抹茶が売れているのに、茶畑は減っている|1,400円の味が216円で棚に降りてくる——芋・栗・抹茶の秋の前に【現役オーナー】
静岡の山あいに、遠目には森にしか見えない斜面があるそうです。近づくと、それは手入れされなくなった茶畑——茶樹が3メートルまで伸び、区画の形だけが畑だった頃の名残をとどめている。地元の茶農協の組合員は、1990年代後半の約110人から、23人まで減ったといいます。
一方、その茶を求める世界の熱は、過去最高です。2025年の抹茶を含む緑茶の輸出額は721億円、前年比およそ2倍。輸出量は約70年ぶりに1万トンを超えました。この10年で輸出はおよそ4.5倍——世界は、日本の緑を欲しがっています。
抹茶が売れているのに、茶畑は減っている。 この逆説が、今日の話です。
そしてこれは、遠い産地の話ではありません。うちの店の棚でも、抹茶はこの2年でスイーツ・アイス・飴・ボトル飲料へと広がり続けています。買っていくのは幅広い世代の女性、ときどき若い男性。そして面白いことに、ボトル飲料は同じ方が継続して買っていく——抹茶は、ブームの顔をしながら、静かに「習慣」になり始めているのです。
ちょうど今、秋冬の新商品情報が届き始めました。芋・栗・抹茶——秋の和素材トリオの仕込みが始まるタイミングです。減る畑と、増える需要と、降りてくる価格。この3つを1枚につないでから、秋の棚を組みたいと思います。
- 減る畑——2050年に8割減という推計
- 増える需要——世界が抹茶を覚えてしまった
- 1,400円の味が、216円で棚に降りてくる
- うちの棚の実感——抹茶は「習慣」になり始めている
- 芋・栗・抹茶の秋——原価が上がる前提で棚を組む
- ブームの終わり方——最後まで棚に残る抹茶は何か
※統計・企業事例は2026年8月25日時点の報道(日本経済新聞・日経MJ)と農林水産省の公表資料に基づきます。売場の実感は私の店での観察です。
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🎧 もっと深く:対話型の音声解説(約19分)
この記事をもとにAIが対話形式で深掘りした音声です(Gemini Notebook〈旧NotebookLM〉で生成)。運転中や作業中の「ながら聞き」にどうぞ。
第1章:減る畑——2050年に8割減という推計
数字は3つで足ります
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| 主産県の茶畑面積(2025年) | 2万5,400ヘクタール |
| このペースが続いた場合の2050年推計 | 約5,000ヘクタール=8割減(報道の推計) |
| 樹齢30年以上の茶園 | 全体の約4割(経済樹齢は35年前後) |
| 基幹的農業従事者(約98万人)のうち60歳以上 | 8割近く |
効いているのは、農家の高齢化だけではありません。茶樹そのものの老齢化です。樹齢30年を超えた茶園が4割を占め、経済樹齢とされる35年前後を過ぎると収量と品質が落ち、植え替えの体力がない畑から放棄されていく。摘採の負担が重い斜面の畑から森に還っていく——冒頭の静岡の風景は、その最前線です。
「一過性の相場」ではない、という点がすべて
この記事でいちばん大事なのはここです。米やすり身の高騰は、作柄や漁獲の「相場」の話でした。でも茶畑の話は、畑と担い手そのものが構造的に減っていく話です。相場は戻ります。畑は、簡単には戻りません。国は補助金で煎茶から抹茶原料の「てん茶」への転換を促し、平地で機械化しやすい鹿児島が生産シフトを先導、約6億円の抹茶工場を新設する動きもあります。ただし——てん茶の生産量は10年で2.7倍に増えてなお、お茶の生産全体の7.3%にすぎません。需要の伸びに、供給の構造が追いついていないのです。
第2章:増える需要——世界が抹茶を覚えてしまった
輸出721億円・前年比2倍
需要側の熱は、数字が雄弁です。2025年の緑茶輸出は721億円で前年比およそ2倍、過去最高。欧米や東南アジアのカフェ需要で茶葉が足りず、取引価格は急騰しています。
そして海外は、日本人が思いつかない飲み方を発明し始めました。いちご抹茶、マンゴー抹茶、ココナツ、そしてコーヒーと合わせる「ダーティーマッチャ」。豪州発の抹茶カフェが東京・築地に上陸し、果実系メニューを900円で並べる。スターバックスは石臼抹茶マンゴーココナッツラテを1,400円で期間限定提供——海外で生まれた飲み方が、日本に「逆上陸」してくる時代です。
薄めたら、世界に広がった
面白いのは、メーカー担当者の分析です。日本人が好む抹茶の濃さは、海外では「青臭い」と感じられやすい。各国が許容できる濃さまで薄めた結果、フルーツとの相性が見えてきた——つまり海外の抹茶は、茶道の抹茶ではなく、「抹茶風味」という新しい飲み物として世界に広がっている。だから組み合わせが自由で、だから市場が広い。供給が細る一方で、需要の間口は広がり続けている——価格が上がらないはずがない構造です。
第3章:1,400円の味が、216円で棚に降りてくる
価格の滝
ここからが、コンビニの話です。伊藤園が米国子会社発の抹茶ブランドを国内展開し、ボトル缶を216円から売り始めました。
この価格の並びを見てください。スタバの1,400円→専門店の900円→ボトル缶の216円。高価格帯で認知された味が、段階を下って大衆価格に降りてくる——タピオカでも、マリトッツォでも、カヌレでも見てきた、「価格の滝」です。そしてコンビニの棚は、この滝の最後の受け皿。抹茶×フルーツ、抹茶×ココナツといったフレーバーが、これから飲料・スイーツ各社の新商品として降りてくる可能性は高い。棚を一列、空けておく価値があります。
「置き換え」ではなく「並べる」
ひとつ、設計上の注意があります。この新世代の抹茶商品は「抹茶の風味は後味にふわりと感じる程度」——つまり、抹茶が好きな人ではなく、抹茶にまだ馴染みのないライト層を狙った商品群です。従来の濃い抹茶ラテや宇治抹茶スイーツとは、客層が違う。だから既存の抹茶商品を置き換えるのではなく、並べる。濃い抹茶とライト抹茶は、コーヒーで言えばエスプレッソとカフェオレ——両方あって棚です。
第4章:うちの棚の実感——抹茶は「習慣」になり始めている
この2年で、抹茶は棚のどこに増えたか
うちの店の実感を書きます。抹茶商品はこの2年、確実に増えました。増えた場所は——スイーツ、アイス、菓子(飴)、ボトル飲料。そしてパンも種類が多い。スイーツとボトル飲料は、季節が来ると豊富な種類がどっと出てきます。抹茶はもう「和菓子の隅の素材」ではなく、チルドケースから菓子棚、パンの什器まで横断するカテゴリーになりました。
客層も広い。主に女性——それも若い層だけでなく、幅広い世代に人気です。そして若い男性も、たまに買っていかれます。海外で「ダーティーマッチャは男性でも頼みやすい入門編」と言われているそうですが、その入口の広がりは、うちのレジでも起きている変化です。
いちばん面白いのは、ボトル飲料の買われ方
そして、観察していていちばん面白いのがボトル飲料です。同じ方が、継続して買っていくのです。
これは大事なサインだと思っています。商品力=トライアル×リピートの枠組みで言えば、話題で一度買われるのがトライアル、日常に組み込まれるのがリピート。スイーツの抹茶フェアが「季節のトライアル」だとすれば、ボトル抹茶の常連さんは「リピート」の人です。ブームの顔をした抹茶の足元で、習慣としての抹茶が静かに育っている——白黒ポテチやバズ発注の失敗談で「話題は一巡で終わる」と書いてきましたが、抹茶は一巡で終わらない層を、もう獲得し始めているのです。
なお、抹茶系商品の値上げ案内は、今のところ来ていません。でも第1章の構造を見るかぎり、来ないと考えるほうが不自然です。「まだ来ていない」は「これから来る」——そう読んで棚を組みます。

うちの棚だと、抹茶はスイーツ、アイス、飴、ボトル飲料あたりに増えてますね。スイーツとボトル飲料は、季節が来ると豊富な種類で出てきます。パンも種類が多いです。客層は主に女性で、幅広い世代に人気。若い男性もたまに買っていかれます。面白いのはボトル飲料で、同じ方が継続して買っていくんですよ。あれはもうブームというより、その方の習慣なんですよね。値上げの案内は、今のところまだ来ていません。
第5章:芋・栗・抹茶の秋——原価が上がる前提で棚を組む
仕込みは、今
ちょうど今、秋冬の新商品情報が届き始めています。芋系、栗、そして抹茶——秋の和素材トリオの準備に入るタイミングです。抹茶は夏の冷たい飲料から、秋冬はホットドリンクとスイーツへ切り替わる商材。9〜10月の棚割りを詰めるのは、まさに今なのです。
「ブームだから多めに」をやらない
そこで、この記事の実務の結論です。秋の抹茶の仕込みは、「ブームだから多めに」ではなく、「原価が上がる前提で、数量と売価の考え方を先に決めておく」。
- 原価:畑が構造的に減りながら世界中から買われている以上、値上げ圧力は消えません。仕入れ価格の交渉余地は小さいと見て、値上げ・規格変更(内容量減)が来る前提で臨む。来たときに慌てて棚を崩すのではなく、来ることを織り込んで組む
- 数量:季節のスイーツ・フェア商品は「季節のトライアル」=山は一巡で終わる前提で、バズ発注の型どおり伸び率で天井を見る。一方、ボトルなど「習慣の抹茶」は定番として切らさない——性格の違う2つを同じ「抹茶」で括らない
- 売場の二極化への構え:中国産抹茶が価格でシェアを伸ばすなか、「国産」「宇治」表記の訴求力が上がる場面と、価格差で選ばれない場面の両方が来ます。国産をうたう高単価品と、価格重視のライト品を意図的に分けて置く——PBとNBの棚と同じ、二層の設計です

もう秋冬の新商品情報は来だしているので、芋系の商品や栗、抹茶の準備に入るタイミングですね。抹茶は毎年季節が来ると種類が豊富に出てくるので、つい「今年はブームだし多めに」とやりたくなるんですけど——畑の話を読んでからは、原価が上がる前提で数量と売価の考え方を先に決めておくほうが正しい気がしています。値上げが来てから慌てるより、来ることを織り込んで組む、ですね。
第6章:ブームの終わり方——最後まで棚に残る抹茶は何か
「値段が上がりすぎれば、取り扱いをやめるカフェが増える」
抹茶の国際団体の代表理事は、こう懸念しています。「値段が上がり過ぎれば取り扱いをやめるカフェが増える」。量産体制を整えた中国が低価格で輸出シェアを伸ばすなか、日本の畑が減って高コスト化すれば、世界的ブームから日本産だけが取り残されかねない——供給側の警告です。
そして、需要側のお客様はどうか。正直な実感を言えば——お客様は、意外とあっさりしています。「朝は抹茶じゃなきゃダメ!」という人は、ほとんどいない。抹茶が高くなれば、ほうじ茶ラテでも、黒糖でも、ピスタチオでも、次の何かがその棚を埋めて、お客様はそれを楽しむでしょう。ブームとは、そういうものです。タピオカの棚が今どうなっているかを、私たちは知っています。
それでも残る抹茶——「習慣」を獲得した定番
では、ブームが引いた後の棚に、何が残るのか。私の予想は、第4章に書いたあの風景です。同じ方が継続して買っていく、ボトルの抹茶。
フェアのスイーツは季節と共に去ります。フルーツ抹茶の新商品は、当たっても一巡で入れ替わるでしょう。でも、トライアルの祭りの間にリピートを獲得した少数の定番SKU——毎朝のボトル、いつものアイス——は、ブームと関係なく発注表に残り続ける。カフェの棚とコンビニの棚の違いはここで、カフェはメニューを「やめる」ことができますが、コンビニの定番はお客様の習慣が守るのです。
だから秋の仕込みの最後に、ひとつだけ足しておきます。フェアの山を追いながら、「この抹茶商品のうち、習慣になっているのはどれか」を見ておくこと。ブームの数字と、習慣の数字を分けて記録する——偶発と実力を分ける、いつもの作法です。ブームが終わる日、その記録が自店の「残す抹茶」を教えてくれます。

正直、お客様って意外とあっさりしてるんですよ。「朝は抹茶じゃなきゃダメ!」なんて人は、ほとんどいない。抹茶が取れなくなれば、他の何かが売れるようになる——それだけの話でもあるんです。でも、ボトルの抹茶を毎日買っていかれるあの方たちは、ブームで買ってるわけじゃないんですよね。ああいう「習慣になった抹茶」は、たぶんブームが終わっても残る。フェアの山と習慣の定番を分けて見ておく——秋の仕込みで意識したいのは、そこですね。
よくある質問(FAQ)
Q1. 茶畑はどのくらい減っているのですか?
主産県の茶畑面積は2025年時点で2万5,400ヘクタールで、このペースが続けば2050年には約5,000ヘクタール=8割減になるとの推計が報じられています。農家の高齢化(基幹的農業従事者の8割近くが60歳以上)に加え、樹齢30年以上の茶園が全体の約4割を占める「茶樹の老齢化」も進んでおり、一過性の相場ではなく構造的な縮小です(2026年8月25日時点・報道ベース)。
Q2. 抹茶ブームは、どのくらいの規模なのですか?
2025年の抹茶を含む緑茶輸出額は721億円で前年比およそ2倍・過去最高、輸出量は約70年ぶりに1万トンを超えました。この10年で輸出は約4.5倍です。欧米・東南アジアのカフェ需要が中心で、海外発の抹茶×フルーツなどのアレンジが日本へ逆上陸する流れも生まれています。
Q3. 抹茶商品は値上がりしますか?
構造的には値上げ圧力が続くと見ています。供給(畑・担い手)が細りながら世界中から買われているためです。私の店には8月25日時点で値上げ案内はまだ来ていませんが、「まだ来ていない=これから来る」と読み、秋冬の棚は原価が上がる前提(値上げ・内容量変更を織り込む)で組むのが安全だと考えています。
Q4. コンビニの棚で、抹茶はどのカテゴリーに増えていますか?
私の店ではスイーツ・アイス・菓子(飴)・ボトル飲料に増え、パンも種類が豊富です。スイーツとボトル飲料は季節が来ると一気に種類が増えます。客層は幅広い世代の女性が中心で、若い男性も手に取るようになっており、「若い女性の流行り物」の枠を超えて広がっています。
Q5. 新しいフルーツ系の抹茶商品は、既存の抹茶商品と競合しませんか?
客層が違うため「置き換え」ではなく「並べる」のが正解だと考えています。海外発のフルーツ系・ライト系は抹茶の風味を後味程度に抑えた設計で、抹茶にまだ馴染みのないライト層向け。従来の濃い抹茶商品とは、コーヒーで言うエスプレッソとカフェオレの関係です。両方あって棚になります。
Q6. 「国産」「宇治」表記は、売上に効きますか?
今後、効く場面が増えると見ています。中国産抹茶が低価格で輸出シェアを伸ばしており、原料表示への感度が上がる可能性があるためです。ただし価格差で選ばれない場面も同時に出てきます。国産をうたう高単価品と価格重視のライト品を意図的に分けて置く「二層の棚」で構えるのが現実的です。
Q7. 秋冬の抹茶の仕込みは、いつ・どうすればいいですか?
秋冬新商品の情報が届き始める今(8月末〜9月)が仕込みのタイミングです。芋・栗・抹茶の和素材トリオは秋の主役。「ブームだから多めに」ではなく、①原価上昇を織り込んで数量と売価の考え方を先に決める②フェア商品は一巡前提で伸び率を見る③習慣化した定番(ボトル等)は切らさない——と、性格の違う商品を分けて設計します。
Q8. 抹茶ブームは終わりますか?
いつかは落ち着くと思います。価格が上がりすぎれば取り扱いをやめるカフェが増えるという業界の懸念もあり、お客様は「朝は抹茶じゃなきゃダメ」というほど執着しません。ただし、ブームの間にリピート(習慣)を獲得した定番商品は、ブームと関係なく残ります。私の店でもボトルの抹茶を継続購入される方が既にいて、これが「ブーム後に残る抹茶」の姿だと見ています。
Q9. ブームの商品を仕入れるときの注意点は?
ブームの数字と習慣の数字を分けて記録することです。フェアやバズによる売上は一巡性で、翌シーズンの実力ではありません。売れ行きの中身(初回試買か継続購入か)を観察し、「習慣になっているSKUはどれか」を把握しておくと、ブームが引いた後に残す商品の判断材料になります。
Q10. この記事の情報の出典は?
2026年8月25日時点の日本経済新聞・日経MJの報道(茶畑面積・2050年推計・輸出額・企業事例)と、農林水産省の公表資料(輸出動向・てん茶生産量)に基づきます。棚の実感・客層・仕込みの判断は私の店での観察です。産地・制度の詳細は今後変わる可能性があります。
まとめ:フェアの山と、習慣の定番を分けて仕込む
抹茶を含む緑茶輸出は721億円・前年比2倍で過去最高、海外発のアレンジが逆上陸し、1,400円のカフェの味が216円のボトル缶でコンビニ価格帯に降りてくる——需要はまだ広がります。一方で茶畑は2050年に8割減の推計。農家の8割近くが60歳以上、樹齢30年超の茶園が4割という、相場ではなく構造の縮小です。つまり「供給が痩せながら、世界中から買われる」——値上げ圧力は消えません(うちにはまだ案内が来ていませんが、「まだ」は「これから」です)。棚の実感では、抹茶はスイーツ・アイス・飴・ボトル・パンへ横断的に広がり、客層は女性全世代+若い男性へ。そしてボトルは同じ方が継続購入する「習慣」になり始めています。秋の仕込み(芋・栗・抹茶のトリオ、今がタイミング)は3原則で——①原価が上がる前提で数量と売価の考え方を先に決める②フルーツ系ライト商品は既存の濃い抹茶と「置き換えでなく並べる」③フェアの山(一巡性)と習慣の定番(継続性)を分けて記録する。お客様はあっさりしています。ブームは去ります。でも、習慣を獲得した定番は発注表に残る——最後まで棚に残る抹茶を見極めるのは、この秋の記録です。
この記事の要点
- 緑茶輸出721億円・前年比2倍・過去最高(10年で約4.5倍)=世界的抹茶ブームは本物
- だが茶畑は2050年に8割減の推計=農家の高齢化×樹齢30年超4割という構造の縮小(相場ではない)
- てん茶は10年で2.7倍に増えてなお生産全体の7.3%=需要の伸びに供給構造が追いつかない
- 海外発アレンジの逆上陸=「薄めた抹茶」がライト層の間口を広げた
- 価格の滝=1,400円(スタバ)→900円(専門店)→216円(ボトル缶)でコンビニに降りてくる
- 棚の実感=スイーツ・アイス・飴・ボトル・パンへ横断拡大、客層は女性全世代+若い男性
- ボトル抹茶は同じ客が継続購入=ブームの足元で「習慣」が育っている(リピート獲得の証拠)
- 値上げ案内は「まだ」来ていない=「これから来る」前提で秋冬の棚を組む
- 設計3原則=原価上昇を織り込む・ライト系は並べる・フェアの山と習慣の定番を分ける
- ブーム後に残るのは習慣を獲得した定番=ブームの数字と習慣の数字を分けて記録する
次のアクション
- [ ] 秋冬新商品情報から芋・栗・抹茶の投入予定を一覧にし、仕込みの山を設計する
- [ ] 抹茶フェア商品は「一巡前提」で初速と伸び率を見る計画にする(多め張りっぱなしにしない)
- [ ] 自店の抹茶商品のうち「同じ方が継続購入しているSKU」を特定し、定番として欠品させない
- [ ] 値上げ・規格変更が来た場合の売価と数量の方針を、案内が来る前に決めておく
- [ ] 国産・宇治表記の高単価品と価格重視品を分けて置く「二層の棚」を試す
- [ ] フルーツ系・ライト系の新商品用に、既存品と並べる一列分のスペースを想定しておく
- [ ] ブーム系売上と習慣系売上を分けたメモを今季から付け始める(ブーム後の「残す判断」の材料)
このブログ内の関連記事
商品トレンドを読む
原価と供給の構造
季節の棚と発注
参考|公式情報
- 農林水産省|茶をめぐる情勢:栽培面積・輸出入など本文の背景データの一次情報
- 日本茶輸出促進協議会:緑茶輸出の動向・業界の一次情報
- 消費者庁|景品表示法:「国産」「宇治」など産地・品質表示の一線を確認するときに
- 日本フランチャイズチェーン協会(JFA):コンビニ業界の統計・業界情報
- よろず支援拠点|経営相談:仕入・品揃えの相談ができる無料の公的窓口
森に還っていく静岡の茶畑と、築地に並ぶ900円のマンゴー抹茶ラテと、うちの棚の216円のボトル缶。同じ一枚の葉っぱの話だと思うと、不思議な時代です。
畑は50年かけて減っていきます。棚は毎シーズン入れ替わります。その速度の違いの間に立って、私たちは今年も、芋と栗と抹茶を並べる。ブームの山を追いすぎず、習慣の定番を切らさず、値上げの手紙が届く前に構えておく——やることは、いつもの秋と同じです。
ただ今年は、棚の抹茶をひとつ手に取るとき、少しだけ思うことにします。この緑を作っている畑が、遠くでゆっくり森に還ろうとしていることを。だからこそ、届いたぶんを、ちゃんと売り切ろうということを。
芋・栗・抹茶の秋が、今年も来ます。仕込みは、今日からです。

