40坪・48席のコメダと、金曜3人・土曜1人のコンビニ|小さく軽く回すのは、作業を削ることではなく、人に業務を合わせること【現役オーナー】
コメダが、コンビニと同じくらいの大きさの小型店で、都心や駅前に出る実験を始めます。広さは従来の3分の2の40坪で、席は48席。会計を先に済ませる形にし、メニューを1枚にまとめ、コーヒーチケットも電子化する。郊外でくつろぎを売ってきた店が、小さく軽く回すための設計です。
では、コンビニは何を削って、軽く回しているのか。私の答えは、削るより、調節するです。
たとえば、夜勤の面接。土日に入れる人を探していたのに、応募してきた人は金曜と日曜を希望していた。こちらの都合よく人は集まらないので、私は採用します。金曜は3人、土曜は1人という形になる。そのかわり、金曜の納品を極限まで多くし、土曜の納品を極限まで減らす発注をする。店の形に人を合わせるのではなく、良い人の働きたい日に、業務を合わせる。そうしていると、人不足はおのずと解消されていきます。
コメダの小型店を鏡に、コンビニの「小さく軽く」を書きます。事前会計はコンビニでは成り立たないと思う理由、駅前なら絞った店もあっていいという考え、そして形に固執しないことまで。
- ニュース——コメダは40坪で、何を削り、何を残したか
- コンビニは「やめる」より「調節する」
- 店の都合に、人を合わせない——金曜3人・土曜1人の店
- 納品の量で、曜日の作業を動かす
- 事前会計は、コンビニでは成り立たない
- 駅前なら、中食と飲料とカウンターフーズだけの店もありうる
- 形に固執せず、目の前のお客様と対話して変わる
※コメダの内容は2026年10月17日の日本経済新聞の報道に基づきます。店の話は、私の店での実感です。2026年10月18日時点の情報です。
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第1章:ニュース——コメダは40坪で、何を削り、何を残したか
小さく軽く回すための設計
日本経済新聞(10月17日)によると、コメダは10月19日、東京・板橋に小型の実験店を開きます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 広さ | 40坪(約130平方メートル)。従来の3分の2で、コンビニと同じくらいかそれ以下 |
| 席 | 48席。ビルの中の店(70〜80席)から大きく減らす |
| 会計 | 先に済ませる方式にして、回転を上げる |
| メニュー | 1枚にまとめる。グラタンなどは整理し、シロノワールとモーニングは残す |
| コーヒーチケット | 電子化する |
| 店の数 | 8月末で1,044店。ドトールの1,076店に迫る。2031年2月期に国内1,220店の計画(同社の中期経営計画では、海外180店を含むグループ合計で1,400店) |
※2026年10月17日の日本経済新聞の報道に基づきます。
削ったのは形、残したのは芯
コメダが削ったのは、広さと席と、メニューの幅と、会計の手間です。残したのは、シロノワールとモーニング。コメダらしさの芯は残して、形を小さくした。地価の高い都心や駅前でも、小さな面積で利益が出るかを試す、ということです。
朝のお客様の取り合いという面は、朝の記事の続報に書きました。この記事では、もうひとつの面、「小さく軽く回す」設計のほうを、コンビニの運営に引き寄せて考えます。
第2章:コンビニは「やめる」より「調節する」
使えるものは、使っていく
コンビニは、運営を軽くするために、何をやめてきたのか。

やめたというよりは、納品量の調節などで対応したりはしますけど、使えるものはとりあえず使っていく姿勢かなー。
削るのではなく、寄せる
コメダは、店の形そのものを削りました。でも、コンビニの店は、形をすぐには変えられません。広さも、売場も、決まっている。だから、コンビニが軽く回すときにやるのは、削ることより、調節することです。人がいる日に作業を寄せる。人が少ない日に作業を減らす。いま手元にある人と時間を、使えるだけ使う。
セルフレジの記事で、機械を入れる前に、消せる仕事を探す順番を書きました。その次にあるのが、この「寄せる」です。消せない仕事は、人のいる日に寄せればいい。
第3章:店の都合に、人を合わせない——金曜3人・土曜1人の店
土日の人を探していたのに
具体的な場面で書きます。

例えば夜勤の希望者の面接があったとして、店は月曜から金曜までは2人入っていて、土日が1名しかいないので、土日に勤務できる人を探していたとします。でも、新しく応募してきた人は、金曜日と日曜日に勤務したい。そんなとき、この人を不採用にするか。採用したら人件費の無駄では?なんてことを考えると思います。でも、こちら側の都合よく人を集めることは非常に難しいので、私の場合、このケースでも採用してしまいます。
採用すると、こうなる
| 曜日 | 採用する前 | 採用したあと |
|---|---|---|
| 月〜木 | 2人 | 2人 |
| 金 | 2人 | 3人(新しい人が入る) |
| 土 | 1人 | 1人 |
| 日 | 1人 | 2人(新しい人が入る) |
金曜は3人、土曜は1人という形になります。欲しかった土曜は、埋まらない。店が望んだ形の採用ではありません。
良い人が来たら、その人の日に合わせる
それでも、採用する。こちらの都合に合う人だけを待っていたら、いつまでも人は集まらないからです。店が望んだ形で人を集めるのではなく、良い人が来たなら、その人の働きたい日に合わせて、業務を調整する。そうしていると、人不足は、おのずと解消されていきます。
時給で勝てない店の記事やバイトの記事で書いたとおり、いまは時給だけで人を集められる時代ではありません。だからこそ、来てくれた良い人を、店の形の都合で手放さない。採用・面接のガイドで書いた「仲間」の見極めと、同じ考え方です。
第4章:納品の量で、曜日の作業を動かす
金曜に寄せ、土曜は減らす
では、3人の金曜は人件費の無駄なのか。ここで効くのが、発注です。金曜の納品量を極限まで多くし、土曜の納品量を極限まで減らせるような発注をする。品出しの多い日を、人の多い日に合わせるのです。
| 曜日 | 人 | 納品の量 | 作業 |
|---|---|---|---|
| 金 | 3人 | 極限まで多く | 品出しを金曜にまとめる |
| 土 | 1人 | 極限まで少なく | 品出しを減らし、1人でも回る日にする |
こうすれば、金曜の3人目は、余った人ではなくなります。土曜の1人も、無理のない量で回せる。人の山に、作業の山を合わせる。それが、私の「小さく軽く」です。
(毎日売り切る弁当やおにぎりのように、日ごとの売れ方で決まる商品は動かせないので、寄せるのは日持ちのする商品の納品が中心になると思います)
0.3人のシフトは組めない、だから寄せる
セルフレジの記事で、0.3人のシフトは組めない、と書きました。人は1人単位でしか増やせない。だから、人の側を細かく動かすより、作業の側を曜日に寄せるほうが早い。朝の2時間の記事では、仕事を業務の単位で切り出して、人に渡す考え方を書きました。2便化の記事では、納品がまとまって来ると作業が重くなる、とも書いています。納品は、店の作業の量を決めるいちばん大きな蛇口です。その蛇口を、人のいる日に開ける。
第5章:事前会計は、コンビニでは成り立たない
コメダのやり方を、そのまま持ち込めるか
コメダは、会計を先に済ませる方式で回転を上げます。では、コンビニでも同じことができるのか。

事前会計は成り立たないと思います。駅前の立地なんかは賃料が高かったりするから、狭い場所で、中食と飲料、カウンターフーズだけに特化した店とかがあっても良い気がします。無理に食品、菓子、日用品などを揃えずに、ターゲットを絞った考え方もありなのかなって。
棚から選んで、最後に払う店
コンビニは、棚から選んで、最後にレジで払う店です。コーヒーのように、先に払ってから自分で注ぐ商品はあっても、店全体を事前会計にするのは難しい。コメダの「先に払って、席でくつろぐ」とは、買い物の順番が違います。小さく軽くするやり方は、業態ごとに違う。他業種の工夫は、そのまま持ち込むのではなく、自分の店の順番に置き換えて使うものだと思います。
第6章:駅前なら、中食と飲料とカウンターフーズだけの店もありうる
全部をそろえない、という形
一方で、コメダの「メニューを1枚にまとめる」発想は、コンビニにも使えると思います。駅前のように賃料が高い場所なら、狭い面積で、中食と飲料、レジ横のカウンターフーズだけに絞った店があってもいい。無理に食品、菓子、日用品まで全部そろえなくてもいい、という考え方です。
| 全部そろえる店 | 絞った店(駅前の例) |
|---|---|
| 食品、菓子、日用品まで広く | 中食、飲料、カウンターフーズに絞る |
| 広い面積が要る | 狭い面積で回せる |
| 誰にでも合う | 通勤や昼の人に合わせる |
駅前と郊外の記事で、立地によって集客も経費も違うと書きました。セリアの記事では、「ないものは競合他社で買ってもらえばいい」という割り切りがコンビニにも要る、と書いています。駅前の絞った店は、その割り切りを、店の形にまで広げたものです。
第7章:形に固執せず、目の前のお客様と対話して変わる
変わるのは、こちら側
最後に、いちばん大事だと思っていることを書きます。

取引先との関係などもあると思いますけど、自分たちのやり方や形に固執するのではなく、目の前のお客様と対話して、こちら側が変化していく姿勢をとっていかなくてはいけないんじゃないかなと思います。
人にも、お客様にも、合わせる
第3章では、店の形に人を合わせず、人に業務を合わせる話を書きました。この章は、その裏返しです。店の形にお客様を合わせるのではなく、お客様に店を合わせる。コメダは、くつろぎの芯を残して、形を駅前に合わせました。コンビニも、変えられないものに固執せず、変えられるものから変えていく。
レジ前の和菓子の記事で、コンビニはもともと個店経営だと書きました。ニトリの記事では、店がギバーでなければ常連は増えない、と書いています。目の前の人と対話して、こちらが変わる。小さく軽く回すことの芯は、そこにあると思います。
よくある質問(FAQ)
Q1. コメダの小型店とは、どんな店ですか?
日本経済新聞(2026年10月17日)によると、コメダが10月19日に東京・板橋に開く実験店で、広さは従来の3分の2の40坪(約130平方メートル)、席は48席です。会計を先に済ませる方式にし、メニューを1枚にまとめ(シロノワールとモーニングは残す)、コーヒーチケットも電子化します。都心や駅前に出るための新しい形です。
Q2. コンビニは、運営を軽くするために何をやめていますか?
私の店では、やめるというより、納品量の調節などで対応しています。使えるものは、とりあえず使っていく姿勢です。コンビニは店の形をすぐには変えられないので、削るより、人のいる日に作業を寄せる調節が中心になります。
Q3. 店が欲しい曜日と、応募者の希望が合わないときは、どうしますか?
私は採用します。たとえば土日に入れる人を探していたのに、応募者が金曜と日曜を希望した場合でも採用し、金曜は3人、土曜は1人という形になります。こちらの都合よく人を集めるのは非常に難しいので、良い人が来たら、その人の働きたい日に合わせて業務を調整します。
Q4. 人が多い曜日は、人件費の無駄になりませんか?
発注で納品量を調節すれば、無駄にはなりにくいと考えています。人が3人いる金曜に納品を極限まで多くし、1人の土曜は納品を極限まで減らす。品出しの多い日を、人の多い日に合わせるのです。毎日売り切る商品は動かせないので、寄せるのは日持ちのする商品の納品が中心になると思います。
Q5. 人に合わせた採用で、人不足は解消しますか?
私の経験では、店が望んだ形で人を集めるのではなく、良い人の働きたい日に業務を合わせるようにしていると、人不足はおのずと解消されていきます。
Q6. コンビニでも、コメダのような事前会計はできますか?
私は、コンビニでは事前会計は成り立たないと思います。コンビニは棚から選んで最後にレジで払う店で、コーヒーのように先に払う商品はあっても、店全体を事前会計にするのは難しいからです。
Q7. 駅前のコンビニは、品ぞろえを絞ってもいいのですか?
駅前のように賃料が高い場所なら、狭い面積で、中食と飲料、カウンターフーズだけに絞った店があってもいい気がします。無理に食品、菓子、日用品まで全部そろえず、ターゲットを絞る考え方もありだと思います。
Q8. 他業種の工夫は、コンビニにそのまま使えますか?
そのまま持ち込むのではなく、自分の店の順番に置き換えて使うものだと思います。コメダの事前会計はコンビニには合いませんが、メニューを1枚に絞る発想は、駅前の店の品ぞろえを絞る考え方に置き換えられます。
Q9. 店の形ややり方は、変えたほうがいいのですか?
取引先との関係などもありますが、自分たちのやり方や形に固執するのではなく、目の前のお客様と対話して、こちら側が変わっていく姿勢が必要だと考えています。
Q10. この記事の情報の出典は?
コメダの小型店の内容は、2026年10月17日の日本経済新聞の報道に基づきます。採用と納品の調節、事前会計、駅前の店、形に固執しない考え方は、私の店での実感です。
まとめ:小さく軽くとは、人に業務を合わせること
コメダは、40坪・48席の小型店で、会計を先に済ませ、メニューを1枚にまとめ、コーヒーチケットを電子化して、駅前に出ます。削ったのは形で、シロノワールとモーニングという芯は残しました。コンビニは、店の形をすぐには変えられません。だから、軽く回すときにやるのは、削るより調節することです。土日に入れる人を探していたのに、金曜と日曜の希望者が来たら、採用する。金曜は3人、土曜は1人。そのかわり、金曜の納品を極限まで多くし、土曜の納品を極限まで減らす。店の形に人を合わせるのではなく、良い人の働きたい日に業務を合わせる。そうしていると、人不足はおのずと解消されていきます。コメダの事前会計は、棚から選んで最後に払うコンビニでは成り立たない。でも、メニューを絞る発想は、駅前の中食と飲料とカウンターフーズだけの店に置き換えられる。そして、形に固執せず、目の前のお客様と対話して、こちらが変わる。それが、小さく軽く回すことの芯だと思います。
この記事の要点
- コメダは40坪・48席の小型店で駅前へ。事前会計、メニュー1枚、電子チケット(報道)
- 削ったのは形で、シロノワールとモーニングという芯は残した
- コンビニは店の形をすぐに変えられない。軽く回すのは、削るより調節すること
- 土日の人を探していても、金曜と日曜の希望者が来たら採用する。こちらの都合よく人は集まらない
- 金曜3人・土曜1人になっても、金曜の納品を極限まで多く、土曜を極限まで少なくすれば回る
- 良い人の働きたい日に業務を合わせると、人不足はおのずと解消されていく
- 人は1人単位でしか増やせない。だから作業の側(納品)を人のいる日に寄せる
- 事前会計は、棚から選んで最後に払うコンビニでは成り立たない
- 駅前なら、中食・飲料・カウンターフーズに絞った店もありうる
- 形に固執せず、目の前のお客様と対話して、こちら側が変わる
次のアクション
- [ ] 曜日ごとの人数と、納品の量を並べて書き出す
- [ ] 人の多い曜日に、日持ちのする商品の納品を寄せられないか発注を見直す
- [ ] 人の少ない曜日は、品出しの量を減らして、1人でも回る日にする
- [ ] 面接では、店の欲しい曜日だけで判断せず、良い人かどうかを先に見る
- [ ] 良い人の希望の曜日に合わせた場合の、作業の組み替えを考えておく
- [ ] 他業種の工夫は、自分の店の順番に置き換えられるかを考えてから試す
- [ ] お客様との会話で聞いた要望を、店の形を変えるヒントとして書き留める
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参考|公式情報
- コメダホールディングス|中期経営計画 CONNECT 2030 説明資料(2026年4月8日・PDF):2031年2月期(2030年度)にグループ合計1,400店舗(うち海外180店舗)をめざす(2026年2月は1,150店舗)。都市部を中心に、ビルインや駅チカなど多様な立地に対応し、新たな出店形態にも挑戦する
- 経済産業省|商業統計 業態分類表(平成14年調査):商業統計の業態分類で、コンビニエンスストアは「飲食料品を扱い、売場面積30㎡以上250㎡未満、営業時間14時間以上」のセルフ方式の店。40坪(約130㎡)は、この範囲に入る
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金曜の夜、3人目のスタッフが、納品の箱を開けています。土曜の夜は、1人でも回るように、箱は少ない。
欲しかったのは土曜の人でした。でも、来てくれたのは、金曜と日曜に働きたい良い人でした。だから、店のほうが合わせました。
店の形に人を合わせるのではなく、人に業務を合わせる。お客様にも、こちらが合わせる。小さく軽く回すとは、たぶん、そういうことだと思います。

