コラム

大変だからやらない、ではなく|今あえて取り組む店舗経営の意味

hanapapa

ここ最近、店舗を回っていて、強く感じることがあります。

それは、
「やらない理由が、以前よりもずっと正しくなってきている」ということです。

  • 人が足りない
  • 時間がない
  • 原価が上がっている
  • 労力に見合わない

どれも間違っていません。
むしろ、今の社会情勢を考えれば、とても現実的で、正しい判断だと思います。

はなぱぱ
はなぱぱ

正論なんですよね。
昔みたいに「気合でやれ」なんて言える時代でもない。

だからこそ最近は、現場でこんな言葉を耳にする機会が増えました。

「大変だから、今回はやらない」
「そこまでやっても意味があるのか分からない」
「単品で見たら、正直合わない」

これもまた、責められる言葉ではありません。

ただ一方で、
その判断が“当たり前”になりすぎていないか
少し立ち止まって考えたくなる場面も増えてきました。

今回この記事で取り上げるのは、
年末の繁忙期に、ある店舗で行われていた取り組みです。

特別なノウハウがあったわけでも、
潤沢な人員が揃っていたわけでもありません。

むしろ、

  • 忙しい
  • 人が足りない
  • 余裕がない

そんな状況の中での取り組みでした。

はなぱぱ
はなぱぱ

正直、「今これやる?」って思う場面、何度もありました。

単品の利益だけを見れば、
「やらない」という選択も、十分にあり得たと思います。

実際、

  • 仕込みに時間がかかる
  • オペレーションが増える
  • 廃棄リスクもある

こう並べると、
「やらない理由」の方が分かりやすいのが正直なところです。

それでも、その店舗は「やる」という選択をしました。

理由はシンプルです。

「今、お客様は何を求めているのか」
そこから、もう一度考え直しただけでした。

「何を売るか」より先に、
「誰の、どんな困りごとに応えるか」を考えた。

この判断が、
結果として数字につながったかどうかは、ここでは脇に置きます。

今回お伝えしたいのは、
「売れた・売れなかった」では測れない価値が、確かにそこにあった
ということです。


今の時代、

  • 効率を優先する
  • ムダを減らす
  • リスクを避ける

これらは、経営として間違いではありません。

ただ、それだけを積み重ねていった先に、
現場は本当に強くなっていくのか

はなぱぱ
はなぱぱ

「楽になる」と「強くなる」は、
必ずしも同じじゃないんですよね。

この記事では、

  • 単品の利益では見えなかったこと
  • 行動したからこそ残ったもの
  • やらなくなった現場がどうなるのか

こうした視点を、
現場目線・経営目線の両方から整理していきます。

「大変だからやらない」
ではなく、
「それでも、今やる意味は何か」

忙しい今だからこそ、
一緒に考えるきっかけになれば嬉しいです。

Contents
  1. 単品の利益だけを見れば、正解とは言えない判断
  2. それでも「やる」という選択が生むもの
  3. 行動しなくなった現場は、少しずつ止まっていく
  4. 労力をかけること自体に意味がある
  5. 今の時代だからこそ、積み重ねが差になる
  6. 最後に|経営者としての本音

単品の利益だけを見れば、正解とは言えない判断

正直な話からすると、
今回の取り組みを「単品」だけで評価した場合
必ずしも正解とは言えない側面がありました。

経営をしていれば、どうしても次のような視点で見てしまいます。

  • この商品は、いくら儲かるのか
  • どれくらい手間がかかるのか
  • 廃棄のリスクはどの程度か

これは当然です。
数字を見ない経営は、ギャンブルになってしまいます。

はなぱぱ
はなぱぱ

単品の粗利を見ること自体は、
むしろ「正しい経営判断」なんです。

単品で見ると「やらない理由」がはっきりする

例えば、ある商品を売るために必要な工程を並べてみると、

  • 事前の仕込みに時間がかかる
  • 売場づくりに手間がかかる
  • ピーク時はオペレーションが重くなる
  • 売れ残れば廃棄になる可能性がある

これを単品の利益だけで判断すれば、

「この労力に見合うのか?」
という疑問が出るのは、自然な流れです。

はなぱぱ
はなぱぱ

正直、忙しい時間帯にこれをやるのは
ちょっと怖さもありました。

特に今のように、

  • 人手が足りない
  • 新人が多い
  • ベテランに負荷が集中しがち

という状況では、
「やらない」という判断の方が安全に見えます。

それでも現場では、別の動きが起きていた

ただ、実際に売場で起きていたのは、
単品の数字だけでは説明できない動きでした。

具体的には、

  • 商品をきっかけに立ち止まるお客様が増えた
  • 周辺商品への視線が集まった
  • 「ついで買い」が明らかに増えた

つまりその商品は、

「利益を取る商品」というより、
「売場を動かす起点」になっていたのです。

単品で赤字でも、
他の商品を動かす役割を果たしている場合があります。

この視点は、
数字の表だけを見ていると、どうしても抜け落ちやすい部分です。

「その商品が売れたか」より「何が動いたか」

現場で注目すべきだったのは、

  • その商品を見て、どれだけのお客様が足を止めたか
  • 売場全体の回転がどう変わったか
  • 関連商品がどう動いたか

これらはPOSの一覧では見えにくいですが、
売場に立っていると、はっきり分かります。

はなぱぱ
はなぱぱ

「売れた・売れなかった」より、
「売場が動いたかどうか」が大事な場面もあるんです。

単品の粗利だけで切り取れば、
「マイナスだった」と評価される可能性もあります。

しかし現場では、

その商品をきっかけに、プラス(+α)が生まれていた

この事実は、
経営者としても、現場責任者としても、
一度しっかり整理しておきたいポイントだと感じました。

数字で切るか、流れで見るか

経営判断は、

  • 短期の数字で切る判断
  • 流れを作る判断

この二つのバランスが重要です。

どちらか一方だけになると、

  • 数字は整うが、売場が静かになる
  • 動きはあるが、収益が残らない

という極端な状態になりがちです。

経営視点の整理
・単品の数字を見る
・売場全体の動きを見る
この両方を同時に考えることが重要。

今回の取り組みは、
「単品の正解」ではなく、「売場としての正解」を選んだ判断だったと言えるかもしれません。

それでも「やる」という選択が生むもの

単品の利益だけを見れば、
決して「楽な判断」ではなかった今回の取り組み。

それでも現場では、
確実に「やったからこそ生まれたもの」がありました。

まず変わったのは、売場の空気だった

数字よりも先に変化を感じたのは、
売場の空気でした。

・お客様が足を止める
・売場を見渡す時間が増える
・商品についての会話が生まれる

たったこれだけのことですが、
忙しい店舗ほど、この変化ははっきり体感できます。

売場が動くと、

  • スタッフの声が自然に出る
  • 視線が前を向く
  • 「次はどうする?」という会話が生まれる

この空気は、
マニュアルや指示だけでは、なかなか作れません。

「売る」よりも先に、「考えている」姿が伝わる

今回の取り組みで印象的だったのは、
お客様が“売られている”と感じていなかったことです。

無理に押すわけでもなく、
必要以上に声をかけるわけでもない。

それでも、

  • 分かりやすい売場
  • 迷わない導線
  • 必要な一言

こうした積み重ねが、
「この店、ちゃんと考えてるな」という印象につながっていました。

現場で感じた価値
売り込まなくても、
「選びやすさ」は伝わる。

はなぱぱ
はなぱぱ

売る気が強すぎる売場より、
考えている売場の方が、結果的に強いんです。

スタッフの中に生まれた「やっていいんだ」という感覚

もう一つ、大きかったのが、
スタッフ側の意識の変化です。

今回の取り組みは、

  • 指示されたからやった
  • 言われた通りに動いた

というものではありませんでした。

「なぜやるのか」
「どうすればやりやすいか」

こうした話を共有した上で、
現場ごとに工夫しながら進めていました。

はなぱぱ
はなぱぱ

今回は「失敗してもいいからやってみよう」って
空気がありました。

この一言が出るかどうかで、
現場の動きは大きく変わります。

「失敗=怒られる」現場では、挑戦は生まれない

忙しい現場ほど、

「失敗したら怒られる」
「余計なことはしない方がいい」

という空気が生まれやすくなります。

すると自然と、

  • 最低限のことしかしない
  • 言われたことだけをやる
  • 考えることをやめる

という状態に近づいていきます。

はなぱぱ
はなぱぱ

効率は上がるけど、
現場の力は少しずつ落ちていくんですよね。

今回のように、

「やってみた行動」そのものを評価する

この姿勢があるだけで、
現場は一段階、前向きになります。

行動が評価されると、次の一手が生まれる

今回の取り組みが終わった後、
現場から出てきた声が印象的でした。

  • 「次はこうしてみたい」
  • 「あの商品とも組み合わせられそう」
  • 「売場、ここも変えられるかも」

これは、

行動したこと自体が、ちゃんと認められた

からこそ出てきた言葉だと思います。

経営者として大事な視点
成果だけでなく、
「考えて動いたプロセス」を評価する。

数字は後からついてきます。
ですが、考えて動く現場は、
意識しないと育ちません。

今回の「やる」という選択は、
売上以上に、
次につながる土台を作った判断だったと感じています。

行動しなくなった現場は、少しずつ止まっていく

ここまで読んでいただいて、
「とはいえ、やらない方が楽なのも事実だよな」

そう感じた方も多いと思います。

実際、何もしなければ、

  • 大きな失敗は起きにくい
  • オペレーションは安定する
  • 現場は一見、落ち着く

この「何もしない安心感」は、とても強力です。

効率を優先した結果、起きやすい変化

人手不足・物価高の中で、
効率を優先する判断は、決して間違いではありません。

ただ、その判断が積み重なっていくと、
現場では次のような変化が起きやすくなります。

  • 売場が毎日ほぼ同じ景色になる
  • 仕掛けや挑戦が減っていく
  • 「前と同じでいい」という空気が広がる

大きなトラブルはありません。
ですが、売場の「動き」は確実に減っていきます。

はなぱぱ
はなぱぱ

一気に悪くなるわけじゃないのが、
一番怖いところなんです。

売場が静かになると、起きること

売場の変化が減ると、

  • お客様が立ち止まらなくなる
  • ついで買いが減る
  • 会話が生まれにくくなる

これは、売上が急落するというより、
少しずつ「反応が薄くなる」感覚に近いです。

はなぱぱ
はなぱぱ

忙しくはないけど、
なんとなく売場が静かなんですよね。

この状態が続くと、

  • 売場改善の話題が出なくなる
  • 「変える理由」を探さなくなる
  • 挑戦=リスク、という認識が強くなる

現場は「楽」になりますが、
同時に伸びしろも小さくなっていきます

「失敗しない現場」は、「成功もしにくい現場」

何もしなければ、

  • 廃棄は増えにくい
  • クレームも起きにくい
  • ミスも減る

一見、理想的な状態に見えます。

ですがその裏で、

  • 成功体験が生まれにくい
  • 現場の自信が育たない
  • 「やってみよう」という声が消えていく

という状況も同時に進んでいきます。

経営視点の整理
失敗を避ける仕組みは大切。
ただ、挑戦まで止めてしまうと、現場は成長しにくい。

はなぱぱ
はなぱぱ

「失敗しない現場」は、
「何も起きない現場」になりやすいんです。

動かなくなった現場で、一番失われるもの

行動しなくなった現場で、
一番失われるのは何か。

それは、

「考える力」だと思っています。

・どうしたら良くなるか
・他にやり方はないか
・次は何を試せるか

こうした思考は、
行動とセットでなければ育ちません。

はなぱぱ
はなぱぱ

やらなくなると、
「考えなくても回る」状態になります。

一度この状態になると、
再び動き出すには、かなりのエネルギーが必要になります。

だからこそ、小さくても「動き」を残す

大きな挑戦をする必要はありません。

・売場を少し変える
・声かけを一言増やす
・仕掛けを一つ入れる

それだけでも、

現場は「止まらずに済む」のです。

現場を止めないコツ
完璧を目指さない。
小さく動いて、小さく振り返る。

今回の取り組みは、
まさにこの「止まらないための行動」だったと感じています。

労力をかけること自体に意味がある

ここまで読み進めていただいた方の中には、

「結局、労力に見合っていたのか?」
「忙しい中で、そこまでやる必要があったのか?」

そんな疑問が、まだ残っているかもしれません。

経営者として考えれば、
“労力=コスト”と捉えるのは自然なことです。

「労力に見合わない」という言葉の正体

現場でよく聞く、

「労力に見合わない」
「そこまでやっても利益が出ない」

この言葉自体は、間違っていません。

ただ、多くの場合、
見ているのが「その瞬間の数字」だけになっていることがあります。

  • その日の売上
  • その商品の粗利
  • その週の廃棄

これだけで判断すれば、
「やらない方が正解」という結論になりやすい。

はなぱぱ
はなぱぱ

短期の数字だけ見れば、
やらない理由の方が、どうしても多くなるんですよね。

現場に残ったのは「作業」ではなく「経験」

今回の取り組みで、
現場に残ったものを整理してみると、

  • 仕込みのやり方
  • 売場の組み方
  • 声かけのタイミング
  • 忙しい中での役割分担

これらはすべて、
次にも使える「経験値」です。

仮に今回、数字が思ったほど伸びていなかったとしても、

この経験は、次回の繁忙期に必ず活きる

そう言い切れる内容でした。

一度やったことは「ゼロ」には戻らない

現場の取り組みで、よくある誤解があります。

それは、

「今回限りで終わったら、意味がない」

という考え方です。

実際はその逆で、

  • 一度やった売場は、次は早い
  • 一度考えた導線は、応用できる
  • 一度話し合った経験は、次の会話を楽にする

行動した経験は、
現場の中に確実に蓄積されていきます。

行動にかけた労力は、
その場で消えるコストではなく、
「次に使える資産」になる。

「やったことがある現場」と「ない現場」の差

繁忙期やイレギュラー対応の場面で、
差が出るのは、ここです。

  • 経験がある現場は、判断が早い
  • 役割分担が自然に決まる
  • トラブルが起きても慌てにくい

逆に、何もやってこなかった現場では、

  • 毎回ゼロから考える
  • 指示待ちが増える
  • 判断が遅れる

この差は、
数字以上に、日々の運営に影響します。

はなぱぱ
はなぱぱ

「経験がある」って、それだけで
現場を助けてくれるんですよね。

労力をかけた分だけ、現場は自走しやすくなる

今回のように、

  • 考えて
  • 話し合って
  • 動いて
  • 振り返る

このプロセスを経験した現場は、
次から「指示がなくても動ける部分」が増えていきます。

経営者・店長が、
すべてを指示し続ける必要がなくなる。

これこそが、
労力をかけた先に得られる一番の価値かもしれません。

まとめ視点
労力は減らすものではなく、
「どこにかけるか」を選ぶもの。

今回の取り組みは、
目先の楽さを取らず、
未来の現場を楽にするための労力だったと感じています。

今の時代だからこそ、積み重ねが差になる

人手不足、物価高、原価上昇。
今の店舗経営は、正直かなり厳しい環境にあります。

だからこそ、

  • 効率を上げる
  • ムダを減らす
  • リスクを避ける

こうした判断が、これまで以上に求められています。

ただ一方で、
この時代だからこそ差がつくポイントも、はっきりしてきました。

同じ環境でも、少しずつ差が開いていく

条件は、どの店舗もほぼ同じです。

  • 人は足りない
  • 原価は高い
  • 時間に余裕はない

それでも、

  • 少しずつ積み重ねている店
  • 最低限で止めている店

この差は、半年・一年と時間が経つにつれて、
確実に表に出てきます。

はなぱぱ
はなぱぱ

最初はほとんど差がないんです。
でも、ある日ふと気づくと、開いている。

積み重ねている店舗に共通する特徴

今回の事例だけでなく、
これまで見てきた中で感じる共通点があります。

  • 完璧を目指さない
  • 小さく試す
  • 必ず一度振り返る

大きな成功を狙うのではなく、
「止まらないこと」を重視している店舗です。

差が出るポイント
・大きな改革より、小さな改善
・一発勝負より、継続

この積み重ねが、

  • 現場の判断力
  • スタッフの自信
  • 対応力

として、少しずつ蓄積されていきます。

「やってきた店」だけが持つ余白

不思議なことに、
普段から積み重ねている店舗ほど、

  • 忙しい時ほど落ち着いている
  • トラブル時の対応が早い
  • 次の一手が出てくる

これは能力の差ではなく、
経験の差です。

はなぱぱ
はなぱぱ

やってきた分だけ、
「考える余白」が残ってる感じがします。

積み重ねてきた店は、
いざという時に踏ん張れます。

逆に、止まっていた店は、
環境が少し変わっただけで一気に苦しくなる。

この差は、
今後さらに大きくなっていくと感じています。

最後に|経営者としての本音

正直に言うと、

全部をやる必要はありません。

現場には限界がありますし、
無理をすれば、続きません。

ただ、

「何もしない」を当たり前にしないこと

これだけは、意識しておいた方がいいと思っています。

はなぱぱ
はなぱぱ

やらない判断も大事。
でも、「考えた上でやらない」のと、
「最初からやらない」は全然違います。

行動の大小より、「止まらないこと」

大きな成功事例を作る必要はありません。

  • 売場を少し変える
  • 声かけを一言足す
  • 仕掛けを一つ試す

それだけで十分です。

大事なのは、

現場が「考えて動く状態」を保ち続けること

今回の取り組みは、
そのための一つの行動でした。

大変な時代だからこそ、やった経験が残る

今は、楽な経営環境ではありません。

だからこそ、

  • 考えたこと
  • 動いたこと
  • 失敗も含めた経験

これらすべてが、
後から効いてくる資産になります。

この記事のまとめ
・単品の利益だけで判断しない
・行動そのものを評価する
・小さくても止まらず積み重ねる

「大変だからやらない」
ではなく、

「それでも、今やる意味は何か」

この問いを持ち続けられる現場は、
これからも必ず前に進めると、私は信じています。

ABOUT ME
はなぱぱ
はなぱぱ
経営者
はじめまして、はなぱぱです。 コンビニ経営に携わって13年。 店舗での経験や経営者としての苦労、従業員教育の工夫などをまとめています。 経営者や店舗責任者はもちろん、従業員の方にもわかりやすく役立つ情報を発信していきます。
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