経営の基本

人件費とは?コンビニ経営で「一番効く数字」を設計する|人時売上とシフト改善の基本

hanapapa

こんにちは、はなぱぱです。

経営ラボ「7つの数字」シリーズ、今回は③ 人件費

コンビニって、設備や契約の話も大事なんですが、現場で一番効くレバーは結局ここです。

はなぱぱ
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人件費は「削る数字」じゃなくて、設計する数字です。
削り方を間違えると、売上も品質も一緒に落ちます。

この記事でやること

  • コンビニの人件費を「管理できる形」に分解する
  • 見るべき指標(人件費率/人時売上など)を決める
  • シフト設計→改善の手順まで、現場で使える形に落とす
経営の土台になる「7つの数字」について
経営の土台になる「7つの数字」|感覚に頼らず判断する共通言語
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人件費が「一番ブレやすく、一番効く」理由

まず結論です。人件費が難しいのは、数字の話でありながら感情と現場が直結しているからです。

✅ 人件費が“効く”3つの理由

  • 毎日動く(売上の波・天気・イベントで必要人数が変わる)
  • 改善スピードが速い(シフトで今週から変えられる)
  • 売上・廃棄・クレーム・離職まで連動する(触り方が重要)

人件費を「削ったのに苦しい」店の共通点

  • レジ待ち・品出し遅れで機会損失が増える
  • 清掃・フェイスアップが落ちて店が弱る
  • 発注や揚げ物管理が崩れて廃棄が増える
  • 現場が回らず、残業・急な応援で逆に人件費が増える

だから人件費は「減らす」より先に、どう設計すると利益が残るかを考えるのが正解です。

まず定義:コンビニの「人件費」には何を入れる?

人件費がブレる原因のひとつが、人件費に入れる範囲が店ごとに違うことです。

おすすめは、最初から2階建てで管理すること。

✅ はなぱぱ式:人件費を2階建てで持つ

  • ① シフト人件費(狭義):時給・日給で発生する「現場の人件費」
  • ② 人件費(広義):採用・教育・保険料など“人にまつわるコスト”も含めた総額

① シフト人件費(狭義)に入れるもの

  • 基本時給(パート・アルバイト)
  • 深夜手当・早朝手当など各種手当
  • 交通費(支給している場合)
  • 店長代行などの役職手当(支給している場合)

② 人件費(広義)に入れるもの

  • 社会保険の事業主負担(該当する場合)
  • 労働保険料(雇用・労災など)
  • 採用費(求人媒体、紹介料など)
  • 研修・教育にかかるコスト(教材、研修時の人件費など)
  • 派遣・外注(清掃委託など、人で買っているもの)
はなぱぱ
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まずは「シフト人件費」を握る。これだけでも改善は進みます。
そのうえで、採用や保険料まで含めた「広義の人件費」を見始めると、判断がさらに安定します。

人件費で見るべき指標は3つだけ(まずこれでOK)

指標が多いと、現場は止まります。

コンビニなら、まずこの3つだけで十分です。

✅ 最初に決める3指標

  • ① 月の人件費(総額)
  • ② 人件費率(売上 or 粗利に対して)
  • ③ 人時売上(または人時粗利)

① 月の人件費(総額)

これは単純です。まず「今月いくら使ったか」。

ただしポイントは、「予算(上限)」を決めることです。上限がないとシフトは膨らみます。

② 人件費率(売上に対して/粗利に対して)

人件費率は“ざっくり健康診断”です。

人件費率(売上ベース)= 人件費 ÷ 売上

ただ、コンビニは「売上が大きくても粗利が薄い」ことがあるので、現場感としては粗利ベースもおすすめです。

人件費率(粗利ベース)= 人件費 ÷ 粗利

使い分けのコツ

  • 日々の会話では「売上ベース」が分かりやすい
  • 経営判断では「粗利ベース」を併用するとズレにくい

③ 人時売上(=1時間の労働でいくら売ったか)

シフト設計に一番効くのがこれです。

人時売上 = 売上 ÷ 総労働時間(人×時間)

「人件費を下げる」より、人時売上を上げるのが健全な改善です。

1日売上50万円 × 30日、 人件費180万円

  • 例文
    今月の売上は1,500万円(50万円×30日)、人件費は180万円なので、人件費率は12%です。
  • 計算
    180万円 ÷ 1,500万円 = 0.12 → 12%

日販50万円で月30日営業(=月商1,500万円)、粗利率30%(=粗利450万円)、人件費180万円の場合、
人件費率(売上ベース)は 12%(180万÷1,500万)、人件費率(粗利ベース)は 40%(180万÷450万)です。
粗利450万円のうち180万円が人件費なので、残り270万円で固定費や廃棄などをまかなうイメージになります。

人件費180万円は、30日で割ると1日あたり6万円
日販が落ちる月ほど、この「6万円」の重みが増えるので、人件費率は“売上が落ちた時に跳ねる数字”として見ておくと安全です。

コンビニの人件費は「最低ライン」と「攻めどころ」を分けて考える

コンビニは24時間営業や長時間営業の店舗が多く、どうしても最低人数が必要です。

ここを無理に削ると事故ります。

✅ シフトを2種類に分けると整理が速い

  • ① 最低ライン(守りの人員):安全・レジ対応・最低限のオペレーション
  • ② 攻めどころ(売上を取りに行く人員):ピーク・品出し・揚げ物・売場作り

最低ライン(守り)で落としがちなポイント

  • レジが回らない(行列)
  • 防犯・安全が弱くなる
  • 清掃が回らず店の印象が落ちる

攻めどころ(売上)で差がつくポイント

  • ピーク前に品出しが終わっている
  • 揚げ物・FF・中食が「切れてない」
  • フェイスアップ・補充が回っている
はなぱぱ
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人件費は「守りを削る」と崩れます。
まず守りを決めて、その上で“攻めをどこに置くか”が勝負です。

立地で変わるのは「比率」より「ピークの置き方」

立地でキャッシュレス比率や客層、ピークが変わります。

人件費の調整も「%」よりピーク設計の方が現場で効きます。

オフィス街(ピーク:早朝・昼が強い)

オフィス街の考え方

  • ピークが短く強い → ピーク前に仕込みが命
  • レジ+補充の同時処理が必要 → 時間帯で厚くする
  • ピーク外は薄くできる余地が出やすい

住宅街・郊外(ピーク:夕方が強いことが多い)

郊外の考え方

  • 現金比率が高めになりやすい → レジ対応の負荷が上がる
  • 来店が分散しやすい → 「薄すぎて回らない」が起きやすい
  • 夕方ピーク前に品出し・発注周りを整える

人件費を下げても利益が増えない「部分最適」の罠

ここ、めちゃくちゃ大事です。

人件費だけ改善しても苦しい理由

  • 人を減らす → 品出しが遅れる → 欠品 → 売上が落ちる
  • 人を減らす → 発注精度が落ちる → 廃棄が増える
  • 人を減らす → 教育が回らない → ミス・クレーム → 離職が増える

人件費は他の数字と連動します。

  • ▶ 廃棄率(④):人が足りないと発注が雑になりやすい
廃棄率について
廃棄率とは?コンビニ経営でゼロを目指さず利益を守る「土台」の作り方|経営ラボ
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  • ▶ 利益率(⑤):値引きや欠品で粗利が崩れる
  • ▶ 固定費(②):固定費が重いと人件費にしわ寄せが来る
固定費について
初期費用とは?回収すべき投資と「開店日に必要な現金」を見落とさない整理術|経営ラボ
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改善の手順:人件費は「目標→設計→検証」の順でうまくいく

人件費の改善は、気合いで削ると崩れます。

順番を固定すると、毎月ラクになります。

✅ 人件費改善 5ステップ

  1. 現状把握:月人件費/人件費率/人時売上を出す
  2. 目標決め:まずは「人時売上」の目標を置く
  3. シフト設計:ピーク前後に厚く、谷は薄く(守りは削らない)
  4. 作業設計:忙しい時に「やらないこと」を決める(優先順位)
  5. 週次で検証:人時売上が上がったか/クレームや欠品が増えてないかを見る

作業設計のコツ:「A・B・C」で分ける

忙しい時の優先順位(例)

  • A(絶対やる):レジ・安全・最低限の清掃
  • B(売上に効く):補充・フェイスアップ・FF切れ防止
  • C(落としてOK):装飾・完璧な整頓・後回し可能な作業

人が少ない日にCを捨てられる店は、崩れにくいです。

計算例:人時売上から「必要な労働時間」を逆算する

シフトの決め方を、数字に落とすとこうなります。

✅ 逆算の基本

必要な労働時間(人時)= 予測売上 ÷ 目標人時売上

たとえば、

  • 月商:800万円
  • 目標人時売上:8,000円

なら、

必要な労働時間= 8,000,000 ÷ 8,000 = 1,000時間

時給(手当込み平均)を仮に1,200円とすると、

月のシフト人件費= 1,000時間 × 1,200円 = 120万円

はなぱぱ
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この逆算ができると、人件費が「感覚」から「設計」に変わります。
目標人時売上は、立地・ピーク・オペの強さで育てていけばOKです。

人件費と感情がぶつかる場面|「切る」より先にやることがある

人件費の話は、どうしても感情が出ます。

  • 急に削れない
  • 人が辞めたら回らない
  • 良い子ほど残したい

✅ 人を切らずに人件費を整える順番

  1. ピークの「前後」だけ厚くして、谷を薄くする
  2. 作業の優先順位を決めて、ムダな動きを減らす
  3. 教育を整えて、同じ人数でも回る状態にする
  4. それでも厳しいなら、採用・配置・時間帯を再設計する

人件費は、経費削減の話じゃなくて現場の設計です。

次に読むなら|人件費は「廃棄」「利益率」「撤退ライン」とセットで効く

  • ▶ 廃棄率(④):人が足りないと発注が荒れやすい
廃棄率について
廃棄率とは?コンビニ経営でゼロを目指さず利益を守る「土台」の作り方|経営ラボ
廃棄率とは?コンビニ経営でゼロを目指さず利益を守る「土台」の作り方|経営ラボ
  • ▶ 利益率(⑤):粗利が崩れると人件費の余裕が消える
  • ▶ 回収までの期間(⑥):人件費設計で回収のスピードが変わる
  • ▶ 撤退ライン(⑦):人件費で粘るか、判断するかの基準になる

まとめ|人件費は「削る数字」ではなく、店を強くする“設計図”

✅ 今日のまとめ

  • 人件費は「一番ブレやすい」けど「一番改善が効く」
  • まずは人件費を2階建て(シフト/広義)で整理する
  • 見る指標は3つ:月人件費/人件費率/人時売上
  • 守りの最低ラインを決めて、攻めどころに人を置く
  • 改善は「目標→設計→週次検証」の順でうまくいく
はなぱぱ
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迷ったときは、「人を減らす」じゃなくて
“どの時間に、何のために人を置くか”に戻ってみてください。
ここが整うと、店は一気にラクになります。

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経営者
はじめまして、はなぱぱです。 コンビニ経営に携わって13年。 店舗での経験や経営者としての苦労、従業員教育の工夫などをまとめています。 経営者や店舗責任者はもちろん、従業員の方にもわかりやすく役立つ情報を発信していきます。
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