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【現場エピソード】クリスマスケーキ200個販売の裏側

hanapapa
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コンビニで200個以上のクリスマスケーキを販売――数字だけを聞くと「そんなの無理じゃないか?」と思われるかもしれません。
しかし、私の店舗では実際に達成しました。しかも「やらされ感」ではなく、スタッフ一人ひとりが主体的に動き、チーム全体で挑んだ結果です。

その裏には、試行錯誤や苦しい時期、そして小さな工夫の積み重ねがありました。
今回はその具体的な取り組みを振り返り、現場で得られた学びを整理してお伝えします。

クリスマスケーキ販売が「コンビニ最大のイベント」と言われる理由

クリスマスは最大のイベント

売上だけでなく「顧客信頼の構築」に直結する

クリスマスケーキの予約は、単なる売上数字の積み上げではありません。
「このお店でお願いすれば安心だ」「ここで買うのが習慣になっている」――そう思ってもらえるかどうかを試される絶好の機会です。

普段の買い物は数百円や千円単位が中心ですが、ケーキは一度に数千円。お客様にとっては「ちょっと特別な買い物」です。
だからこそ、どの店で予約するかは “信頼度のバロメーター” になります。毎年予約をしてくださるお客様が増えれば、それは店舗の信頼が地域に根付いた証拠でもあります。

チェーン別コンビニ平均客単価(目安)

チェーン名平均客単価(2025年時点の目安)傾向・特徴
セブン-イレブン約750〜770円おにぎり・惣菜・スイーツ・PB商品が充実。まとめ買いや高付加価値商品の購入が多く、全体的に客単価は高め。
ファミリーマート約720〜740円ホットスナックやスイーツが強い。日常使いの購入が中心で、バランス型。
ローソン約710〜730円デザート・健康志向商品が人気。ナチュラルローソンの影響で高付加価値需要もあるが、利用者数はやや少なめ。
コンビニ全体平均約733〜738円年々上昇傾向。特に弁当や高単価スイーツの販売が客単価を押し上げている。

ここで示した客単価のデータは、あくまで全体的な目安に過ぎません。実際の店舗では タバコの販売有無や購買層の違い によって客単価は大きく変動します。

例えば、この単価を「クリスマスケーキの価格」や「クリスマスチキンの価格」と置き換えて考えてみてください。
客単価=ケーキ1個分、あるいはチキン1セット分に相当するとなれば、そのインパクトの大きさが実感できると思います。

つまり、イベント商材はただの追加販売ではなく、 日常の客単価を大きく底上げする“特別な一手” になり得るということです。


ノルマ感ではなく「主体性」が成果を左右する

本部から「今年は〇〇個売ってください」とノルマが下りてくるのはよくある話です。
しかし、スタッフが「やらされている」という気持ちのまま動けば、お客様にもそれは伝わってしまい、売上は伸び悩みます。

はなぱぱ
はなぱぱ

実際にお客様から『なんでそんなに売りたいの?』とか『ノルマが厳しいの?』なんて聞かれることもあるんですよね。

一方で「これは自分たちの売上を伸ばすチャンスだ」「自分のお客様に提案して喜んでもらいたい」と主体的に取り組んだ時、数字の伸び方は大きく変わります。
例えば、スタッフ自身が「お世話になっている常連さんに声をかけてみよう」と考え行動したとき、予約獲得率は格段に上がります。

つまり、成果を生み出すのは「ノルマを消化するための行動」ではなく、自分たちの店のためにやる」という主体性 なのです。

はなぱぱ
はなぱぱ

この時に「明確な理由」を伝えるのと、ただ「すみません…」のような謝罪だけで終わるのとでは、お客様の反応はまったく違ってきます。特に常連さんほど、こちらの熱い思いをしっかり伝えることで動いてくれる傾向が高いと感じますね。

200個販売を達成するために取り組んだ具体的な施策

達成に向けた具体策

目標を掲げてチーム全員で共有

私はスタッフにこう伝えました。
「200個を目標にする。地域で一番、できればチェーンの中でも一番の販売実績を作りたい」

ただ「数字を追え」と言うだけではなく、“みんなで達成したときの達成感や誇り”をイメージしてもらいました。数字は単なるノルマではなく、全員で共有する「挑戦のシンボル」として掲げたのです。結果、スタッフ一人ひとりが「自分ごと」として捉えるようになり、受け身ではなく前向きな姿勢で販売に関わってくれるようになりました。


2人組での声かけと試行錯誤

1人だと説明が不足したり、お客様に声が届かなかったりすることがあります。そこで「2人1組で声をかける」方法を試みました。

最初はぎこちなく、どちらが話すか迷う場面もありましたが、次第に役割分担が明確になっていきました。1人が説明し、もう1人がフォローを入れる。あるいは1人が商品サンプルを提示している間に、もう1人が予約方法を説明する。こうした小さな工夫を積み重ねることで接客の質が高まり、予約獲得率も一気に上がっていったのです。失敗もありましたが、「次はこうしよう」とその場で修正していけたことが大きな成長につながりました。

はなぱぱ
はなぱぱ

最初の勢いは本当にすごかったんです。みんな常連さんや普段から会話しているお客様にどんどん声をかけていくからですね。話しやすさもありますが、相手側もこちらの立場を考えてくれて「じゃあ買うよ」と応じてくれることが多かったんです。

しかし、、、

はなぱぱ
はなぱぱ

途中で一気に予約が取れなくなる時期が来るんです。常連さんには一通り声をかけ終わった後ですね。この時が一番苦しかった…。声の掛け方はもうパターン化できていたんですが、普段あまり会話しないお客様におすすめする段階に入っていて、なかなか勇気が要りました。


店舗全体を巻き込んだ販売体制の構築

さらに大切にしたのは「特定の人に任せない」という姿勢です。朝番・昼番・夕方・夜勤と、すべての時間帯で「自分のシフトで1件予約を取る」という意識を持ってもらいました。

こうした小さな積み重ねが、やがて大きな成果につながります。全員が“自分の役割を果たす”という責任感を持ち、シフトに関わらず一丸となって動けたことで、店舗全体が「一つのチーム」として機能する空気感を作り出すことができました。結果として、販売数だけでなく職場全体の士気や結束力も大きく高まったのです。

はなぱぱ
はなぱぱ

常連さんへの声かけを出し切って苦しんでいたとき、救世主のように夜勤スタッフが立て続けに予約を獲得していったんです。出だしでつまずいていた夜勤組も、昼間のスタッフの頑張りを見て「自分たちもやらなきゃ」と火がついたんでしょうね。そこから一気に獲得数を増やして、どの時間帯も「どれだけ声をかけられるか」の勝負になっていきました。最終的には競い合いになってました。


200個突破の瞬間に得られた達成感と学び

目標達成の歓喜

スタッフ一人ひとりの自信と笑顔

予約締切の最終日、集計を確認すると数字はついに200個を超えていました。
その瞬間、店内には大きな拍手と笑顔が広がり、まるでお祭りのような雰囲気になったのを今でも覚えています。

「やればできる」「自分たちでもこんな数字を作れるんだ」──。
この実感がスタッフ一人ひとりの胸に刻まれ、普段の業務に対する自信にもつながりました。普段は控えめなスタッフが「次はもっと取れるように頑張ります」と言ってくれたり、アルバイトの学生が「ここで働いててよかった」と話してくれたり。数字の達成以上に、“人の気持ちを変えた”瞬間だったのです。

はなぱぱ
はなぱぱ

予約を獲得して集計が終わったら、次は発注作業。これがまた大変で…めちゃくちゃ大変でした。日付を間違えるわけにはいかないし、ケーキの種類を間違えるわけにもいかない。だから二度三度と繰り返し数を確認して、結局2人がかりで2時間くらいかけて発注していました。

はなぱぱ
はなぱぱ

当然、人気の商品に関しては、万が一発注数を間違えてしまったときのために「店売り用」として少し多めに発注しておきました。リスクを考えると、このひと手間が安心につながるんですよね。


本部との連携で得られた支援とサポート

また、この大きな成果は店舗だけでなく本部をも動かしました。
販売実績が注目され、本部からも応援スタッフが派遣され、受け渡し当日の混乱を防ぐことができました。

これまで「本部はただ数字を求める存在」というイメージを持っていたスタッフも、「頑張りが伝われば、本部も応えてくれる」と感じたはずです。
この経験は、単なる販売イベントを超えて、店舗と本部のWin-Win関係を築くきっかけになりました。


お客様の声が信頼関係をさらに強化した

さらに印象的だったのは、お客様からいただいた言葉です。
「ここで予約してよかった」
「来年もお願いするね」

はなぱぱ
はなぱぱ

「来年もお願いするね」と言っていただいたお客様に、この時すでに次の恵方巻の予約販売があることを、ケーキを渡すと同時に伝えてました(笑)。

単なる予約数ではなく、信頼そのものを積み上げる活動だったと実感しました。
数字は紙に残りますが、こうした言葉はスタッフ全員の心に残り、来年以降の大きなモチベーションにもつながります。

クリスマス販売の経験を他イベントにどう活かすか

次の目的に向かう

恵方巻・バレンタインなど季節イベントへの応用

クリスマスケーキ販売で得たノウハウは、恵方巻・バレンタイン・土用の丑の日など 他のイベント販売にも直結 します。

短期集中イベントで「信頼を深める」視点の重要性

大事なのは「いかに多く売るか」だけではなく、
「イベントを通じてお客様との信頼をどれだけ深められるか」という視点です。

クリスマスケーキ販売を通じて得られたものは、数字の成果だけではありません。
短期間で多くのお客様に声をかけ、提案し、断られてもまた挑戦する──この積み重ねが、最終的にはスタッフ一人ひとりの接客力の向上につながりました

単なるイベント販売ではなく、普段の接客でも自信を持って声をかけられるようになったことが、最大の成果だったと感じています。

通常時とクリスマス時の客単価比較

項目平均単価備考
通常日(平均客単価)約733円2025年7月時点、日本フランチャイズチェーン協会データ
クリスマスケーキ購入時約3,000〜5,500円コンビニ販売のホールケーキ(4号〜5号サイズ)相場
ケーキ+チキン購入時約4,500〜7,500円ファミリーパックやフライドチキンを併せ買い
ケーキ+チキン+ワイン購入時約6,000〜10,000円ワイン・シャンパン類の追加購入を含むケース

💡通常時の 約733円 と比べると、クリスマス時は一気に数千円単位まで客単価が上昇します。
「ケーキ+チキン+ワイン」といった組み合わせでは 10倍以上の客単価 にもなり得るため、
イベント期の販売戦略がいかに大きなインパクトを持つかがよくわかります。


まとめ|主体性とチームワークが売上と信頼を生む

信頼と価値の創造

クリスマスケーキ200個販売という成果は、単なる「数字」以上の意味を持っていました。
スタッフ一人ひとりが 「自分ごと」として挑戦する主体性 を持ち、互いに支え合いながら チームワークを育んだこと。そしてお客様からの「ここで頼んでよかった」という声を通じて、 信頼を積み重ねられたこと

この経験は売上だけでなく、店舗にとって大きな財産になりました。
イベント販売は“ノルマを消化する作業”ではなく、 人材育成の最高の場 であり、長期的な信頼関係を築くチャンスです。
積み重ねた体験こそが、店舗の未来を支える最大の無形資産になる――そう強く感じています。

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はなぱぱ
経営者
はじめまして、はなぱぱです。 コンビニ経営に携わって13年。 店舗での経験や経営者としての苦労、従業員教育の工夫などをまとめています。 経営者や店舗責任者はもちろん、従業員の方にもわかりやすく役立つ情報を発信していきます。
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