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コンビニの消耗品費は月いくら?|3店舗の実数と「ホルムズ・コスト」——在庫の量が、接客の言葉まで変える【現役オーナー】

hanapapa
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損益計算書の中に、誰もまじまじと見ない行があります。「消耗品費」——手袋、ラップ、ロール袋、スプーンやフォーク、洗剤、ゴミ袋。食材やチャージの数字は毎月にらむのに、この行だけは「まあ、こんなものか」で通過してしまう。原価率にすれば数%。だから、後回しになる。

その「数%」が、いま静かに膨らんでいます。

きっかけは中東情勢です。ホルムズ海峡の緊張でナフサ(石油由来の基礎原料)の調達が不安定になり、手袋・洗剤・ラップといったナフサ由来の消耗品は2〜3割の値上げと報じられています。報道では、約160店を運営する外食中堅の例として、資材高で月のコストが200万円近く増え、埋め合わせには利益換算で2,000人以上の集客が必要になった、という生々しい計算も紹介されていました。「原価率数%の消耗品は、食材に比べて見直しが後回しになっていた」——担当役員のこの言葉は、そのまま私たちコンビニにも刺さります。

そこで今回、自分の3店舗の消耗品費を実際に見比べてみました。結果は月3万円・4万円・5万5,000円——きれいに売上に比例していました。この記事では、その実数から始めて、何がどれだけ上がっているのか(体感ナンバーワンは意外にも油でした)、FCオーナーはどこまで動けるのか、そして消耗品の在庫管理をめぐる、接客の言葉にまでつながる発見を書きます。

  • ニュース整理——「ホルムズ・コスト」とは何か
  • 自店の実数——3店舗で月3万・4万・5万5,000円
  • 値上げの体感ランキング——いちばん上がったのは「油」だった
  • FCの調達構造——動ける場所と、動けない場所
  • コロナの記憶——「モノが来ない」は、また起きる
  • 在庫の量が、言葉を変える——「まとめてお入れしましょうか」が消えるとき

※資材価格・企業事例は2026年8月2日時点の報道に基づきます。自店の金額・体感は私の3店舗での実数・実感であり、店の規模や販売構成で大きく変わります。


本記事の位置づけ|消耗品費の実数と「ホルムズ・コスト」時代の在庫点検を語る現場記事

本記事は、3店舗の消耗品費の実数・値上げの体感ランキング・FC調達で動ける場所・供給難への備え・在庫と接客の関係までを、現役オーナーの実体験で整理した現場記事です。以下の関連記事と組み合わせると、コスト点検から発注・在庫の判断まで全体像が掴めます。

💰 コストと数字を点検する

🧤 衛生と現場オペレーション

📦 発注と在庫の考え方

「コスト点検 → 現場オペレーション → 発注・在庫」の順で読むと、数%の経費の行を経営の打ち手に変える視点が身につきます。

🎥 この記事の要点を動画にまとめました(音声解説つき)。結論から知りたい方はまずこちらをどうぞ。

🎧 もっと深く:対話型の音声解説(約17分)
この記事をもとにAIが対話形式で深掘りした音声です(Gemini Notebook〈旧NotebookLM〉で生成)。運転中や作業中の「ながら聞き」にどうぞ。

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第1章:ニュース整理——「ホルムズ・コスト」とは何か

価格の問題と、供給の問題

まず背景を短く。2026年前半からの中東情勢の緊張で、石油由来の基礎原料ナフサの調達が不安定になりました。ナフサは印刷インキ、プラスチック、合成ゴム——つまり袋・手袋・ラップ・容器・カトラリーの原料です。国産ナフサの想定価格は一時、ウクライナ危機時を大きく上回る歴史的水準に達したと報じられ、市況のピーク(1トン1,200ドル超)からはいくらか落ち着いたものの、輸送費や保険料の上乗せで実質コストは高止まりしています。

そして、価格より怖いのが供給です。報道では、取引量の多い大手企業が交渉を有利に進める結果、中堅以下に資材が回りにくくなっているという構造が指摘されています。包材メーカーから「去年の実績分しか卸せない」と通告され、生産品目を絞った食品メーカーの例。入手しやすい色に部材を変更する検討を始めたメーカーの例。抜本策はなく、小さな工夫の積み重ねしかない——というのが、各社の現場の結論だそうです。

実は、売場側ではすでに見ていた

ところで、この「ナフサ問題」、私たちは売場側ですでに目撃しています。この夏話題になったポテトチップスの白黒パッケージ——あれこそ、印刷インキの原料不足への緊急対応でした(この顛末は「白黒ポテチは、本当に売れたのか」という記事で書いたところです)。同じひとつの原因が、売場では袋の色を消し、バックヤードでは手袋と袋の値段を上げている。ホルムズ海峡は遠いようで、店の隅々まで来ているのです。


第2章:自店の実数——3店舗で月3万・4万・5万5,000円

消耗品費は「売上に比例する」

今回、3店舗分の消耗品費を見比べてみました。結果は月およそ3万円・4万円・5万5,000円。そして並べてみて分かったのは、きれいに売上に比例していることです。

考えてみれば当然で、消耗品は「使うから減る」もの。お客様が増えれば袋も箸も手袋も比例して出ていきます。つまり消耗品費は固定費ではなく、準変動費。売上が伸びると一緒に膨らむので、「売上が増えたのに手残りが増えない」の小さな一因にもなります。

もうひとつ大事な条件があります。うちはカウンターコーヒーの販売数がそれほど多い店ではありません。コーヒーが多い店なら、カップ・蓋・マドラー・スリーブで、この金額は万単位で変わってくるはずです。FF(ホットスナック)の構成比でも大きく動きます。月3万〜5.5万円という数字は、あくまで「一例」としてお読みください。

「客数換算」してみる——外食の2,000人を、自店の規模で

報道にあった「月200万円増=集客2,000人分」という換算を、コンビニのモデルでやってみます(※客単価600円・粗利率30%=お客様1人あたり粗利180円というモデル値です。必ずご自身の実数で置き換えてください)。

項目モデル計算
月5万5,000円の消耗品費そのもの55,000円 ÷ 180円 ≒ 月305人分の来店粗利
消耗品が2割値上げされた場合(月4万円の店)+8,000円/月 ≒ 月44人分
同・年間約9万6,000円 ≒ 年533人分の来店粗利が消える

毎月300人分のお客様の粗利が、袋と手袋とカップに変わっている——こう見ると、「原価率数%」の景色が変わります。値上げ分だけでも年500人分。500人の集客を増やす努力と、消耗品の点検。どちらが早いかという話なのです(経費の全体像はその他コストの記事、コスト高対策の全体はコスト高対策完全ガイドにまとめています)。

はなぱぱ
はなぱぱ

3店舗分を見比べてみたんですが、月3万・4万・5万5,000円と、きれいに売上に比例して上がっていました。うちはコーヒーの販売数が多いわけではないので、カウンターコーヒーが強い店なら万単位で違ってくると思います。それにしても、物価の上昇が始まってから、本当に全ての資材が値上がりしていて——正直、「また上がるの?」って印象なんですよね。食材の値上げはニュースになるけど、資材の値上げは静かに来る。静かだから、余計にたちが悪いというか。


第3章:値上げの体感ランキング——いちばん上がったのは「油」だった

第1位:FFフライヤーの油——体感で約2倍

「何がいちばん上がったか」と聞かれたら、私は迷わず答えます。FFのフライヤーで使う油です。

ロシア・ウクライナ戦争が始まった2022年頃から、上がり方が明らかに変わりました。今では8kgで4,000円前後。体感では、2倍近くになっていると思います(あくまで私の店の実感値です)。油は揚げ物を売る限り毎日使い、交換サイクルを延ばせば品質に直結する——削りようのない資材です。ナフサ問題は2026年の話ですが、現場の実感としては、資材インフレは2022年からずっと続いていて、ホルムズはその「第2波」なのです。

第2位:プラスチック系——スプーン・フォーク・袋

次に激しいのがプラスチック関係。お弁当につけるスプーン・フォークFFの袋、ラップやロール袋。まさにナフサ直撃のゾーンで、報道の「2〜3割値上げ」が体感とも合います。

番外:レジ袋は「痛くない」——有料化の再発見

面白いのはレジ袋です。値上がりしていますが、痛みを感じません。理由は簡単で、お客様から代金をいただいているから。仕入が上がっても売価で吸収できる、店内で唯一「価格転嫁済み」の資材なのです。2020年の有料化のときは賛否がありましたが、コスト管理の目で見ると、有料化は資材を「経費」から「商品」に変えた——今になって、その意味が身に染みます。

新しい痛点:セルフレジと「持ちすぎ」問題

一方で、新しい形の資材ロスも生まれています。セルフレジの運用で、お箸やスプーンをお客様のセルフ提供にすると、必要以上の量を持っていかれてしまうことがあるのです。悪気の話ではなく、「ご自由にどうぞ」の設計は、どうしてもそうなる。省人化の便利さと資材ロスのトレードオフ——セルフレジは魔法ではないという記事で書いた「機械に任せると見えなくなるもの」の、これも一例だと思います(対策は第6章で)。

はなぱぱ
はなぱぱ

体感でいちばんすごいのは、FFの油ですね。ウクライナ戦争が始まった頃からの上がり方が一番すごくて、今は8キロで4,000円前後。2倍近くになっていると思います。それ以外だとプラスチック関係——お弁当につけるスプーンやフォーク、袋類の値上がりが激しいです。レジ袋も上がっていますが、あれはお客様から代金をいただいているので、痛みには感じません。ただ、セルフレジでお箸などをセルフ提供にすると、必要以上に持っていかれてしまうことがあって——あれは地味に痛手です。


第4章:FCの調達構造——動ける場所と、動けない場所

線引きは「お客様に見えるか、見えないか」

さて、値上げに対して、FCコンビニのオーナーはどこまで動けるのか。報道の外食企業は「通販大手から中小卸へ調達を切り替える」という手を打っていました。私たちに同じ自由はありません。でも、線引きを知っていれば、動ける場所はちゃんとあります

区分具体例調達の自由度
お客様に見える・触れるものFF袋・カトラリー・カップ・ラベル・包材本部指定の基準品(勝手に変えられない)
調理・衛生に関わるもの手袋・油・洗剤(食品接触)本部ルートが基本(品質・衛生基準)
バックヤード・従業員側のものコインケース・文具・掃除道具・事務用品・ゴミ袋等自由度あり——工夫の主戦場

基本的にはすべて本部ルートで仕入れられるようになっています。ただ、実際に比べてみると、ホームセンターや通販で自分で買ったほうが安いものも結構ある。とくにコインケースのような従業員側が使う道具は、工夫できる部分がたくさんあります。逆に、お客様に見える資材・商品に関わる資材は本部指定が基準——ここは品質とブランドの統一のためで、動かせませんし、動かすべきでもないと思っています。

「年に一度の消耗品棚卸し」のすすめ

報道の外食企業の役員が言っていた「原価率数%の消耗品は、見直しが後回しになっていた」——これを防ぐ仕組みは、シンプルでいい。年に一度、消耗品の品目・単価・調達先を一覧にするだけです。私も今回3店舗を見比べて、「これはまだ本部ルートのままでいいのか」「これは自分で買う方が安いのでは」という発見がいくつもありました。食材の原価は毎日見ているのに、資材は年に一度も見ていなかった——それだけの話なのです。


第5章:コロナの記憶——「モノが来ない」は、また起きる

アルコールが、必要量より少ししか来なかった

報道は「中堅以下ほど、値段より先にモノが来ない問題に当たる」と指摘していました。これを読んで、思い出したことがあります。コロナのときの、あの棚です。

当時、手袋やマスクは消耗品として発注ができなくなり、アルコールは「店で最低限必要だろう」という量を下回る数しか発注できませんでした。お客様には入口で「消毒にご協力ください」とお願いしているのに、店のアルコールが全然足りない——あの心細さは、経験した方なら覚えているはずです。

本部の調達力は、盾になる。でも万能ではない

このとき同時に感じたのは、二つのことでした。ひとつは、それでも本部の調達力に守られていたということ。チェーン全体で確保して割り当てる仕組みがなければ、個店がバラバラに探して、もっとひどいことになっていたはずです(本部が担う「見えない仕事」の価値は本部機能の自前化コストの記事で書いたとおりです)。

もうひとつは、それでも足りないときは足りないということ。非常時には、調達力のあるチェーンでも割当制になる。だから店としての備えは、「衛生・安全に関わる資材だけは、平時から在庫を厚めに持つ」——これに尽きます。手袋・アルコール・マスク。ここは削る場所ではなく、守る場所です(夏場の衛生管理は夏の衛生・食中毒対策の記事に書きました)。

手袋は「つける」より「替える」

手袋についてもう一言だけ。うちでは手袋はFFの調理以外では使っていません。レジ業務などでずっと手袋をつけたままの運用も見かけますが、正直な印象を言えば、つけっぱなしの手袋は、素手より汚れています。手袋の衛生効果は「つけること」ではなく「場面ごとに替えること」で生まれる。つけっぱなしは清潔の演出にはなっても、清潔そのものにはならない——資材を増やす前に、使い方の設計だと思っています。

はなぱぱ
はなぱぱ

コロナのときは、手袋やマスクが消耗品として発注できなくなって、アルコールも「最低限これだけは要るだろう」という量を下回る分しか来ませんでした。お客様には消毒をお願いしているのに、店の分が全然足りない。あのとき痛感したのは、非常時には「値段が高い」より「モノが来ない」のほうがずっと怖いということです。だからうちは、衛生関係の資材だけは、平時から厚めに持つと決めています。そこはケチる場所じゃないので。


第6章:在庫の量が、言葉を変える——「まとめてお入れしましょうか」が消えるとき

安全在庫は、なぜ膨らむのか

最後に、この記事でいちばん書きたかった話をします。消耗品の発注は、スタッフに任せている店が多いと思います。うちもそうです。すると何が起きるか——どうしても安全在庫を確保しようとして、必要以上の量が店にある状態になるのです。

これはスタッフが悪いのではありません。発注を任された人は「切らしたら迷惑をかける」と考える。だから多めに頼む。合理的で、責任感のある行動です。でも、その結果として店に積み上がった「潤沢な在庫」が、思わぬものを変えていきます。

在庫が多いと、使い方が雑になる

FFの袋が山ほどある状態だと、使い方が雑になってくるのです。1枚で足りるところに何枚も使う。そして——ここが核心なのですが——「まとめてお入れしてもよろしいでしょうか?」という言葉が、出なくなる

お箸も同じです。在庫がたっぷりあると、「お箸はおつけしますか?」という確認をせず、必要以上にお渡ししてしまう。在庫の潤沢さが、確認の一言を省略させる。誰も意識していないのに、棚の裏の在庫量が、レジの言葉遣いを静かに決めている——3店舗を見比べていて、この構造に気づいたときは、正直ぞっとしました。

必要な量だけ持つと、言葉が戻ってくる

逆もまた真です。必要な量だけ持つようにすると、スタッフはしっかり確認するようになります。「使いすぎるとなくなってしまうな」という感覚があれば、お箸を無駄にお渡しすることもない。「まとめてお入れしましょうか」の一言が、自然に戻ってくる。

そしてお気づきでしょうか。「まとめてお入れしましょうか」「お箸はおつけしますか」は、コスト削減の言葉ではなく、接客の言葉だということに。お客様への確認の一言は、資材の節約と、丁寧な接客と、環境配慮が一枚で重なっている。在庫を絞ることは、ケチることではなく、この一言が生まれる環境を作ることなのです(レジの一言の価値は朝の常連さんには小声で話しかけるの記事でも書いたとおりです)。

まとめ:在庫の二層管理——厚く持つものと、絞って持つもの

第5章と第6章を合わせると、消耗品の在庫は二層で管理するのが答えになります。

  • 厚く持つ層:衛生・安全に関わるもの(手袋・アルコール・マスク)。切れたら営業と信頼に響く。ここは安全在庫を積んでいい
  • 絞って持つ層:お客様にお渡しする資材(袋・カトラリー)。潤沢すぎると使い方と言葉が雑になる。発注点と上限を決めて、「少し緊張感のある量」を保つ

全部厚くでも、全部薄くでもなく、性格で分ける。スタッフに発注を任せるときも、この二層の考え方ごと渡すと、安全在庫の膨張と使い方の雑さを、同時に防げます。

はなぱぱ
はなぱぱ

FFの袋がたくさんある状態だと、使い方が雑になってくるんですよ。何枚も使ったり、「まとめてお入れしてもよろしいでしょうか?」という言葉が出なくなったり。お箸も、確認せずに必要以上に渡してしまう。逆に、必要な量だけ持つようにすると、しっかり確認するようになるし、「使いすぎるとなくなるな」という感覚があれば、無駄にお渡しすることもない。在庫の量が、スタッフの言葉遣いまで変える——これに気づいてからは、消耗品の在庫は「多めが安心」とは思わなくなりましたね。


よくある質問(FAQ)

Q1. 「ホルムズ・コスト」とは何ですか?

中東・ホルムズ海峡の緊張により、石油由来の基礎原料ナフサの調達が不安定・高騰し、手袋・袋・ラップ・容器などナフサ由来の資材コストが上がっている問題の通称です(報道の表現に基づきます)。価格は市況ピークからやや落ち着いたものの、輸送費等の上乗せで高止まりし、さらに大手優先の供給で中堅以下に資材が回りにくいという「量の問題」も指摘されています。

Q2. コンビニの消耗品費は、月いくらくらいかかりますか?

私の3店舗の実数で月およそ3万円・4万円・5万5,000円、売上にほぼ比例していました。ただしカウンターコーヒーの販売数が多い店はカップ・蓋などでこの金額が万単位で増えるはずで、FF構成比でも大きく変わります。自店の損益の「消耗品費」を一度見てみることをおすすめします。

Q3. 何がいちばん値上がりしていますか?

報道ベースではニトリル手袋などナフサ系資材が2〜3割の値上げ。私の体感でいちばん激しいのはFFフライヤーの油で、2022年頃から約2倍(8kgで4,000円前後)になった実感です。次いでスプーン・フォーク・袋などのプラスチック系。資材インフレは2022年から続いており、ナフサ問題はその第2波と捉えています。

Q4. 消耗品の値上げは、店の利益にどのくらい効きますか?

モデル計算(客単価600円×粗利率30%=1人あたり粗利180円)では、消耗品が2割上がると月4万円の店で月8,000円の増加=月44人分・年533人分の来店粗利に相当します。500人の集客を増やすより、消耗品の点検のほうが早い——という規模感です。数値はモデルなので、必ず自店の実数で計算してください。

Q5. 本部ルートと自分での購入、どちらが安いのですか?

ものによります。基本はすべて本部ルートで揃いますが、比べるとホームセンターや通販のほうが安いものも結構あります。目安は「お客様に見えるもの・商品や衛生に関わるものは本部指定を守る」「コインケースなど従業員側の道具は自由に工夫する」という線引きです。

Q6. 本部指定の資材を、勝手に安いものへ変えてもいいですか?

おすすめしません。お客様に見える資材(袋・カトラリー・包材など)はブランドの統一と品質・衛生基準のために指定されているのが基本で、契約や運用ルールに関わります。変えたい事情があるときは、自己判断ではなく本部・SVに相談するのが筋です。工夫の主戦場は、お客様に見えないバックヤード側にあります。

Q7. セルフレジで、お箸などを取りすぎられてしまいます。対策は?

「ご自由にどうぞ」の置きっぱなしをやめて、①補充を小分けにして「少し緊張感のある量」を保つ、②声の届く位置に置いてスタッフから「お箸おつけしますか」と声をかけられる動線にする、③手渡し併用に切り替える——のが現実的です。在庫が潤沢に見えるほど持ちすぎは起きやすい、という構造を踏まえた置き方の設計が効きます。

Q8. 消耗品の発注をスタッフに任せると、在庫が増えすぎます。どうすれば?

任された人は「切らしたら迷惑」と考えるので、多めに頼むのは自然な心理です。責めるのではなく、①品目ごとに発注点と上限を決める、②置き場を決めて量を見える化する、③「厚く持つもの(衛生系)と絞って持つもの(お渡し資材)」の二層の考え方ごと共有する——仕組みで解決するのがおすすめです。

Q9. コロナのような供給難に、どう備えればいいですか?

衛生・安全に関わる資材(手袋・アルコール・マスクなど)だけは平時から在庫を厚めに持つことです。コロナ期には本部の調達力をもってしても割当制になり、店の必要量を下回りました。全部を備蓄する必要はありません。「切れたら営業と信頼に響くもの」だけを選んで厚くする、が現実的です。

Q10. 消耗品費の見直しは、何から始めればいいですか?

年に一度の「消耗品棚卸し」です。品目・単価・月の使用量・調達先(本部ルートか自店購入か)を一覧にするだけで、「これは自分で買うほうが安い」「これは在庫が多すぎる」が見えてきます。原価率数%だからこそ、誰も見ていない——見るだけで差がつく領域です。本記事の数値・体感は2026年8月2日時点のものです。


まとめ:数%の行を、年に一度だけ見る

ホルムズ海峡発のナフサ高で、手袋・袋・ラップなど資材は2〜3割の値上げ(報道ベース)。私の3店舗の消耗品費は月3万・4万・5万5,000円と売上に比例し、モデル換算では月300人分、値上げ分だけで年500人分の来店粗利に相当します。体感でいちばん上がったのは2022年から約2倍のFF油で、資材インフレは4年目——ホルムズは第2波です。FCの工夫の主戦場は「お客様に見えないバックヤード側」(コインケースなど従業員用品は自店調達で安くなるものが多い)。コロナ期の「モノが来ない」記憶から、衛生資材だけは厚く持つ。そして最大の発見は、在庫の量が接客の言葉まで変えること——袋が山ほどあると「まとめてお入れしましょうか」が消え、必要な量だけだと確認の一言が戻ってくる。答えは在庫の二層管理です。厚く持つもの(衛生)と、絞って持つもの(お渡し資材)。原価率数%の行を、年に一度だけ、まじまじと見る——それだけで、500人分の集客に匹敵する仕事になります。

この記事の要点

  1. ナフサ高で手袋・袋等の資材は2〜3割値上げ(報道ベース)=「ホルムズ・コスト」
  2. 報道の外食中堅例:月200万円のコスト増=集客2,000人分に相当
  3. 自店3店舗の消耗品費は月3万・4万・5万5,000円で売上に比例(コーヒーが多い店は上振れ)
  4. モデル換算:月5.5万円=月305人分の来店粗利、2割値上げ=年533人分
  5. 体感の値上げ1位はFF油=2022年頃から約2倍(8kgで4,000円前後・実感値)
  6. レジ袋は有料化=価格転嫁済みで「痛くない」唯一の資材
  7. FCの線引き:お客様に見えるもの=本部指定/従業員側の道具=工夫の主戦場
  8. コロナ期は本部調達力でも割当制に=衛生資材だけは平時から厚く持つ
  9. 在庫が潤沢だと使い方が雑になり「まとめてお入れしましょうか」の言葉が消える
  10. 答えは在庫の二層管理=厚く持つ衛生系と、絞って持つお渡し資材+年1回の消耗品棚卸し

次のアクション

  • [ ] 今月の損益の「消耗品費」を確認し、金額の大きい順に品目ベスト5を書き出す
  • [ ] 自店の客単価×粗利率で「消耗品費は月何人分の来店粗利か」を換算してみる
  • [ ] 品目ごとに「本部ルート/自店購入」を色分けし、従業員側の道具は価格を比べてみる
  • [ ] 衛生資材(手袋・アルコール等)の安全在庫ラインを決めて厚めに確保する
  • [ ] お渡し資材(袋・カトラリー)は発注点と上限を決め、補充は小分けにする
  • [ ] セルフ提供のカトラリーの置き方・量・声かけ動線を一度見直す
  • [ ] 年に一度の「消耗品棚卸し」をカレンダーに入れる(品目・単価・使用量・調達先)

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コストと数字を点検する

衛生と現場オペレーション

発注と在庫の考え方

参考|公式情報

本記事の金額は筆者店舗の実数と体感に基づく現場情報です。原材料・エネルギー動向や経費見直しの一般的な情報は、下記の公式情報をご参照ください


ホルムズ海峡は、地図で見ればはるか遠くです。でもその海峡の緊張は、タンカーと工場と問屋を伝って、うちの店のバックヤードの棚——手袋の箱と、袋の束のところまで、確かに届いています。

対して、私たちにできることは小さい。単価を見比べる。在庫の上限を決める。「お箸はおつけしますか」と確認する。どれも数十円、数枚の話です。でも、その数十円の積み重ねが月に数万円になり、月300人分のお客様の粗利と同じ重さになる。

そして何より——在庫を少し絞ったレジから、「まとめてお入れしましょうか」という言葉が戻ってくる。コストの点検が、接客の言葉を連れて帰ってくる。そんなことが、店には起きるのです。

遠い海峡は変えられません。目の前の棚なら、今日変えられます。

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経営者
はじめまして、はなぱぱです。 コンビニ経営に携わって13年。 店舗での経験や経営者としての苦労、従業員教育の工夫などをまとめています。 経営者や店舗責任者はもちろん、従業員の方にもわかりやすく役立つ情報を発信していきます。
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