【2026年最新】労基法改正は見送り決定|コンビニオーナーが押さえる7論点と備え方
40年ぶりの大改正と言われた労働基準法の改正案は、2025年12月に通常国会への提出が見送られることが決定しました。2026年の施行はなくなり、早ければ2027年以降の段階的施行が見通しとなっています(日経新聞報道)。
ただし、議論されていた論点(勤務間インターバル・14連勤禁止・有給の賃金算定・副業兼業の通算見直しなど)そのものは議題として残っています。見送られた今だからこそ、次の施行前に落ち着いて現場の仕組みを整える猶予がある——そんな視点で読んでいただければ幸いです。
本記事では、2026年4月時点の確定情報として、「見送り決定の経緯」「残された7つの論点」「コンビニ現場に特に影響する論点の整理」「施行を待たずに進めておきたい実務準備」をまとめます。24時間営業の業態特有の視点で、情報の確定度と実務の優先順位を分けて整理しました。
今回の法改正は、
- ✔ 勤務間インターバル制度(退勤→翌出勤の休息義務)
- ✔ 有給休暇の賃金算定ルール一本化
この2つがコンビニ運営に最も影響が大きい項目です。
この記事では、実際に私自身が感じた疑問をそのまま「Q&A形式」で整理しつつ、 24時間・シフト制で働く現場にどう関係してくるのかを、 専門用語なし・現場目線100%で解説していきます。
あなたと同じように、私自身も最初はこんな疑問を持っていました。
こうした現場目線の疑問にひとつひとつ回答しながら、 今回の改正が私たちコンビニ店舗にどんな影響を与えるのかを一緒に整理していきましょう。
先に結論です。 2026年の労基法改正がこのまま進む場合、コンビニ運営で一番影響が大きいのは「勤務間インターバル(11時間)」です。
- 夜勤明けの“夕方ちょいヘルプ”が組めなくなる
- 夕方→翌早朝などの連続勤務が制度上アウトになりやすい
- 欠勤穴埋めを「オーナーと一部スタッフの連勤」で回す運用が限界に近づく
つまり、気合いと根性で埋める店ほど苦しくなる方向です。逆に言えば、今のうちに“回る仕組み”を作った店が強くなります。
※こちらの記事の内容は、一般情報であり法的助言ではありません。
【2026年最新】労基法改正は見送り決定|現状整理
まずは2026年4月時点の確定情報から整理します。労働基準法の改正に関する議論は、「2025年12月23日に通常国会への法案提出が見送り決定」となり、2026年度内の施行はゼロ。議論されていた論点は引き続き議題として残っています。
なぜ見送りになったのか|経緯と背景
見送りの背景には、2025年10月に発足した高市早苗政権の方針転換があります。新政権は厚生労働大臣に対し「心身の健康維持と従業員の選択を前提にした労働時間規制の緩和」を指示。これにより、厚労省が進めてきた「規制強化」の方向性と、政権の「規制緩和」の方向性が調整困難となり、法案提出が見送られた形です。
今後のスケジュール見通し
- 2026年通常国会:提出見送り(確定)
- 2026年2月:衆議院選挙(政権動向によってスケジュールが変動する可能性)
- 2027年通常国会:提出が見込まれる(現時点見通し)
- 2027年以降:成立後、段階的施行が想定される
つまり、少なくとも1〜2年の猶予がある状態です。ただし「見送られたから何もしなくていい」ではなく、「次に向けて準備できる時間ができた」と捉えるのが正解だと感じています。
議題として残る7つの論点
施行は見送られたものの、議論されていた改正論点は次の7つ。次回の法案でも柱として残ると見込まれています。
このうち、 コンビニ・24時間営業の現場に最も大きな影響が出るのは①と②。
残りの3つは、 「現在の働き方とのギャップを埋めるための制度整理」 という性格が強く、 実務への影響は比較的軽めだと言えます。
結論(先にわかりやすく)
議論されている2つの論点|①勤務間インターバル ②有給の賃金算定
議論されていた改正論点の中で、コンビニのような24時間シフト制の現場に特に影響が大きいのが、次の2つです。2026年時点では施行されていませんが、次回提出時の中核となる論点として押さえておきたいところです。
どちらも「じわじわ効いてくるタイプ」の改正で、 シフト設計・人員配置・有給の取り方に大きく関わってきます。 ここから、あなたのリアルな質問をベースに、コンビニ目線で整理していきます。
勤務間インターバル制度|「退勤から11時間あける」が基本線
勤務間インターバル制度とは、簡単に言えば 「前の日の退勤時間から、次の出勤までに一定の休息時間をあけなさい」 というルールです。
ヨーロッパでは11時間が標準で、日本での議論でも「11時間」がひとつの目安として示されていました(厚労省:勤務間インターバル制度)。
この11時間ルールが、「早朝+夕方シフト」「夜勤明けのヘルプ」など、 コンビニあるあるの働き方にかなり効いてきます。
💬 Q&A:はなぱぱのリアルな疑問①
Q. 「我々のように24時間営業の場合、例えば12月1日の出勤が17時から22時だった場合、翌日12月2日の勤務は9時以降からではないと出勤できないという認識であってますか?」
A. はい、その認識で基本的には合っています。
- 12/1 17:00〜22:00勤務 → 退勤22:00
- インターバル11時間 → 22:00 + 11時間 = 翌9:00
- → 12/2は9:00より前に入れるとアウト(インターバル不足)
なので、これまで普通にやっていた 「前日17〜22時 → 翌日6〜9時だけ早朝入る」 という動きは、制度上かなり厳しくなります。
💬 Q&A:はなぱぱのリアルな疑問②
Q. 「早朝に短時間働き、夕方をメインで働いているスタッフの場合、この条件に引っかかってしまうと言うことになりますよね。」
A. おっしゃる通りで、この働き方はインターバルと相性が悪くなります。
典型的な NG パターン
- 早朝 6:00〜9:00
- 夕方 17:00〜22:00
このスタッフが、たとえば「ある日は夕方だけ」「ある日は早朝だけ」という組み合わせならまだ調整できますが、 「夕方→翌早朝」の連続パターンはほぼ不可能になります。
今まで 「人いないから、昨日夕方も出たけど、明日の早朝もお願い」 で何とか回していた部分が、 制度的に止められる方向だとイメージしていただくと分かりやすいです。
🧩 24時間コンビニへの具体的な影響
つまり、「誰かが頑張れば何とかなる」運営から、 「仕組みで回さないといけない」運営へ変わるということです。

これまでの“気合いと根性シフト”が、制度的にNGになるイメージですね…。 特に早朝と夜勤明けの運用は考え直さないといけないと感じています。
有給休暇の賃金算定ルール一本化|「通常賃金」に揃える方向
もう一つの大きなポイントが、有給休暇取得時の賃金計算ルールです。
現行の労基法では、有給の賃金計算にいくつかの方式がありますが、 議論されていた改正の方向性は「通常の賃金(通常賃金)」に一本化しましょうというもの。施行されれば、コンビニ現場の有給運用にも影響が出ます。
→ 議論の方向性:①「通常の賃金」で統一しよう
💬 Q&A:通常賃金と平均賃金ってどう違うの?
Q. 「年次有給休暇取得時の賃金算定ルールの一本化の通常賃金と平均賃金の違いを教えてください」
A. ざっくり言うと、
- 通常賃金:その日に普通に働いていたらもらえるはずの給料
- 平均賃金:過去3ヶ月の総支給額を日数で割った“平均値”
違いを表にすると
| 項目 | 通常賃金 | 平均賃金 |
|---|---|---|
| 計算の基準 | その日の給料ベース | 過去3ヶ月の総支給 ÷ 日数 |
| 金額のブレ | 少ない(安定) | 残業や欠勤で大きく上下 |
| 実務の手間 | 少ない | 多い(毎回計算が大変) |
コンビニのようにシフト・残業・深夜が入り混じる現場では、 平均賃金の計算はかなり手間で、スタッフへの説明も難しい部分がありました。
それを「通常賃金に一本化して、分かりやすくしましょう」というのが議論されていた改正の方向性です。
🧮 コンビニ現場にとってのメリット・デメリット
有給の「中身(賃金)」はスッキリしますが、 「人を休ませる前提でシフトを組む」意識がより重要になります。

有給は取りやすくなる一方で、 “人が抜けたときのシフト”をどう設計するかが、オーナー側の新しい仕事になりそうですね。
小まとめ:この2つが「コンビニの運営感覚」を変えていく
インターバル制度と有給算定ルールの一本化は、 どちらも「今の延長線で、ちょっと気をつければOK」では済まないタイプの改正です。
- インターバル → 働かせ方そのものを設計し直す必要がある
- 有給ルール → 休ませる前提+穴埋め前提で運営設計する必要がある
この2つは“シフト表の書き方” と “人の揃え方”に直撃します。 だからこそ、コンビニオーナーにとっては一番押さえておきたい改正ポイントです。
その他の3つの改正は“制度と現場のギャップ調整”
勤務間インターバルと有給算定ルールほどのインパクトはありませんが、 議論されていた改正論点の中には、現場の働き方と制度のズレを埋めるための調整項目も複数ありました。ここでは代表的な3つを紹介します。
これらは大きく運用が変わる訳ではありませんが、 「今後はここが明確化されていく」という “方向性” を理解しておくことが重要です。
法定休日の特定義務化|休日を“曖昧にしない”という話
これは、労基法で義務づけられている 「週1日の休日」 を “いつ付与するのか、事前に明示してください” という方向の論点です。
💬 Q&A(はなぱぱの実際の質問)
Q.
「24時間365日営業の場合、全員統一の適用で土曜日、日曜日が休日扱いとするのか、 それとも月曜日水曜日金曜日と出勤している人の場合、 火曜日木曜日土曜日が休日扱いと個人的に分けられるのですか?」
A.
結論:個人ごとに休日を設定できます。
- 全員を土日に休ませる義務はなし
- 個々の勤務パターンに応じて休日を指定すればOK
- 現行の“シフトで休日が見える状態”がそのまま有効
つまり、24時間営業でも特段大きな変更はありません。 「曖昧な休日を事前に明確にしよう」という方向性が強くなると理解すればOKです。
週44時間特例の廃止|“週40時間が当たり前”の時代へ
一部の業種では「週44時間までOK」という特例が残っていますが、 今はほとんど形骸化しており、 働き方改革の流れの中で整理される方向です。
コンビニ運営においては、既に週40時間が通常の前提なので、 影響はほぼなしです。
副業・兼業者の労働時間管理|“通算ルールの見直し”
現行では、副業しているスタッフの労働時間を すべての勤務先を合算して労働時間とみなす仕組みがあります。
しかし近年の副業推進の流れの中で、 「これは厳しすぎる」「現実的ではない」と議論され、 通算ルールの緩和・整理が検討されていました。2026年時点で施行には至っていません。
コンビニの場合、掛け持ちスタッフが多いですが、 改正後は「副業だから管理が大変」という状況はむしろ改善される可能性が高いです。
小まとめ:残り3つは“今の習慣を法制度が追いかけた”イメージ
勤務間インターバルや有給算定ルールのように 「働かせ方そのものを変えましょう」という改正ではなく、
という“整理”の色合いが強い改正内容です。

これらは改正の本丸ではなく「曖昧だったところを整える」方向の論点。仮に施行されても、現在の働き方の延長で運用できる範囲が多そうです。
オーナー自身の働き方はどう見なされる?
――「適用外なのに行政指導が入る理由」
労働基準法は、あくまで“労働者を守る法律”であり、 事業主(コンビニオーナー等)には直接適用されません。
しかし実務上、オーナー自身の働き方が 「労務管理の問題を示すサイン」として扱われ、 行政指導の対象になるケースがあるのも事実です。
これはコンビニ業界では特に起こりやすい誤解であり、 必ず理解しておきたいポイントです。
💬 Q&A:はなぱぱのリアルな疑問
Q.
「オーナーは、この法律の適用外かと思っていましたが、 行政指導の対象になってしまうんですね。」
A.
結論から言えば、 オーナー自身は労働基準法の“対象外”ですが、 “店舗全体”として行政指導の対象になることがあります。
つまり、オーナー個人が「違法労働した」と扱われるわけではなく、 オーナーの長時間労働=人員不足 or 労務管理不全の証拠 と判断されることがある、ということです。
なぜ「適用外のオーナー」が行政のチェック対象になるのか?
とくにコンビニは「夜勤固定」「ワンオペ」「急な欠勤」の発生しやすい業態のため、 監督署が問題視しやすい構造があります。
オーナー本人が対象ではなく、 “その働き方が生まれてしまう環境”への指導 が行われる、というイメージです。
実際に行政指導が入りやすいケース
こうした状況は、 「労務管理体制が崩れている職場」 「スタッフ保護の観点から問題がある」 と判断されやすくなります。
行政指導の中身は“オーナーを怒る”のではなく“体制を改善する”もの
オーナー個人が罰則を受けるわけではありません。 行政が求めるのは、下記のような組織改善です。
要するに、 「オーナーが働きすぎている=店全体のルールが崩れている」 という構造的問題として改善を求められるということです。
コンビニオーナーがすべき対策(現実的なものだけ)
24時間店舗だからこそ、次の点を押さえることで行政リスクを大幅に下げられます。
これは労基法のためというより、 “店を持続可能に運営するための最低ライン”でもあります。

オーナーは対象外と言われても、実務では“店の状態”として見られるんですよね…。 ここを理解しておくことが、これからの店舗運営では大事だと感じます。
【見送り期間にこそ備える】コンビニが進めておきたい3つの実務準備
まず押さえるべきはこの3つです
- ① インターバル不足になりやすいシフトを潰す(最優先)
- ② 守れない時の“落としどころ”を店のルールにする
- ③ 記録(勤怠・シフト)を残して説明できる状態にする
完璧にやる必要はありません。まずは「違反が起きやすい運用を止める」ところからで十分、店は変わります。
勤務間インターバルで“アウトになりやすいシフト例”
典型的にNGになりやすい例(※改正案が11時間基準で進んだ場合)
- 17:00〜22:00 → 翌6:00〜9:00(退勤から11時間未満)
- 夜勤明け → 同日夕方に短時間ヘルプ
- 夕方勤務 → 翌日の早朝勤務(人手不足時にやりがち)
コンビニでよくある“二部勤務”が、制度上かなり組みにくくなるイメージです。
守れない時はどうする?現場での“落としどころ”
- ① 早朝班・夕方班・夜勤班を分ける:二部勤務の発想を捨てる
- ② 第3ライン(スポット要員)を持つ:元クルー/短時間副業/曜日固定で穴埋め
- ③ 店の基準を先に決める:「インターバル不足になる依頼はしない」
“守れないから終わり”ではなく、事故りやすいパターンを潰すのが現実解です。
違反するとどうなる?罰則より「是正勧告→改善」が現実
この手の制度で現実に多いのは、「いきなり罰金」ではなく、監督署の指導(是正勧告)→改善対応の流れです。
- 勤務間インターバル不足が“常態化”している
- 連勤・長時間労働が繰り返されている
- 記録(シフト・勤怠)が残っていない/説明できない
ここが重なると、「体制の見直し」を求められる形になります。オーナー個人を罰するというより、店全体の労務管理が問われるイメージです。
コンビニが取るべき実務対応|“気合い運営”を卒業し、仕組みで回す店へ
次回提出される改正案は、コンビニのような24時間営業の現場にとって 「これまで当たり前にできていた運用ができなくなる可能性がある」 ことを示唆します。2026年時点では未施行ですが、方向性を知っておくことが備えになります。
特に、 ✔ 勤務間インターバル(11時間) ✔ 有給賃金の一本化 の2つは、シフト制の根本に影響するため、 “気合いと根性で穴埋めする運営”からの卒業が求められます。
ここでは、現場がすぐに取り組める“実務レベルの対応策”をまとめます。
① シフトは「設計」する時代へ|連勤管理を見える化する
まず最優先は、 “誰が何日連勤しているか”を可視化する仕組み をつくることです。
「誰が限界か?」が分かれば、 オーナーの“無意識な連勤”を防ぐことにもつながります。
② 早朝・夕方の“二部勤務”は禁止にする方向へ
はなぱぱの質問にもあったように、 夕方 → 翌早朝の勤務組み合わせは、インターバル制度と最も相性が悪い形です。
この働き方を容認していると、 シフトが組めず、行政指導の対象にもなり得るため、 早朝班・夕方班・夜勤班を完全に分けるのが現実的な解決策になります。
③ “第3ライン”となるスポット要員を確保する
インターバルと有給取得増を前提に考えると、 「急な欠勤が出ても、店長と既存スタッフで埋める」 という運用は崩壊します。
そのため、 “第3ライン”=非常時のスポット人材 の確保が必須になります。
これにより、 オーナーや夜勤者への負荷を避けつつ、 法制度に準拠した運営が可能になります。
④ 有給は“休む前提”でシフトを組む
有給賃金の算定が通常賃金で統一されると、 スタッフが「有給を取りやすくなる」ため、 店舗側は“穴あき前提”でシフトを作る必要があります。
“有給を取られたら困る”から “有給を取れる前提で運営する”へ 考え方を切り替える時代です。
⑤ 「オーナーの働き方」も体制の一部として管理する
h2④でも触れましたが、 オーナー自身は法の適用外であっても、 オーナーの連勤=労務管理不備の証拠として扱われます。
これは「行政指導の回避」だけでなく、 店を長期的に守るためのセルフマネジメントでもあります。
よくある質問|2026年労基法改正とコンビニ現場のリアル
Q1. 勤務間インターバル11時間はいつから義務化されますか?
A. 2026年4月時点では義務化されていません。2026年の通常国会への改正案提出は見送られ、早ければ2027年以降の段階的施行が見込まれる状況です。議論では「11時間」が有力な基準として示されていました。24時間営業の業態も例外ではないため、施行を待たずにシフト設計を見直しておくと安心です。
特にコンビニの場合、
- 夜勤明けの追加勤務
- 夕方→翌早朝の連続シフト
といった働き方が制度と真っ向からぶつかるため、「今の運用をそのまま続ける」のはかなり厳しくなると考えておいた方が安全です。
Q2. 人手不足でインターバルを守れない場合、どうなりますか?
A. 「人手不足だから仕方ない」は、制度上の免罪符にはなりません。
ただし現実的には、いきなり罰則というよりも、
- 労基署からの指導
- 是正勧告
- 体制改善の要請
という流れになるケースがほとんどです。
重要なのは、「守れなかった事実」よりも「改善しようとしているか」です。
具体的には、
- インターバル不足になりやすいシフトを把握している
- 危険な勤務パターンを減らすルールを作っている
- 記録(シフト・勤怠)を残して説明できる
この3点があるだけで、評価は大きく変わります。
Q3. この改正は「いつから」本格的に影響しますか?
A. 2026年の改正案提出は見送られたため、2026年度内の施行はゼロ。現時点で有力な見通しは2027年通常国会への提出、以降の段階的施行ですが、2026年2月の衆議院選挙後の政権動向で更に変動する可能性もあります。
そのため、
- 「決まってから考える」
- 「罰則が出てから対応する」
ではなく、今のうちに“危ない運用だけ”を先に潰しておくのが、コンビニオーナーとして最も現実的な対応です。
特に、
- 夜勤明けの追加勤務
- 夕方+翌早朝の二部勤務
- オーナーの連勤頼みの運営
この3点は、施行を待たずに見直しておくべき部分です。現行法の運用でもグレーな部分を整えておくと、将来どの方向に改正されても耐えられます。
※本記事は制度の動きを追って、内容が固まり次第アップデートしていきます。
Q4. 改正案が見送られたなら、いま対応は不要ですか?
A. いいえ、見送り期間は「備えるための猶予」と捉えるのが実務的です。議論されていた論点(インターバル・14連勤禁止・有給の通常賃金方式・法定休日特定など)は次回提出時も柱として残る見込みです。
いまから準備できる3つは:
- ① シフト表で休日を事前特定する運用に切り替える
- ② 24時間連続勤務や長時間連勤の棚卸しと是正
- ③ 副業・兼業スタッフの労働時間把握ルールの整備
これらはすべて現行法の運用改善にもつながるので、やっておいて損はありません。
Q5. 2027年以降のスケジュール見通しを教えてください
A. 現時点の有力な見通しは「2027年通常国会への提出、成立後に段階的施行」です。ただし2026年2月の衆議院選挙後の政権動向によっては、政策の方向性そのものが変わる可能性もあります。
最新情報は、厚生労働省の「労働基準関係法制研究会」や「労働政策審議会」の資料を定期的にチェックするのが確実です。本記事末尾の「参考|公式情報」も合わせてご活用ください。
Q6. 14連勤禁止が議論されているのは本当?
A. はい、14日を超える連続勤務を原則禁止する方向で議論されてきました。現行法では「週1回または4週に4日の休日」が義務ですが、運用次第では理論上12〜13連勤も可能になってしまうため、これを是正する目的です。
コンビニ現場では、欠勤の穴埋めをオーナーや一部スタッフの連勤で吸収しているケースがあります。14連勤の手前で必ずどこかに休日を挟む運用に切り替えておくと、施行された場合でもそのまま対応できます。シフト表で「連続出勤日数」を可視化するのが第一歩です。
Q7. オーナー自身は労基法の対象になる?
A. 結論からいうと、オーナー(事業主)自身は労働者ではないため労基法の直接的な保護対象ではありません。ただし、これは「いくら働いてもいい」という意味ではなく、店舗体制を整える責任は事業主側にあります。
実務上注意すべきは、オーナーの長時間連勤が常態化している店は、行政指導の際に「体制が脆弱」と判断されやすいという点です。オーナー自身の労働時間を把握し、無理な運営に陥っていないか定期的に振り返る習慣をつけておきましょう。詳しくは本記事内「オーナー自身の働き方はどう見なされる?」もあわせてご確認ください。
Q8. 副業・兼業スタッフの労働時間管理はどうする?
A. 議論されている改正案では、副業先の労働時間を通算するルールを見直し、自社分の管理に簡素化する方向が検討されています。とはいえ、現行ルールでは「申告ベースで把握する努力義務」が残っているため、いまのうちに簡易的な申告書を整備しておくと安心です。
具体的には、
- 採用時に「他店舗での勤務有無」を確認する
- 本人申告で月間の他社勤務時間を記録してもらう
- 過度な合算労働時間にならないようシフトを調整する
この3点を運用に組み込んでおけば、ルールがどちらに転んでも対応できます。
Q9. 法定休日を事前特定するメリットは?
A. シフト表の段階で法定休日を曖昧にせず特定しておくと、休日労働の割増賃金(35%以上)の計算が明確になり、未払い賃金トラブルを未然に防げます。改正議論でも「休日の事前特定」を義務化する方向が示されていました。
コンビニのように週シフトで運用する店舗では、「毎週○曜日を法定休日とする」とシフト表に明記するだけでも十分です。スタッフ側にとっても「自分の休日がいつか」が明確になり、有給取得の計画も立てやすくなるという副次的メリットがあります。
Q10. 労基法改正を「見送り期間」にどう活用すべき?
A. 見送りは「対応不要のサイン」ではなく「準備のための猶予」と捉えるのが、コンビニ経営の鉄則です。施行直前に慌ててシフトを組み替えるより、いまのうちに少しずつ運用を整えておく方が、人件費・労務リスクの両面で得策です。
具体的に進めておきたい3つの準備:
- ① 11時間インターバルを意識したシフト設計(夜勤明け→翌朝勤務の禁止)
- ② 連勤上限・法定休日特定の社内ルール化
- ③ 副業スタッフの自己申告フォーマット整備
これらはすべて現行法の運用改善にも直結する取り組みです。法改正がどう転んでも損にならない準備として、今期中に着手することをおすすめします。
【総まとめ:コンビニは“根性運営”から“構造運営”へ】
議論されていた労基法改正の方向性は、 私たちコンビニ店舗にこう伝えているように感じます。
これらを整えることで、 法改正への対応だけでなく、 働きやすい店舗・辞めない職場・信頼される店づくりにつながっていきます。

「これまで何とか回してきた」ではなく、 「これから回る仕組み」を作るタイミングだと感じています。

と、色々書いてきたものの、「言うほど簡単じゃないよ!」って意見はありますよね。まだ改正の検討段階なので時間はあります。少しづつ改善していくしかないですね。
詳しい内容は社労士さんと相談!
【関連ガイド】2026年労基法改正の論点を踏まえ、税務・労務・法務全体の守りを整理した記事は コンビニ経営の税務・労務・法務完全ガイド|専門家活用と36協定・法人化 にまとめています。
このブログ内の関連記事
勤務間インターバル・有給・労働時間管理が厳しくなるほど、店は「仕組み」と「育成」が効いてきます。


採用(入口を強くする)
定着・シフト(最重要)
育成・関わり方(店の空気を整える)
リーダーの軸(ブレないチーム)
チーム運営(繁忙期に強い店へ)
参考|公式情報
本記事は現役オーナーの実体験を整理したものです。労基法・労働時間管理の正確な情報は、必ず下記の公式情報でご確認ください。
- 日本経済新聞「労働基準法の改正案、26年国会提出見送り」(見送り決定の報道)
- 厚生労働省「労働基準関係法制研究会」(改正論点の検討資料)
- 厚生労働省「勤務間インターバル制度をご活用ください」
- e-Gov法令検索「労働基準法」(現行法の条文)
- 厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」
※ 本記事は2026年4月時点の情報をもとに作成しています。最新の議論状況は上記の一次情報でご確認ください。

