利益率とは?コンビニ経営で売上より先に見るべき指標|粗利率・現場利益率の土台
こんにちは、はなぱぱです。
経営ラボ「7つの数字」シリーズ、今回は⑤ 利益率。
コンビニって、売上が動く業態なので「まず売上を上げよう」になりやすいんですが、現場でよく起きるのがこれです。
- 売上は上がったのに、なぜかお金が残らない
- 忙しくなったのに、利益が増えない(むしろ減ってる)
- 値引き・廃棄・人件費のどこかが膨らんで、結果が帳消し

売上は“見える”けど、利益率は“見落としやすい”。
でも経営をラクにするのは、売上より利益率の安定だったりします。

利益率とは?「売上に対して、どれだけ利益が残ったか」
利益率はシンプルに言うと、こういう数字です。
✅ 利益率の定義
利益率(%)= 利益 ÷ 売上 × 100
ただし、ここが最初の落とし穴。
「利益」って、どの利益? なんですよね。
なので次の章で、コンビニに合わせて「見るべき利益率」を固定します。
コンビニは「利益率」を3階建てで持つとブレなくなる
利益率は、いきなり“最終利益”だけを追うと苦しくなります。
現場で使いやすいのは、3階建て(3種類)で持つやり方です。
✅ はなぱぱ式:利益率3階建て
- ① 粗利率:売場の強さ(商品・値引き・ロスの影響が出る)
- ② 現場利益率:現場の回し方(人件費・廃棄の影響が出る)
- ③ 営業利益率:経営の体力(固定費まで払って残るか)
① 粗利率(まず最初に見る)
粗利率 = 粗利 ÷ 売上 × 100
粗利率は、売上が同じでも「利益が残る売り方」になっているかを見る数字です。

コンビニの利益率はだいたい30%と見かけると思います。それはここの数字ですね。
② 現場利益率(本部チャージも入れて見る)
コンビニFCの場合、粗利(売上−原価)のあとに本部チャージが引かれます。
現場利益率(例)=(粗利 − 本部チャージ − 人件費 − 廃棄) ÷ 売上 × 100
③ 営業利益率(固定費まで払って残るか)
営業利益率(目安)=(粗利 − 本部チャージ −人件費 − 廃棄 − 固定費 − その他) ÷ 売上 × 100
ここまで見ると、「この運営で続けられるか」が見えます。

粗利率だけ良くても、現場が回ってなければ苦しい。
逆に、現場利益率が安定すると、固定費が多少重くても耐えられます。
例で体感:日販50万×30日、粗利30%の店は「利益率1%」で世界が変わる
ここからは数字で体感します。
✅ 前提(例)
- 日販:50万円
- 月間:30日
- 月商:50万×30日=1,500万円
- 粗利率:30%(粗利=450万円)
① 粗利率30% → 粗利は450万円
- 売上:1,500万円
- 粗利率:30%
- 粗利:1,500万×0.30=450万円
② 人件費180万円・固定費120万円・廃棄30万円+本部チャージを入れるとどうなる?
✅ 本部チャージの置き方(代表例)
本部チャージは契約により計算方法が異なりますが、ここでは分かりやすく「粗利×チャージ率」として例を作ります。
本部チャージ(例)= 粗利 × チャージ率
※チャージ率はあなたの契約の数字に置き換えてください。
| 項目 | 金額 | メモ |
|---|---|---|
| 売上 | 1,500万円 | 日販50万×30日 |
| 粗利 | 450万円 | 粗利率30% |
| 本部チャージ | (粗利×チャージ率) | 例:450万×◯% |
| 粗利(店に残る分) | 450万円 − 本部チャージ | ここが「使える粗利」 |
| 人件費 | 180万円 | 例 |
| 廃棄 | 30万円 | 例(廃棄率2%相当) |
| 固定費 | 120万円 | 例 |
| 営業利益(ざっくり) | (450 − 本部チャージ − 180 − 30 − 120)万円 | 単位:万円 |
粗利率が同じ30%でも、「店に残る粗利」はチャージで大きく変わります。

コンビニの利益率が難しいのは、粗利のあとにチャージで“もう一段”引かれるからなんですよね。
だから私は「粗利率」だけじゃなく、チャージ後の“使える粗利”から逆算して見ています。
「利益率1%」って、月いくら?
月商1,500万円の店だと、利益率1%はこうです。
利益率が1%動くだけで、月15万円。年だと180万円。
だから利益率は「小さい数字」じゃなく、経営の体力そのものです。
※FCの場合は、粗利の段階で本部チャージが引かれるため、同じ売上でも「店に残る利益率」はさらに薄くなりやすい点に注意です。
なぜ「売上より先に利益率」なのか(コンビニあるあるで説明)
売上を追うのは悪くありません。
ただ、利益率を無視して売上だけ追うと、コンビニはこうなりやすいです。
つまり、売上は「結果」だけど、利益率は「設計」です。

売上を上げるのは、アクセル。
利益率を守るのは、ハンドル。
どっちかだけだと、どこかで事故ります。
利益率を上げる「触る順番」:まず粗利、次に現場、最後に固定費
利益率改善は、順番を間違えると崩れます。
現場を壊しにくい順に並べるとこうです。
✅ 利益率改善の優先順位
- 粗利率(売り方・値引き・ロス・ミックス)
- 現場利益率(人件費・廃棄のバランス)
- 営業利益率(固定費の棚卸し・見直し)
① 粗利率を上げる(売上を落とさずに効く)
- 値引きのルールを決める(「なんとなく値引き」をなくす)
- ロス(破損・期限・管理ミス)を潰す
- 売れ筋の欠品を減らす(売上を守りながら粗利を守る)
- 「ついで買い」が出る売場にする(客単価が上がると利益率が安定)

② 現場利益率を上げる(人件費と廃棄は連動)
- ピーク前に仕込み、ピーク中は「やらないこと」を決める
- 発注精度を上げる(廃棄と欠品のバランスを取る)
- 教育を整えて、同じ人数でも回る状態を作る


③ 固定費を見直す(効くけど時間がかかる)
固定費は下げにくいですが、下がると経営が一気に自由になります。

利益率と感情がぶつかる場面|「基準」を先に決めると迷わない
利益率の話は、現場だとこういう感情とぶつかります。
- 値引きしないと売れない気がする
- 欠品させたくない
- スタッフを減らしたくない(減らせない)
だからこそ、感情が出る前に「基準」を置くのが強いです。
✅ 先に決めておく基準(例)
- 粗利率は最低◯%を割らない(値引きの上限)
- 廃棄率は◯%までを許容(欠品とセットで)
- 人件費率(売上 or 粗利ベース)の上限を決める
基準があると、「今日はどうする?」がブレません。
次に読むなら|利益率は他の数字とセットで強くなる
- ▶ 回収までの期間(⑥):利益率が上がると回収が早くなる
まとめ|利益率は「経営を縛る」数字じゃなく、判断を自由にする数字
✅ 今日のまとめ
- 利益率=「売上に対して、どれだけ利益が残ったか」
- コンビニは利益率を3階建て(粗利率→現場利益率→営業利益率)で持つとブレない
- 月商1,500万の店なら、利益率1%=15万円/月で超デカい
- 改善の順番は、まず粗利、次に現場、最後に固定費

また迷ったら、利益率に戻ってきてください。
「忙しいのに残らない」を終わらせる起点になります。

