【雪の日に売れる商品ランキング】店舗経営の現場から学ぶ“売上を落とさない工夫”
雪の日は、来店客数が大幅に減る一方で、来てくださるお客様の「購入単価が高くなる」という特徴があります。 厳しい天候の中でも来店されるお客様は、目的を持って「本当に必要なもの」だけを買われる傾向が強いためです。
だからこそ、雪の日の店舗運営では、「確実に動く商品」を事前に把握し、売場と在庫を整えておくことが、売上確保の最大のポイントになります。
この記事では、コンビニ店舗を長年運営してきた私が、実際の売場で体験してきた 「雪の日でも売上をつくる商品カテゴリ」と、 「スタッフが実践できる現場の工夫」をランキング形式でまとめました。
来店客数が減る雪の日こそ、普段とは違う“お店の力”が試されます。 売上を守るだけでなく、お客様への温かい接客が翌日の売上・信頼関係にも影響する大切な場面です。
それではさっそく、冬の厳しい天候でも動く商品をランキング形式で紹介していきます。
雪の日に売れる商品ランキング

雪の日は来店客数が減る一方で、「温かいもの」や「その日を乗り切るために必要なもの」への需要が急上昇します。 ここでは、実際の店舗運営でデータと現場体験から見えてきた「雪の日に本当に動く商品」をランキング形式で紹介します。
🥇 1. ホットスープ・カップ麺(即効性の“温”商品)
雪の日にもっとも動くのが、体を温めることのできる即効性のある温かい商品です。
特に、味が濃い系・辛味のあるスープや、味噌・担々麺系カップ麺の動きは通常日の倍以上に跳ね上がります。 「今日は温かいものを…」というお客様が多く、陳列量を普段の1.5〜2倍に増やすだけで売上が大きく変わるカテゴリです。

雪が降ると、普段より“味の濃い・辛い系”が一気に動きます。 冷えた体が温まる感覚を求めるお客様が多い印象ですね。 私は迷うなら「辛め」を多めに並べていました。
🥈 2. おでん・中華まん(冬の定番+“心理ニーズ”にマッチ)
おでん・中華まんは冬全体で売れるカテゴリですが、雪の日はさらに動きが加速します。 理由は非常にシンプルで、お客様の心理が「とにかく温かいものが食べたい」に振り切れるためです。
また気温の影響で仕込み量を減らしてしまう店舗も多い中、しっかり準備をしている店舗は大きなアドバンテージを得られます。

新規客を獲得できる可能性が一番高いのが“中華まん”。 温かさと香りで「つい買いたくなる」んですよね。 会話のきっかけにもなりやすいため、声かけも大事にしていました。
🥉 3. 鍋用野菜・鍋スープ(まとめ買いが増えるカテゴリ)
家庭用スーパー・コンビニ兼業店舗では、雪の日は鍋需要が急増します。 白菜・豆腐・鍋スープなど、家で温まるための食材が一気に動くのが特徴です。
理由は、お客様の心理にある「今日は家でゆっくり温まりたい」「家族で鍋を囲もう」が強く働くためです。
🧤 4. カイロ・防寒グッズ(高確率で動く“必要性商品”)
防寒系商品(カイロ・手袋・ネックウォーマーなど)は、 「価格より必要性が勝つ」ため、雪の日はほぼ確実に動く商品です。
特に入口近くやレジ横に設置すると“ついで買い”を誘発しやすく、 一見売れなさそうなタイミングでも在庫が減っていくカテゴリーです。

寒さが厳しい日は、高価格帯のカイロも売れます。 「しっかり温まりたい」という気持ちが行動に直結するんですよね。
🧀 5. チルド惣菜・レンジ商品(帰宅前の“ストック買い”)
雪の日は「外に出たくない」心理が強く働くため、 帰宅前にその日の夜ご飯や翌日のストックをまとめ買いする人が増えます。
特に売れるのは以下のカテゴリ👇
- レンジパスタ・うどん
- チルドのスープ・シチュー
- 冷凍パスタ・炒飯
- カット野菜+レンジ調理食品

雪の日の心理を理解する

雪の日に来店されるお客様には、普段とは異なる特有の心理が働いています。 厳しい天候の中わざわざ足を運んでくださるからこそ、売場の温かさやスタッフのひと言が、 商品以上に印象に残りやすい日でもあります。
この心理を理解しておくことで、無理のない自然な接客ができ、売上だけでなく信頼残高を大きく積むきっかけになります。
お客様の心理①:「最低限かつ“必要なものだけ”買いたい」
雪の日は移動が大変なため、 お客様は短時間で効率よく買い物を済ませたいと感じています。
だからこそ、雪の日は通常以上に手に取りやすい陳列が成果を左右します。
お客様の心理②:「温かさ・安心感を求めている」
外が寒く厳しい天候の日ほど、 店内の暖かい売場・温かい雰囲気が、いつも以上に喜ばれます。
雪の日には「温かい食事」「あったまる商品」へのニーズが急上昇しますが、 それと同時に、ちょっとした気遣いや声かけが非常に刺さりやすい日でもあります。

「足元滑りやすいのでお気をつけくださいね」 この一言は驚くほど印象に残るようで、 後日「この前はありがとう」と言っていただけることもありました。
お客様の心理③:「早く帰りたい」を叶えてあげると満足度が上がる
雪の日は、短時間で買い物を済ませて帰宅したいという心理が非常に強いです。
そのため、 ・レジ前の混雑 ・通路の塞がり ・動線の悪さ こうしたストレスが普段よりも“売れない理由”として強く作用します。
お客様の心理④:「雪の中でも開いていてほしい」という信頼
雪の日に来店してくださるお客様は、 「この店はちゃんとやっている」「いつも助かる」といった安心感を求めています。
だからこそ、雪の日の接客や売場対応は、 そのまま翌日以降の売上・リピート率に直結します。

雪の日ほど、 “今日は来てよかった”と思ってもらえる接客が大切だと感じます。 これは数字には見えませんが、信頼を積む最大のチャンスです。
お客様の心理⑤:「まとめ買いモード」に切り替わりやすい
雪の日は外出がしづらいため、 「今日の夜ご飯」「明日の分」「数日間のストック」をまとめて買う傾向が強くなります。
普段よりも“少量多フェイス”の陳列が効果を発揮します。 「迷わず買える」ことが最大の価値になる日だからです。

雪の日の売場対応

雪の日は客数が普段より減るため、スタッフの動きにも時間的余裕が生まれます。 この時間を「閑散期」ではなく、“次の売上を作る準備期間”として活用できるかどうかが、店舗全体の成長を大きく左右します。
ここでは、実際に私が雪の日に実践していた「売場対応・オペレーション・準備」のポイントをまとめます。
① 普段は手が回らない“売場整備”を一気に進める
雪の日は来店が少ない分、普段はなかなかできない売場の基礎工事を進める絶好のチャンスです。
売場が整うと、翌日以降のピーク時でも無理なく補充がまわり、ミスも減ります。

普段手を付けられない場所を整えておくと、次の日の朝が本当に楽になります。 こうした積み重ねが“忙しい日の売上”を支えてくれるんですよね。
② “前倒し補充”が後日のピーク売上を支える
雪の日は物流が遅れたり、翌日に入荷が集中するケースが多くあります。 そこで重要なのが、賞味期限の長い商品の前倒し補充です。
これらを前日に満タンにしておくだけで、 翌朝の混雑時に「補充で手が止まる時間」を最小限にできます。

雪の日こそ、“明日の売上を作る補充”が大事です。 翌朝の稼働が驚くほどスムーズになりますよ。
③ 少ない時間帯で“まとめ出し”を実施する
客数が少ない時間帯に、品出しをまとめて一気に実施しておくと、 翌日のピーク時に強烈な効果を発揮します。
「売れていないからやらない」ではなく、 「明日のピークを楽にするためにやる」という考え方が重要です。
④ 雪の日は“接客密度”が上がるタイミング
客数は少ないものの、来てくれるお客様は 「本当に必要だから来たお客様」 が多いため、 スタッフとお客様の接触が深くなりやすい日でもあります。
こうしたわずかな気遣いが、 “また来よう”と思っていただける信頼の積み重ねになります。

雪の日は、売上以上に“関係づくりが進む日”。 お客様の心に残る温かさが、次の日の売上に直結します。
⑤ 雪の日は「売れない日」ではなく「準備の日」
店舗運営では、雪の日をどう捉えるかで結果が大きく変わります。
売上が落ちる日として終わらせるか、 翌日の売上と信頼を積む“仕込みの日”として使うかで、 数日後の売上はまったく違うものになります。

雪の日の積み重ねが、次の晴れた日の売上を底上げします。 “準備が整った店舗”は、翌日のピークで強いんですよね。
まとめ|少数精鋭の商品で勝負し、信頼を積む一日に

雪の日は、どうしても客数が減ってしまいます。 しかし、そんな天候の厳しい日こそ、“お客様との信頼を深める絶好のチャンス”でもあります。
わざわざ雪の中でも足を運んでくださるお客様に対して、 安全に・気持ちよく・安心して買い物をしていただく姿勢が、 数字以上の価値として店舗に積み上がっていきます。
ほんの少しの気配りでも、お客様の記憶に残るのが雪の日です。 入口付近の雪をこまめに拭く、 「足元滑りやすいのでお気をつけください」と一言添える、 温かい商品の売場に気持ちのこもったPOPを付ける—— それだけで「またこの店に来よう」と思っていただけます。

雪の日ほど、お客様の“来てよかった”が大事な日です。 売れたかどうかより、来てよかったと思ってもらえるか。 その積み重ねが、次の晴れた日の売上を大きく変えてくれます。
つまり雪の日の商売は、 「モノを売る日」ではなく「心を積む日」でもあります。 お客様の気持ちを温めながら、安全で快適な売場づくりを徹底することで、 天候に左右されない“信頼される店づくり”につながります。

雪の日の来店は、数字よりも信頼の証。 雪を踏みしめて来てくれたお客様こそ、 次の季節の売上を支えてくれる一番の常連さんです。
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