65歳以上の一人暮らし、815万人|引っ越してくるのは、新社会人より年配の人——お客様より、スタッフの年代のほうが上がっている【現役オーナー】
お客様の年代は、上がりました。常連さんが、そのまま年を重ねていることもあると思います。でも、それだけではありません。引っ越してくる人も、新社会人より、年配の人が多い気がします。
話を聞いていると、こんな話を耳にします。配偶者が亡くなったりして、一人暮らしに戻った。広い家は、もう要らない。それで、アパート暮らしに戻った。
2025年の国勢調査で、65歳以上の一人暮らしは815万3千人になりました。65歳以上の男性の5人に1人、女性の4人に1人が、一人暮らしです。日本の人口の年齢の真ん中(中央値)は、初めて50歳を超えました。
売れ方も、変わりました。小さいサイズが動きます。家族の分を作らなくてよくなった。自分の分だけでいいから、自炊もしなくなった。お客様から、そう聞きます。
そして、もうひとつ。お客様より、スタッフの年代のほうが上がっています。学生などの若い人が、なかなか来なくなっているからです。
日本の真ん中が50歳になったことは、店ではどう見えているのか。15年、店に立ってきた目で書きます。
- ニュース——65歳以上の一人暮らしは、815万人
- お客様の年代は、上がった
- アパートに越してくるのは、新社会人だけではない
- 自分の分だけでいい——小さいサイズが動く
- お客様より、スタッフの年代のほうが上がっている
- 一人暮らしのお客様と、店での会話
- 50歳が真ん中の店で、確かめること
※国勢調査の数字は、総務省統計局「令和7年国勢調査 人口等基本集計」(2026年9月29日公表)、年齢の中央値は日本経済新聞(2026年11月3日)の解説と、総務省統計局の統計表(e-Stat)に基づきます。店の話は、私の店(3店舗)での経験と考えです。お客様の話は、特定されないよう、まとめて書いています。2026年11月5日時点の情報です。
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第1章:ニュース——65歳以上の一人暮らしは、815万人
国勢調査の数字を並べる
総務省統計局が9月29日に公表した、2025年の国勢調査の結果から並べます。
| 項目 | 2025年 | 2020年 |
|---|---|---|
| 65歳以上の一人暮らし | 815万3千人(65歳以上の22.6%) | 720万5千人(20.0%) |
| うち男性 | 298万1千人(65歳以上の男性の19.0%) | 254万5千人(16.3%) |
| うち女性 | 517万1千人(65歳以上の女性の25.3%) | 466万1千人(22.9%) |
| 一人暮らしの世帯 | 2368万9千世帯(一般世帯の41.4%) | 一般世帯の38.0% |
| 夫婦と子どもの世帯 | 1331万9千世帯(一般世帯の23.3%) | 一般世帯の25.1% |
| 15歳未満の割合 | 10.9% | 11.9% |
| 75歳以上の割合 | 17.2% | 14.7% |
| 平均年齢 | 48.8歳 | 47.6歳 |
※総務省統計局「令和7年国勢調査 人口等基本集計」の結果の要約と概要に基づきます。2020年と2025年は、不詳補完値によります。
65歳以上の一人暮らしは、5年で約95万人増えました。65歳以上の男性の5人に1人、女性の4人に1人が、一人暮らしです。一人暮らしの世帯は、一般世帯の4割を超えました。夫婦と子どもの世帯は、4分の1を切っています。
85歳以上の女性は、3割近くが一人暮らし
同じ年代の人のうち、一人暮らしの割合がいちばん高いのは、男性は25〜34歳(36.1%)、女性は85歳以上(29.6%)です。一人暮らしの女性のうち、65歳以上は44.7%。半分近くになります(同)。
日本経済新聞(11月3日)の解説によると、日本の人口の年齢の真ん中(中央値)は50.5歳で、初めて50歳を超えました。1975年は30.6歳でした。
第2章:お客様の年代は、上がった
常連さんが年を重ねた、だけではない
15年前と比べて、お客様の年代はどう変わったか。

上がりました。常連さんがそのまま年を重ねている、ということもあると思いますが、引っ越してくる人も、新社会人より年配の人が多い気がします。
お客様の年代が上がった理由は、2つあります。ひとつは、常連さんが、そのまま年を重ねていること。もうひとつは、新しく越してくる人の年代です。
年配のお客様は、「人」で動く
食品の消費税1%とお客様の記事で、若いお客様は値段で動き、年配のお客様は「人」で動く、と書きました。年配のお客様が増えるほど、レジに立つ人との会話が、店を選ぶ理由になっていきます。
第3章:アパートに越してくるのは、新社会人だけではない
一人暮らしに戻る人
新しく越してくる年配のお客様から、どんな話を聞くのか。

話を聞いていると、配偶者が亡くなったりして一人暮らしに戻り、広い家が必要なくなって、アパート暮らしに戻った、という話を聞きます。
アパートに越してくる人といえば、春の新社会人や学生。そんなイメージがありました。いまは、家族と暮らした家を離れて、一人暮らしに戻る年配の人も、アパートに越してきます。
数字も、同じ方向を向いている
国勢調査では、同じ年代の女性のうち、一人暮らしの割合がいちばん高いのは85歳以上(29.6%)でした。一人暮らしの女性の44.7%は、65歳以上です。配偶者を亡くして、一人暮らしに戻る。店で聞く話は、数字と同じ方向を向いています。
引っ越しの年代は、12月に確かめる
どの年代の人が、どれだけ引っ越したのか。国勢調査では、「移動人口」の集計で分かります。統計局の予定では、12月までに出ます。出たら、引っ越してくる人の年代を確かめて、この記事に書き足します。
第4章:自分の分だけでいい——小さいサイズが動く
家族の分を、作らなくなった
年配のお客様の買い物で、増えたと感じるものは何か。答えは、小さいサイズや少量のものです。

家族の分を作る必要がなくなって、自分の分だけでいいから、自炊することもなくなった、などと聞きますね。
家族の分を作らなくなると、まとめて買う理由がなくなります。自分の分だけなら、材料をそろえて作るより、小さいサイズを買うほうが、無駄が出ません。
夫婦と子どもの世帯は、4分の1を切った
国勢調査では、夫婦と子どもの世帯は、一般世帯の23.3%でした。5年前は25.1%で、数も4.8%減っています。
出来合いの記事で、一人暮らしの7割が、総菜や弁当などの出来合いを、そのまま食卓に出しているという調査を書きました。年配の一人暮らしのお客様も、同じ流れの中にいるのだと思います。年末の消費行動の記事では、クリスマスケーキも、店頭で伸びているのは小さいサイズだと書きました。
第5章:お客様より、スタッフの年代のほうが上がっている
若い人が、来なくなった
お客様の年代が上がった、と書きました。でも、もっと上がっているのは、スタッフの年代です。

スタッフの年代のほうが、客層より上がっています。若い子(学生など)の募集が減っています。
学生などの若い人が、なかなか来なくなっている。だから、スタッフの年代は、お客様の年代以上に上がっていきます。
学生の初めてのバイトは、コンビニではなくなった
「バイトといえばコンビニ」の記事で、学生の初めてのバイトの定番だった時代は終わっている、と書きました。高卒の就職の記事では、高卒の求人倍率が3.6倍だと書きました。若い人には、選べる仕事がたくさんあります。
国勢調査では、これから働く年代になる15歳未満は、10.9%でした。若い人が来にくい流れは、すぐには変わらないと思います。
年配のスタッフに、合う仕事を
シニアに2時間を任せる記事で、働く65歳以上は943万人だと書きました。レジのない2時間の仕事を、シニアに渡す話です。お客様の真ん中が50歳を超えたように、スタッフの真ん中も上がっていく。年配のスタッフに合う時間と仕事を用意することが、これからの採用になります。
第6章:一人暮らしのお客様と、店での会話
店で聞く話は、お客様との会話から
配偶者を亡くした話も、アパートに越してきた話も、自炊をしなくなった話も、お客様との会話で聞いた話です。一人暮らしのお客様が増えるほど、店での短い会話は、店とお客様をつなぐものになります。
気づくことは、店にもできる
見守りの記事で、コンビニは「気づく」を持ち、「届ける」を持たない、と書きました。毎日のように来るお客様の様子は、レジに立つ人がいちばんよく見ています。
見守りの記事で書いた「65歳以上の一人暮らし933万人」は、厚生労働省の国民生活基礎調査の数字です。国勢調査では815万3千人。調べ方が違うので、数字は違います。それでも、どちらも、65歳以上の一人暮らしが、これまででいちばん多くなったことを示しています。
第7章:50歳が真ん中の店で、確かめること
3つの変化と、店で確かめること
ここまでを、まとめます。
| 変わったこと | 店で確かめること | |
|---|---|---|
| お客様 | 年代が上がった。越してくるのも、新社会人より年配の人が多い | 新しく見かけるお客様の年代 |
| 売れ方 | 家族の分を作らなくなり、小さいサイズや少量のものが動く | 1人分のサイズが、棚にそろっているか |
| スタッフ | お客様より、年代が上がった。若い人が来にくい | 年配のスタッフに合う時間と仕事があるか |
12月の答え合わせ
日本の真ん中が50歳を超えたことは、店では、3つの形で見えています。お客様の年代。小さいサイズ。スタッフの年代。12月までに出る国勢調査の「移動人口」の集計で、引っ越してくる人の年代を確かめたら、また書きます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 2025年の国勢調査で、65歳以上の一人暮らしは何人ですか?
815万3千人で、65歳以上の22.6%です。2020年は720万5千人(20.0%)でした。男性は298万1千人(19.0%)、女性は517万1千人(25.3%)で、65歳以上の男性の5人に1人、女性の4人に1人が一人暮らしです。
Q2. 日本の人口の年齢の真ん中(中央値)は、何歳ですか?
日本経済新聞(2026年11月3日)の解説によると、50.5歳で、初めて50歳を超えました。1975年は30.6歳でした。総務省統計局の国勢調査の統計表でも、年齢中位数(年齢の真ん中)は50.5歳です。外国人を含む人口全体の数字で、日本人だけでは51.1歳です。平均年齢は48.8歳(2020年は47.6歳)です。
Q3. コンビニのお客様の年代は、上がっていますか?
私の店では、上がりました。常連さんがそのまま年を重ねていることもありますが、引っ越してくる人も、新社会人より年配の人が多い気がします。
Q4. 年配の人が引っ越してくるのは、なぜですか?
お客様の話を聞いていると、配偶者が亡くなったりして一人暮らしに戻り、広い家が必要なくなって、アパート暮らしに戻った、という話を聞きます。
Q5. 年配のお客様の買い物で、増えたものは何ですか?
小さいサイズや少量のものです。家族の分を作る必要がなくなって、自分の分だけでいいから、自炊もしなくなった、という話を聞きます。
Q6. 一人暮らしの世帯は、どれくらいありますか?
国勢調査では、2368万9千世帯で、一般世帯の41.4%です。2020年は38.0%でした。夫婦と子どもの世帯は、一般世帯の23.3%(2020年は25.1%)です。
Q7. コンビニのスタッフの年代は、どう変わっていますか?
私の店では、スタッフの年代のほうが、お客様の年代より上がっています。学生などの若い人が、なかなか来なくなっているからです。
Q8. 若い人が来なくなった中で、店は何をすればいいですか?
年配のスタッフに合う時間と仕事を用意することだと思います。働く65歳以上は943万人です。レジのない2時間の仕事のように、業務を切り出して任せる方法があります。
Q9. 見守りの記事の933万人と、この記事の815万人は、なぜ違うのですか?
933万人は厚生労働省の国民生活基礎調査、815万3千人は総務省統計局の国勢調査の数字です。調べ方が違うので数字は違いますが、どちらも、65歳以上の一人暮らしが、これまででいちばん多くなったことを示しています。
Q10. この記事の情報の出典は?
国勢調査の数字は、総務省統計局「令和7年国勢調査 人口等基本集計」(2026年9月29日公表)の結果の要約と概要に基づきます。年齢の中央値は、日本経済新聞(2026年11月3日)の解説と、総務省統計局の統計表(e-Stat)に基づきます。お客様の年代、売れ方、スタッフの年代の話は、私の店(3店舗)での経験と考えです。
まとめ:日本の真ん中は、店のお客様にも、スタッフにも来ている
2025年の国勢調査で、65歳以上の一人暮らしは815万3千人、65歳以上の女性の4人に1人になりました。日本の人口の年齢の真ん中は、初めて50歳を超えました。店から見ても、お客様の年代は上がっています。常連さんが年を重ねただけではありません。引っ越してくる人も、新社会人より年配の人が多い気がします。配偶者を亡くして一人暮らしに戻り、広い家が要らなくなって、アパートに移ってくる。家族の分を作らなくなったお客様は、自分の分だけでいいからと、小さいサイズを買っていきます。そして、お客様より、スタッフの年代のほうが上がっています。学生などの若い人が、なかなか来なくなっているからです。お客様の年代、小さいサイズ、スタッフの年代。日本の真ん中が50歳になったことは、店では、この3つの形で見えています。12月の「移動人口」の集計で、引っ越してくる人の年代を確かめたら、また書きます。
この記事の要点
- 2025年の国勢調査で、65歳以上の一人暮らしは815万3千人(65歳以上の22.6%)。5年で約95万人増えた
- 65歳以上の男性の5人に1人、女性の4人に1人が一人暮らし
- 一人暮らしの世帯は一般世帯の41.4%。夫婦と子どもの世帯は23.3%
- 日本の人口の年齢の真ん中(中央値)は50.5歳で、初めて50歳を超えた(日本経済新聞)
- 店のお客様の年代も上がった。常連さんが年を重ねただけでなく、越してくる人も新社会人より年配の人が多い
- 配偶者を亡くして一人暮らしに戻り、アパートに越してくる年配の人がいる
- 家族の分を作らなくなったお客様は、小さいサイズや少量のものを買っていく
- お客様より、スタッフの年代のほうが上がっている。学生などの若い人が来にくい
- 年配のスタッフに合う時間と仕事を用意することが、これからの採用になる
- 引っ越してくる人の年代は、12月までに出る国勢調査の「移動人口」の集計で確かめる
次のアクション
- [ ] 新しく見かけるお客様の年代を、意識して見てみる
- [ ] 年配のお客様との会話で聞いた暮らしの変化を、売場づくりの手がかりにする
- [ ] 1人分のサイズや少量の商品が、棚にそろっているかを確かめる
- [ ] スタッフの年代を書き出して、お客様の年代と比べてみる
- [ ] 年配のスタッフに合う時間と仕事を、業務の単位で切り出す
- [ ] 若い人の応募を待つだけでなく、年配の人に届く募集の書き方を考える
- [ ] 12月の国勢調査の「移動人口」の集計で、引っ越してくる人の年代を確かめる
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参考|公式情報
- 総務省統計局|令和7年国勢調査 調査の結果:人口等基本集計(男女・年齢・世帯の構成など)は2026年9月29日に公表。引っ越し(人口の転出入)の年代が分かる「移動人口の男女・年齢等集計」は、令和8年(2026年)12月までに公表の予定
- 総務省統計局|令和7年国勢調査 人口等基本集計 結果の概要(PDF):65歳以上の一人暮らしは815万3千人(65歳以上の22.6%・男性298万1千人で19.0%・女性517万1千人で25.3%)。一人暮らしの世帯は2368万9千世帯(一般世帯の41.4%)、夫婦と子どもの世帯は1331万9千世帯(23.3%)。一人暮らしの女性に占める65歳以上は44.7%
- e-Stat|令和7年国勢調査 人口等基本集計(不詳補完値)第2-3表 年齢別人口、平均年齢及び年齢中位数:全国の年齢中位数(年齢の真ん中)は50.5歳、平均年齢は48.8歳(2025年10月1日・外国人を含む総数)。日本人だけの年齢中位数は51.1歳
- 厚生労働省|2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況「世帯数と世帯人員の状況」(PDF):65歳以上の者のうち、単独世帯の者は933万5千人(65歳以上の者の23.2%)。見守りの記事の「933万人」はこの数字で、国勢調査とは調べ方が違う
- 総務省統計局|統計トピックスNo.149「統計からみた我が国の高齢者」:65歳以上の就業者は、22年連続で増えて943万人(過去最多)。就業者全体の13.8%
アパートに越してくるのは、春の新社会人だけではなくなりました。
家族と暮らした家を離れて、一人暮らしに戻る人がいる。家族の分を作らなくなって、小さいサイズを選ぶ人がいる。その買い物を、年を重ねたスタッフが、レジで受け止めています。
日本の真ん中が50歳になったことは、統計の中だけの話ではありません。店のレジの前と、レジの内側で、もう起きていることです。

