2026年4月たばこ値上げ|対象銘柄まとめとコンビニ「3月の買いだめ需要」在庫戦略
2026年4月1日から、加熱式たばこの課税方式が見直されます。しかも今回は、消費者への影響に配慮して 2026年4月・10月の2段階で実施される整理です。
(参考:財務省「たばこ税等に関する資料」)
この流れを受けて、メーカー各社が小売定価(=店頭価格)の改定を進めています。店舗側としては、ここが勝負どころです。
- たばこは 値入れ率(粗利率)が低い
- でも値上げ前の月(=3月)は 買いだめ需要が極端に増える
- 4月に入ると、買いだめしたお客様の購入頻度が落ちて 反動減 が来る
- 3月に欠品した店舗は、売上を落とすだけでなく 4月にさらにダメージ を受けやすい
この記事では、
「粗利率が落ちるのは分かってる。でも3月は勝負しに行く」
そのための“現場の型”を整理します。
- まず結論:3月は「粗利率」より「粗利額」と「来店」を取りに行く
- 2026年4月値上げの背景:加熱式たばこ「課税方式見直し」は4月・10月の2段階
- 2026年4月値上げ:公式発表ベースの対象銘柄まとめ(JT/PMJ)
- 「今後追加されるもの」どう見ればいい?(10月・翌年以降の見立て)
- 在庫を持つのが怖い人へ:今回の見直しでは「手持品課税は実施されない」案内がある
- 3月は“勝負月”|買いだめ需要を取り切る発注・在庫の考え方
- 3月末〜4月1日|現場事故を防ぐ運用(ここで揉める店が多い)
- 4月は“反動減”が来る|ダメージを最小化する3つの防御
- チェックリスト(3月にやる/4月にやる)
- まとめ:粗利率が落ちても、3月は“売上と粗利額”を取りに行く価値がある
- よくある質問(FAQ)
- (補足)制度の経過措置メモ:4/1〜9/30→10/1で段階移行
まず結論:3月は「粗利率」より「粗利額」と「来店」を取りに行く
たばこの売上が増えると、店全体の粗利率(値入れ率)は下がりやすいです。
でも、ここで見てほしいのは 粗利率ではなく粗利額 です。
たとえば(数字は分かりやすく例です):
- 通常月:売上1,000万円
- たばこ200万円(粗利率10%)→ 粗利20万円
- その他800万円(粗利率30%)→ 粗利240万円
- 合計粗利260万円(粗利率26%)
- 3月:買いだめでたばこが400万円になった
- たばこ400万円(10%)→ 粗利40万円
- その他800万円(30%)→ 粗利240万円
- 合計粗利280万円(粗利率23.3%)
粗利率は下がる。けど粗利額は増える。
ここを取りに行くのが、3月の考え方です。

粗利率の見た目が悪くなるのが怖くて欠品すると、
“たばこ”だけじゃなく“ついで買い”も丸ごと落ちます。こっちの方が痛い。
※粗利率/粗利額の見方を「数字の型」として入れたい方は、こちらもどうぞ

2026年4月値上げの背景:加熱式たばこ「課税方式見直し」は4月・10月の2段階
今回の制度変更は、2026年4月と10月の2段階で実施されます。
(参考:財務省https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/d09.htm )
店舗運用として重要なのは、「4月だけのイベント」ではなく、10月にももう一段ある設計だということ。
ざっくり押さえるべきポイント
- 2026/4/1〜9/30:経過措置(段階的な移行)
- 2026/10/1:第2段階(新換算へ移行)
- その上で、国のたばこ税の税率についても、2027年以降に段階的引き上げの方針が示されています(将来の値上げが“イベント化”する可能性)。
2026年4月値上げ:公式発表ベースの対象銘柄まとめ(JT/PMJ)
JT(日本たばこ産業):プルーム用スティック/ウィズ用カプセル(計37銘柄)
JTは、加熱式たばこの課税方式見直しに伴い、「プルーム」用たばこスティック(全31銘柄)と、「ウィズ」用たばこカプセル(全6銘柄)の計37銘柄について、2026年4月1日より小売定価改定を実施すると発表しています。
(参考:JT「小売定価改定の認可について」 )
価格改定の代表例(JT発表の表より)
- エボ(EVO)・プルーム用:550円 → 580円(+30円)
- メビウス・プルーム用:520円 → 550円(+30円)
- キャメル・プルーム用:500円 → 530円(+30円)
- メビウス(ウィズ用):600円 → 620円(+20円)
※細かい銘柄名の全一覧は、JT発表ページ内の表(別紙)参照でOKです。

現場で大事なのは「全銘柄を暗記」じゃなくて、
“自店の上位銘柄がいくら上がるか”を早めに把握して欠品させないこと。
フィリップ モリス ジャパン(PMJ):IQOS用スティック/紙巻(計66銘柄)
PMJは、加熱式たばこ(50銘柄)+紙巻たばこ(16銘柄)=計66銘柄について、財務省の認可を受けて 2026年4月1日付で小売定価改定を実施すると公表しています。
(参考:PMJプレスリリースPDF )
価格改定の“ざっくり把握”(ファミリー別)
- TEREA(テリア)27銘柄:580円 → 620円(+40円)
- SENTIA(センティア)19銘柄:530円 → 570円(+40円)
- MIIX(ミックス)4銘柄:510円 → 560円(+50円)
- マールボロ(紙巻)16銘柄:600円 → 620円(+20円)
※こちらも全銘柄一覧は、PMJの別紙を参照でOKです(店舗側は「自店上位銘柄」優先で十分)。
「今後追加されるもの」どう見ればいい?(10月・翌年以降の見立て)
1)2026年10月にも“第2段階”がある(=追加改定が出る可能性)
制度として 2026年10月1日に第2段階があります。
(参考:自治体の案内例(西宮市))
追加の価格改定が「必ず出る」と断言はできません(メーカー判断)が、
店舗運用としては “10月もイベント”として準備しておく方が安全です。
2)さらに先:国のたばこ税率も段階的引き上げ方針が示されている
財務省の資料では、国たばこ税の税率を 2027年4月・2028年4月・2029年4月に0.5円/1本ずつ引き上げる方針が示されています。
(参考:財務省)
(=値上げが毎年イベント化する可能性がある)
在庫を持つのが怖い人へ:今回の見直しでは「手持品課税は実施されない」案内がある
「在庫を増やしたら、税金を取られるんじゃ…」
この不安、現場だとめちゃくちゃ分かります。
ただ、自治体の案内では、今回の見直しについて “手持品課税は実施されません” と明記されています。
(参考:西宮市「市たばこ税」)

「在庫持ったら税金取られるんじゃ…」って不安、分かります。
でも今回は“手持品課税なし”の案内が出てる。
あとは 資金繰り(仕入れ増)と防犯(高額在庫)を抑えれば、3月は攻めやすいです。
※ただし、将来の制度変更・税率改正では取り扱いが変わる可能性はあるので、毎回「今回の案内」を確認する前提で。
3月は“勝負月”|買いだめ需要を取り切る発注・在庫の考え方
買いだめ需要は、体感としてかなり強いです。
カートン(10個)で買う方も増えますし、なかには数カ月分をまとめて買う方もいます。
ここで欠品すると、こうなります。
- 競合店に流れる
- ついで買いが落ちる
- 「あの店は無い」評価が残る
- 4月の反動減もくらう(ダブルパンチ)
だから、3月は “多少粗利率が落ちても、売上と粗利額を取りに行く” が正解になりやすいです。
3月の在庫戦略:やることは3つだけ
① 「上位銘柄」だけ厚くする(全部を増やさない)
やるべきは、これです。
- 直近4週の販売数で上位を出す
- 上位だけ安全在庫を増やす
- 下位銘柄は通常運用(むしろ増やさない)
上位20銘柄だけでも、店の体感はかなり変わります。
② “箱”より“カートン”の在庫を意識する
3月は普段よりもカートンが動きます。
- レジ対応が速くなる
- 欠品しにくくなる
- お客様満足が上がる(買いだめ勢が助かる)
※ただし、保管場所と防犯をセットで。
③ 「欠品させない」ための安全在庫日数を決める
店舗によって最適は違いますが、考え方は同じです。
- いつも:安全在庫 2〜3日
- 3月後半:安全在庫 5〜7日(上位銘柄だけ)
この“日数”で決めると良いでしょう。

3月は「発注が上手い店」より「欠品しない店」が勝ちます。
欠品しない=来店習慣を守る。これが強い。
※発注運用の型

3月末〜4月1日|現場事故を防ぐ運用(ここで揉める店が多い)
値上げ当日は、店側が悪くなくても揉めやすいです。
だから、先に“型”を用意しておきます。
① 店頭掲示(短く・事実だけ)
掲示はこれで十分です。
- 「2026年4月1日より、たばこ製品の価格が改定されます」
- 「メーカー小売定価改定に伴うものです」
※長文にしない。火種になります。
② レジ会話テンプレ(30秒で終わる)
スタッフ共有はこの2行でOK。
- 「4月1日からメーカーの小売定価が改定されています」
- 「恐れ入りますが、新価格での販売になります」
言い訳しない。議論しない。事実だけ。
③ 旧価格表記パッケージ等の扱い
旧価格表記が混在することがあります。
ここは メーカー/卸/本部の案内に従うで統一してください(貼付・入替・返品など店舗ごとに運用が出ます)。

値上げ当日は「正しいことを言ったのに揉める」が起きます。
だから、店頭掲示とレジ文言は“短く固定”。これだけで事故が減ります。
4月は“反動減”が来る|ダメージを最小化する3つの防御
買いだめの反動は、ほぼ確実に来ます。
店舗がやるべきは「嘆く」ではなく、先に落としにいくです。
① 4月前半は「発注を絞る」(特に上位銘柄)
3月に売れた感覚で発注すると、4月に余ります。
4月前半は意図的に弱くしてOKです。
② たばこ以外の“ついで買い導線”を強める
買いだめで来店頻度が落ちるお客様には、「来店理由」を増やすしかありません。
- コーヒー
- ガム/のど飴
- 揚げ物/ホットスナック
- エナジードリンク
※たばこ自体を推すというより、来店体験を作るイメージです。
③ “会話”が効く時期(来店頻度が落ちるからこそ)
買いだめ後は、来店が減る分だけ関係性が薄くなります。
だから、短い一言が効きます。
- 「いつもありがとうございます」
- 「4月から上がっちゃいましたね…」
- 「また必要なとき寄ってください」

値上げ後って、お客様も気分が良くない。
だからこそ“店の空気”で勝負できる。ここで固定客が残ります。
チェックリスト(3月にやる/4月にやる)
3月にやること
- 直近4週の上位銘柄を抽出(20銘柄でOK)
- 上位銘柄の安全在庫日数を増やす(5〜7日など)
- カートン在庫を意識(保管場所・防犯もセット)
- 価格改定の掲示文を準備(短く)
- レジ会話テンプレを共有
4月にやること
- 発注を一段弱く(3月の感覚を引きずらない)
- ついで買い導線を再強化(コーヒー/ガム等)
- スタッフに「揉めない会話」を徹底(事実だけ)
まとめ:粗利率が落ちても、3月は“売上と粗利額”を取りに行く価値がある
たばこは値入れ率が低い。売れば売るほど、店全体の粗利率は下がりやすい。
でも、値上げ前の3月は別です。
- 買いだめ需要が強い
- 欠品した店は売上も来店も落とす
- さらに4月の反動減まで食らう
だから、3月は在庫を持って勝負。
4月は反動減を見越して 発注と導線で守る。
この2か月を“イベント運用”として型にできる店は、毎回強くなります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 2026年4月の値上げはいつから?
A. メーカーの認可・発表では、2026年4月1日付で小売定価改定が実施されます(JT/PMJ)。
Q2. 対象は加熱式だけ?紙巻も上がる?
A. PMJは、加熱式に加えて紙巻(マールボロ等)も対象として、計66銘柄の改定を公表しています。
Q3. 3月に在庫を厚くすると、手持品課税が心配です。
A. 自治体の案内では、今回の見直しについて 手持品課税は実施されない旨が明記されています。
ただし、資金繰り(仕入れ増)と防犯(高額在庫)は別問題なので、そこは店のルール化が必要です。
Q4. 全銘柄を増やすべき?
A. おすすめしません。直近4週の上位銘柄だけ厚くするのが基本です。欠品リスクを最小コストで下げられます。
Q5. 4月の反動減はどう読む?
A. 3月に伸びた体感を引きずらず、4月前半は発注を一段弱くするのが事故を減らします。あわせて“ついで買い導線”を強めると、粗利の落ち込みを緩和しやすいです。
(補足)制度の経過措置メモ:4/1〜9/30→10/1で段階移行
経過措置の考え方(4/1〜9/30→10/1移行)や「手持品課税なし」の明記は、自治体ページが読みやすいです。
(参考:西宮市)
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