客単価を上げるには?売れる商品構成と導入の工夫を解説
客単価を上げるには?

――“売れる商品構成”でお客様の「もう1品」を引き出す
売上を伸ばすための基本式は、
「売上 = 客単価 × 客数」
つまり、来店客数が変わらなくても、
1人あたりの購入金額(=客単価)を上げることで、
売上全体を確実に伸ばすことができます。
しかし現場では、
「単価の高い商品が動かない」
「セット購入を促しても反応が薄い」
といった課題を抱える店舗が多いのも事実です。
客単価アップに必要なのは、
単に高価格帯の商品を置くことではなく、
“お客様の心理に合った商品構成と導線設計”です。
この記事では、
現場の販売経験をもとに、
・時代のニーズを捉えた商品導入の考え方
・「もう1品買ってみよう」を引き出す売場づくりの工夫
・話題性や関連性を活かした客単価アップ事例
を解説します。
売上は「客単価 × 客数」で決まる

――“数”ではなく、“質”で伸ばす発想を
売上を上げるための方程式は、非常にシンプルです。
売上 = 客単価 × 客数。
つまり、来店客数を増やすか、1人あたりの購入金額を上げるかの2択。
ですが、実際の現場では「客数アップ」は天候・立地・周辺イベントなど外的要因に左右されやすく、
安定的に伸ばしやすいのは“客単価”の方です。
例:あるコンビニ店舗のケース
- 平均客単価:560円 →「おにぎり+ドリンク」が定番構成
- 売場改善後:620円(約10%UP)
→ ホットスナックコーナーを入口動線に変更し、レジ前で“もう1品”提案
このように、客数が変わらなくても、
1人あたり60円アップすれば、
1日1,000人来店で +6万円/月+180万円(年換算) の売上増につながります。
🔹「客単価=接点単価」という考え方
1人のお客様が、レジで支払うその瞬間。
そこにどれだけの満足と体験を感じてもらえるかが「客単価」です。
- “ついで買い”を生む売場構成
- “気分買い”を刺激するPOP・見せ方
- “自分ごと化”を促す限定商品
これらの仕掛けが、「金額」ではなく「体験の濃度」を上げます。

ブラックサンダー1個売る方法を考えてみては?意外とできそうじゃないですか?

時代のニーズに応える商品を取り入れる

――“今売れる理由”をつくるのが客単価アップの近道
客単価を上げるためにまず考えたいのは、
「今のお客様が、なぜそれを買いたいのか」 という購買動機です。
トレンドや社会の変化によって、お客様の“買う理由”は常に変わっています。
その変化をいち早く捉え、売場に反映させることが、客単価アップの第一歩です。
時代性を“フック”にした商品展開例
| フック | 商品例 | ねらい |
|---|---|---|
| 災害・備え | 保存食・備蓄水・モバイルバッテリー | “必要性”で買う。リピート率が高い。 |
| 季節 | 冷感グッズ・温感飲料・限定スイーツ | “今だけ”感で購入頻度を高める。 |
| 心理 | 自分へのご褒美系スイーツ・推し活グッズ | “感情価値”で単価を上げる。 |
| 生活 | 時短惣菜・個包装食品 | “便利”でまとめ買いを促す。 |
🔹 導入のポイント
- 「世の中で話題になっているもの」を、“お客様の生活目線”で再編集して売場に置く。
- 新しい商品は単発で終わらせず、関連アイテムを並べて“提案型展開”にする。
- 「今、なぜ売れているのか?」をチームで共有する。

最近は“プロテイン”って言葉が入っているだけで、若い世代の反応が全然違いますね。ザバスのような有名ブランドも強いですし、栄養管理系の商品全体が注目されています。健康志向が高まっているのを実感しますね。

ファン層に刺さる「一番くじ」などの高頻度商品

――“好き”を刺激する仕掛けは、客単価を超えて“来店回数”も伸ばす
売上を支えるのは、1回の購買単価だけでなく、お客様がどれだけ繰り返し来てくれるか(購買頻度)です。
その意味で、ファン層の心をつかむ高頻度商品は、“客単価×リピート率”を同時に伸ばす重要な柱になります。
高頻度商品の導入で得られる3つの効果
| 効果 | 内容 |
|---|---|
| ① 集客効果 | ファン層が「発売日」を狙って来店するため、特定日・時間帯の来客数が増える。 |
| ② 客単価アップ | 高単価くじに加え、関連グッズ・お菓子・飲料など“ついで買い”が発生。 |
| ③ 店舗ロイヤルティ向上 | 店員の対応・品出しスピードが評価され、「あの店なら買える」信頼が生まれる。 |
🔹 導入・運用のポイント
1️⃣ ターゲットを明確にする
→ 商品テーマが合致する層(学生・社会人・女性・ファミリー)を把握。
→ SNS・チラシなど、発売日前後の訴求で認知を高める。
2️⃣ 関連商品の展開で売上を拡張する
→ 「くじ+キャラクター菓子」「くじ+飲料コラボ」など、関連陳列で購買点数を増やす。
3️⃣ 導入タイミングと在庫管理を最適化する
→ 発売直後は集中販売、ピーク後は在庫を関連棚へ移動して長期販売を狙う。

一番くじって、当たれば一瞬で売り切れるんですけど、外れたときはとんでもない在庫になりますね。動かない商品は本当に、どれだけ時間が経っても動かない…。仕入れの読みの難しさを痛感します。

まとめ:フック商品と関連商品の掛け合わせが有効

――“一品で終わらせない売場設計”が客単価を底上げする
客単価を上げるためには、単に高単価商品を置くだけでは不十分です。
大切なのは、「お客様が自然にもう1品手に取ってしまう流れ」をつくること。
その鍵になるのが、
話題性のある “フック商品” と、
それに連動した “関連商品” の組み合わせです。
例:関連展開の具体イメージ
| フック商品 | 関連商品 | 目的・狙い |
|---|---|---|
| 一番くじ | キャラクター菓子・ドリンク | ファン層の“ついで買い”を誘発 |
| 防災グッズ | 保存食・カセットボンベ | “必要性”からの買い足しを促す |
| 季節スイーツ | コーヒー・ギフト袋 | “一緒に楽しむ体験”を提案 |
| 推し活グッズ | ノート・ペン・キーホルダー | “感情の共感”を広げる |
✔ お客様の「目的買い」を「発見買い」に変えることが、
客単価アップの最大ポイントです。
客単価を上げる“売場設計3ステップ”
1️⃣ フックを立てる
→ 目立つ位置に話題性のある商品を配置し、立ち止まるきっかけをつくる。
2️⃣ 関連性で広げる
→ フックの横に“合わせ買い”が想定される商品を配置。
「一緒に使う」「一緒に楽しむ」体験を連想させる。
3️⃣ 体験を提案するPOPで締める
→ 「今ならセットでお得」「季節限定ペア」など、理由のある買い方を演出。

フック商品は“きっかけ”にすぎません。
そこに「関連性」と「ストーリー」を加えると、
1人あたりの買い物が変わります。
現場で工夫できる範囲の積み重ねが、客単価アップの原動力になります。
🔹 仕組み化の重要性
売場担当者のセンスに任せるだけでなく、
「どの商品とどの商品を一緒に売るか」をチーム全体で共有し、
ルール化・仕組み化することで、再現性のある客単価アップが可能になります。
- 商品導入時「関連提案」をセットで検討
- フック商品は週、月単位で入れ替え、常に“鮮度”を保つ
- 売場写真を共有し、他店の成功事例を横展開
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