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日販72万円・7月の応募4,000人|まいばすけっとは「欲しい」に応え、コンビニ本部は「売りたい」を広告にした——同じ週の2つのニュース【現役オーナー】

hanapapa
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同じ週に、2つのニュースが届きました。

9月22日は、イオン系の都市型小型スーパー「まいばすけっと」の数字でした。1店あたりの平均日販は約72万円。店は1,323店から、2030年度に2,500店へ。パート・アルバイトは年に1万人を採用し、7月だけで約4,000人の応募があったそうです(日本経済新聞)。

9月25日は、コンビニ大手3陣営のリテールメディアでした。店内のサイネージやアプリに、購買データを使って広告を流す事業です。伊藤忠グループはこの売上が100億円を前倒しで超え、セブン-イレブンはサイネージの設置店を約3,700店から8,700店へ広げ、ローソンはPontaの約1.2億IDとKDDIの位置情報を組み合わせる。背景には、新しく店を出す余地が小さくなり、大手の既存店売上がマイナス傾向という現実がある、と報じられています。

並べて読んで、思ったことがあります。まいばすけっとは、客と働き手の「欲しい」に応えている。広告は、売り手の「売りたい」を勧める場所だ。どちらが良い、悪いの話ではありません。向いている方向が、違うのです。

そして店の実感を言えば、うちの3店舗は、全店がまいばすけっとの影響を受けています。まいばすで買い物をした人が、公共料金を払いにうちの店へ来る。「食品・飲料はまいばす、ホットスナックや公共料金はコンビニ」——まいばすけっと自身が説明する使い分けは、レジから見ても、そのとおりです。

この記事では、まいばすけっとが応えている「欲しい」を、客と働き手の順に分解します。そのうえで広告という「売りたい」を並べ、店は誰の「欲しい」に応えるのかを考えます。

  • ニュース——同じ週に届いた、2つの数字
  • 客の「欲しい」——食費の割合は44年ぶり。欲しいものを、安く置いた店
  • 使い分け——食品と飲料はまいばす、公共料金はコンビニ
  • 働き手の「欲しい」——時給1,400円と、覚えることの少なさ
  • 売り手の「売りたい」——広告は本部の正当な収益。でも、指名買いは生まない
  • 店は、誰の「欲しい」に応えるか

※まいばすけっとの数値は2026年9月22日の日本経済新聞と、同社の2025年度実績を伝えた流通ニュース(2026年4月)、リテールメディアの内容は9月25日の日本経済新聞に基づきます。大手コンビニの日販は2026年2月期決算の報道によります。自店の話は私の店(3店舗)での実感で、店の場所は伏せています。2026年9月26日時点の情報です。


本記事の位置づけ|競合と価格シリーズの「まいばすけっとの数字——『欲しい』に応える店と、『売りたい』を勧める画面」の他業種に学ぶ記事

本記事は、まいばすけっとの平均日販約72万円・2,500店計画・年1万人採用という数字・食費の割合が44年ぶりの高さの中で「安いものに切り替えた」人の受け皿になった理由・「食品・飲料はまいばす、公共料金はコンビニ」という使い分けと売上にならない収納代行・覚えることの少なさと時給で選ばれる働き場・コンビニ大手のリテールメディアが勧める「売りたい」と指名買いの「欲しい」の違い・値段で勝てない店が応えられるものを、現役オーナーの3店舗の実感で整理した記事です。「店頭と同価格の宅配は、コンビニの『近さ』をいくらで買うか」で書いた「本当の競合は、まいばすけっと×宅配網」の数字編で、以下の関連記事とあわせて読むと、お客様と働き手の「欲しい」から店を考える視点が揃います。

🛒 まいばすけっとと、使い分け

📺 「売りたい」と「欲しい」

🤝 働き手の「欲しい」と、人で選ばれる店

「まいばすけっとと使い分け → 『売りたい』と『欲しい』 → 働き手と、人で選ばれる店」の順で読むと、値段で勝負せず、お客様と働き手の「欲しい」に応える視点が身につきます。

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第1章:ニュース——同じ週に届いた、2つの数字

まいばすけっと

項目内容
平均日販(1店・2025年度)約72万円(71万7,000円)
店舗数1,323店(2025年度末)→ 2,500店(2030年度目標)
売上高3,300億円(2025年度)→ 約7,000億円(2030年度目標)
業績2025年度は売上13%増・営業利益6%増。客数は全世代で増加
採用7月の応募約4,000人・採用は月約1,000人(年1万人規模)
時給4期連続で引き上げ。日中でも1,400円を超える店が少なくない
運営全店直営。店舗の運営を簡素化・標準化

コンビニ3陣営のリテールメディア

陣営内容
伊藤忠グループ(ファミリーマート)リテールメディアの売上が100億円を前倒しで突破。サイネージ「ファミマTV」の設置店カバー率は約70%、購買データは約6,000万ID。8月末に電通グループと提携
セブン-イレブン9月1日、電通・サイバーエージェントと新会社。サイネージの設置店を約3,700店から8,700店へ(2027年2月まで)
ローソン9月1日、KDDI・三菱商事と新会社。レジ上の「ローソンビジョン」に、Pontaの約1.2億IDとKDDIの位置情報を組み合わせる
市場の見通し店舗事業者のリテールメディア広告は、2025年の830億円から2029年に1,939億円へ(CARTA HDとデジタルインファクトの予測)

日販72万円という数字

大手コンビニの全店平均日販は、2026年2月期でセブン-イレブン約69.9万円、ローソン約59.8万円、ファミリーマート約58.5万円と報じられています。集計の仕方が違う可能性があるので単純には比べられません。それでも、まいばすけっと自身が「コンビニと比較しても競争優位性のある水準まで来た」と説明しています。都市の小さな店で、コンビニ並みか、それ以上を売っている。しかも全店が直営で、オーナーはいません。

同じ週に、一方は店の中で選ばれている数字を出し、もう一方は店の外で稼ぐ道を広げた。この2つを、順番に見ていきます。


第2章:客の「欲しい」——食費の割合は44年ぶり。欲しいものを、安く置いた店

食費が、家計のなかで重くなった

まず、お客様の財布の中です。内閣府のレポート(2026年9月)によると、家計の消費に占める食費の割合、いわゆるエンゲル係数は、2025年に28.6%。1981年以来、44年ぶりの高さです。2026年も1〜6月の平均で28.5%と、高いままです。

理由ははっきりしていて、食費の伸びが、消費全体の伸びを上回っている。その多くは値上がりによるものです。飲食料品の値上げは、2026年の1〜11月の判明分で1万9,083品目、9月だけで4,923品目と今年最多にのぼります(帝国データバンク・8月31日発表)。

では、お客様はどう対応しているか。同じレポートが引く内閣府の世論調査(2023年9月)では、食品の値上がりへの対応で最も多かったのが「価格の安いものに切り替えた」の59.5%でした。

念のため書いておくと、賃金全体で見れば、物価を差し引いた実質賃金は2026年7月に+2.4%で、7ヶ月続けてプラスになっています(厚生労働省。夏のボーナスが寄与)。それでも財布が苦しく感じるのは、毎日買う食べ物が、ほかの支出より速く上がっているからだと思います。

まいばすけっとは、欲しいものを安く置いた

その「安いものに切り替えた」の受け皿が、まいばすけっとです。売れ筋は、氷・水・カット野菜・ヨーグルト。どれも毎日のように要るもので、お客様が「それが欲しい」と思って買いに行く、指名買いの品です。手巻きおにぎりを139円から116円に下げたら、売れ方が一変したそうです。

コンビニ各社のおにぎり値下げは、10円から19円でした。23円下げて116円。この差は、店の努力ではどうにもなりません。イオンの物流網と商品の力です。

安さには3つの作り方があると書いたとき、サプライチェーンを変えて安くするのは、お客様からも、同じ小売の立場からも信頼される理想的な形だ、と書きました。まいばすけっとの安さは、まさにその作り方です。

はなぱぱ
はなぱぱ

イオンの物流網や商品を活用して、今の時代に低価格で提供している。消費者目線に立って、寄り添っている感じがします。結果が物語っているんじゃないかなって。節約したり、支出をできるだけ抑えたい状況のなかで、選ばれる理由があるなと感じます。消費者の欲しいもの、労働者の欲しいものに応えていると思います。

「増やしたい」の行き先

ひとつ、別の数字もあります。デロイト トーマツの2026年度の調査では、これから支出を増やしたいものとして「食料品(生鮮など)」を挙げた人が、調査開始以来で最も多くなりました(報道では16%)。

ただ、その増やしたい分が、まいばすけっとからコンビニに戻ってくるとは、私は思っていません。向かう先は、外食や、特別な日のちょっと良いものでしょう。内閣府のレポートも、外食については、日常は節約して、年末年始や夏休みなどハレの日にはお金を使う、という選別が進んでいるという業界の見方を紹介しています。毎日の分は安く、特別な日の分は良いものに。その毎日の分を、まいばすけっとが取っています。


第3章:使い分け——食品と飲料はまいばす、公共料金はコンビニ

空白地帯ではなく、コンビニの近くに出る

うちの3店舗は、全店がまいばすけっとの影響を受けています。気づいたことがあります。まいばすけっとが出てくるのは、店のない空白地帯ではありません。コンビニの近くです。

はなぱぱ
はなぱぱ

全店、影響を受けています。まいばすの出店場所が、空白地帯ではなくコンビニの近くなんですよね。人の取り合いで勝てると踏んでいるのかなって。

人の取り合い——お客様の取り合いであり、たぶん、働き手の取り合いでもあります。同じ駅前の、同じ通りの、同じ人たちを取り合う。そして、勝てると踏んで出てくる。2,500店という計画は、その自信の表れだと思います。

レジから見える、使い分け

まいばすけっと自身が、コンビニからお客様が流れてきていることを認め、「ホットスナックや公共料金はコンビニ、食品・飲料はまいばす」という使い分けが起きている、と説明しています。これは、レジから見ても、そのとおりです。

はなぱぱ
はなぱぱ

すごく感じますね。その通りだと思います。まいばすで買い物をした人が、公共料金を払いに来るケースが多いんです。その公共料金のレシートに、手数料110円とか出ようものなら、何を言われるか。

払いに来る人は、店の売上にならない

公共料金の支払いは、店の売上になるのか。JFAの統計でも、電気・ガス・水道などの公共料金の収納代行は、サービスの売上に含まれません。収納代行は儲からない、と言われる理由は以前書いたとおりで、店にとっては、ほぼ手間の仕事です。

しかも、手数料の話があります。払込票によっては、払う人が負担する手数料が印字されているものがあります。その手数料を受け取っているのは、コンビニではなく、請求元の企業です。それでも、レシートに110円と出れば、言われるのはレジの人です。

まとめると、こうなります。食べるもの、飲むものはまいばすで。売上にならない支払いと、ときどき手数料の文句は、コンビニで。使い分けで残ったのは、そういう仕事でした。

それでも、残ったもの

ただ、悲観だけでもありません。使い分けで残ったもう一つは、ホットスナックです。8月の統計でも、揚げ物は好調な品目に挙がっていました。できたての温かいものは、まいばすけっとにはない。そして公共料金を払いに来る人は、少なくとも、店の中まで来てくれています。

もうひとつ、まいばすけっと自身が明かしていることがあります。郊外では、「週末にまとめ買いして、平日に買い足す」という習慣が根付いておらず、苦戦しているそうです。都市の暮らし方に合わせた店だ、ということです。近くにまいばすけっとがない地域のコンビニにとっては、当面は別の話かもしれません。


第4章:働き手の「欲しい」——時給1,400円と、覚えることの少なさ

応募は、7月だけで4,000人

まいばすけっとは、働く場としても人気です。時給は4期続けて引き上げ、日中でも1,400円を超える店が少なくない。そして、「コンビニより覚える業務が少ない」ことが応募を集めていると、会社自身が説明しています。7月の応募は約4,000人、採用は月に約1,000人。人手不足の時代に、採用は順調だといいます。

覚える業務が少ないのは、偶然ではありません。店の運営を簡素化・標準化して、速く出店しても管理のレベルを落とさない仕組みを作った、と同社は説明しています。覚えることを減らしたのは、設計の結果です。

「何でもできる」は、客には強み、働き手には壁

時給二極化の記事で、コンビニの仕事は覚えることが30種類ほどあり、それは人を遠ざける「壁」であり、人を店につなぎとめる「錨」でもある、と書きました。

まいばすけっとは、その壁を低くして、時給を上げました。

そして、ここに皮肉な構図があります。まいばすけっとで買い物をした人が、公共料金を払いにコンビニへ来る。お客様が使いに来るのは、コンビニの「何でもできる」です。その「何でもできる」こそが、コンビニの採用を難しくしている。お客様に選ばれている理由と、働き手に避けられる理由が、同じものなのです。

辞めた人の行き先は、分からない

うちの店を辞めた人が、まいばすけっとに行ったかどうかは、分かりません。

はなぱぱ
はなぱぱ

その後については、あまり把握する手段がないんです。本人から聞く以外にないので、確かめようがないんですけど、小売をやっていた人なら、同じような職種に就くんじゃないかなと思います。

同じ通りに、覚えることが少なくて、時給も高い店がある。小売の経験がある人が次にどこへ行くかは、想像がつきます。

壁を下げる。身につくものを、言葉にする

時給で追いかけるのは、難しい。だから、このブログでは別の手を書いてきました。ひとつは、壁を下げること。レジを教えない2時間の枠は、覚えることの多い仕事から、覚えなくていい仕事を切り出す設計でした。もうひとつは、この店で何が身につくかを、言葉にして渡すこと。覚えることの多さを、「何でもできるようになる」に言い換える。


第5章:売り手の「売りたい」——広告は本部の正当な収益。でも、指名買いは生まない

本部が、広告に向かう理由

ここで、もう一つのニュースに戻ります。コンビニ大手が、そろってリテールメディアを成長の柱にし始めた理由は、報道が書いているとおりです。新しく店を出す余地は小さくなり、既存店の売上はマイナス傾向。8月の統計でも、来店客数は14ヶ月続けて前年を下回っていました。店の売上だけに頼らない収益を探すのは、本部として当然の動きだと思います。

「広告収入は本部へ」は、変わらずスマートだと思う

レジ上のサイネージの記事で、私は、広告収入が本部に入る仕組みを「スマートだ」と書きました。画面を用意し、広告主に営業するのは本部です。投資した者が、回収する。その考えは、いまも変わっていません。

広告は、売りたいものを勧める場所

ただ、今回の2つのニュースを並べると、はっきり見えることがあります。

はなぱぱ
はなぱぱ

「広告収入は本部へ、それでスマート」という考えは変わっていません。ただ、物価が上がるようになった時代に、まいばすは安くていいものを提供しようとしている。サイネージとか広告って、売りたいものをおすすめする場所でしょう?この点が、売り手目線だと思うんです。買い上げ点数や単価のアップ、来店動機につながるのかもしれないけど、「それが欲しい」という指名買いかと言われたら、違いますよね。

1.2億のIDと位置情報を組み合わせれば、勧め方は、もっと精密になるでしょう。でも、どれだけ精密になっても、勧めているのは売り手の「売りたい」です。お客様が「それが欲しい」と思って店に来る理由とは、別のものです。

「売りたい」と「欲しい」が重なるとき

誤解のないように書くと、広告が無意味だと言いたいのではありません。コンビニの棚は、探していなかったものに出会う場所で、「SNSで見たやつだ」「面白そうだ」という出会いは、確かに買い上げ点数を増やします。広告がその出会いを作ることもある。

問題は、順番です。売り手の都合と、買い手の都合は、=にならない。まいばすけっとの氷と水とヨーグルトは、お客様の「欲しい」から始まっています。広告は、売り手の「売りたい」から始まっている。来店の理由になるのは、いつも「欲しい」のほうです。


第6章:店は、誰の「欲しい」に応えるか

値段では、勝てない

最初に、認めておきます。116円のおにぎりに、店の努力で並ぶことはできません。物流網と商品の話は、店の手の届かないところにあります。安さでは、客数は戻らない。値段の勝負は、しません。

公共料金を払いに来た人は、店の中にいる

では、何ができるか。まず、公共料金を払いに来てくれる人がいます。売上にはならなくても、その人は店の中にいる。目的買いで来た人を、通う客に変えると書いた話と同じです。入口を入ってすぐの棚に、まいばすけっとにないものを置く。できたての温かいもの、今日の発見。支払いを待たせない。手数料を聞かれたら、誰が受け取っているのかを、落ち着いて説明する。

客の「欲しい」と、働き手の「欲しい」

まいばすけっとは、客と働き手の両方の「欲しい」に応えていました。客には、安くていいもの。働き手には、高めの時給と、覚えやすい仕事。

コンビニの店が応えられる「欲しい」は、別のところにあります。客には、できたて、近さ、開いている時間、そして人。年配のお客様は、値段ではなく「人」で店を選ぶと書きました。働き手には、覚えやすく切り出した仕事と、ここで身につくもの、そして相談できる関係。どれも、本部の広告からは生まれません。店が、自分で作るものです。

答え合わせの約束

まいばすけっとは、2030年度に2,500店を目指しています。コンビニの近くへの出店は、これからも続くでしょう。月ごとの統計では、加工食品と客数を、近くの出店と並べて見ていきます。そしてリテールメディアが、加盟店の客数に何か変化をもたらすのか。変化があれば、この記事に追記します。


よくある質問(FAQ)

Q1. まいばすけっとの業績は、どうなっていますか?

イオン系の都市型小型スーパーで、2025年度の1店あたり平均日販は約72万円(71万7,000円)、店舗数は1,323店、売上高は3,300億円でした。売上は13%増、営業利益は6%増で、客数は全世代で増えています。2030年度に日販80万円・2,500店・売上高約7,000億円を目指しています(2026年9月22日の日本経済新聞、2026年4月の流通ニュース)。

Q2. まいばすけっとの日販は、コンビニより高いのですか?

大手コンビニの全店平均日販は、2026年2月期でセブン-イレブン約69.9万円、ローソン約59.8万円、ファミリーマート約58.5万円と報じられています。集計の仕方が違う可能性があるため単純には比べられませんが、まいばすけっと自身が「コンビニと比較しても競争優位性のある水準まで来た」と説明しています。

Q3. なぜ、コンビニのお客様がまいばすけっとに流れるのですか?

食費が家計で重くなっているからだと考えています。エンゲル係数は2025年に28.6%で44年ぶりの高さ。食品の値上がりへの対応で最も多いのは「価格の安いものに切り替えた」59.5%です(内閣府)。まいばすけっとはイオンの物流網と商品で、氷・水・カット野菜・ヨーグルトなど毎日要るものを安く置き、手巻きおにぎりを139円から116円に下げて売れ方が一変したといいます。

Q4. 「食品・飲料はまいばす、公共料金はコンビニ」とは、どういうことですか?

まいばすけっと自身が説明している使い分けで、食品や飲料はまいばすけっとで買い、ホットスナックや公共料金の支払いはコンビニで、という使い方です。私の店でも、まいばすけっとで買い物をした人が公共料金を払いに来るケースが多く、レジから見てもそのとおりです。まいばすけっとは空白地帯ではなく、コンビニの近くに出店しています。

Q5. 公共料金の支払いは、コンビニの売上になりますか?手数料は誰が受け取っていますか?

JFAの統計では、電気・ガス・水道などの公共料金の収納代行は、サービスの売上に含まれません。払込票によっては払う人が負担する手数料が印字されているものがありますが、その手数料を受け取っているのはコンビニではなく請求元の企業です。それでもレシートに手数料が出れば、言われるのはレジの人です。店にとっては売上にならない、手間の仕事です。

Q6. まいばすけっとには、なぜ働き手が集まるのですか?

時給が4期続けて引き上げられ、日中でも1,400円を超える店が少なくないことと、「コンビニより覚える業務が少ない」ことが理由だと、同社は説明しています。7月の応募は約4,000人、採用は月に約1,000人です。店の運営を簡素化・標準化した設計の結果で、覚えることが多いコンビニとは対照的です。

Q7. コンビニのリテールメディアとは?大手3陣営は何をしていますか?

店内のサイネージやアプリ・ECに、購買データを使って広告を流す事業の総称です。伊藤忠グループ(ファミリーマート)は売上100億円を前倒しで突破し、セブン-イレブンは電通・サイバーエージェントと新会社を作ってサイネージを約3,700店から8,700店へ、ローソンはKDDI・三菱商事と新会社を作りPontaの約1.2億IDと位置情報を組み合わせます(2026年9月25日時点の報道)。

Q8. 広告収入は加盟店に入りますか?広告は来店につながりますか?

私の理解では、広告収入は本部の収益です。画面を用意し広告主に営業するのは本部なので、投資した者が回収する、筋の通った仕組みだと考えています。ただ、広告は売りたいものを勧める場所です。買い上げ点数や単価のアップにはつながるかもしれませんが、お客様が「それが欲しい」と思って来る指名買いの理由とは別のものだと考えています。

Q9. コンビニは、まいばすけっとにどう向き合えばいいですか?

値段では勝負しません。物流網と商品の力は、店の手の届かないところにあるからです。店が応えられるのは、できたての温かいもの、近さ、開いている時間、そして人。公共料金を払いに来た人は店の中にいるので、入口すぐの棚にまいばすけっとにないものを置く。働き手には、覚えやすく切り出した仕事と、ここで身につくものを言葉にして渡す。どれも本部の広告からは生まれない、店が自分で作るものです。

Q10. この記事の情報の出典は?

まいばすけっとの数値は2026年9月22日の日本経済新聞と2026年4月の流通ニュース、リテールメディアは9月25日の日本経済新聞、市場予測はCARTA HDとデジタルインファクトの調査、大手コンビニの日販は2026年2月期決算の報道、エンゲル係数と食品高騰への対応は内閣府の「今週の指標」(2026年9月)、値上げ品目数は帝国データバンク、実質賃金は厚生労働省の毎月勤労統計、支出意向はデロイト トーマツの調査、収納代行の扱いはJFAの統計調査月報に基づきます。自店の話は私の店(3店舗)での実感です。


まとめ:「欲しい」に応える店と、「売りたい」を勧める画面

同じ週に届いた2つのニュースは、向いている方向が違いました。まいばすけっとは平均日販約72万円、2030年度に2,500店、採用は年1万人。食費の割合が44年ぶりの高さになった時代に、イオンの物流網と商品で、氷・水・カット野菜・ヨーグルトという指名買いの品を安く置いた。働き手には、時給1,400円超と、覚えることの少ない仕事を用意した。客と働き手の「欲しい」に応えているから、結果が出ています。うちの3店舗も全店が影響を受けていて、まいばすけっとはコンビニの近くに出てきます。「食品・飲料はまいばす、公共料金はコンビニ」という使い分けはレジから見てもそのとおりで、公共料金の支払いは店の売上にならず、手数料が出れば言われるのはレジの人です。一方、コンビニ大手はリテールメディアを成長の柱にし始めました。広告収入が本部に入るのは、投資した者が回収する、筋の通った仕組みです。ただ、広告は売りたいものを勧める場所で、「それが欲しい」という指名買いの理由とは別のものです。値段では勝てない店が応えられるのは、できたて、近さ、開いている時間、人。働き手には、覚えやすく切り出した仕事と、身につくもの。どれも、店が自分で作るものです。

この記事の要点

  1. まいばすけっとは平均日販約72万円・2030年度に2,500店・採用は年1万人(報道・同社)
  2. 大手コンビニの全店平均日販は約58.5〜69.9万円(2026年2月期・報道)。定義の違いはあるが、同社は「コンビニ比で競争優位」と説明
  3. エンゲル係数は2025年に28.6%で44年ぶりの高さ=毎日買う食べ物が、ほかより速く上がっている
  4. まいばすけっとの売れ筋は氷・水・カット野菜・ヨーグルト=指名買いの品を安く。おにぎりは139円→116円
  5. 出店はコンビニの近く。「食品・飲料はまいばす、公共料金はコンビニ」の使い分けはレジから見てもそのとおり
  6. 公共料金の収納代行は売上にならない。手数料は請求元の企業が受け取るのに、言われるのはレジ
  7. 時給1,400円超と覚える業務の少なさで応募は月4,000人=コンビニの「何でもできる」は、客には強み、働き手には壁
  8. リテールメディアは3陣営の成長の柱。広告収入が本部に入るのは、投資した者が回収する筋の通った仕組み
  9. ただし広告は「売りたい」を勧める場所=来店の理由になるのは、いつも客の「欲しい」のほう
  10. 値段では勝てない店が応えられるのは、できたて・近さ・時間・人。働き手には、覚えやすい仕事と身につくもの

次のアクション

  • [ ] 近くの低価格スーパーの売れ筋と価格を、一度自分の目で見て回る
  • [ ] 公共料金だけを払いに来るお客様が、1日にどれくらいいるかをスタッフと数えてみる
  • [ ] 手数料を聞かれたときの答え方(受け取っているのは請求元の企業)を、店で揃えておく
  • [ ] ホットスナックなど「できたて」の品揃えと出す時間を見直す(使い分けで残った強み)
  • [ ] 覚えることの多い業務のうち、切り出せるものを書き出す(採用の壁を下げる)
  • [ ] 募集の紙に、時給の次に「ここで何が身につくか」を書く
  • [ ] 月ごとの統計の加工食品と客数を、近くの出店状況と並べて見る

このブログ内の関連記事

まいばすけっとと、使い分け

「売りたい」と「欲しい」

働き手の「欲しい」と、人で選ばれる店

参考|公式情報


まいばすけっとの袋を提げた人が、公共料金の払込票を持って、うちのレジに並ぶ。

食べるものは向こうで、払うものはこちらで。お客様は、正直です。安くていいものがあれば、そちらで買う。何でもできる店があれば、そこで用を済ませる。

画面は、売りたいものを勧めます。それは本部の仕事で、筋の通った仕事です。でも、お客様が明日もう一度来る理由は、画面の中にはありません。

欲しいものに、応える。お客様にも、ここで働く人にも。値段で勝てない店にできるのは、結局、そこからです。

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経営者
はじめまして、はなぱぱです。 コンビニ経営に携わって13年。 店舗での経験や経営者としての苦労、従業員教育の工夫などをまとめています。 経営者や店舗責任者はもちろん、従業員の方にもわかりやすく役立つ情報を発信していきます。
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