コンビニオーナーは稼げる?月50万〜100万の現実と現場に立つ覚悟
――「コンビニオーナーって、結局どれくらい稼げるの?」
この質問は本当に多いです。
キラキラした“経営者”のイメージがある一方で、現場はかなり泥くさい。
先に結論から言います。
結論:月50万〜100万円は狙える。でも「顔を出すだけ」ではまず無理
ちゃんと業務を身につけて、現場運営の精度を上げていけば、
月50万円〜100万円くらいの利益(手残りに近い感覚)を狙うことは可能です。
ただし条件があります。
- オーナーが現場を理解していること(机上だけでは無理)
- 欠勤・トラブルなど“想定外”を埋める覚悟があること
- 人件費と発注(=利益が溶ける2大要因)を握れること

“稼げるか?”より先に、“自分がどれだけ縛られるか?”を見た方がいい。ここを見誤ると、後で心が折れる。
この記事は、数字だけでは見えない “縛られ方のリアル” を言語化して、判断できる状態にするのが目的です。
「稼げる」の定義を先に揃える(ここがズレると判断が全部ズレる)
まず前提として、「稼げる」は人によって意味が違います。
- 売上が大きい=稼げる?
- 粗利が大きい=稼げる?
- 最終的に口座に残る=稼げる?
- 借入返済まで含めて残る=稼げる?
コンビニは仕組み上、利益率が高い商売ではありません。
だからこそ 「どの利益を見ているか」 がブレると、判断も全部ブレます。
この記事ではわかりやすくこう置きます。
稼げる=(いろいろ払った後に)“オーナーとして納得できる利益が残る状態”
※利益の見方を“型”として持ちたい方は、先にこちらが基準になります。
- 経営の土台になる7つの数字:https://www.keiei-lab.com/hub-7numbers/
- 利益率の見方(売上があっても残らない理由):https://www.keiei-lab.com/numbers-profit-margin/

売上が強いのに“残らない店”は普通にある。残らない原因は、だいたい現場の誤差(人件費・発注・ロス)に出る。
FAQ
Q1. 粗利が出ていれば「稼げてる」と考えていいですか?
A. 粗利は大事ですが、粗利だけだと危険です。粗利の後に、人件費・ロス・固定費・返済が来ます。最終的に残る“営業利益〜手残り感覚”まで見て初めて判断できます。
Q2. オーナーの「給料」はどう考えるべきですか?
A. まずは店として残すべき利益を確保し、その上で「役員報酬的に抜く」のか「利益として残す」のかを決めるのが安全です。先に抜きすぎると、店の体力が削れます。
コンビニオーナーの収益が二極化する理由(利益率が低いほど“精度差”が露骨に出る)
私が見ている限り、コンビニオーナーの収益はかなり二極化します。
稼げる人の共通点
- 自分に何が足りないかを学ぶ
- 数字と現場の両方を見て、改善を積み上げる
- 人の育て方を覚え、店の再現性を上げる
稼げない人の共通点
- 学ばない(もしくは学ぶ前に心が折れる)
- 現場を“作業”として見てしまい、改善が止まる
- 人任せにして、現場のブレが拡大する
これはコンビニに限らず、どの業種でも同じです。
ただ、コンビニは利益率が低い分、少しのズレがそのまま利益を削る。
だから二極化が目立つんだと思います。

コンビニって、1日のミスが“数千円〜数万円”で済む。でもそれが毎日続くと、月で普通に“数十万”消える。
FAQ
Q1. 未経験でも「稼げる側」に行けますか?
A. 行けます。ただし条件は「学ぶ順番」を間違えないこと。最初に“現場の基準”と“数字の見方”を固めると、改善が積み上がります。
Q2. 二極化の分岐点って、結局どこですか?
A. 一番大きいのは「任せる前に基準を作ったか」です。基準がないまま任せると、発注・人件費・ロスがブレて、利益が戻りにくくなります。
月50万〜100万円を狙うなら、オーナーの仕事は「現場の設計」になる
「オーナー」と聞くと“指示する人”みたいに思われがちですが、現実は逆です。
この利益帯を狙うなら、オーナーの仕事は 現場の設計(=利益を残す型づくり) になります。
1)まずは自分が現場に立つ(=店の基準値を作る)
やることは、想像より幅広いです。
- レジ、品出し、清掃、FF、検品、返品、金庫管理
- 発注の考え方(曜日/天候/客層/売場の組み替え)
- 欠品と廃棄のバランス(攻めと守り)
- クレーム対応、事故対応、イレギュラー処理
ここで大事なのは、
「できる/できない」より “店の基準値をオーナーが作れるか” です。

最初の数ヶ月は“経営者”じゃなくて“最強スタッフ”になる感覚。基準ができると、任せても戻せる。
発注の型づくりは、ここが学び先になります。
- 発注のリズム:https://www.keiei-lab.com/ordering-rhythm/
- 廃棄率と投資バランス:https://www.keiei-lab.com/convenience-store-waste-rate-investment-balance/
2)人が休んだら、オーナーが埋める(ここが現実)
欠勤、急な退職、家族都合、深夜が飛ぶ、連休が埋まらない…。
このとき オーナーが出れない店 は、店の体力が削れます。
- 人件費が上がる
- 空気が荒れる
- サービスが落ちる
- ロスが増える
つまり――
“稼ぐ”とは、想定外に耐えられる体力を持つことでもあります。

欠勤が出た日に“誰も出れない”が一番きつい。結局、オーナーが最後の防波堤。
24時間運営の“人件費の現実”を補強するならこちら。
- 24hシフトと人件費:https://www.keiei-lab.com/staff-cost-24h-shift/
- 人件費の設計:https://www.keiei-lab.com/numbers-labor-cost/
3)利益を残すには「人件費」と「発注」が結局いちばん効く
コンビニは、どんなに売上があっても
- 人件費が荒れる
- 発注が荒れる(欠品/廃棄/値引きのズレ)
この2つで利益が溶けます。
そしてこの2つは、最初はほぼ確実に オーナーが握る必要があります。
なぜなら、店が弱い時ほど 「任せた結果、さらに弱くなる」 からです。

弱い店ほど“任せる”が毒になる。任せた瞬間にブレが増えて、利益が消える。
FAQ
Q1. 現場に立つのは、どれくらいの期間必要ですか?
A. 「何ヶ月」と一律ではなく、“基準が作れたか” が判断軸です。発注・人件費・ロスのズレを見つけて戻せる状態になるまでは、現場比率を高めた方が安全です。
Q2. 最初に覚えるべき業務は何ですか?
A. 優先順位は「利益に直撃する順」です。発注(欠品/廃棄)と人の配置(人件費/回転)から入ると、結果が出やすいです。
Q3. “任せてもいい状態”って何で判断しますか?
A. 目安は「オーナーが抜けた週でも数字が崩れない」こと。崩れたとしても、原因を特定して戻せるなら、任せる準備が進んでいます。
「顔を出すだけ」で稼げない理由:利益は“現場の誤差”で消える
コンビニは毎日、いろんな誤差が出ます。
- 発注のズレ(欠品 or 廃棄)
- 値引き判断ミス
- 人の配置ミス(ピークが詰まる/回転が落ちる)
- 清掃・鮮度・売場が乱れる
- 万引き・ロスが増える
- 新人が続かず教育コストが増える
これを“毎日”戻すのがオーナーの仕事です。
だから 「たまに顔を出して、あとは回してもらう」 では、誤差が積み上がります。
結果として起きるのがこれです。
- 売上はあるのに残らない
- 忙しいのに楽にならない

“残らない”って、派手な失敗じゃなくて、地味なズレの合計。これを戻す人がいないと、店は勝手に痩せていく。
固定費も含めて「残らない構造」を整理するならここが使えます。
- 固定費の基本:https://www.keiei-lab.com/fixed-cost-basics/
- 光熱費の実務:https://www.keiei-lab.com/koteihi-kounetsuhi-jissen/
FAQ
Q1. 「誤差が積み上がってるサイン」って何ですか?
A. 分かりやすいのは、欠品や廃棄が増える、値引きが増える、クレームが増える、新人が定着しない、棚が荒れる…など“現場の荒れ”が数字に出るときです。
Q2. 毎日店にいないとダメですか?
A. 重要なのは「毎日いること」ではなく、誤差を早めに見つけて戻せる仕組みがあることです。ただ、仕組みが弱い段階では、結果的に“いる頻度”が必要になります。
2店舗目を出しても、利益が単純に倍にならない(ここが多店舗の落とし穴)
「1店舗目で月50万円残った。じゃあ2店舗目で月100万円だよね?」
現場目線だと、これはかなり危険です。
なぜなら、1店舗目でオーナーが入っていたシフトを、
2店舗目の準備が始まった瞬間から 誰かに置き換える必要が出るからです。
- 自分が入っていた分=人件費を抑えていた分
- 自分が抜ける=その分のコストが発生する

“自分が入ってた分”は利益じゃなくて、“見えない人件費の節約”だったりする。2店舗目で一気に表に出る。
店長に任せると起きること(良い面/悪い面)
良い面
- オーナーが抜けても回る
- 自分の時間が作れる
- 仕組み化できれば再現性が出る
悪い面(=覚悟すること)
- 発注や売場が“その人のクセ”になる
- 数字の精度が落ちる可能性がある
- 人の問題(退職・衝突・不正)リスクが増える
- トラブル対応が“店の数だけ”増える
店舗数が増えるほど、
利益が足し算で増えるというより、コストとリスクが積み上がる感覚に近いです。

任せる=自由、じゃない。“任せる=別の種類のストレス”が増える。店長ガチャも現実にある。
店長教育・スタッフ教育の“詰まりどころ”を補強するならこのリンクが刺さります。
FAQ
Q1. 2店舗目はいつ出すのが安全ですか?
A. 目安は「1店舗目が“オーナーの稼働を減らしても”利益が崩れない状態」になってからです。オーナーの稼働で成り立っているうちは、2店舗目で一気に崩れやすいです。
Q2. 多店舗にすると、最初は利益が下がりますか?
A. 下がる可能性は高いです。理由はシンプルで、オーナーの時間が分散し、1店舗目に“代替人件費”が発生しやすいからです。落ち幅を小さくするのが設計です。
Q3. 店長に任せる時の最大リスクは何ですか?
A. 「数字の精度が落ちること」と「人の問題(退職・衝突・不正)」です。任せる=責任が消える、ではなく、責任の種類が変わります。
「じゃあどうすればいい?」現実的な進め方(利益を崩さずに任せる順番)
私が現実的だと思うのはこの順番です。
- 1店舗目で“月の利益を安定”させる
- 次に、教育と仕組みで「自分が抜けても崩れない状態」を作る
- その上で、“少しずつ”店舗を増やす(増やし方も設計する)
いきなり「店長に任せて自由にする」ではなく、
利益が減る覚悟を持って任せるくらいが実態に近いと思います。

最初から“任せて利益維持”は難しい。任せ始めは、だいたい一度落ちる。その落ち幅を小さくするのが仕組み化。
FAQ
Q1. 「利益が安定した」ってどう判断すればいいですか?
A. “良い月が1回あった”ではなく、季節やイベントが違う月でも大崩れしないことです。少なくとも複数月で、原因説明できる範囲に収まっているかが大事です。
Q2. 任せる前に、教育で最低限やるべきことは?
A. 作業手順だけでなく「判断基準」を渡すことです。発注の基準、欠品/廃棄の考え方、ピーク時の優先順位など、“基準の共有”がないと再現性が出ません。
“やるなら”最初に決めておく判断軸(撤退ラインまでセットで)
ここが曖昧だと、しんどくなります。
「頑張ればいつか良くなる」は、コンビニだと危ない。
判断軸チェックリスト
- 週に何時間、現場に入れる?(欠勤対応を含む)
- 深夜帯が飛んだとき、最終的に誰が埋める?
- 家族の理解(特に休日・連休・夜間の呼び出し)を取れている?
- 発注・人件費を“数字で管理して改善する”覚悟がある?
- 店長に任せるなら、利益が一度落ちるのを許容できる?
- もし想定より残らなかったとき、いつ撤退するかを決めている?
撤退ラインと投資回収(回収できないまま粘る地獄)を整理するなら、ここが直撃します。
- 撤退ライン:https://www.keiei-lab.com/numbers-exit-line/
- 投資回収期間:https://www.keiei-lab.com/numbers-payback-period/

撤退ラインを決めないと、“やめたいのにやめられない”が始まる。感情で粘ると、数字が静かに削れていく。
FAQ
Q1. 撤退ラインはどう決めればいいですか?
A. 「いつまでに、月いくら残らなければ撤退」を“数字と期限”で置くのが基本です。感情で粘らないために、先にルール化しておくのが目的です。
Q2. 家族の理解が不安です。何を共有すべき?
A. 一番効くのは「縛られる時間」と「想定外対応(欠勤・夜間)」の現実です。ここを曖昧にすると後で揉めます。最初に“最悪ケース”を共有しておく方が安全です。
Q3. 契約前に絶対確認したいのは?
A. 収益の見え方(何が手元に残るか)と、人件費が増えた時の耐久力、そして撤退条件です。「稼げる前提」ではなく「崩れた時の耐え方」で見ます。
まとめ:月100万円を狙うなら「経営者」より先に「現場の人」になれるか
コンビニで大きく利益を取ろうと思うと、結局ここに戻ります。
- 現場を理解しているか
- 数字を見て改善できるか
- 人を育てられるか
- 想定外に耐えられるか
フランチャイズの仕組み上、利益率が高いビジネスではありません。
だからこそ、精度を上げた人が勝つ。
逆に言えば、精度を上げられる人は、どの業種でも強い。
「稼げるか?」の答えは、
“覚悟を持って現場を積み上げられるか” に尽きます。
FAQ
Q1. どんな人がコンビニオーナーに向いていますか?
A. 「現場が嫌じゃない人」「改善を積み上げられる人」「人を育てるのが仕事だと腹落ちできる人」です。逆に“完全放任で回したい”が強い人は苦しくなりやすいです。
Q2. 月50万〜100万が難しい場合、現実的な落とし所は?
A. まずは“安定”です。派手に狙うより、ブレを減らして利益を守る方が結果として伸びます。焦って任せるより、基準づくり→仕組み化の順番が堅いです。
次に読むなら
基準記事
- 経営の土台になる7つの数字:https://www.keiei-lab.com/hub-7numbers/
- コンビニ経営は稼げるのか?(FC契約・粗利構造):https://www.keiei-lab.com/fc-profit-tips/
数字・判断軸(今回の記事の補強)
- 利益率の見方:https://www.keiei-lab.com/numbers-profit-margin/
- 人件費の設計:https://www.keiei-lab.com/numbers-labor-cost/
- 撤退ライン:https://www.keiei-lab.com/numbers-exit-line/
- 投資回収期間:https://www.keiei-lab.com/numbers-payback-period/
現場コスト(任せると利益が落ちる論拠)
- 24hシフトと人件費:https://www.keiei-lab.com/staff-cost-24h-shift/
- 固定費の基本:https://www.keiei-lab.com/fixed-cost-basics/
- 光熱費の実務:https://www.keiei-lab.com/koteihi-kounetsuhi-jissen/
運営精度(稼げる人=学ぶ人、の“学び先”)
- 発注のリズム:https://www.keiei-lab.com/ordering-rhythm/
- 廃棄率と投資バランス:https://www.keiei-lab.com/convenience-store-waste-rate-investment-balance/
- 教育がうまくいかない理由:https://www.keiei-lab.com/staff-training-not-working/

