経営の基本
PR

ナイキはなぜ転んだか|「棚という発見装置」を捨てたブランドの末路——売り手都合と買い手都合は、=にならない【現役オーナー】

hanapapa
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

スポーツウエアの王者が、看板を一枚返上します。ナイキが9月21日、米国の主要100社で構成するS&P100種株価指数から18年ぶりに除外される。2026年5月期の売上高は463億ドルと2年前より1割少なく、時価総額はピークだった2021年末の約5分の1、株価は12年ぶりの低水準。ブランド力ランキングは2017年の26位から2026年には80位へ落ちました(2026年9月13日時点の報道)。

転落の要因を、日本経済新聞は3つ挙げています。第一に、量販店の軽視。コロナ禍で直販アプリが当たり、利益率の高さに味を占めて、量販店経由の販売を軽んじた。売場での露出が減り、消費者との接点——つまりブランド認知が痩せた。第二に、限定モデル商法の行き過ぎ。転売ブームで稼いだが、ファンの熱が冷めると通用しなくなり、その間に一般向け高機能シューズの革新が止まって、新興のオン(年31%成長)やHOKA(同14%)の台頭を許した。第三に、巨大化による鈍重さ。靴以外の事業が3割強を占め、小回りが利かない。

超一流の企業でさえ、こうなる。正直、背筋が伸びました。

ただ、コンビニのレジからこのニュースを読むと、少し違う角度が見えます。ナイキは、目の前のお客様を蔑ろにしたわけではないと思うのです。彼らが軽んじたのは客ではなく、「量販店の棚」という地味な接点でした。棚を「利益率の低い販売チャネル」だと見た。でも棚は、チャネルではなかった。消費者がブランドと出会う「発見装置」だった——それを失ったら、認知ごと失った。

コンビニの棚は最後の非パーソナライズドメディアだと書いた者として、これは棚の価値の、メーカー側からの証明に見えます。そして、うちの店には、この話を裏付ける日常があります。1本買うと1本無料のクーポンの原資がどこから出ているか。限定商品は、なぜ一瞬しか輝かないか。そして——売り手都合と買い手都合は、つくづく=にならないという、レジで毎日感じていること。王者の転落を、その言葉で読み直します。

  • ニュース——王者の転落、3つの要因
  • 3つの要因を、棚の言葉で読む
  • メーカーは、棚を買っている——クーポンの原資
  • 限定は、一瞬輝く——常連の推しに当たるのがベスト
  • 売り手都合と買い手都合は、=にならない
  • 油断と慢心——1つ1つ、丁寧に

※ナイキに関する数値・要因分析は2026年9月13日時点の報道(日本経済新聞等)に基づきます。クーポンの原資・限定商品の売れ方・売場の実感は私の店での経験で、チェーン・契約により異なります。特定企業・本部への批判ではありません。


本記事の位置づけ|棚の価値シリーズの「ナイキの転落——棚という発見装置を捨てたブランドの末路」の他業種に学ぶ記事

本記事は、ナイキがS&P100から18年ぶりに除外された転落の3要因(量販店の棚の軽視・限定モデル商法・巨大化)を棚の言葉で読み直す視点・「1本無料クーポンの原資はメーカー協賛」というメーカーは棚を買っている実感・限定は一瞬輝いて続かない曲線・売り手都合と買い手都合が=にならない理由・店が持ち帰る3つの教訓を、現役オーナーのレジの観察で整理した記事です。「目的の物だけ買うなら、ネットでいい」で書いた「棚=発見装置」論をメーカー側から証明する続編で、以下の関連記事とあわせて読むと棚の価値を売り手と買い手の両側から掴む視点が揃います。

🔭 棚という発見装置

✨ 一瞬の輝きと定番

👑 勝者の油断

「発見装置 → 一瞬の輝きと定番 → 勝者の油断」の順で読むと、棚を効率で測らず「客と出会う場所」として守る視点が身につきます。

スポンサーリンク

第1章:ニュース——王者の転落、3つの要因

数字で見る18年ぶりの「返上」

項目内容
S&P100除外9月21日から。2008年の採用以来18年ぶり
売上高2026年5月期463億ドル(2年前比▲10%)
時価総額ピーク(2021年末)の約5分の1・株価は12年ぶり低水準
ブランド力ランキング26位(2017年)→80位(2026年)
新興勢オン:売上年平均+31%・HOKA:+14%(2023〜25年)

3つの要因

報道が挙げる要因は、①利益率の高い直販アプリに味を占めて量販店を軽視し、売場での露出=認知が痩せた②「エアジョーダン」以来の限定モデル商法が行き過ぎ、転売ブームの後にファンの熱が冷め、その間に一般向け高機能シューズの革新が止まった③巨大化で小回りが利かなくなった——の3つ。「量販店の棚という地味な接点を軽視した代償」という一文が、この記事の全部だと思います。


第2章:3つの要因を、棚の言葉で読む

このブログで書いてきた語彙に置き換えると、3つの要因は全部、見覚えのある形になります。

①量販店の軽視=「発見装置」を捨てた。 棚は、全員が同時に同じものに出会う共有の発見装置です。アプリの直販は「すでにナイキを知っている人」にしか届かない。棚は「まだ知らない人」に届く。利益率で棚を測った瞬間、ブランドは新しい人と出会う場所を失った。

②限定モデル商法=トライアルで逃げ切ろうとした。 計画4倍のヒットが棚から消えた話で書いたとおり、話題はトライアルしか作りません。限定と転売の熱は、商品力=トライアル×リピートのうちトライアル側だけを膨らませ、リピートを作る「普段履く高機能シューズ」の革新が止まった。熱が冷めた後に残ったのは、オンとHOKAに空けられた日常の棚でした。

③巨大化の鈍重さ=尖りに注意力が向いて、足元が痩せた。 尖らせる時は必ず足元も注意すると書きました。限定に血道を上げる間に、足元(一般消費者向けの定番)の改善が止まる——クリスマスのチキンに注力して他の棚をズタボロにした、あの構図の、世界最大級の版です。

規模は桁違いでも、起きたことは店と同じです。だから、この転落から店が持ち帰れるものがある。


第3章:メーカーは、棚を買っている——クーポンの原資

「本部が頑張ってるんだな」と思っていたら

うちの店の話をします。いま、コンビニでよくやっている「1本買うと、もう1本無料のクーポンがもらえる」というキャンペーン。あれを見て、私は最初「うちの本部、頑張ってるんだなあ」と思っていました。

あるとき、SVに聞いてみたのです。「この原資は、どこから出ているんですか」。答えは——メーカー協賛で成り立っている。本部の販促ではなく、メーカー側の販促だった。

その瞬間に、腑に落ちたことがあります。メーカーは、コンビニの棚を買っているのです。1本無料の原資を出してでも、この棚で、この店のお客様に、商品を手に取ってもらいたい。レジ上のサイネージが実験場として売られているのも、新商品の導入条件が優遇されるのも、同じ理由です。棚は、メーカーにとって消費者と出会う唯一の物理的な接点であり、その接点には値段がつく。ナイキが軽んじた「量販店の棚」の価値を、うちの店のクーポン一枚が証明していました。

棚から消えたら、認知ごと消える

逆の風景も見てきました。メーカーの倒産で、そのメーカーの全商品が回収されたこと。本部とメーカーの話が折り合わず、そのメーカーの商品が軒並み棚からなくなったこと。どちらも、翌週にはお客様がそのブランドの名前を口にしなくなる。棚から消えるとは、売上を失うことではなく、お客様の記憶から消えることです。ナイキがDSWやフットロッカーの棚から露出を減らしたとき、起きたのはこれだったのだと思います。

はなぱぱ
はなぱぱ

今コンビニでよくやっている、1本買うと1本無料のクーポンがもらえるキャンペーン。あれ、SVに「原資はどこから出てるの?」って聞いたことがあるんです。メーカー協賛で成り立っているとのことでした。うちの本部が頑張ってるんだなーって思ってたけど、メーカー側の販促だったんだと気づいた時ですね。逆に、メーカーの倒産で全商品回収になったり、本部とメーカーで話が折り合わなくて、そのメーカーの商品が軒並みなくなったこともあります。


第4章:限定は、一瞬輝く——常連の推しに当たるのがベスト

お目当てだけで、その後に続かない

ナイキの第二の要因、限定モデル商法。これもコンビニに縮尺を合わせると、日常の風景です。数量限定、コラボ商品、転売の対象になるような入荷——カードの入荷日に単価が跳ねた話も書きました。

その実感を正直に言うと、結局、お目当ての商品だけで、その後に続かない。限定の日に来たお客様は、限定を買って帰る。一瞬は輝く。でも翌週、その人はいない。ナイキの限定モデルが転売ブームの間だけ稼ぎ、ファンの熱が冷めると通用しなくなったのと、まったく同じ曲線です。

店にとってのベストは「限定×常連」

では限定は無意味かというと、そうでもない。店にとってのベストは、常連さんの「推し」に限定がヒットして、いつもの買い物の中で買ってもらうことです。限定が新しい客を一瞬呼ぶことより、いつもの客の一日をひとつ豊かにすること。トライアルの祭りではなく、リピートの中の小さな祭り。ナイキが忘れたのは、たぶんこれで——エアジョーダンの行列より、毎朝ナイキを履いて走る人の靴を良くし続けることのほうが、棚を守った。

はなぱぱ
はなぱぱ

限定商品って、結局お目当ての商品だけで、その後に続かないんですよ。一瞬輝くものの、っていう。店としてベストなのは、常連さんの推しにヒットして、いつもの買い物の中で購入してもらうこと。新しい人が限定だけ買って帰るより、いつもの人の一日にひとつ乗るほうが、店には残るんですよね。


第5章:売り手都合と買い手都合は、=にならない

お得なのに、売れない

ここで、レジで毎日感じていることを書きます。売り手都合と買い手都合は、つくづく=(イコール)にならない

さっきのクーポンの話がそうです。1本買えば1本無料——お得なのは間違いない。売り手(メーカー・本部)から見れば、これ以上ない訴求のはずです。でも、お客様が欲しいものかと言われれば、そんなこともなく、意外と販売数が伸びなかったりする(涙)。お得さは売り手の都合で設計され、買い手は「欲しいかどうか」でしか動かない。この2つは、どれだけ計算しても、勝手には一致しない。

ナイキの3要因は、全部「売り手都合」

そう思って第1章の3要因を見直すと、全部売り手都合です。利益率の高い直販に寄せる——売り手の都合。限定モデルで稼ぐ——売り手の都合。巨大化して多角化する——売り手の都合。一方、買い手都合は「量販店の棚で偶然出会う」「普段履ける高機能な靴が欲しい」だった。この2つが=でなくなったとき、王者は転んだ。

そして——棚は、売り手都合と買い手都合が出会う唯一の場所なのです。売り手は棚の前でしか、買い手が本当に欲しいものを測れない。アプリの購買データは「すでに買った人」しか教えてくれない。棚の前で手に取られなかった商品、手に取って戻された商品——それを見られるのは、棚だけです。ナイキが棚を捨てたとき、彼らは売上チャネルではなく、買い手都合を測る計器を捨てていた。

はなぱぱ
はなぱぱ

売り手都合と買い手都合はつくづく=にならないなーって、日々思いますよ。さっきのクーポンの話だって、お得なのは間違いないんだけど、お客様が欲しいものかと言われればそんなこともなくて、意外と販売数が伸びなかったりするしね(涙)。お得と欲しいは、別なんですよね。


第6章:油断と慢心——1つ1つ、丁寧に

超一流でさえ

超一流の企業でさえ、こうなる。しかも、目の前のお客様を蔑ろにしたわけではないと思うのです。ナイキの社員が客を軽んじたとは思えない。彼らが軽んじたのは、地味な接点——棚——であり、その背後にいた「まだナイキを知らない人」「毎朝普通に走る人」でした。慢心とは、客を忘れることではなく、客と出会う場所を軽んじることなのかもしれません。

地域の勝者はなぜ値上げしないのかで「勝者は勝利を所有していない。あるのは選ばれ続ける今日だけ」と書きました。ナイキは勝利を所有していると思った——S&P100に18年いれば、そう思っても無理はない。でも所有できなかった。ブランド力80位という数字は、「今日」を積み損ねた回数だと思います。

店が持ち帰るもの

うちの店の縮尺で、教訓を3つにします。

  • 棚を、売上チャネルとして測らない——効率で棚を削ると、来店動機ごと消える。棚は買い手都合を測る計器であり、発見装置。メーカーがクーポンで買いに来る価値を、店自身が軽んじない
  • 限定に頼らない——一瞬の輝きは続かない。常連の推しに当たる形で使う。リピートの革新(定番の欠品ゼロ・いつもの物をいつもの場所に)を止めない
  • 利益率の高いものに寄せすぎない——高粗利、本部施策、新しいチャネル。どれも正しい。でも寄せた分だけ、目の前の接点が痩せていないかを毎日見る

そして、これらを支えるのは技術ではなく、態度です。1つ1つ、丁寧に。油断や慢心は、良い結果につながらない。王者の転落は、そのことを、これ以上ないほど大きな縮尺で教えてくれました。

はなぱぱ
はなぱぱ

超一流企業のナイキでさえ、こんな事態になってしまう。目の前のお客様を蔑ろにしたわけではないと思うんですけど、目の前にいるお客様の重要性——大事にしなきゃいけない、という前回の記事ともつながる話だと思います。1つ1つ丁寧に。油断や慢心は良い結果につながらない。そういう教訓ですね。


よくある質問(FAQ)

Q1. ナイキがS&P100から除外されるとは、どういうことですか?

S&P100は米国の主要100社で構成する株価指数で、いわば「ブルーチップ」の認定です。ナイキは2008年の採用以来18年ぶりに、2026年9月21日付で除外されます。2026年5月期の売上高は463億ドルと2年前より1割少なく、時価総額はピーク(2021年末)の約5分の1、株価は12年ぶりの低水準、ブランド力ランキングは26位(2017年)から80位(2026年)に落ちました(2026年9月13日時点の報道)。

Q2. ナイキが転落した要因は何ですか?

報道が挙げる要因は3つです。①コロナ禍で直販アプリが当たり、利益率の高さから量販店経由の販売を軽視し、売場での露出=消費者との接点が痩せた②限定モデル商法が行き過ぎ、転売ブームの後にファンの熱が冷め、その間に一般向け高機能シューズの革新が止まってオン(年31%成長)やHOKA(同14%)の台頭を許した③巨大化で小回りが利かなくなった——「量販店の棚という地味な接点を軽視した代償」と総括されています。

Q3. なぜ棚を軽視すると、ブランドが弱るのですか?

棚は売上チャネルではなく「発見装置」だからです。アプリの直販は既にブランドを知っている人にしか届きませんが、棚はまだ知らない人に届きます。棚から消えると売上を失うだけでなく、消費者の記憶から消える。私の店でも、メーカーの倒産や本部との折り合いで商品が棚から消えたブランドは、翌週にはお客様の口に上らなくなりました。

Q4. メーカーがコンビニの棚を重視している証拠はありますか?

「1本買うと1本無料」のクーポンキャンペーンの原資を、私はSVに尋ねたことがあります。答えはメーカー協賛でした。本部の販促だと思っていたものが、メーカーが棚(接点)を買うための販促だった。サイネージ広告や新商品の導入条件の優遇も同じ構造で、棚はメーカーにとって消費者と出会う唯一の物理的な接点であり、値段がつく資産です。

Q5. 限定商品は、店にとって効果がありますか?

一瞬は輝きますが、お目当ての商品だけで、その後に続かないのが実感です。限定の日に来た新しいお客様は限定だけ買って帰り、翌週はいない——ナイキの限定モデル商法が転売ブームの間だけ通用したのと同じ曲線です。店にとってのベストは、常連さんの「推し」に限定がヒットして、いつもの買い物の中で買ってもらうこと。トライアルの祭りより、リピートの中の小さな祭りです。

Q6. 「売り手都合と買い手都合は=にならない」とは?

お得さや利益率は売り手の都合で設計されますが、買い手は「欲しいかどうか」でしか動かない——この2つは勝手には一致しない、という日々の実感です。1本無料のクーポンはお得なのは間違いないのに、欲しいものでなければ販売数は伸びません。ナイキの3要因(直販・限定・巨大化)は全部売り手都合で、買い手都合(棚で出会う・普段履ける高機能)から離れたときに転落しました。

Q7. 棚が「買い手都合を測る計器」とは、どういう意味ですか?

売り手が買い手の本当の欲しさを測れるのは、棚の前だけだという意味です。購買データは「既に買った人」しか教えてくれませんが、棚では手に取られなかった商品、手に取って戻された商品まで見えます。ナイキが量販店の棚を捨てたとき、失ったのは売上チャネルではなく、買い手都合を測る計器でした。

Q8. コンビニ経営者は、この事例から何を持ち帰れますか?

3つです。①棚を売上チャネルとして効率で測らない(削ると来店動機ごと消える。メーカーが買いに来る価値を店自身が軽んじない)②限定に頼らず、常連の推しに当たる形で使い、定番のリピートの改善を止めない③高粗利・本部施策・新チャネルに寄せすぎず、寄せた分だけ目の前の接点が痩せていないかを毎日見る。技術ではなく態度の話で、1つ1つ丁寧に、が土台です。

Q9. 慢心とは、具体的にどういう状態ですか?

客を忘れることではなく、客と出会う場所を軽んじることだと考えています。ナイキの社員が客を軽んじたとは思えませんが、地味な接点である棚と、その背後の「まだ知らない人」「毎朝普通に走る人」を軽んじた。勝者は勝利を所有していない——18年S&P100にいても、選ばれ続ける今日を積み損ねれば、ブランド力80位になります。

Q10. この記事の情報の出典は?

ナイキのS&P100除外・業績・時価総額・ブランド力ランキング・要因分析・新興ブランドの成長率は2026年9月13日時点の日本経済新聞等の報道に基づきます。クーポンの原資・棚から消えたブランド・限定商品の売れ方・売り手都合と買い手都合の実感は私の店での経験で、チェーン・契約により異なります。特定企業・本部への批判を意図するものではありません。


まとめ:棚は、売り手都合と買い手都合が出会う唯一の場所

ナイキが9月21日にS&P100から18年ぶりに除外——売上463億ドル(2年前比▲10%)、時価総額ピークの5分の1、ブランド力26位→80位。要因は①利益率の高い直販に寄せて量販店の棚を軽視限定モデル商法の行き過ぎで一般向け高機能の革新が止まりオン・HOKAに棚を空けた③巨大化の鈍重さ。棚の言葉で読めば、①発見装置を捨てた([7250])②トライアルで逃げ切ろうとした([7226][5443])③尖りに注意力が向いて足元が痩せた([7322])。うちの日常が裏書きします——1本買うと1本無料のクーポンの原資はメーカー協賛(本部が頑張っているのではなく、メーカーが棚を買っている=棚に置いてもらえる価値の証明)、倒産や本部との折り合いで棚から消えたブランドは記憶からも消えた、限定は一瞬輝いて続かず、常連の推しに当たるのがベスト。そして売り手都合と買い手都合は、つくづく=にならない——お得(売り手都合)と欲しい(買い手都合)は別で、クーポンでも販売数は伸びなかったりする(涙)。ナイキの3要因は全部売り手都合で、棚はその2つが出会う唯一の場所=買い手都合を測る計器だった。教訓は3つ——棚を効率で測らない・限定に頼らず定番のリピート改善を止めない・利益率の高いものに寄せすぎない。慢心とは客を忘れることではなく、客と出会う場所を軽んじること。1つ1つ、丁寧に。

この記事の要点

  1. ニュース=ナイキが9/21にS&P100から18年ぶり除外・時価総額5分の1・ブランド力26→80位(報道ベース)
  2. 3要因=①量販店の棚を軽視②限定モデル商法の行き過ぎ③巨大化の鈍重さ(日経の分析)
  3. 棚の言葉で読む=①発見装置を捨てた②トライアルで逃げ切ろうとした③尖りに注意力が向いて足元が痩せた
  4. メーカーは棚を買っている=1本無料クーポンの原資はメーカー協賛(本部でなく、棚という接点への投資)
  5. 棚から消えると記憶から消える=倒産回収・本部との折り合いで軒並み消えたブランドの実例
  6. 限定は一瞬輝いて続かない=店のベストは常連の推しに当たる形(リピートの中の小さな祭り)
  7. 売り手都合と買い手都合は=にならない=お得でも欲しくなければ販売数は伸びない(涙)
  8. ナイキの3要因は全部売り手都合。棚は売り手都合と買い手都合が出会う唯一の場所=買い手都合を測る計器
  9. 教訓3つ=棚を効率で測らない・限定に頼らない・利益率の高いものに寄せすぎない
  10. 慢心とは客と出会う場所を軽んじること=勝者は勝利を所有していない。1つ1つ、丁寧に

次のアクション

  • [ ] 自店の棚を「売上チャネル」ではなく「発見装置」として見直し、効率だけで削っていないか点検する
  • [ ] 本部施策やクーポンの原資を、機会があればSVに尋ねる(棚の価値を数字で理解する)
  • [ ] 限定・コラボ商品は「常連の推しに当たるか」で発注し、新規客の一巡には在庫で応えすぎない
  • [ ] 定番のリピート改善(欠品ゼロ・いつもの場所)を、限定の日ほど優先する
  • [ ] 高粗利商品・新チャネルに寄せた月は、目の前の常連の買い方が変わっていないか確認する
  • [ ] 「お得(売り手都合)」と「欲しい(買い手都合)」を分けて、施策の販売数を振り返る
  • [ ] 棚から消えたブランドがお客様の口に上らなくなる速さを、一度意識して観察してみる

このブログ内の関連記事

棚という発見装置

一瞬の輝きと定番

勝者の油断

参考|公式情報


18年、王者の椅子に座っていた会社が、棚を軽んじて降りました。

うちの店の棚は、王者の棚に比べれば、あまりに小さい。でも今日も、メーカーの誰かがクーポンの原資を払ってでも置きたがる棚で、常連さんが推しの限定を一つ手に取り、隣で誰かが「お得だけど、いらないな」と戻していく。売り手都合と買い手都合が、=にならないまま、毎日出会っている場所。

それを軽んじたとき、たぶんどんな規模の商売も、同じ坂を降りる。だから、1つ1つ丁寧に。棚を整え、目の前のお客様を見て、油断しない。

王者に教わった教訓を、今日は棚の前で、小さく実行します。

Xからの読者コメントをお待ちしています。
ブログ更新の励みになります!
はなぱぱ愛用品
ABOUT ME
はなぱぱ
はなぱぱ
経営者
はじめまして、はなぱぱです。 コンビニ経営に携わって13年。 店舗での経験や経営者としての苦労、従業員教育の工夫などをまとめています。 経営者や店舗責任者はもちろん、従業員の方にもわかりやすく役立つ情報を発信していきます。
スポンサーリンク
記事URLをコピーしました