コンビニ9月は+0.5%、客数は15ヶ月連続減|プラスを作ったのは、たばこの駆け込み——良く見える月ほど、割り引いて読む【現役オーナー】
10月20日14時、日本フランチャイズチェーン協会(JFA)の9月度統計が発表されました。既存店の売上高は+0.5%で、3ヶ月連続のプラスです。
先月の記事(8月度の答え合わせ)で、私は予測を当てにいくのではなく、9月度の見方を先に書いておきました。非食品と客単価は、たばこの前借りで膨らむはずなので割り引く。客数を、いちばん見る。加工食品は、去年の暑さと並べて見る。日配は、売上より個数で見る。
協会の説明は、こうです。「今月は10月の加熱式たばこの増税に伴う駆け込み需要に加え、揚げ物、デザート、菓子、玩具、雨具が好調に推移したことから、全店・既存店ともに売上高が前年を上回る結果となった」。非食品は+8.7%、客単価は+4.4%。見方のとおり、9月度は良く見える月になりました。
でも、良く見えた分は、10月の分を先に受け取っただけかもしれません。そして、当たりを除いて残った客数は、▲3.8%。8月の▲1.7%から、大きく悪くなっていました。
月次定点観測の第4回は、宣言した見方を一つずつ答え合わせし、10月度の見方を、また先に書いておきます。
- 答え合わせ——宣言した5つの見方と、9月度の結果
- 9月のプラスは、たばこの駆け込みでできていた
- 去年の暑さと、今年の雨——加工▲4.8%と、雨具の好調
- 客数▲3.8%——当たりを除いて、残ったもの
- 10月度の見方——たばこの谷は、どれくらい深いか
- 答え合わせの約束
※統計はJFAコンビニエンスストア統計調査月報2026年9月度(10月20日発表)と8月度、気象は気象庁の月ごとの天候のまとめ(2025年9月・2026年9月)に基づきます。構成比と前年比から出した寄与の数字は私の概算です。自店の話は私の店(3店舗)での実感で、店ごとに動きはばらつきます。2026年10月20日時点の情報です。
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この記事をもとにAIが対話形式で深掘りした音声です(Gemini Notebook〈旧NotebookLM〉で生成)。運転中や作業中の「ながら聞き」にどうぞ。
第1章:答え合わせ——宣言した5つの見方と、9月度の結果
数字の確認
| 指標(既存店・前年同月比) | 7月 | 8月 | 9月 | 補足 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | +0.7% | +0.3% | +0.5% | 3ヶ月連続プラス(約9,611億円) |
| 来店客数 | ▲1.5% | ▲1.7% | ▲3.8% | 15ヶ月連続マイナス |
| 平均客単価 | +2.3% | +2.0% | +4.4% | 770.0円・21ヶ月連続プラス |
| 差(単価の伸びから客数の落ち幅を引いたもの) | +0.8 | +0.3 | +0.6 | 売上高の前年比とほぼ一致 |
全店ベースでも、売上高は+0.4%で19ヶ月連続のプラス、来店客数は▲3.6%で4ヶ月連続のマイナスでした。店舗数は56,208店です。
宣言した見方の、答え合わせ
| 指標 | 8月の記事で書いた見方 | 9月度の結果 |
|---|---|---|
| 非食品 | たばこの前借りで膨らむはず。割り引く | +8.7%(8月は+3.4%)。協会も、加熱式たばこの増税に伴う駆け込みを挙げた |
| 客単価 | カートンのまとめ買いで押し上げられるはず。差が開いても割り引く | +4.4%(8月は+2.0%)。差は+0.3から+0.6ポイントに開いた |
| 客数 | 夏休みの来店がなくなった9月の、素の数字。いちばん見る | ▲3.8%。8月の▲1.7%から2ポイント以上悪化 |
| 加工食品 | 去年の9月も全国的にかなり暑かった。去年の暑さと並べて見る | ▲4.8%(8月は▲2.1%) |
| 日配 | おにぎりの値下げが9月8日から順に始まった。売上より個数で見る | ▲0.7%。8月の+0.02%から、再びマイナス |
向きを先に書いた2つ——非食品と客単価——は、そのとおり膨らみました。だからこそ、この2つは割り引きます。そして、いちばん見ると決めていた客数が、いちばん悪くなっていました。
第2章:9月のプラスは、たばこの駆け込みでできていた
非食品を除けば、▲2%台
売上高の+0.5%を、商品の分類ごとに分けてみます。構成比と前年比から、去年の構成を逆算して寄与を出すと、私の概算ではこうなります。
| 分類 | 構成比 | 前年比 | 全体への寄与(概算) |
|---|---|---|---|
| 日配食品 | 35.0% | ▲0.7% | 約▲0.25ポイント |
| 加工食品 | 27.0% | ▲4.8% | 約▲1.4ポイント |
| 非食品 | 34.2% | +8.7% | 約+2.8ポイント |
| サービス | 3.8% | ▲14.0% | 約▲0.6ポイント |
| 合計 | 100.0% | +0.5% | +0.5ポイント |
非食品の寄与は約+2.8ポイント。非食品が前年並みだったら、全体は▲2.2%前後だった計算です。8月の記事では「非食品を除けば▲0.7%前後」と書きました。9月は、その幅がさらに広がっています。
非食品には、たばこのほかに、玩具や雨具も入ります。全部がたばこではありません。それでも、協会が真っ先に挙げたのは、10月の加熱式たばこの増税に伴う駆け込みでした。9月のプラスは、ほぼ非食品の当たりでできていたことになります。
前借りは、うちの店でも見えていた
うちの店でも、たばこは声かけと予約で動いていました。9月25日の時点で、たばこは前年から15%以上の伸びでした(8月の記事に書いたとおり)。9月全体の数字は、長雨の記事でこう話しています。

データだと、客数はトレンドどおりの下げで、客単価でしっかり稼いでいました。たばこの影響もあって、客単価に効いていたんじゃないかと思います。カテゴリーでよかったのは、米、カップ麺、缶詰などです。缶詰は125%、米も135%、カップ麺は105%。雨で外出できなかったときのために買い置きしていたのを、物語っていますね。
客数はトレンドどおりに下がり、客単価で稼ぐ。業界の9月度と、同じ形です。客単価を押し上げたのは、たばこのカートンと、雨の日の買い置き。どちらも、天気と制度が作った当たりです。
サービスの▲14.0%は、決めつけない
もう一つ、大きく落ちたのがサービス(チケットや宅配便など)で、▲14.0%でした。8月の▲3.0%から、大きく悪くなっています。協会の説明に、理由は書かれていません。去年の9月にあった山の反動なのか、店ごとの当たり外れなのか——ここは、決めつけずに置いておきます。構成比は3.8%なので、全体への寄与は約▲0.6ポイントです。
うちの店でも、9月のサービスは、業界と同じくらいの水準まで落ちていました。

確かに、同じ水準になっています。増えていると印象に残るけど、減っていると気が付きにくいんですよね。しっかり振り返っておかないと、店側の不備で落ちている可能性を見落とします。10月の時点では120%を超えているので、不備ではなさそうです。みずものですかねー。
増えた数字は目に入るのに、減った数字は見過ごしやすい。だから、落ちた月こそ、店の側に原因がないかを振り返る。そのうえで、翌月の数字で確かめる。うちの店は、10月に入って120%を超えたことで、店の不備ではなく、月によって上下する「みずもの」だったと分かりました。
第3章:去年の暑さと、今年の雨——加工▲4.8%と、雨具の好調
去年の9月は、全国的にかなり暑かった
加工食品は▲4.8%。8月の▲2.1%より、落ち幅が広がりました。加工食品には、缶詰や米も入ります。うちの店では、その缶詰や米が伸びていました。それでも、加工食品の全体はマイナスです。
比べる相手の去年の9月は、気象庁のまとめで、全国的に気温が「かなり高い」月でした。加工食品の多くを占める飲み物やアイスは、暑さで動きます。今年の9月は、東日本の太平洋側で雨が9月として最も多く、日照は平年の46%。気温も、北日本・東日本では平年並でした。去年の当たりは、今年のハズレに見える——8月に書いたことが、9月はさらに大きく出たとみられます。
雨具が好調でも、長雨では傘は売れない
協会は、好調だった商品に雨具を挙げています。一方で、うちの店では、長雨のあいだ傘は売れませんでした。

中食には、ほとんど影響がなかったです。水準どおりか、それ以上。傘は、こういうときは売れないんですよ。常に持ち歩いていますからね。
逆に見えますが、9月の雨は、長雨だけではありませんでした。下旬には台風による記録的な大雨もありました。傘が売れるのは、予報にない急な雨のとき。業界全体の雨具の好調は、そうした大雨の日の数字だと読めます。続く雨と、急な雨は、店にとって別のものです。
揚げ物とデザートは好調、それでも日配は▲0.7%
日配食品は▲0.7%で、8月の+0.02%から、再びマイナスに戻りました。協会は揚げ物とデザートを好調に挙げています。揚げ物はカウンター商材、デザートも日配の一部です。それで全体がマイナスということは、それ以外の日配——米飯など——は、合わせると前年を下回った可能性があります。
ただ、9月はおにぎりの値下げが、9月8日から順に始まった月です。値下げをすれば、同じ個数でも売上は減ります。だから、日配は売上では割り引いて、個数で見る。うちの店では、弁当やおにぎりは、長雨のあいだも水準どおりか、それ以上でした。
ただ、売上で見ると、9月のおにぎりは若干落ちました。値下げに合わせて発注に力を入れたものの、個数で、値下げした分の金額を取り戻せなかったのです。値段が下がった商品が並ぶと、買い物はそちらに偏ります。それは仕方がない。でも、値下げの商品だけになってしまうと、粗利と売上の両方に響きます。ほかの商品とのバランスをとりながら並べる必要がある。10月に入って、おにぎりは前年の100%を超えました。9月は、雨の影響も受けていたのかもしれません。
第4章:客数▲3.8%——当たりを除いて、残ったもの
2ポイント以上の悪化
当たりを一つずつ除いていくと、最後に残るのは、やはり客数です。9月の既存店の来店客数は▲3.8%。8月の▲1.7%から、2ポイント以上悪くなりました。全店ベースでも▲3.6%です。
何が客数を押し下げたのか。統計だけでは分かりません。ただ、同じ月に、ほかの小売でも客足は落ちていました。記録的な長雨で、スーパーでも既存店の客数が前年を下回ったと報じられています(節約の記事の続報に書きました)。節約で削られているのは単価ではなく回数、という流れの上に、雨が重なった月だったのかもしれません。
うちの店の9月の客数も、業界と同じくらいの水準でした。さすがに、雨の影響がまったくなかった、とはいきませんでした。
差は開いた。でも、割り引く
客単価の伸びから客数の落ち幅を引いた差は、+0.3から+0.6ポイントに開きました。数字だけ見れば、持ち直したように見えます。
でも、差を開かせたのは、カートンのまとめ買いで膨らんだ客単価です。たばこの駆け込みがなかったら、客単価の伸びは客数の落ち幅を下回り、差はマイナスだった可能性が高い。7月の記事から追ってきた前年割れの線——客単価の伸びが、客数の落ち幅を下回る月——を、9月はたばこで越えずに済んだだけです。
第5章:10月度の見方——たばこの谷は、どれくらい深いか
前借りは、翌月に返す——はずだった
9月の山の分だけ、10月には谷ができる。たばこの値上げの記事でも、8月の記事でも、そう書いてきました。ところが、うちの店の10月上旬は、少し違う動きでした。値引きの記事で、こう話しています。

嗜好品なんかは、価格が上がっても強いイメージです。お酒、たばこは分かりやすい。10月になって、9月の反動で売上が落ちると思っていたんですけど、好調を維持しています。前年比もしっかり超えている。買いだめがあったにもかかわらずなので、純粋に値上げ分の売上が乗っている。
値上げの分が単価に乗るので、本数が減っても、売上の谷は浅くなるかもしれない。業界の10月度で、谷がどれくらい深く出るか。ここが、次の答え合わせのいちばんの見どころです。
10月の中旬になった今も、うちの店のたばこは前年の110%で、好調が続いています。9月の山が、そこまで大きくなかったので、いい調子を保てている。値上げが当たり前になってきたことに加えて、家計に、まとめて買い置きしておくお金の余裕が、以前より少なくなっているのではないかと思います。買いだめが小さければ、そのあとの谷も浅くなります。
10月度(11月20日発表)の見方
予測を当てにいくのではなく、今回も見方を先に書いておきます。
| 指標 | 10月度(11月20日発表)の見方 |
|---|---|
| 非食品 | たばこの谷が来るはず。ただ、値上げ分が単価に乗るので、谷は浅いかもしれない。谷の深さを見る(うちの店は10月中旬で前年の110%) |
| 客単価 | カートンの反動で、伸びは縮むはず。差がマイナスに戻るかを見る |
| 客数 | 長雨が明けた10月の、素の数字。いちばん見る |
| 加工食品 | 10月1日の酒税の見直しで、ビール類の値段が動いた月。酒の動きを分けて見る |
| 日配 | おにぎりの値下げから1ヶ月あまり。売上より個数で見る(自店で) |
| サービス | 9月の▲14.0%が続くか。一時的なものかを見る(うちの店は10月に入って120%を超えた) |
酒の値段の動きは、酒税の記事に書いたとおり、減税にも増税にもなります。加工食品の数字は、その分を分けて読みます。
値上げの月は、粗利率で見ると悪く見える
たばこの値上げの月の見方は、値上げの記事で、こう話していました。

値上げの月は、粗利率の数字だけ見ると悪く見えるんです。でも中身は、カートンが動いて粗利額と来店が増えている。ここを分かって見ているかどうかで、9月の評価はまったく変わります。そして10月の谷では、たばこのお客様への「ついで1点」で埋める。4月に一度やった型を、そのままもう一度回すだけです。値上げはこの先も毎年続きそうですから、この型は店の財産にしておいて損はないと思いますよ。
9月度は良く見えて、10月度は悪く見えるかもしれない。どちらも、店の実力ではありません。実力が出るのは、山と谷をならしたあとに残る、客数のほうです。
第6章:答え合わせの約束
当たりを数えずに、客数を見る
この定点観測では、毎月同じことを書いています。プラスの月の中身は、当たりでできていた。7月は水とトレカ、8月はクーポンとたばこ、9月はたばこの駆け込みと雨。当たりを除いて残るのは、15ヶ月続けて減っている客数です。
だから、計算に入れられるのは、自店で決めて続けられる施策だけ。声かけ、棚、用事を一つ足すこと。効果は、単価ではなく客数で見る。8月の記事に書いたことは、9月も変わりません。
次回は、11月20日(金)14時
次回、10月度の発表は11月20日(金)14時です。見るのは、第5章の表のとおり。いちばんは客数、その次がたばこの谷の深さです。答え合わせは、また必ずやります。外れても、やります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 2026年9月のコンビニ統計の要点は?
JFAの9月度統計(10月20日発表)では、既存店の売上高が前年比+0.5%で3ヶ月連続のプラス、来店客数は▲3.8%で15ヶ月連続のマイナス、平均客単価は770.0円で+4.4%(21ヶ月連続プラス)でした。全店ベースの売上高は+0.4%で19ヶ月連続のプラスです。協会は、10月の加熱式たばこの増税に伴う駆け込み需要に加え、揚げ物、デザート、菓子、玩具、雨具が好調だったと説明しています。
Q2. 8月の記事で書いた「9月度の見方」は当たりましたか?
向きを先に書いた2つは、そのとおりでした。非食品はたばこの前借りで膨らむはず、と書き、結果は+8.7%。客単価もカートンのまとめ買いで押し上げられるはず、と書き、結果は+4.4%でした。いちばん見ると決めていた客数は▲3.8%で、8月の▲1.7%から2ポイント以上悪化していました。
Q3. 9月のプラスは、何で作られたのですか?
非食品です。構成比と前年比から出した私の概算では、非食品の寄与は約+2.8ポイントで、非食品が前年並みだったら全体は▲2.2%前後でした。非食品には玩具や雨具も入りますが、協会が真っ先に挙げたのは、10月の加熱式たばこの増税に伴う駆け込みでした。
Q4. 加熱式たばこの増税前の駆け込みは、統計にどう出ましたか?
非食品の+8.7%(8月は+3.4%)と、客単価の+4.4%(8月は+2.0%)に出ました。カートンでのまとめ買いは、1回の買い物の金額を押し上げます。私の店でも、声かけと予約で、9月25日の時点でたばこは前年から15%以上伸びていました。
Q5. 加工食品が▲4.8%と大きく下がったのはなぜですか?
比べる相手の去年の9月が、全国的にかなり暑い月だったことが大きいとみています。加工食品の多くを占める飲み物やアイスは、暑さで動きます。今年の9月は、東日本の太平洋側で雨が9月として最も多く、日照は平年の46%でした。私の店では缶詰や米は伸びましたが、加工食品の全体を押し上げるほどではありませんでした。
Q6. 雨具が好調だったのに、長雨で傘は売れないのですか?
私の店では、長雨のあいだ傘は売れませんでした。雨が続くと、誰もが傘を持ち歩くからです。傘が売れるのは、予報にない急な雨のときです。9月は下旬に台風による記録的な大雨もあり、業界全体の雨具の好調は、そうした大雨の日の数字だと読んでいます。
Q7. 日配食品が再びマイナスになったのはなぜですか?
日配は▲0.7%で、8月の+0.02%から再びマイナスになりました。揚げ物とデザートは好調だったので、米飯などそれ以外の日配は、合わせると前年を下回った可能性があります。ただ、9月はおにぎりの値下げが順に始まった月なので、同じ個数でも売上は減ります。日配は売上ではなく、個数で見るのが大事です。私の店でも、値下げに合わせて発注に力を入れましたが、個数で値下げ分の金額を取り戻せず、9月のおにぎりの売上は若干落ちました。10月に入って、前年の100%を超えています。
Q8. 客数の▲3.8%は、何を意味しますか?
当たりを除いて残る、店の実力に近い数字です。8月の▲1.7%から2ポイント以上悪化しました。統計だけでは理由は分かりませんが、同じ月にスーパーでも客足が落ちたと報じられており、節約で回数が削られている流れに、記録的な長雨が重なった月だった可能性があります。私の店の9月の客数も、業界と同じくらいの水準でした。
Q9. 10月度(11月20日発表)は、どう見ればいいですか?
たばこの谷で、非食品と客単価は悪く見えるはずです。ただ、私の店では10月上旬の時点で、9月の買いだめのあとでもたばこは前年を超えていて、値上げ分が単価に乗っています。10月中旬の時点でも、前年の110%です。谷の深さ、客単価の伸びから客数の落ち幅を引いた差がマイナスに戻るか、そして客数を見ます。加工食品は酒税の見直しの分を、日配は個数で見ます。
Q10. この記事の情報の出典は?
統計は日本フランチャイズチェーン協会の「コンビニエンスストア統計調査月報」2026年9月度(10月20日発表)と8月度、気象は気象庁の「2025年9月の天候」「2026年9月の天候」に基づきます。寄与の数字は構成比と前年比から出した私の概算です。店の話は私の店(3店舗)での実感で、店ごとに動きはばらつきます。
まとめ:良く見える月ほど、割り引いて読む
9月のコンビニ既存店売上は+0.5%で3ヶ月連続のプラス。でも来店客数は▲3.8%で15ヶ月連続のマイナス、8月の▲1.7%から大きく悪化しました。客単価は+4.4%と大きく伸び、差は+0.6ポイントに開いています。プラスを作ったのは非食品の+8.7%で、協会は10月の加熱式たばこの増税に伴う駆け込みを挙げました。私の概算では、非食品の寄与は約+2.8ポイント、なければ▲2.2%前後です。加工食品の▲4.8%には、全国的にかなり暑かった去年の9月の反動が混じり、雨具の好調は、長雨ではなく急な大雨の日の数字だと読めます。日配は▲0.7%で再びマイナスですが、おにぎりの値下げの月なので、個数で見ます。差が開いたのは、たばこで膨らんだ単価のおかげで、前年割れの線を、たばこで越えずに済んだだけです。10月度は、たばこの谷で悪く見えるかもしれません。うちの店では、10月中旬の時点でたばこは前年の110%と、谷はまだ浅いままです。でも、9月が良く見えたのも、10月が悪く見えるのも、店の実力ではありません。
この記事の要点
- 9月の既存店売上は+0.5%(3ヶ月連続プラス)、客数▲3.8%(15ヶ月連続マイナス)、客単価+4.4%(770.0円)
- 向きを先に書いた非食品と客単価は、見方のとおり膨らんだ(+8.7%・+4.4%)
- 協会の説明は、10月の加熱式たばこの増税に伴う駆け込みと、揚げ物・デザート・菓子・玩具・雨具の好調
- 非食品の寄与は約+2.8ポイント(概算)。なければ▲2.2%前後
- うちの店も、客数は業界と同じ水準で下がり、客単価で稼いだ(たばこと、雨の日の買い置き)
- 加工食品▲4.8%には、全国的にかなり暑かった去年の9月の反動が混じる=去年の当たりは今年のハズレに見える
- 雨具の好調と「長雨では傘は売れない」は矛盾しない=続く雨と、急な雨は別のもの
- 日配は▲0.7%で再びマイナス。おにぎりの値下げの月なので、売上より個数で見る
- 差の+0.6ポイントは、たばこで膨らんだ単価のおかげ=前年割れの線を、たばこで越えずに済んだだけ
- 10月度は、たばこの谷の深さと客数を見る。値上げ分が単価に乗るので、谷は浅いかもしれない(うちの店は10月中旬で110%)
次のアクション
- [ ] 9月の自店の売上に、当たり(たばこの駆け込み・雨の日の買い置き・急な雨の傘など)の印をつける
- [ ] 当たりを除いたベースラインを書き出し、10月の発注と人員はその数字で組む
- [ ] たばこの10月の売上を、9月の山と並べて記録し、前借りの総量と谷の深さを知る
- [ ] 加工食品の前年比は、去年の同じ月の気温と並べて見る(10月は酒の値段の動きも分ける)
- [ ] おにぎりは、売上ではなく個数で週ごとに記録する
- [ ] 落ちた数字(サービスなど)は、店の側に原因がないかを振り返り、翌月の数字で確かめる
- [ ] 10月の谷では、たばこのお客様への「ついで1点」を声かけで試す
- [ ] 11月20日(金)14時の10月度発表をカレンダーに入れる
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参考|公式情報
- 日本フランチャイズチェーン協会|コンビニエンスストア統計データ:コンビニエンスストア統計調査月報の一覧。2026年9月度(10月20日発表)は既存店売上高+0.5%(3ヶ月連続プラス)・来店客数▲3.8%(15ヶ月連続マイナス)・平均客単価770.0円(+4.4%)。商品別は日配▲0.7%・加工▲4.8%・非食品+8.7%・サービス▲14.0%
- 気象庁|2025年9月の天候:気温は、全国的にかなり高かった(加工食品の比べる相手になる、去年の9月)
- 気象庁|2026年9月の天候:東日本太平洋側は月降水量が平年の236%で9月として1位の多雨、日照時間は平年の46%で9月として1位の寡照。下旬は台風第25号の影響で記録的な大雨となった所があった
- 国税庁|加熱式たばこに係る課税方式の見直しについて(令和8年4月1日~):令和7年度の税制改正で、加熱式たばこの紙巻たばこへの換算方法を見直し。激変緩和のため令和8年4月1日から段階的に実施し、10月1日からの第二段階で改正後の方式に全面的に移った
- 財務省|酒税に関する資料:ビール系飲料の税率は、2026年10月に1klあたり155,000円(350ml換算54.25円)に一本化された(2020年10月から3段階で実施)
9月は、良く見える月でした。カートンが動いて、雨の日の買い置きが動いて、レジの数字が前年を超えていく。
でも、良く見える月ほど、来月の分を先に受け取っています。たばこの山は、10月の谷の前借りです。
山と谷をならして、最後に残るのは、15ヶ月目の客数減でした。
だから、当たりに感謝して、当たりを数えない。声をかけて、棚を変えて、用事を一つ足して、来月の客数を待つ。11月20日、また答え合わせをします。

