していきます。
Serviceは「評価できない」と改善できない

接客改善がうまくいかない最大の理由
接客サービスが改善しない店舗には、
ある共通点があります。
それは、
「良い接客」と「悪い接客」が言語化されていない
という点です。
たとえば、店長にこう聞くとします。
「この店の“良い接客”って何ですか?」
すると、多くの場合、
- 「感じがいい接客」
- 「お客様に寄り添う接客」
- 「丁寧な対応」
- 「ちゃんとした挨拶」
といった答えが返ってきます。
どれも間違いではありません。
しかし、これでは評価ができません。
評価できないということは、
PDCAで言えば Plan が存在していない状態です。
評価できないものは、改善できない
PDCAの基本はシンプルです。
- Plan:基準を決める
- Do:実行する
- Check:基準と照らして評価する
- Action:修正・改善する
ところが接客の場合、
- Plan:人によって違う
- Check:主観になる
- Action:注意や叱責になる
こうなりがちです。
結果として、
- 店長によって言うことが違う
- シフトによって接客の質が変わる
- 指摘される側が納得できない
という状態が生まれます。
これは「人の問題」ではなく、
仕組みの問題です。
Serviceは「感情」ではなく「業務」である
接客というと、
どうしても「心」「気持ち」「思いやり」といった
情緒的な言葉で語られがちです。
もちろん、それらは大切です。
しかし、店舗運営において重要なのは、
誰がやっても、一定水準を保てるか
という点です。
そのためには、接客を
「想い」ではなく
業務として定義する必要があります。
- 何をしたら「できている」のか
- 何をしていなければ「できていない」のか
- どこまでやれば合格なのか
これを決めずに、
Serviceを改善しようとするのは、
ゴールのないマラソンを走らせるようなもの
です。
接客改善のスタートは「基準づくり」
接客サービスをPDCAで回すために、
最初にやるべきことは一つだけです。
それは、
「良い接客」を、行動レベルで定義すること
です。
言葉ではなく、行動。
感覚ではなく、確認できるもの。
この基準があって初めて、
- 教えることができ
- 評価することができ
- 改善することができます
次の章では、
この Plan(基準づくり)をどう設計するか を、
具体的に解説していきます。
そもそも接客は「言葉」や「気持ち」ではなく、技術として定義しなければ評価できません。 この考え方の土台については、以下の記事で詳しく整理しています。
【Plan】接客サービスの基準を決める

「頑張っているのに評価されない」をなくすために
接客改善で最初にやるべき Plan は、
研修でも、ロープレでも、注意喚起でもありません。
基準を決めることです。
この基準が曖昧なまま現場を回すと、必ず次のような不満が出てきます。
- 「ちゃんとやっているのに注意された」
- 「人によって評価が違う」
- 「何を直せばいいかわからない」
これは、スタッフの問題ではなく、
Planが存在しない状態でDoとCheckを回そうとしていることが原因です。
Planで決めるのは「理想」ではなく「合格ライン」
接客基準というと、
「理想の接客像」を思い浮かべる方が多いですが、
現場で必要なのは理想ではありません。
必要なのは、
このラインを超えていればOK、という合格基準
です。
なぜなら、接客サービスは
- 忙しさ
- 人数
- 経験差
- 時間帯
によって、どうしても揺れます。
それでも安定させるためには、
- 100点を狙う基準
ではなく - 60〜70点を安定して取れる基準
を先に決めることが重要です。
Planで必ず決めるべき3つのこと
① 何を「やればOK」なのか
まず決めるのは、
できていると判断する行動です。
たとえば、
- お客様と目線が合っている
- 来店時に一言ある
- 会計後に区切りの言葉がある
といったように、
第三者が見て確認できる行動に落とします。
「感じがいい」「丁寧」などの言葉は、
ここでは使いません。
② 何を「やらなくていい」のか
次に重要なのが、
やらない接客を決めることです。
これは意外と見落とされがちですが、
現場を安定させるうえで非常に重要です。
たとえば、
- 忙しい時間帯に無理な声かけをしない
- レジ対応中に長い会話をしない
- 個人判断で過剰なサービスをしない
「やらなくていい」ことを決めることで、
- スタッフの迷いが減る
- 判断基準が揃う
- 無理な“頑張り”が減る
結果として、
接客の質が 安定 します。
③ どこまでできれば「合格」なのか
最後に決めるのが、
評価のラインです。
すべて完璧にできていなければダメ、
という基準は現場では機能しません。
- できていなくても注意しない行動
- できていれば評価する行動
- 優先順位が高い行動
これを分けて考えます。
ここで重要なのは、
減点方式ではなく、加点方式で考える
ということです。
接客基準は「文章」ではなく「一覧」にする
接客基準を作るとき、
長い文章でまとめてしまうケースがありますが、
現場ではほとんど使われません。
おすすめなのは、
- 箇条書き
- チェック形式
- 一目で見て判断できる形
です。
たとえば、
- □ 目線が合っている
- □ 来店時の一言がある
- □ 会計後の締めがある
このように Yes / No で判断できる形 にすることで、
- 教える側も
- 教えられる側も
迷わなくなります。
Planができると、DoとCheckが変わる
ここまで Plan が決まると、
現場では次の変化が起こります。
- 指示が短くなる
- 注意が具体的になる
- 評価が感情的にならない
そして何より、
「何を直せばいいのか」が明確になる
のです。
これは、スタッフにとっても、
管理する側にとっても、大きなメリットです。
Planは「固定」ではなく「仮置き」でいい
最後に一つだけ、
とても大事なことをお伝えします。
接客基準は、
最初から完璧である必要はありません。
むしろ、
- 一度決めて
- 使ってみて
- 修正する
この前提で作る方が、
PDCAはうまく回ります。
Planとは、
仮置きして、後で直すためのものです。
次の章では、
この Plan をもとに、
接客サービスを「行動」に落とす方法(Do)
を具体的に解説していきます。
接客基準を作る際は、まず「あいさつ」のような基本行動から定義すると整理しやすくなります。 具体例は以下の記事で解説しています。
【Do】Serviceは「言葉」ではなく「行動」に落とす

なぜ「声かけを増やそう」は失敗するのか
接客改善で、よくある指示があります。
- 「もっと声を出そう」
- 「笑顔で対応しよう」
- 「丁寧な接客を心がけて」
一見、正しそうに聞こえますが、
これらの指示が現場で定着することは、ほとんどありません。
理由は単純です。
言葉の指示は、人によって解釈が違うから
です。
「もっと声を出す」と言われて、
- 声量を上げる人
- 回数を増やす人
- テンションを上げる人
それぞれバラバラの行動になります。
これでは、
Do(実行)が揃うはずがありません。
Doで落とすべきは「動作」と「位置」
ServiceをDoに落とすとき、
意識すべきポイントは2つだけです。
- 何をするか(動作)
- どこでやるか(位置)
この2つを決めるだけで、
接客は一気に安定します。
たとえば「挨拶」。
これを言葉で教えると、
- 「ちゃんと挨拶して」
- 「元気よく」
となりますが、
行動で落とすとこうなります。
- レジ前で
- お客様と目線を合わせ
- 商品を受け取った瞬間に
- 一言声を出す
ここまで具体化して、
初めて「Do」になります。
接客を「動作単位」に分解する
ServiceをDoに落とすためには、
接客を 流れ ではなく
動作単位 で考える必要があります。
たとえば、レジ接客なら、
- お客様が来る
- 商品を出す
- 会計する
- 商品を渡す
- お客様が去る
この流れの中で、
- どの瞬間に
- どんな動作を
- どの位置で行うか
を決めていきます。
重要なのは、
「できている/できていない」が一瞬で判断できる形
にすることです。
「言わない接客」もDoの一部
Doというと、
「何をするか」ばかりに目が行きがちですが、
実は同じくらい重要なのが、
何をしないか
です。
たとえば、
- 忙しい時間帯に余計な声かけをしない
- レジが詰まっている時に会話を広げない
- 自分判断でサービスを増やさない
これらも、
立派なDoの定義です。
「やらない接客」を決めておくことで、
- 現場の判断が揃う
- 無駄なストレスが減る
- サービスの質がブレにくくなる
という効果があります。
Doは「できる前提」で作ってはいけない
もう一つ、
Doを設計するときに陥りやすい落とし穴があります。
それは、
「できる人」を基準に作ってしまうこと
です。
経験者・ベテランを基準にすると、
- 新人がついてこられない
- 教える側が疲弊する
- 結局、形骸化する
という結果になりがちです。
Doは、
- 忙しい
- 人が足りない
- 経験が浅い
そんな状況でも 最低限できる行動 に絞る必要があります。
Doが揃うと、現場は驚くほど静かになる
Doが行動として揃い始めると、
現場では次の変化が起こります。
- 注意が減る
- 声を荒げる場面が減る
- 「なんでできないんだ」が消える
これは、
スタッフの意識が上がったからではありません。
やることが明確になっただけです。
Serviceは、
人を変えなくても、
行動を揃えるだけで改善します。
次は「Check」で主観を捨てる
ここまでで、
- Plan:基準を決め
- Do:行動に落とす
ところまで来ました。
次に必要なのは、
その行動が本当にできているのかを確認すること
です。
しかし、
自己評価や店長の感覚でCheckをすると、
またブレが生まれます。
次の章では、
Service改善の核心である「Check」、
つまり ミステリーショッパーをどう使うか を解説します。
会話も同様に、感覚ではなく「立ち止まるタイミング」や「間合い」として捉える必要があります。 この考え方は、以下の記事で補足しています。
【Check】ミステリーショッパーで“主観”を捨てる

なぜ自己評価ではServiceは改善しないのか
Planで基準を決め、
Doで行動を揃えても、
Checkを間違えるとServiceは必ず崩れます。
多くの店舗で行われているCheckは、次の2つです。
- 店長の印象評価
- スタッフ自身の自己評価
しかし、この2つには致命的な欠点があります。
どちらも「主観」から逃れられない
という点です。
- 忙しい時間帯を見ていない
- 一部の場面だけで判断している
- 人間関係や感情が評価に混ざる
これでは、
「できている」「できていない」の基準が、
日によって、人によって変わってしまいます。
Checkの役割は「正しさ」を決めることではない
Checkというと、
- 正しいか
- 間違っているか
- 良いか
- 悪いか
を決めるものだと誤解されがちです。
しかし、ServiceにおけるCheckの役割は違います。
Planで決めた行動が、実際に行われているかを確認すること
ただ、それだけです。
感想も、評価も、説教も、
Checkの役割ではありません。
ミステリーショッパーがService改善に向いている理由
ここで重要になるのが、
ミステリーショッパー(覆面調査) です。
ミステリーショッパーの最大の価値は、
- 点数が出ること
ではなく - 第三者の視点が入ること
にあります。
第三者の視点が入ることで、
- 店長の好み
- スタッフとの関係性
- 忙しさへの言い訳
こうした要素が、
Checkから切り離されます。
Service改善において、
これは非常に大きな意味を持ちます。
点数を見るな。「行動」を見ろ
ミステリーショッパー結果を見たとき、
多くの現場が最初に見るのは 点数 です。
- 前回より上がった
- 下がった
- 目標に届いていない
しかし、点数を見ても、
Serviceはほとんど改善しません。
なぜなら、点数は 結果 であって、
行動ではないからです。
Checkで見るべきなのは、
- どの行動が
- できていて
- どの行動が
- できていなかったか
この一点です。
Checkは「できていない」を責める時間ではない
ミステリーショッパー結果を
叱責や指導に使ってしまうと、
Service改善は一気に止まります。
- 評価=怒られる
- 評価=詰められる
こうした認識が生まれると、
- 本音が出なくなる
- 報告が減る
- 改善提案が消える
という状態になります。
Checkは、
次のActionを決めるための材料
です。
良し悪しを決める場ではありません。
Checkは「一つだけ」拾えばいい
Checkでよくある失敗が、
全部直そうとすることです。
- できていない点を全部並べる
- 改善点を一気に伝える
これは、
Service改善を止める最短ルートです。
Checkでやるべきことは、
一番影響が大きい行動を一つ選ぶこと
だけです。
- 目線が合っていない
- 挨拶が抜けている
- 締めの一言がない
どれか一つで構いません。
Checkが機能すると、現場の空気が変わる
正しくCheckが行われるようになると、
現場には次の変化が起こります。
- 評価に対する抵抗が減る
- 指摘が冷静になる
- 改善が前向きになる
これは、
人が変わったからではありません。
評価の意味が変わっただけ
です。
Checkが
「責める時間」から
「改善を探す時間」に変わると、
Service改善は自然に回り始めます。
次は「Action」でServiceを前に進める
ここまでで、
- Plan:基準を決め
- Do:行動を揃え
- Check:主観を捨てる
ところまで来ました。
最後に必要なのは、
Action(改善) です。
次の章では、
- なぜActionで失敗するのか
- 改善を「叱責」にしない方法
- Serviceを継続させる考え方
を解説します。
ミステリーショッパーを「評価の罰ゲーム」にしないためには、 制度の捉え方そのものを整理しておく必要があります。 考え方の前提は、以下の記事で解説しています。
→ ミステリーショッパーを現場改善に活かす考え方
① まず最初に確認すること(超重要)
❌ やってはいけない
- 点数だけを見る
- 前回比較で一喜一憂する
- 「低い理由」を探す
✅ 最初にやること
👉 「今回、何が起きていたか」を整理する
② 全体把握シート(事実整理)
【A】基本情報
| 項目 | 記入 |
|---|---|
| 実施日 | |
| 時間帯 | |
| 混雑状況 | 少 / 普 / 多 |
| 人員体制 | |
| 対応スタッフ |
📌 ここは“言い訳”を書く欄ではない
→ 行動条件を整理するだけ
【B】総合点数(参考扱い)
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 今回 | |
| 前回 | |
| 差分 |
📌 点数は
👉 「結果」ではなく「傾向」 として見る
③ 行動抽出シート(ここが本丸)
【C】できていた行動(必ず書く)
| 行動 | Yes / No |
|---|---|
| 目線が合っていた | |
| 来店時の一言 | |
| 会計時の所作 | |
| 締めの一言 |
📌 最初に「できている」を確認する
→ ここを飛ばすと改善は止まる
【D】できていなかった行動
| 行動 | Noだった理由(仮) |
|---|---|
📌 理由は 断定しない
→ あくまで仮置き
④ 改善対象の特定(1つだけ)
【E】今回の改善テーマ(1項目限定)
今回、改善対象とする行動は
👉 「____________」
📌 ルール
- 1回のCheck=改善は1つ
- 複数ある場合は「影響が一番大きいもの」
⑤ なぜ起きたか?(責めない分析)
【F】原因は「人」ではなく「条件」
以下から 当てはまるものに○
- □ 忙しさ
- □ 人員不足
- □ 基準が曖昧
- □ 行動定義が難しい
- □ タイミングが合っていない
- □ 教え方の問題
📌
❌「意識が低い」
❌「やる気がない」
→ ここは絶対に書かない
⑥ Action設計シート(改善を形にする)
【G】次にやる改善(行動レベル)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善行動 | |
| どこで | |
| いつ | |
| 誰が | |
| 忙しい時は |
📌 「次はできる」形になっているか?
【H】Plan修正の有無
- □ 基準を下げる
- □ 基準を具体化する
- □ やらない接客を追加
- □ 修正なし
📌 改善=Plan修正
→ Doだけ直して終わらせない
⑦ 次回Checkへの引き継ぎ
【I】次回確認ポイント
次回ミステリーショッパーで
👉 必ず確認する行動:________
📌 次回のCheckは
👉 「前回より良いか」ではなく
👉「この行動ができているか」
⑧ 面談・共有時の使い方(超重要)
❌ NGな伝え方
- 「点数が低かった」
- 「前より下がっている」
- 「意識して」
✅ OKな伝え方
- 「ここはできていた」
- 「今回はここだけ直そう」
- 「次はこうしてみよう」
⑨ このテンプレの位置づけ
- 評価表ではない
- 管理資料でもない
- 詰める道具ではない
👉 Service改善を“前に進める翻訳シート”
🔁 PDCAとの対応関係(確認用)
| PDCA | このテンプレ |
|---|---|
| Plan | 基準修正(H) |
| Do | 改善行動(G) |
| Check | 行動抽出(C/D) |
| Action | 改善テーマ決定(E) |
最後に
ミステリーショッパーは
評価するためのものではありません。
「次はできる状態を作るための材料」
として使ったとき、
初めて Service PDCA は回り始めます。
【Action】評価を「叱責」に使わない

なぜActionでService改善は止まるのか
Plan・Do・Checkまで丁寧にやっても、
Service改善が止まってしまう店舗があります。
原因はほぼ一つです。
Actionが「注意」「叱責」「詰める時間」になっている
こと。
評価結果を見て、
- 「なんでできていないの?」
- 「前も言ったよね?」
- 「意識が足りないんじゃない?」
こうした言葉が出た瞬間、
Actionは 改善ではなく防御の時間 に変わります。
Actionの目的は「直す」ではない
Service改善におけるActionの目的は、
間違いを正すことではありません。
目的は、
次はできる状態を作ること
です。
つまり、
- 人を変える
- 気持ちを入れ替えさせる
のではなく、
- やり方を変える
- 条件を変える
- 基準を見直す
これがActionです。
Actionでやることは3つだけ
Service改善のActionでやることは、
実はとてもシンプルです。
① 行動を一つに絞る
Checkで拾った改善点は、
必ず一つに絞ります。
- あれもこれも
- 一気に全部
はやりません。
理由は簡単で、
人は同時に一つしか改善できない
からです。
② 基準を修正する
次にやるのは、
Planの見直しです。
- この基準は現場に合っているか
- 忙しい時間帯でもできるか
- 誰でも再現できるか
Checkで「できていない」なら、
多くの場合、
基準が高すぎる or 曖昧すぎる
どちらかです。
Actionは、
「やらせる」ではなく
「やれる形に直す」時間 です。
③ できない前提で再設計する
最後に大事なのが、
できない前提で考える ことです。
- 忙しい
- 人が足りない
- 経験が浅い
こうした現実を無視して
Actionを組んでも、
次のCheckで同じ結果になります。
Actionとは、
現場の制約を織り込んだ再設計
です。
Actionがうまくいくと、注意が減る
Actionが正しく回り始めると、
現場では不思議な変化が起こります。
- 注意する回数が減る
- 同じ指摘をしなくなる
- 店長の負担が軽くなる
これは、
スタッフが急に成長したからではありません。
仕組みが整っただけ
です。
Service改善は、
人を叱らなくても進みます。
Actionは「失敗してもOK」
最後に、
とても大切な考え方を一つ。
Actionは、
失敗しても問題ありません。
- やってみて
- ダメなら
- また直す
これがPDCAです。
Service改善が止まるのは、
失敗したときではなく、
失敗を責めたとき
です。
Actionが回る店舗は、Serviceが文化になる
Actionが回り続ける店舗では、
- 接客が属人化しない
- 空気が安定する
- クレームが減る
- 教育が楽になる
Serviceが、
「気合」や「根性」ではなく、
文化として根づいていきます。
次はいよいよまとめです
次の章では、
- なぜService改善はPDCAでしか続かないのか
- この1本の記事の全体整理
- 他の記事とのつながり
をまとめます。
Service PDCAが回り出す店舗の共通点(まとめ)

Service改善が「続く店」と「止まる店」の違い
ここまで、
Service(接客サービス)をPDCAで回す流れを見てきました。
- Plan:基準を決める
- Do:行動に落とす
- Check:主観を捨てる
- Action:叱責にしない
この流れを実践できている店舗には、
いくつかの共通点があります。
逆に言えば、
Service改善が止まる店舗は、
この共通点が一つずつ欠けています。
共通点①「接客」を“人の問題”にしない
Serviceが回る店舗では、
接客ができない原因を、
- 意識が低い
- 向いていない
- やる気がない
といった 人の問題 にしません。
代わりに、
- 基準が曖昧だった
- 行動が具体化されていなかった
- 忙しさを考慮していなかった
という 設計の問題 として捉えます。
この視点があるだけで、
現場の空気は大きく変わります。
共通点②「できていない」を責めない
Service PDCAが回っている店舗では、
「できていない」ことが出てきても、
それを 責める材料 にしません。
- なぜできなかったのか
- 条件が合っていなかったのか
- 基準が高すぎなかったか
こうして、
次にできる形を探す材料 にします。
評価が怖くない現場では、
改善のスピードが自然と上がります。
共通点③ 改善は「一つずつ」しかやらない
Service改善がうまくいく店舗ほど、
欲張りません。
- 一度に全部直そうとしない
- 完璧を求めない
- 小さく回す
Checkで拾うのは、
いつも 一つだけ。
その一つが定着してから、
次に進みます。
結果として、
遠回りに見えて、最短で安定する
のがService改善です。
共通点④ 店長が「全部見ない」
Serviceが回る店舗の店長ほど、
すべてを直接見ようとしません。
- 自分の感覚を信じすぎない
- 主観で判断しない
- 第三者の視点を使う
ミステリーショッパーなどの
外部評価(Check) をうまく使い、
「自分が正しいかどうか」ではなく、
「基準通りかどうか」で判断します。
Service改善は「頑張らなくなった時」にうまくいく
ここまで読んでいただいて、
お気づきかもしれません。
Service PDCAが回っている店舗では、
- 「もっと頑張れ」
- 「意識を高く」
- 「気持ちを込めて」
といった言葉が、
ほとんど使われません。
代わりにあるのは、
- 「ここだけ直そう」
- 「この基準、合ってる?」
- 「次はこうしてみよう」
という 設計の会話 です。
Service改善は、
頑張らなくなったときに、
ようやく安定します。
Serviceは才能ではない。仕組みで決まる
最後に、
この記事で一番伝えたかったことを
まとめます。
- Serviceは才能ではない
- センスの問題でもない
- 気合や根性で伸ばすものでもない
設計すれば、誰でも一定水準にできる業務
それが、接客サービスです。
そして、その設計図が
PDCA です。
関連記事(ここから実務に落とす)
この記事で紹介した考え方は、
以下の記事で さらに具体化 できます。
- 接客の基準づくり(Planの思想)
- 行動としての接客(Doの補助)
- 客観評価の使い方(Check)
- 全体設計としてのPDCA
それぞれの役割を意識しながら読むことで、
Service改善の理解が一段深まります。
まとめ
- 接客は感覚ではなく設計する
- 評価できないものは改善できない
- PDCAで回せばServiceは安定する
- 改善は人ではなく仕組みを変える
この考え方が、
あなたの店舗のService改善に
少しでも役立てば幸いです。
接客サービス改善チェックリスト(PDCA別)
※ 目的は「評価」ではなく
👉 改善を前に進めるための確認表 です。
【Plan】接客サービス基準チェックリスト
👉 基準が曖昧なままDoに進んでいないかを確認
| チェック | 内容 |
|---|---|
| □ | 「良い接客」が行動レベルで定義されている |
| □ | 感覚語(丁寧・感じがいい等)を使っていない |
| □ | 第三者が見てYes / Noで判断できる |
| □ | 忙しい時間帯でも実行可能な基準になっている |
| □ | 新人でも理解できる内容になっている |
| □ | 「やらなくていい接客」が決まっている |
| □ | 合格ライン(60〜70点)が明確になっている |
🔎 ここが×なら
→ 接客改善は始まっていない
→ まずPlanの作り直しが必要
【Do】接客行動チェックリスト
👉 言葉ではなく「動作」になっているかを確認
| チェック | 内容 |
|---|---|
| □ | 接客を動作単位で分解している |
| □ | 「どこで」「いつ」やるかが決まっている |
| □ | 挨拶・視線・立ち位置が具体化されている |
| □ | 忙しい時の省略ルールがある |
| □ | やらない接客が共有されている |
| □ | ベテラン基準ではなく新人基準で設計されている |
| □ | 全員が同じDoをしている |
🔎 ここが×なら
→ 指示が感覚論
→ 「もっと〇〇して」が出始めているサイン
【Check】接客評価チェックリスト
👉 主観・感情が混ざっていないかを確認
| チェック | 内容 |
|---|---|
| □ | 自己評価だけに頼っていない |
| □ | 店長の印象評価だけになっていない |
| □ | 第三者評価(ミステリーショッパー等)を使っている |
| □ | 点数ではなく「行動」を見ている |
| □ | 一度に全部直そうとしていない |
| □ | 改善対象は1項目に絞っている |
| □ | 評価が叱責の場になっていない |
🔎 ここが×なら
→ 評価=怖いもの
→ Service改善は必ず止まる
【Action】改善実行チェックリスト
👉 「注意」になっていないかを確認
| チェック | 内容 |
|---|---|
| □ | 改善点を1つに絞っている |
| □ | 人ではなく仕組みを直している |
| □ | Plan(基準)の修正をしている |
| □ | 忙しさ・人数を前提に再設計している |
| □ | 「できない前提」で考えている |
| □ | 失敗しても責めない雰囲気がある |
| □ | 次のCheckにつなげる設計になっている |
🔎 ここが×なら
→ Actionが「詰める時間」になっている
→ PDCAが分断されている
🔁 全体セルフチェック(重要)
最後に、必ずこの3つを確認してください。
| 質問 | Yes / No |
|---|---|
| 接客改善を「人の問題」にしていないか | □ Yes / □ No |
| PDCAのどこかが感覚で回っていないか | □ Yes / □ No |
| 改善が“叱責”ではなく“再設計”になっているか | □ Yes / □ No |
📌 使い方(おすすめ)
✔ 店長・リーダー向け
- 面談前の整理
- 改善ミーティング前の確認
✔ スタッフ向け
- 「なぜ注意されるのか」の可視化
- 納得感のある説明材料
✔ 教育・引き継ぎ用
- 新人教育
- 店長交代時の基準共有
このチェックリストの位置づけ
- 評価表 ❌
- 監視 ❌
- 減点 ❌
👉 改善を前に進めるための道具 です。
接客サービスの改善は、単独で行うものではありません。 QSC全体を整理し、PDCAとして回す考え方は、以下の記事で解説しています。

