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ペルーの海が温まると、うちのおでんが高くなる|すり身高騰の連鎖と、「差別化と割り切る」冬の構え【現役オーナー】

hanapapa
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おでんの立ち上げの合図を、私はカレンダーで決めていません。日が沈んだあとの空気が、ふっと寒いと感じるようになった時——あれが入口だと思っています。

その入口の手前で、今年はひとつ、地球の裏側からニュースが届きました。かまぼこ・ちくわの原料である魚のすり身が高騰し、紀文食品が9月1日店着分から567品を値上げする(値上げ幅は約3〜20%・報道ベース)。ニッスイも9月から練り製品などの値上げを発表しており、単発ではなく業界の波です。

面白い——と言っては当事者に失礼ですが——のは、この値上げの起点がペルーの海水温だということです。エルニーニョでペルー沖のカタクチイワシが不漁になると、なぜ日本のおでんが高くなるのか。途中の因果がすべてつながっていて、省略がない。「身近な商品の値段は、地球の裏側で決まることがある」という話の、教材のような完成度です。

そして、現場の話。おでんを含むカウンターフーズは、単品の値入れは良いけれど、仕込み・清掃の負担と人件費が重い——うれしい悲鳴どころか、万歳しながら取り組む、とはなかなか言えない商品です。そこに原料高が乗る。今年の冬は、「どう売るか」の前に「どう構えるか」を決めておきたい年になりました。

先に、私の結論を書いておきます。値上げのたびに騒いでもしかたない。自分たちにできることを、ひたすらやるしかない。この記事は、その「できること」の整理です。

  • 連鎖の全体像——ペルーの海から、おでん鍋まで
  • おでんという商売の正体——値入れ・手間・廃棄の三角形
  • 什器おでんの現在地——衛生の視線と、それでも喜ばれる現実
  • 値上げの年のおでん戦略——「説明できる値上げ」と、やる範囲の設計
  • 売り伸ばしの現実——3倍売れる施策と、その見えないコスト
  • 立ち上げの合図は、カレンダーではなく「日没後の空気」

※原料価格・値上げ情報は2026年8月4日時点の報道に基づきます。店頭価格への反映は本部からの案内をお待ちください(当店にも8月4日時点でまだ案内は来ていません)。


本記事の位置づけ|すり身高騰の連鎖を読み解き、値上げの冬に構えるおでん実務記事

本記事は、ペルー沖の海況からすり身・練り物の値上げに至る連鎖と、品目の絞り方・正直なPOP・夕方の売場づくり・「差別化と割り切る」構えまでを、現役オーナーの視点で整理した実務記事です。以下の関連記事と組み合わせると、冬商戦の立ち上げから値上げ対応まで全体像が掴めます。

🍢 冬商戦とおでんの季節

💴 値上げと原価の向き合い方

🗣 売り方と年末への接続

「季節の立ち上げ → 値上げへの構え → 売り方」の順で読むと、原価高の冬でもおでんを武器にする視点が身につきます。

🎥 この記事の要点を動画にまとめました(音声解説つき)。結論から知りたい方はまずこちらをどうぞ。

🎧 もっと深く:対話型の音声解説(約18分)
この記事をもとにAIが対話形式で深掘りした音声です(Gemini Notebook〈旧NotebookLM〉で生成)。運転中や作業中の「ながら聞き」にどうぞ。

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第1章:連鎖の全体像——ペルーの海から、おでん鍋まで

5つのドミノ

報道されている連鎖を、順番に並べます。ドミノは南米から倒れ始めます。

  1. エルニーニョでペルー沖の海水温が上昇し、カタクチイワシが不漁に
  2. カタクチイワシを原料とする魚粉(養殖魚の飼料)が品薄になり、産地価格は1トン3,000ドル・前年同期比8割高と2010年以降の最高値に
  3. 魚粉の高値を見たアジアの漁師が、イトヨリダイなどの魚をすり身用ではなく魚粉用に売るようになり、すり身に回る原料が不足
  4. ベトナム産すり身の輸入単価は1〜6月で前年同期比15%上昇
  5. 並行して、国際指標である北米産スケソウダラのすり身も、円安と中東情勢に伴う輸送燃料高で調達コストが上がり、国内卸値は年初比5〜7%高。欧米の魚食需要が強く、日本が「買い負けている」という声も

この二重の値上がりに練り製品メーカーが耐えられなくなった——というのが、9月1日の値上げの背景です。ペルーはすり身の産地ですらないのに、産地の違うアジア産すり身の値段を押し上げた。報道の中で水産会社の担当者が「経験がない」と語る連鎖です。

しかも、短期の話ではない

付け加えると、すり身の値上がりは今年突然始まった話ではありません。世界的な魚食需要の拡大で、すり身価格はこの5年で約4割高という長期トレンドがすでにあり、今回のエルニーニョと中東情勢は、その上に乗った急騰です。さらにペルー政府は資源保護のため5月中旬から広範囲を禁漁とし、6月中旬には期間を無期限に延長。現在ほぼ漁が行われていない状態で、先高観も強いと報じられています。つまり——今回の値上げが「最後」とは限らない前提で、構えておく必要があります。

構図としては、消耗品費の記事で書いた資材インフレとまったく同じです。長期のじわじわ(魚食需要・5年で4割)×急性のショック(エルニーニョ・中東)。私たちの店に届く値上げには、だいたいこの二層があります。


第2章:おでんという商売の正体——値入れ・手間・廃棄の三角形

「単品の値入れは良い」。でも——

原価の話に入る前に、おでんという商売の正体を正直に書いておきます。

おでんを含むカウンターフーズは、単品の値入れ(粗利率)は良い商品です。数字だけ見れば、優等生。でも現場の実感はもう少し複雑で——仕込みと清掃の負担が大きく、それにかかる人件費が重い。つゆの管理、具材の補充、什器の洗浄、時間経過での品質チェック、そして売れ残りの廃棄。値入れの良さは、この手間代を払ったあとに残る分で評価しないと、判断を誤ります。

だから、正直に言えば「万歳しながら取り組む」商品ではありません。それでもやる理由があるとすれば、それは利益率ではなく——差別化です。

「差別化と割り切る」という構え

おでんは、儲け頭である前に、「この店に来る理由」を作る商品だと私は捉えています。寒い夜に、温かいものがある店。パックの棚だけでは出せない、季節の空気。カウンターフーズの品揃えが、ドラッグストアとの競合で書いた「コンビニに残る武器」であることも含めて——利益は単品で計算し、意味は店全体で考える。差別化と割り切ってやる。この整理ができていると、原価高の年でも判断がぶれません。

はなぱぱ
はなぱぱ

カウンターフーズ全般に言えることなんですが、単品の値入れは良いものの、仕込みや清掃の負担は大きいし、それに対する人件費が重いんですよね。だから、万歳しながら取り組む、というふうにはなかなか考えられない。うちは「差別化」と割り切ってやるしかない、と整理しています。おでんで大儲けしようというより、おでんのある店でありたい、という感覚のほうが近いですね。


第3章:什器おでんの現在地——衛生の視線と、それでも喜ばれる現実

「衛生的に大丈夫なの?」という声は、実際にある

おでんの売り方には、大きく2つあります。レジ横の什器(鍋)でのライブ販売と、パック・レンジおでん。ここ数年で、この選択の重みが変わりました。

正直に書きます。衛生をめぐる報道やSNSでの話題が続いた影響で、什器での販売には「衛生的に大丈夫なの?」という声を、実際にいただくことがあります。そして——これも正直に——販売する側の私たちも、同じことを考えてしまう。フタや時間管理を徹底していても、開放的な什器への社会の視線が厳しくなっていることは、受け止めるしかない現実です。

それでも、什器は喜ばれる

一方で、これも現場の事実です。什器のおでんは、喜ばれる。パックのものではなく、カウンターフーズの「あの感じ」——湯気と、選ぶ楽しさと、よそってもらう温かさ——を食べたい方は、確実に一定数いらっしゃいます。

什器(ライブ販売)パック・レンジおでん
お客様の体験湯気・選ぶ楽しさ・季節感が強い手軽・安心感
衛生管理フタ・時間・温度管理の負荷が大きい/視線も厳しい管理しやすい・説明しやすい
ロス・手間つゆ管理・廃棄・清掃が重い発注でコントロールしやすい
差別化の強さ強い(店の顔になる)弱め(どの店にもある)

うちの店は今、パックとレンジおでんが中心です。衛生の説明のしやすさとロス管理を取った形ですが、什器の価値を否定してのことではありません。店の体制(人時の余裕・管理を徹底できるか)と客層で選ぶ——どちらが正解ということではなく、どちらを選んでも「なぜそうしているか」を自分の言葉で言えることが大事だと思っています(カウンター商材の衛生管理の考え方は夏の衛生・食中毒対策の記事で書いた原則と同じです)。

はなぱぱ
はなぱぱ

什器での販売は、衛生をめぐる騒動があって以来、「衛生的に大丈夫なの?」という声をいただくことがあるんです。正直、販売する側も同じことを考えてしまう。でも、什器販売は喜ばれるんですよ。パックのではなく、カウンターフーズのあの感じを食べたい方は、確実に一定数いらっしゃる。うちの店では今、パックとレンジおでんが中心です。管理のしやすさを取った形ですが、什器の良さも分かっているだけに、悩ましい選択ではありますね。


第4章:値上げの年のおでん戦略——「説明できる値上げ」と、やる範囲の設計

9月1日は、おでんの立ち上げとぶつかる

今回の値上げで実務的に大事なのは、タイミングです。紀文の値上げは9月1日店着分から。そして、おでんの立ち上げも9月(うちの店も9月です)。つまり、シーズンの入口と原価改定が、ほぼ同時に来る。立ち上げの計画は、新しい原価を前提に組むことになります。

当店には、8月4日時点でまだ本部からの案内は来ていません。ここからの動きとして、単品ごとの原価改定がどこまで来るか・売価がどう設定されるかを、本部の案内が出たら最初に確認する——今年のおでん準備は、そこがスタートラインです。そして第1章のとおり先高観が強いので、シーズン中の再改定もあり得る前提で。

今年は「説明できる値上げ」の年

もし売価が上がるなら、ひとつだけ救いがあります。今年の値上げは、理由を説明できるということです。

エルニーニョ、魚粉、すり身——背景が報道で明確になっている値上げは、お客様への告知がしやすい。「原材料のすり身が世界的に高騰しているため」の一行で、筋が通ります。値上げと賃金の記事で書いたとおり、適正な値上げは品質と働く人を守るためのもの。うしろめたさではなく、正直な一行のPOPで伝える年だと思います(値上げ告知の運用はたばこ10月改定の記事で書いた型がそのまま使えます)。

「全部やる」をやめる勇気

もうひとつの構えは、品揃えの範囲設計です。原価が上がった年に、例年どおりの品目数を維持することが正解とは限りません。売れ筋と定番(大根・玉子・こんにゃく・売れる練り物)に軸足を置き、値入れが悪化した単品・回転の遅い単品は、外す勇気。廃棄まで含めた利益で単品を見る——廃棄率は投資とのバランスの記事の考え方を、おでん鍋の中でやるわけです。


第5章:売り伸ばしの現実——3倍売れる施策と、その見えないコスト

値引きと声かけで、普段の3倍売れる。でも——

おでんには、売り伸ばしの実績もあります。以前、個店で値引き施策を打って、声かけとセットで販売につなげたことがありました。結果は——普段の3倍以上売れる。おでんセールの集客力は、本物です。

ただ、これをやったオーナーとして正直に言うと、手放しではすすめられません。3倍売れるということは、つゆや油の交換ペースも、それに応じて早くなるということだからです。回転が上がれば品質管理の頻度も上がり、仕込み・補充の人時も増える。値引き分のコストだけを見て損益を計算すると、見えないコストの分だけ読み違えます。大体のオーナーが値引き施策をやりたがらないのは、怠慢ではなく、この構造が分かっているからです。

それでも、やる価値がある場面

では、やる意味はないのか。そうも思いません。判断の軸は2つです。

  • 目的を「利益」でなく「差別化と認知」に置けるか——「あの店のおでんセール」が冬の風物詩になれば、それは集客資産です。売場の声かけ(声かけ販売の記事の型)とセットでこそ効きます
  • その日の人時に余裕があるか——管理が追いつかない日にやるくらいなら、やらないほうがいい。品質が崩れたおでんセールは、逆宣伝にしかなりません

3倍の売上には、3倍の管理がついてくる。それを織り込んで、やるなら本気で、やらないなら潔く——中途半端がいちばん損をします。

はなぱぱ
はなぱぱ

個店で値引き施策をして、声かけをして販売につなげたことはあります。普段の3倍以上売れたりするんですよ。ただ、つゆや油の交換ペースもそれに応じて早くなるので、難しいところで。だから、大体のオーナーはやりたがらないですね。見えないコストが乗ってくるのが分かっているので。やるなら、利益というより「差別化」として、管理まで含めて本気でやる——そういう覚悟のいる施策だと思います。


第6章:立ち上げの合図は、カレンダーではなく「日没後の空気」

おでんには「固定ファン」がいる

最後に、売り時の話です。まず知っておきたいのは、おでんが固定ファンの商品だということ。うちの店の購入者は、ご高齢の方や単身のお客様が中心で——正直、1年中置いていたとしても、買う人は買います。夕食の一品として、小腹の相棒として、おでんは静かな定番需要を持っている。この土台があるから、パック・レンジおでんは通年戦力になり得るわけです。

需要が動き出すのは「日没後の体感」

その定番需要が、季節需要に化ける瞬間があります。私の感覚では、それは気温計の数字でも、カレンダーの日付でもなく——日が沈んだあとの空気を、寒いと感じるようになった時です。

昼はまだ夏の名残でも、夜風がすっと冷たくなった日の帰り道。あの体感が、「温かいものを口にしたい」に直結する。体感温度5℃ルールの記事天候・季節戦略の記事で書いてきた原則の、おでん版です。9月の立ち上げは「まだ暑いのに」と言われがちですが、夜だけ先に秋が来る。立ち上げ直後は夕方以降に照準を合わせ、日没後の売場と声かけを厚くする——ここが初動の設計です。

おせちへの波及も、頭の隅に

なお、今回の値上げは正月向け製品も対象です。かまぼこはおせちの主役級ですから、年末の予約商戦にも価格の波が届く可能性が高い。予約カタログが出てきた段階で、価格と売り方をもう一度確認する——冬全体の話として、頭の隅に置いておきたいポイントです。

はなぱぱ
はなぱぱ

おでんって、1年中置いていたとしても、買う人は買うんですよ。うちだと、ご高齢の方や単身のお客様が多いですね。立ち上げの入口は、カレンダーというより——日が沈んだあとの気温を、寒いなと感じるようになった時。あれが合図だと思っています。今年は原価の逆風もありますけど、値上げのたびに騒いでもしかたない。自分たちにできることを、ひたすらやるしかないですね。


よくある質問(FAQ)

Q1. なぜ今、おでんや練り物が値上がりするのですか?

起点は南米です。エルニーニョでペルー沖のカタクチイワシが不漁となり、飼料用の魚粉が前年比8割高に高騰。高値を見たアジアの漁師がすり身用の魚を魚粉用に売るようになってすり身が不足し、ベトナム産すり身の輸入単価が15%上昇しました。並行して北米産スケソウダラすり身も円安・燃料高で5〜7%高。この二重の値上がりが練り製品の値上げにつながっています(2026年8月4日時点・報道ベース)。

Q2. いつから、どれくらい上がるのですか?

報道では、紀文食品が9月1日店着分から567品を約3〜20%値上げし、ニッスイも9月から練り製品などの値上げを発表しています。コンビニの店頭価格・仕入原価への反映は各チェーンの対応によるため、本部からの案内をお待ちください(当店にも8月4日時点で案内はまだ来ていません)。

Q3. 値上げは今回で終わりますか?

先高観が強いと報じられています。ペルー政府は資源保護のため5月中旬から広範囲を禁漁とし、6月中旬に期間を無期限延長、現在ほぼ漁が行われていません。またすり身価格はこの5年で約4割高という長期トレンドの上にあり、シーズン中の再改定もあり得る前提で構えておくのが安全です。

Q4. おでんは儲かる商品なのですか?

単品の値入れ(粗利率)は良い商品です。ただし仕込み・清掃・つゆ管理・廃棄といった手間と人件費が重く、それを引いた「実質」で見る必要があります。私は利益商品というより「この店に来る理由」を作る差別化商品と割り切って取り組んでいます。この整理ができていると、原価高の年でも判断がぶれません。

Q5. 什器のおでんは、衛生的に大丈夫なのですか?

管理次第です。フタの運用・時間と温度の管理・具材の入れ替えを徹底すれば衛生は保てますが、その管理負荷は小さくなく、社会の視線も厳しくなっています。実際にお客様から不安の声をいただくこともあり、私の店ではパック・レンジおでん中心に切り替えました。什器でやるなら管理を徹底し、「どう管理しているか」を説明できる状態にしておくことが大事です。

Q6. 什器とパック・レンジおでん、どちらがいいですか?

店の体制次第です。什器は湯気と選ぶ楽しさで差別化が強い一方、管理・ロス・人時の負荷が重い。パック・レンジは管理しやすく通年で売れる一方、季節の顔にはなりにくい。人時に余裕があり管理を徹底できるなら什器、そうでなければパック中心——どちらを選んでも「なぜその形か」を自分の言葉で言えることが大切です。

Q7. おでんの値引きセールは効きますか?

効きます。私の経験では、声かけとセットで普段の3倍以上売れました。ただし3倍売れればつゆや油の交換・補充・清掃も3倍のペースになり、値引き分以外の「見えないコスト」が乗ります。目的を利益でなく差別化と認知に置けるか、その日の人時に余裕があるか——この2つが揃う日に、本気でやるのがおすすめです。

Q8. おでんの立ち上げは、いつがいいですか?

私の店は9月に立ち上げます。合図はカレンダーではなく「日が沈んだあとの空気を寒いと感じるようになった時」。昼はまだ夏でも、夜だけ先に秋が来ます。立ち上げ直後は夕方以降に照準を合わせ、日没後の売場を厚くするのが初動の型です。なおおでんには通年の固定需要(ご高齢の方・単身のお客様)もあり、パック型なら年中戦力になります。

Q9. 値上げを、お客様にはどう伝えればいいですか?

今年は「説明できる値上げ」です。原材料のすり身が世界的に高騰している、という背景が報道で明確なので、正直な一行のPOP(「原材料高騰のため」)と、聞かれたときの短い説明で筋が通ります。うしろめたそうに隠すより、堂々と正直に。値上げの告知はたばこ改定で使っている運用の型がそのまま使えます。

Q10. この記事の情報は、いつ時点のものですか?

2026年8月4日時点の報道(すり身高騰の連鎖・紀文食品567品の値上げ・ニッスイの値上げ・ペルーの禁漁無期限延長など)に基づいています。店頭の売価・仕入原価は各チェーンの決定によるため、実務は必ず本部からの正式な案内に基づいて判断してください。動きがあれば本記事も更新します。


まとめ:騒がず、構えて、いつもの冬を

エルニーニョでペルー沖のイワシが不漁になり、魚粉が8割高になり、アジアの漁師がすり身用の魚を魚粉に回し、ベトナム産すり身が15%上がり、スケソウダラも5〜7%高くなって、紀文が9月1日から567品を値上げする——地球の裏側の海水温が、レジ横の鍋まで届く連鎖の年です。しかも5年で4割高の長期トレンド+禁漁無期限で先高観つき。構えは4つ。①おでんは「値入れは良いが手間が重い」商品=利益は単品で、意味は差別化で考える。②什器かパックかは店の体制で選び、選んだ理由を言える状態に(衛生の視線には正直に向き合う)。③値上げは「説明できる値上げ」——正直な一行のPOPで堂々と。売れ筋に絞り、値入れの崩れた単品は外す勇気を。④3倍売れる値引き施策には3倍の管理コスト——やるなら差別化目的で本気で、やらないなら潔く。立ち上げの合図は、日没後の空気が寒いと感じた時。値上げのたびに騒いでもしかたない。自分たちにできることを、ひたすらやる——それが、原価高の冬のいちばん強い構えです。

この記事の要点

  1. すり身高騰の連鎖=エルニーニョ→イワシ不漁→魚粉8割高→漁師がすり身用の魚を魚粉へ→すり身不足
  2. ベトナム産すり身15%高+スケソウダラ5〜7%高の二重値上がり(報道ベース)
  3. 紀文食品が9月1日店着分から567品を約3〜20%値上げ・ニッスイも追随=業界の波
  4. 5年で4割高の長期トレンド+ペルー禁漁無期限=先高観、再改定もあり得る前提で
  5. おでんは値入れが良い一方、仕込み・清掃・人件費が重い=「差別化と割り切る」商品
  6. 什器は喜ばれるが衛生の視線が厳しい時代=選んだ形の理由を説明できる状態に
  7. 9月1日の値上げはおでん立ち上げと同時=本部案内が出たら単品の原価改定を最初に確認
  8. 今年は「説明できる値上げ」=正直な一行のPOPで堂々と伝える
  9. 値引き施策は3倍売れるが、つゆ・油の交換も3倍=見えないコスト込みで判断
  10. 立ち上げの合図は「日没後の空気が寒いと感じた時」=夕方以降に照準を合わせる

次のアクション

  • [ ] 本部からの練り物・おでん原価改定の案内にアンテナを立てる(出たら単品ごとに確認)
  • [ ] 今季のおでんの品目数を「売れ筋中心」で仮組みし、外す単品の候補を決めておく
  • [ ] 什器かパック・レンジ中心か、自店の体制(人時・管理徹底度)で方針を言語化する
  • [ ] 値上げ時のPOP文言(「原材料高騰のため」の正直な一行)を準備しておく
  • [ ] 値引き施策をやるかどうか、目的(差別化)と人時の条件をセットで決めておく
  • [ ] 「日没後に寒いと感じた日」を立ち上げの合図として、夕方以降の売場計画を作る
  • [ ] 年末の予約カタログが出たら、かまぼこ・おせち関連の価格を確認する

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参考|公式情報

本記事の値上げ情報は各社発表・報道と現場の実感に基づきます。海況・水産資源・食品価格の一次情報は、下記の公式情報でご確認ください


ペルーの海の温度と、店の前の夜の空気。地球の裏側の話が、レジ横の鍋に届くなんて、この仕事はつくづく世界とつながっています。

でも、私たちが毎日見るのは、為替でも海水温でもありません。日が沈んだあとの、あのすっとした冷たさ。常連のおばあちゃんが「そろそろおでんの季節ねえ」と言ってくれる、あの一言です。

値上げのたびに騒いでもしかたない。できることを、ひたすらやるだけ。品目を選び、正直なPOPを書き、夕方の売場を温めて、いつもの冬を、いつものように始める。

日没後の空気が寒いと感じたら——それが合図です。今年も「おでん、始めました」の一枚を、ちゃんと貼れる店でいましょう。

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経営者
はじめまして、はなぱぱです。 コンビニ経営に携わって13年。 店舗での経験や経営者としての苦労、従業員教育の工夫などをまとめています。 経営者や店舗責任者はもちろん、従業員の方にもわかりやすく役立つ情報を発信していきます。
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