3月の粗利率が下がる理由はタバコ|コーヒー何杯分?付帯率で管理する方法
3月は、タバコの買いだめ需要で売上が伸びやすい一方、店全体の粗利率(値入れ率)は下がりやすいです。
このとき、現場がやりがちなミスが2つあります。
- 粗利率の見た目が怖くて、タバコの在庫を絞る(=欠品して負ける)
- 粗利率を戻そうとして、FFを作り過ぎる(=廃棄で負ける)
3月の正解はこうです。
タバコで「来店」を取りに行き、来店が増えた分だけ“捨てにくい高粗利”を上乗せする。
(粗利率を完全に戻すというより、粗利額と営業利益を守る)

3月は「タバコを切らさない店」が勝ちます。
でも“勝った後”に利益として残すのは、コーヒーとかFFみたいな高粗利側。
タバコだけ取っても、店が太るとは限らないんです。
数字で腹落ち:高粗利を積むと「粗利率の落ち幅」と「粗利額」がこう変わる
通常月:売上1,000万円
- タバコ200万円(粗利率10%)→ 粗利20万円
- その他800万円(粗利率30%)→ 粗利240万円
- 合計粗利260万円(粗利率26%)
3月:買いだめでタバコが400万円に増えた
- タバコ400万円(10%)→ 粗利40万円
- その他800万円(30%)→ 粗利240万円
- 合計粗利280万円(粗利率23.3%)
ここで「高粗利商品(例:粗利率60%)」が、来店増の分だけ“追加で”50万円乗ったら?
- 高粗利50万円(60%)→ 粗利30万円
すると、
- 粗利:280万円 → 310万円(+30万円)
- 粗利率:23.3% → 24.8%(落ち幅が小さくなる)
ポイント:高粗利を“少し積むだけ”で、粗利額が増え、粗利率の落ち方も緩やかになる。
逆算テンプレ:「粗利率を戻したい」なら、高粗利はいくら必要?
3月の(タバコ400+その他800)=売上1,200万円/粗利280万円を、
粗利率26%まで戻すには、高粗利(粗利率60%)をどれだけ積めばいいか。
計算すると、だいたい 約94万円分の高粗利(60%)が必要です。
- 必要な粗利増:だいたい +56万円(94万円×60%)
- =粗利率26%近辺に戻るイメージ

粗利率を“完全に元通り”にしようとすると、現場では結構ハードです。
だから狙いは「粗利率の見た目を守る」じゃなく、粗利額を厚くして最終的に残す。
その上で“積めるだけ”高粗利を積む、が現実的。
「コーヒー何杯分?」で目標に落とす(付帯率まで逆算する)
ここからが現場向けです。
粗利+56万円を「コーヒー何杯?」に直すと、現場が動けます。
前提(例)
- コーヒー:販売単価150円
- 粗利率60% → 1杯あたり粗利90円
(※単価・粗利率は店で違うので、自店の数字に差し替えてOK)
1杯粗利90円なら、粗利+56万円に必要な杯数
- 560,000円 ÷ 90円 ≒ 6,223杯
これを「日割り」にすると
- 31日で割る:6,223 ÷ 31 ≒ 201杯/日
- 14日(後半勝負)で割る:6,223 ÷ 14 ≒ 445杯/日
- 7日(最終週勝負)で割る:6,223 ÷ 7 ≒ 889杯/日
ここで気づくはずです。
粗利率を“完全に戻す”を狙うと、必要杯数が重くなる。
だから現実には、こう置くのが強いです。
- 「粗利率を戻す」ではなく
- “粗利+20万、+30万を取りに行く”(=達成可能な目標に分解)
粗利+20万円なら何杯?
- 200,000円 ÷ 90円 ≒ 2,223杯
- 31日なら 72杯/日
→ このくらいなら「運用で上げられる店」が多いです。
付帯率(タバコ客にどれだけ付けるか)で考えると、もっと管理しやすい
タバコは会計導線が強いので、“タバコ会計×付帯率”で設計できます。
テンプレ
- 必要杯数 ÷(タバコ会計数)=必要付帯率
例:3月のタバコ会計が1日400件なら
- 粗利+20万(2,223杯)を31日で取る:72杯/日
→ 72 ÷ 400 = 18%付帯
例:タバコ会計が1日600件なら
- 72 ÷ 600 = 12%付帯

「今日はコーヒー何杯売れた?」だけだとブレます。
タバコが動く月は、“タバコ会計数に対して何%付けたか”で見ると現場が揃います。
FF(ホットスナック)は強い。でも「廃棄」で粗利が消える(シミュレーション)
FFは粗利率が高く見えやすい一方、3月にやると事故る原因がこれです。
- 作り過ぎ → 廃棄
- ピークで詰まる → 人時が増える
- 結果:粗利は増えたのに、営業利益が残らない
例:FF 1個あたり(分かりやすい数字)
- 販売単価180円
- 原価90円(粗利90円、粗利率50%)
(※ここも自店に差し替えOK)
廃棄率が上がると「見た目の粗利率」はこう落ちる
ここでは分かりやすく、
廃棄率=「売れた数」に対して何%捨てたか(例:100個売れて10個捨てたら10%)で置きます。
- 廃棄0%:1個あたり粗利 = 90円(粗利率50%)
- 廃棄5%:実質粗利 = 90×(1-0.05)= 85.5円(実質粗利率47.5%)
- 廃棄10%:実質粗利 = 81円(実質粗利率45%)
- 廃棄20%:実質粗利 = 72円(実質粗利率40%)
高粗利に見える商品ほど、“廃棄で簡単に普通の粗利商品に落ちる”。
ここが落とし穴です。
粗利+20万円をFFで作るなら、何個売ればいい?(廃棄込み)
- 廃棄0%(粗利90円):200,000 ÷ 90 ≒ 2,223個
- 廃棄10%(粗利81円):200,000 ÷ 81 ≒ 2,469個
- 廃棄20%(粗利72円):200,000 ÷ 72 ≒ 2,778個
廃棄が上がると、必要販売数が増えます。
売るために作り、作るほど廃棄が増える…のループに入ると負けます。

FFは「売れたら勝ち」じゃなくて、
“廃棄を抑えたまま売れたら勝ち”です。
3月は忙しいので、作り過ぎ事故が増えやすい。ここだけは要注意。
3月に売るべき高粗利は「捨てにくい順」で攻める(事故防止の優先順位)
3月は「客数が増えやすい」=「オペが崩れやすい」月です。
だから高粗利を攻める順番はこれが安全です。
① 最優先:捨てにくい高粗利(作り過ぎ事故が起きにくい)
- コーヒー(ホット/アイス)
- カップ系(廃棄が出にくい・原価が読みやすい)
- レジ前の小物(ガム・ミント等)※粗利率は店で差あり
② 次:当たると強いが、運用で差が出る(廃棄・人時に注意)
- FF(ホットスナック)
- 揚げ物系
- 作り置き系
現場の型:タバコ客に“高粗利を付ける”やり方は3つだけ(短く・再現性)
3月は忙しいので、凝った施策より 短くて回る型が正解です。
① レジ会話は“1フレーズ固定”
例)
- 「コーヒーもご一緒にいかがですか?」
- 「ホットスナック、今できたてです」
※説明しない。短く終わるほど回ります。
② 動線で取る(レジ前に“面”を作る)
タバコは会計導線が強いので、
“レジまでの間に手が伸びる商品”が強いです。
- レジ横/待ち列/手前平台
- 置く商品は1〜2個に絞る(迷わせない)
③ 「欠品しない対象」をタバコだけで終わらせない
3月はタバコ欠品に目が行きますが、
コーヒー/FFの資材が切れると、来店が粗利に変わりません。
- コーヒー豆・ミルク・カップ・フタ
- FF包材・油・トング・袋

3月って「タバコ欠品」はみんな怖がるんです。
でも意外と事故るのは、コーヒーのカップ切れとか、FFの包材切れ。
粗利を取りに行く側が止まると、めちゃくちゃもったいない。
まとめ:3月は「タバコで来店」→「高粗利で粗利額」を積む月
- タバコが伸びると粗利率は下がりやすい(構造)
- でも3月は来店を取りに行く価値がある(欠品すると負け)
- その上で、来店が増えた分だけ 高粗利を“意欲的に”積む
- 高粗利は コーヒー(捨てにくい)→ FF(廃棄・人時に注意) の順で攻める
- 目標は「粗利率を戻す」より、粗利+20万/+30万の現実的な積み上げが強い

