高卒初任給29万円・求人倍率3.6倍|時給で勝てない店ができること——育てて、送り出す【現役オーナー】
9月16日、来春卒業する高校生の採用選考が始まりました。高卒の求人倍率は3.60倍。1人の高校生を、3社半が取り合っている計算です。
企業の出す条件も、ここ数年で様変わりしました。この春(2026年3月卒)の東京の高卒の平均初任給は22.8万円で、前年より1.1万円上がった。伸び率5%は大卒を上回ります。外食の物語コーポレーションは、高卒初任給を4万1,000円上げて29万円に。西武・プリンスホテルズは資格を取れば月最大5万円の手当を出し、海外派遣も広げる(2026年9月20日時点の報道)。
でも、このニュースでいちばん目を引いたのは金額ではありません。高校生の側の変化です。資格の支援や長い研修のある会社を見て、「4年間大学に通うより、専門性が育つ」と、進学から就職に切り替える生徒が増えている。ある工業高校では、就職を希望する3年生が初めて7割を超えたそうです。就職を選ぶ理由が、「早く稼ぐ」から「早く育つ」に変わりつつある。
コンビニは、この若い人たちを外食やホテルと取り合っています。そして正直に言えば、金額では勝てません。時給の二極化を書いたときに確認したとおりです。
では、時給で勝てない店は何を出せるのか。私の答えは2つあります。ひとつは、この店で何が身につくかを、言葉にして渡すこと。もうひとつは、少し変に聞こえるかもしれませんが——育った人を、きちんと送り出すことです。うちには、辞めていく人への決まりごとがあります。開業したいと相談してきた人には、現実を全部教えます。その話を、順番に書きます。
- ニュース——「早く稼ぐ」から「早く育つ」へ
- 時給では、勝てない
- コンビニで身につくもの——お客様の感情が、読めるようになる
- 送り出す側の作法——辞めるなら、次を決めてから
- 開業の相談に、現実を教える
- 送り出す店が、採れる店になる
※求人倍率・初任給・企業の施策は2026年9月20日時点の報道に基づきます。採用・育成・退職や開業の相談についての記述は私の店での経験です。相談の内容は、ご本人が特定されないよう一部を変えて書いています。
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第1章:ニュース——「早く稼ぐ」から「早く育つ」へ
数字で見る、高卒採用のいま
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 高卒求人倍率 | 3.60倍(2027年春卒・2026年7月末時点) |
| 選考開始 | 9月16日 |
| 高卒の平均初任給(東京・2026年3月卒) | 22.8万円(前年比+1.1万円・伸び率5%は大卒超え) |
| 外食の例 | 2027年入社の高卒初任給を4.1万円引き上げて29万円に |
| ホテルの例 | 資格取得で月最大5万円(年60万円)の手当・海外派遣を拡充 |
| 育成環境の例 | 資格取得の支援・1年間の研修など |
| 高校生側の変化 | ある工業高校で、就職希望者が初めて3年生の7割超 |
変わったのは、選ぶ理由
企業が初任給を上げるのは、人が足りないからです。それ自体は驚きません。驚いたのは、高校生が会社を選ぶ物差しが変わったことです。資格を取らせてくれるか。研修が1年あるか。ここに入ると、自分は何ができるようになるのか。お金より先に、それを見ている。
この物差しなら、コンビニにも出せるものがあります。ただしそれは、黙っていても伝わるものではありません。
第2章:時給では、勝てない
29万円の隣に並ぶ、時給の募集
まず、現実を確認しておきます。最低賃金は全国平均1,177円になり、うちの都内の店の試算では、人件費が年に約90万円増えます。それでも、初任給29万円や月5万円の資格手当の隣に並べば、時給の募集は見劣りします。「バイトといえばコンビニ」ではなくなったと書いたとおり、覚えることが多いわりに、時給は最低賃金に近い。金額の勝負をしたら、負けます。
勝負する場所を、変える
だから、勝負する場所を変えるしかありません。高校生が「早く育つ」場所を探しているなら、聞かれているのは「時給いくら」ではなく「この店で、何が身につくのか」です。コンビニは、この問いに答えを持っています。持っているのに、募集の紙にも面接でも、ほとんど言葉にしてこなかった。次の章で、その中身を書きます。
第3章:コンビニで身につくもの——お客様の感情が、読めるようになる
学歴より、経験が強みになる職種
コンビニは、学歴より経験のほうが強みになりやすい職種です。発注も、売場も、レジも、教科書ではなく毎日の積み重ねで上手くなる。だから、高卒で早く現場に入ることは、不利どころか、そのまま強みになります。高卒採用は、コンビニにとって意外と筋の良い手段だと思っています。
接客の基本は、どこへ行っても不利益にならない
では、何が身につくのか。まず当然のことながら、接客の基本です。挨拶、言葉づかい、待たせたときの一言、困っている人への声のかけ方。これが身についていて、社会に出てから不利益に働く場面は、ちょっと考えにくい。どんな仕事に移っても、持っていけます。
コンビニは、感情が顔に出る店
もうひとつ、コンビニならではのものがあります。しっかりお客様と接していれば、お客様の感情が読み取れるようになるのです。
理由があります。コンビニは、同じお客様が日常的に来る店です。そして日常の店だからこそ、お客様は取り繕いません。喜怒哀楽が、表情や態度にそのまま出やすい。疲れている朝、機嫌のいい夕方、急いでいる昼。よそ行きの顔で来る店とは、そこが違います。毎日それを見ていれば、顔を見ただけで「今日は話しかけないほうがいい」と分かるようになる。挨拶をして、目が合うか、会釈が返ってくるか、返事のトーンはどうかを見る——朝の常連さんへの声かけで書いたあの見極めは、まさにこの力の使い方でした。
この力は、営業の仕事に移っても役に立つはずです。相手の表情から気持ちを読むことは、どの仕事でも土台になります。それを、1日に何百人という相手で練習できる職場は、そう多くありません。
これに加えて、発注を通じた需要の読み方、数字の見方、人との働き方——この店は経営の学校でもあると書いたとおりです。「早く育つ」場所を探している人に、出せるものは十分にあります。
店に置いていくものと、持っていけるもの
時給の二極化の記事では、覚えることの多さは人を店につなぎとめる「錨」でもある、と書きました。今回は、その裏側の話です。覚えたもののうち、レジの操作や店ごとの手順は、辞めるときに店へ置いていくものです。でも、接客の基本と、人の感情を読む力は、どこへでも持っていけます。置いていくものが多い仕事だからこそ、持っていけるものが何かを、働いているうちに言葉にして渡しておきたいのです。

コンビニって、学歴より経験のほうが強みになりやすい職種だから、高卒採用というのも意外と手段としてありなのかなと思います。身につくものとしては、当然のことながら接客の基本ですね。社会に出てこれが不利益に働くことって、考えにくい。しっかり接していれば、お客様の感情を読み取ることができるようになったりもします。日常的に利用してくれている方なら、他の業種と違って、コンビニは喜怒哀楽がお客様の表情や態度に出やすいですからね。営業職に転職しても役に立つんじゃないかと思います。
第4章:送り出す側の作法——辞めるなら、次を決めてから
うちの決まりごと
育てた人は、いつか辞めていきます。そのとき、うちには決まりごとがあります。うちでしか働いたことのない人には、こう伝えています。「辞めるなら、転職先を見つけてからにしなさい」。
これには、経験があります。感情にまかせて辞めていって、しばらくして「やっぱり戻りたい」と言われたことが、実際にあったのです。勢いで辞めると、次が決まらないまま時間だけが過ぎる。本人がいちばん苦しくなります。戻りたいと言われたときの受け方は、「辞めたい」と言われたときの対応にまとめてあります。
調べると、いまの場所も見えてくる
「次を決めてから」には、もうひとつ意味があります。転職先の候補を調べるなかで、いま置かれている待遇の良し悪しも、あらためて分かるのです。よその条件を知って初めて、自分の今の場所が見える。引き止めるための言葉ではありません。辞めるにしても残るにしても、比べたうえで選んでほしい、ということです。うちの待遇に自信があるわけではないですが(笑)。
関わった人の未来が、幸せであってほしい
なぜそこまで言うのか、と聞かれたら、答えは単純です。自分と関わった人の未来が、不幸よりは幸せであってほしい。経営の理屈ではなく、ただそう思うからです。店を辞めた後の人生のほうが、店にいた時間よりずっと長い。だったら、出ていくときに、転ばないように一言かけるくらいはしたい。

感情にまかせて辞めていって、「やっぱり戻りたい」と言われたこともあるんです。そういう経験をしているので、転職先を決めてからにしなさいと伝えています。転職候補を調べたりするなかで、いま置かれている待遇の良し悪しも再認識できますしね。待遇に自信があるわけではないですが(笑)。だいいち、自分と関わった人の未来が、不幸よりは幸せであってほしいと思うじゃないですか。
第5章:開業の相談に、現実を教える
長く働いてくれている人からの相談
最近、うちで長く働いてくれている人から、自分で商売を始めようかと考えている、という相談を受けています。
止めもしないし、煽りもしません。やっているのは、経営にあたって何を考えなければいけないか、その現実を教えることです。話しているのは、だいたいこのあたりです。
- 資金:開業にいくら要るか。そのうち、いくらを借りるつもりか
- 固定費:売上がゼロの月にも出ていくお金は、毎月いくらか
- 集客:お客様は、どこから、なぜ来るのか
- 休めなさ:自分が倒れたら、店はどうなるか
- 利益率:売上ではなく、最後に手元にいくら残るか
いちばん聞いている、2つの質問
数字の話に加えて、いちばんよく聞いている質問が2つあります。ひとつは、「ただの思いつきなのか。それとも、本気でその仕事が好きで、辞めずに続けられそうなのか」。開業は、始めるより続けるほうがずっと難しいからです。もうひとつは、「リターンだけを見ていないか」。雇われている側から自分で開業する側に移ると、リスクもリターンも、どちらも跳ね上がります。うまくいったときの絵だけを見ていると、もう片方を見落とす。借入は、お金より先に注意力を奪うと書きましたが、借りて始める商売なら、なおさらです。資金の流れの見方も、聞かれた範囲で伝えています。
話を重ねるうちに、本人は「考えが甘かった」と感じている様子です。私は、それでいいと思っています。甘さに気づかないまま開業するより、相談の席で気づくほうが、ずっと安く済む。気づいたうえで、それでもやると決めるなら、それは思いつきではなく覚悟です。

聞いているのは、資金、固定費、集客、休めなさ——このへん全部です。利益率についてや、ただの思いつきなのか、本気でその仕事が好きで辞めずに続けられそうか、なども。開業という話になると、リスクもリターンも跳ね上がるので、リターンだけを見ていないか、というあたりも細かく相談に乗っています。次のステップに進むにあたって、相談に乗って、教えられる範囲を教えていく。それくらいしかできないですけどね。
第6章:送り出す店が、採れる店になる
長く働いてくれる理由
辞める相談にまで乗っていたら、人が減って損ではないか——そう見えるかもしれません。でも、実感は逆です。気兼ねなく相談できる関係だからこそ、長く働いてくれているのだと思います。辞める話、次の話、開業の話。いちばん言い出しにくいことを言える店は、ふだんの小さな困りごとも言える店です。面談の記事で、面談の最後を「本人の話」で終えると書いたのも、同じ理由でした。
「早く育つ」への、コンビニの答え
そして、これは採用の話につながります。高校生が探しているのは「早く育つ」場所でした。育つ場所とは、身につくものがあり、その先まで一緒に考えてくれる人がいる場所のことです。初任給29万円は出せません。資格手当も出せません。でも、この2つなら出せます。
- 何が身につくかを、言葉にして伝える:接客の基本。お客様の感情を読む力。発注と数字。募集の紙と面接で、時給の次にこれを言う
- 将来の話を、聞く:面談で「この先どうしたいか」を聞く。ここで働き続ける話でなくていい
- 辞める相談を、歓迎する:次を決めてから辞めるよう伝える。開業したい人には現実を教える
人が育つ教え方も、自分で考える人の育て方も、これまで書いてきました。その先にあるのが、送り出すことです。育てた人が、よそで通用する。辞めた人が、あの店で働いてよかったと言う。時給で勝てない店の採用は、結局そこからしか強くなりません。送り出す店が、採れる店になるのだと思っています。

気兼ねなく相談できる関係性だからこそ、長く働いてくれているのかなと思ったりします。辞める話や次の話まで聞くのは、損に見えるかもしれないですけど、実際は逆なんですよね。
よくある質問(FAQ)
Q1. 高卒採用の市場は、いまどうなっていますか?
2027年春卒業予定の高校生の求人倍率は、2026年7月末時点で3.60倍と高い水準が続いており、採用選考は9月16日に始まりました。東京の高卒の平均初任給は22.8万円で前年より1.1万円上がり、伸び率5%は大卒を上回ります。外食で高卒初任給を29万円に引き上げた例や、ホテルで資格取得に月最大5万円の手当を出す例が報じられています(2026年9月20日時点の報道)。
Q2. 高校生が就職先を選ぶ理由は、どう変わっていますか?
報道によると、就職を選ぶ理由が「早く稼ぐ」から「早く育つ」に変わりつつあります。資格取得の支援や長い研修など、育成の環境が手厚い企業を見て、「4年間大学に通うより専門性が育つ」と進学から就職に切り替える生徒が増えており、ある工業高校では就職希望者が初めて3年生の7割を超えました。金額より先に「何ができるようになるか」を見ている、ということです。
Q3. コンビニは、高卒採用に向いていますか?
向いていると考えています。コンビニは学歴より経験が強みになりやすい職種で、発注も売場もレジも、毎日の積み重ねで上手くなります。早く現場に入ることが、そのまま強みになります。ただし初任給や手当の金額では外食やホテルに勝てないため、「この店で何が身につくか」を言葉にして伝えることが前提になります。
Q4. コンビニで働くと、何が身につきますか?
まず接客の基本です。挨拶、言葉づかい、困っている人への声のかけ方は、どの仕事に移っても不利益になりません。加えて、お客様の感情を読み取る力がつきます。コンビニは同じお客様が日常的に来る店で、喜怒哀楽が表情や態度に出やすいため、毎日それを見ていると顔を見ただけで気持ちが分かるようになります。営業の仕事にも役立つ力です。発注を通じた需要の読み方や数字の見方も身につきます。
Q5. なぜ「辞めるなら次を決めてから」と伝えるのですか?
感情にまかせて辞めて、しばらくして「やっぱり戻りたい」と言われた経験があるからです。勢いで辞めると次が決まらないまま時間が過ぎ、本人がいちばん苦しくなります。また、転職先の候補を調べるなかで、いまの待遇の良し悪しもあらためて分かります。引き止めるためではなく、辞めるにしても残るにしても、比べたうえで選んでほしいという考えです。
Q6. スタッフから開業の相談を受けたら、何を話せばいいですか?
止めも煽りもせず、経営の現実を伝えます。私が話しているのは、資金(いくら要るか・いくら借りるか)、固定費(売上ゼロの月にも出ていくお金)、集客(お客様はどこからなぜ来るか)、休めなさ(自分が倒れたらどうなるか)、利益率(最後に手元にいくら残るか)です。加えて「思いつきか、本気で好きで続けられるか」「リターンだけを見ていないか」を聞いています。開業はリスクもリターンも跳ね上がります。個別の資金計画は専門家への相談をすすめてください。
Q7. 相談した本人が「考えが甘かった」と落ち込んだら?
それでいいと考えています。甘さに気づかないまま開業するより、相談の席で気づくほうが、ずっと安く済みます。気づいたうえでやると決めるなら、それは思いつきではなく覚悟です。相談に乗る側の役目は、結論を出すことではなく、判断の材料を渡すことです。
Q8. 辞める相談に乗ると、人が減って損ではありませんか?
私の実感は逆です。辞める話や次の話という、いちばん言い出しにくいことを言える店は、ふだんの小さな困りごとも言える店です。気兼ねなく相談できる関係だからこそ、長く働いてくれているのだと思います。相談できない店では、人は黙って辞めていきます。
Q9. 時給で勝てない店は、採用で何をすればいいですか?
3つです。①何が身につくかを言葉にして、募集の紙と面接で時給の次に伝える(接客の基本・お客様の感情を読む力・発注と数字)②面談で「この先どうしたいか」を聞く。ここで働き続ける話でなくていい③辞める相談を歓迎し、次を決めてから辞めるよう伝える。育てた人がよそで通用し、辞めた人が「あの店で働いてよかった」と言うことが、時給で勝てない店の採用を強くします。
Q10. この記事の情報の出典は?
高卒求人倍率・選考開始日・初任給・外食とホテルの施策・工業高校の例は、2026年9月20日時点の日本経済新聞等の報道に基づきます。コンビニで身につくもの、退職時に伝えていること、開業相談の内容は私の店での経験です。相談の内容は、ご本人が特定されないよう一部を変えて書いています。
まとめ:送り出す店が、採れる店になる
来春卒の高卒求人倍率は3.60倍。外食は初任給29万円、ホテルは資格手当月最大5万円。そして高校生が就職を選ぶ理由は、「早く稼ぐ」から「早く育つ」へ変わりつつあります。コンビニは金額では勝てません。でも、学歴より経験が強みになる職種で、身につくものははっきりしています——接客の基本(どこへ行っても不利益にならない)と、お客様の感情を読む力(日常の店だから喜怒哀楽が表情や態度に出やすく、毎日それを見て覚える。営業職でも役立つ)。そして、うちには送り出すときの作法があります。辞めるなら、次を決めてから——感情で辞めて「戻りたい」と言われた経験があり、次を調べる過程でいまの待遇の良し悪しも分かるから。開業の相談には、現実を全部教える——資金・固定費・集客・休めなさ・利益率、そして「思いつきか、本気で続けられるか」「リターンだけを見ていないか」。本人が「考えが甘かった」と気づくなら、相談の席で気づくほうが安く済みます。根っこにあるのは、関わった人の未来が、不幸よりは幸せであってほしいという気持ちです。気兼ねなく相談できる関係だからこそ、人は長く働いてくれる。何が身につくかを言葉にし、その先まで一緒に考える——送り出す店が、採れる店になります。
この記事の要点
- 高卒求人倍率3.60倍・外食の初任給29万円・ホテルの資格手当月最大5万円(報道ベース)
- 高校生が就職を選ぶ理由は「早く稼ぐ」から「早く育つ」へ変わりつつある
- コンビニは金額では勝てない=勝負する場所を「何が身につくか」に変える
- コンビニは学歴より経験が強みになる職種=高卒採用は筋の良い手段
- 身につくもの①接客の基本=どの仕事に移っても不利益にならない
- 身につくもの②お客様の感情を読む力=日常の店は喜怒哀楽が表情や態度に出やすい。営業職でも役立つ
- 送り出す作法=「辞めるなら次を決めてから」。感情で辞めて戻りたいと言われた経験と、待遇を比べ直す意味
- 開業の相談には現実を教える=資金・固定費・集客・休めなさ・利益率+「本気で続けられるか」「リターンだけ見ていないか」
- 「考えが甘かった」は相談の席で気づくほうが安く済む。関わった人の未来が幸せであってほしい
- 気兼ねなく相談できる関係だから長く働いてくれる=送り出す店が、採れる店になる
次のアクション
- [ ] 自店で身につくものを3つ、言葉にして書き出す(接客の基本・感情を読む力・発注と数字など)
- [ ] 募集の紙と面接で、時給の次に「何が身につくか」を伝える文を用意する
- [ ] 面談で「この先どうしたいか」を聞く項目を入れる(ここで働き続ける話でなくていい)
- [ ] 辞める相談を受けたときに伝えること(次を決めてから・待遇を比べ直す)を店長と共有する
- [ ] 開業や転職の相談を受けたら、結論ではなく判断の材料を渡すことを意識する
- [ ] 辞めた人が戻りたいと言ってきたときの受け入れ方を決めておく
- [ ] 地元の高校への求人の出し方と時期を、来年に向けて調べておく
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参考|公式情報
- 厚生労働省|令和8年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」(7月末現在):高校生の求人倍率3.60倍と、選考開始9月16日の一次情報
- 東京労働局|令和8年3月 新規学校卒業者の初任給情報:都内の高卒初任給の平均(22.8万円)と産業別・規模別の内訳
- 厚生労働省|若者の雇入れを検討している事業主の皆さまへ:高校生の選考開始期日や、職場情報の提供など採用側のルール
- 厚生労働省|地域別最低賃金の全国一覧:都道府県別の最低賃金額と発効日
- よろず支援拠点(中小企業基盤整備機構):経営や創業の悩みを無料で相談できる国の窓口
店で一緒に働いた時間より、その人が店を出てから生きる時間のほうが、ずっと長い。
だから、辞めると言われたら、次は決まっているのかを聞きます。開業したいと言われたら、売上がゼロの月の話をします。嫌な顔をされることもあります。「考えが甘かった」と、肩を落とされることもあります。
それでも、黙って送り出して、あとで転んだと聞くよりはいい。関わった人の未来が、不幸よりは幸せであってほしい。店にできることは、それくらいしかありません。
29万円は出せません。でも、ここで身につけたものは、全部持っていってください。困ったら、いつでも相談に来てください。
それが、うちの求人票に書けない、いちばん大事な条件です。

